インスタント沼

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

不思議なものを信じない沈丁花ハナメは、編集長をやっていた雑誌が廃刊になって会社を辞め、“ジリ貧”な毎日。沼に落ちて意識不明になった母が、30年前に“沈丁花ノブロウ”に宛てた手紙が発見される。そこには、ノブロウがハナメの父だと書いてあった。ハナメは、「電球商店」という骨董屋を営むノブロウを探し当てる。

思ったこと

ビミョ〜。
ショートコントの連続という感じで、このノリについていける人にはおもしろいのかもしんないけど、私には分かんなかった・・・。
2、3カ所は笑えるところもあったがね・・・「死んだふりしないで!」とかね。
あと「赤ちゃんプレゼント 森永ドライミルク」の看板とか「USA牧場」とかね、細かいところでいろいろ凝ってるよね・・・そういうのがなんだか小賢しいの。

30才くらいと思われる沈丁花ハナメは、キイキイ騒々しく子供っぽい女・・・まあこういう30代はけっこういるとは思うけど・・・しかしまったくもって編集長っぽくはないな。
ハナメがしゃべりまくり畳みかけてくるオープニングはけっこうおもしろかったので期待したんだけど。
黒ウサギを飼っているというところに好感をもったが(私も黒ウサギを飼ってるから)、ウサギ繁殖牧場にお嫁さんを探しに行って、自分のウサギを見失う・・・。
ア・リ・エ・ナ〜イ!
アリエナイことはあってはならないのですよ!
ウサギってどれも似たように思えるかもしれないけど、色とか毛並みとか顔の形とかかなり個体差あるの。
普通にかわいがっていたら、分かんないなんてことはないの。
スズメや白文鳥とかだったらまぎれちゃうのも分かるけどさ〜(小鳥愛好家だったらアリエナイと言う?)。
ここで、ハナメのことをまったく好きになれなくなった。
ただ、着ている服やネックレスはどれもこれもかわいい。

うさんくさいおっさん、電球=沈丁花ノブロウの存在感は良かったな。
ウソばっかり言って、浮き世離れしてて、子供のまんま大人になったみたい。
こういう人と友達づきあいするって楽しそう。
気分が向いたときに会いに行けばいつでも相手してくれて、くだらないことをだらだらしゃべるの。
「テンション上げるには、水道の蛇口をひねろ!」と一緒に走りたい!

飄々と「ほら、カッパがいるでしょ」と言う、ハナメの母もかわいい。
電球のおっちゃんと再会してほしかったな・・・。

タイトルにもなっている“インスタント沼”だが、沼ってそういうものだっけ・・・?
それ、“インスタント泥”なんじゃないの?
カッパはきれいな水にしか棲めないと思う。

インスタント沼
(2009年 日本)
監督・脚本/三木聡
出演/麻生久美子(沈丁花ハナメ)
   風間杜夫(電球/沈丁花ノブロウ)
   加瀬亮(ガス)
   松坂慶子(ハナメの母)
   相田翔子(和歌子)
   笹野高史(出版社部長)
   ふせえり(市ノ瀬)
   白石美帆(立花)
   松岡俊介(雨夜)
   温水洋一(サラリーマン)
   宮藤官九郎(刑事・椹木)
   渡辺哲(刑事・隈部)
   村松利史(リサイクル業者・東)
   松重豊(リサイクル業者・川端)
   森下能幸(リサイクル業者・大谷)
   粟根まこと(白い骨董屋)
   五月女ケイ子(看護師)
   岩松了(泰安貿易社長)
公式サイト

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レッド・クリフ part II −未来への最終決戦−

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

赤壁で対峙する魏・曹操の軍vs呉・孫権と蜀・劉備の同盟軍。敵陣をスパイする尚香。魏の軍で疫病が流行り、死体が送りつけられてきて、連合軍にも疫病が蔓延した。戦意を失った劉備軍は撤退する。孔明は残って10万本の矢を調達し、風の動きを読む。周瑜は敵の武将を謀殺する。そして決戦のときが近づいた。

思ったこと

未来って最終決戦って・・・だってこれって1800年も昔で、多くの人が成り行きを知ってる話なんでしょ?
それに冒頭、「この不況の時代、一人ひとりが勇気をもって未来を作ろう! byジョン・ウー」的なメッセージが入っていたが、ウッセーなんであんたにわざわざそんなことを言われなきゃなんないんだよ!と思った。

元気な尚香ちゃんはかわいくて好きなのだが、男だらけの敵陣に入り込んで気付かれないなんてことがあるのだろうか?
蹴鞠が得意な叔材と仲良くなる尚香ちゃん・・・これって友情? それともラブのエピソード?
姫の相手としては不足だな・・・。
スパイ活動を手伝わせ、窮地を助けてもらい、あげくは「きっと帰ってくる」とか適当なこと言って〜!
次に会うときは殺し合わなきゃいけない敵同士だというのは自明なのに、そんなことは考えてもいなそう。
友情にしてもラブにしてもぬるいから、まったくもって感情移入できません。
スパイから戻ってきて、腹に巻いた布をくるくる回りながら披露する、ヘソ出し尚香ちゃん。
何だそりゃ〜(笑)。
しかし、上着をそっとかけてあげるお兄ちゃんには、ちょっとグッときた。

冬至のお団子のシーン。
小学生の頃、給食でフルーツポンチ(白玉団子入り)が大人気で、男子が配膳係をやると自分らの仲間にばかり白玉団子をたくさん入れてイヤだった〜、ひとり3つずつです!・・・という思い出がよみがえったよ。
皆からお団子を分けてもらう周瑜・・・尚香ちゃんや孫権からも分けてもらう周瑜・・・お団子大好きな人なの?

周瑜の嫁、小喬は美女だとは思うが、なんかウザイ。
病人を看病しながらそっと涙ぐむところなんか、これ見よがしな感じで〜。
「あなたの心を乱さないためにお腹に子がいることを黙っていた」と言うならずっと黙っていればいいのに、最高に心を乱させるタイミングでの告白・行動。
そんなに重要人物なのか〜? その女。

今回、曹操がけっこうアホっぽくてかわいかった。
「処刑しろっ!」「(やっぱり)待てっ!」って・・・ちょっと笑っちゃうんですけど。
「華陀を呼べっ!」って言うからてっきり毒でも盛られたかと思ったが、なんだったの?
あと「劉備!?」って声が裏返っちゃうところもおもろい。
「一杯のお茶のせいで戦いの機を逃した」って本気で言ってるのかな・・・?

劉備たちの動きは「え?」という感じで、どうせなら、なんかもっと効果的な演出があったんじゃなかろうか。
ドッカンドッカンと爆発・炎上が見どころなのかもしれないが、派手なばかりで私はあんまり盛り上がれない〜。
周瑜と趙運はめちゃ強いな! こういうのがもっと見たいんだけど。
しかし大将とか将軍がそんな最前線に出ちゃっていいわけ〜?
赤壁の戦いの間、孔明はひとりお留守番をしていたのだろうか?

なんか・・・ずっと思っていたんだけど、周瑜と孔明がふたりで話すとき、顔を近づけすぎだよね・・・それは恋人たちの距離だよ! 周りには静かな空間が広がっているのに!
アップだとトニー・レオンのお肌がちょっと荒れてるのが気になるんだよナー。

レッド・クリフ part II −未来への最終決戦−
赤壁/Red Cliff

(2008年 アメリカ/中国/日本/台湾/韓国)
監督/ジョン・ウー
出演/トニー・レオン(周瑜)
   チャン・チェン(孫権)
   ヴィッキー・チャオ(孫尚香)
   中村獅童(甘興)
   リン・チーリン(小喬)
   ホウ・ヨン(魯粛)
   金城武(孔明)
   ヨウ・ヨン(劉備)
   フー・ジュン(趙雲)
   バーサンジャブ(関羽)
   ザン・ジンシェン(張飛)
   チャン・フォンイー(曹操)
   ソン・ジア(驪姫)
   シェ・ガン(華陀)
   トン・ダーウェイ(叔材)
公式サイト

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おくりびと

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

チェロ奏者の小林大悟は、オーケストラ解散を機に、妻の美香と故郷の山形へ帰る。求人広告で見つけたNKカンパニーを訪れると、社長の佐々木にその場で採用される。その仕事とは、遺体を棺に納める納棺師だった。

思ったこと

納棺の流れるような所作は、茶の湯にも通じる美しさだと思った。
そういえば私は今まで見る機会がなかったので、このようなことが行われているとはまったく知らなかったなぁ。
お葬式のシーンで、遺体を納棺するにしたがい、遺族たちがお別れの気持ちをととのえていく・・・というところは、いろいろ個人的な思い出とかが喚起されてきて泣けた。

最初に提示された仕事の条件を聞いて、いいかも! 私もやるよ、と思ったが、虫は・・・ほんとごめんなさい、やっぱムリです。
ああいうのって警察の仕事ではないの〜?
アメリカの元警察官が書いた小説『あなたに不利な証拠として』で、臭いについて書かれていたのを思い出した。
しかし、大悟の仕事を知った人々が「もっとまともな仕事を見つけろよ」「自分の子供に堂々と言える?」と忌避感をあらわにするのだが、納棺の仕事に対する差別みたいなものが本当にそんなにあるの?

それにしても、泣かせを意図したストーリーと過剰な演出がちょっと鼻につく。
ああ、銭湯のおばちゃんが亡くなるのね・・・とか、行方不明の父親が見つかるんだろうな・・・とか。
コミカルで笑える部分もあることはあるが、大の男が頬をちょっと切られたくらいで騒ぎすぎだし、川の土手でチェロを弾くのは絵作りしすぎ。
石がぽろっと落ちると、「おいおい泣かせどころか〜コラ」と思わず顔が笑っちゃう。
後ろのほうではグスグスすすり泣く音が聞こえていたのに、ニヤニヤしている私はひねくれ者でしょうか・・・。

広末涼子が演じる美香を見ていて、久しぶりに“ブリッコ”という言葉を思い出した。
顔がなんか常に笑っているのに違和感。
タコを投げた川べりで、「もうやめようかな」と言う大悟を、「何を?」と微笑みながらふりあおぐところなんか、「何だこの女〜!?」とか思ってしまいましたが。
大悟の仕事を知って、話を聞く姿勢をろくに見せようともしないのも、「チェロをやめたのも、山形に帰るのも、私笑ってついてきたよね? 本当は悲しかったんだよ」と言うのも最悪〜。
表面的にはニコニコと賛成しておいて、後から「本当はイヤだったけど我慢してた」とか言うタイプの人って信用ならない〜。
でもまあ、この役は他の女優がやったらもっとよくなったとかいうわけでもないと思うので、まあいっかどうでも。

アカデミー賞外国語映画賞の受賞は快挙だとは思うが、あんまり大騒ぎするのも、「アメリカ様から評価されたのがそんなに嬉しいんか」としらける気持ち(ひねくれ者ですから・・・)。
しかし、本木雅弘と山崎努は世界に打ち出して誇らしい日本男児だな!と、プチっとナショナリストな気持ちを覚えたのも確かです。
なんだかんだいって広末涼子も、透明感のあるジャパニーズビューティには間違いないしね〜。

おくりびと
(2008年 日本)
監督/滝田洋二郎
脚本/小山薫堂
音楽/久石譲
出演/本木雅弘(小林大悟)
   広末涼子(小林美香)
   山崎努(佐々木生栄)
   余貴美子(上村百合子)
   吉行和子(山下ツヤ子)
   杉本哲太(山下)
   笹野高史(銭湯の常連客)
   峰岸徹(小林淑希)
公式サイト

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大阪ハムレット

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

久保家の父ヒサノリが死んだ。その後なぜか、父の弟であるおっちゃんが家に居つく。次男・行雄は担任教師から「ハムレットみたいやなぁ」と言われて激昂、だんだん自分の出生について疑念を持ち始める。老け顔の長男・政司は年齢を偽って年上のファザコン大学生とつきあい始める。三男・宏基は「女の子になりたい」と言う。

思ったこと

原作マンガは傑作だけど、映画は凡作だった。
ストーリーの流れやセリフなどは共通しているのに、ここまで感触が違うとは、マンガも映画も演出がすごく大事なんだなぁ!ということがよく分かる。
原作を読んでない方はゼヒ!
デフォルメが効いた非・美男美女たちの織りなす人生の機微に、涙ぽろぽろウケアイだよ!

この映画、いろいろ雑なところが多くて引っかかるんだよねぇ〜。
3人の個性的な子たちのストーリーをひとつにまとめてるのが、そもそも無理矢理だし。

政司が由加に読んであげる絵本は、「テンテンちゃん、お買い物はタマネギじゃない? ううん、違う、タマネギはおうちにあった」と書いてあるのがちらりと見えたんだが、政司が読みあげるのは「テンテンちゃん、お買い物はタマネギじゃない? あっそうだ、タマネギだ」。
なんで内容が変わってるの〜?
さらに「テンテンちゃんはおうちに帰りました。終わり。おもしろかった?」って、全然おもしろくなさそうな話だ!

行雄と宏基が川縁で話しているところで、宏基がどんどん向こうの橋へ歩いて行ってしまうのに、声だけは手前にいるように聞こえてくる。
私いつもはそんなに音響のこととか気にならないんだけど、さすがにこれは気持ち悪いよ!

おっちゃんは、家族皆に色違いでお揃いの品を買ってくるんだが、確か宏基にはピンクの物をあげていた。
新しい赤ちゃんが生まれたら「男の子だったら緑色。女の子なら桃色や」と言っていたけど、ピンクと桃色は同じ色だヨ!

シンデレラの劇が舞踏会のシーンで終わったように見えるのもヘン・・・。
「最高のシンデレラだったよ」って、なんだそりゃ(笑)。
宏基が女の子になりたいという思いを尊重するのは好もしいんだけど、あんまり周りがお膳立てするのもちょっとどーなの?という気もした。
お祖母ちゃんの「男でも女でも生きとったらどっちでもええわい」という言葉(原作どおり)は沁みるけどね〜。
あと、宏基をシンデレラに推薦した同級生のちょい太めメガネの女の子はおもしろかったな〜。
特に何をしたというわけでもないのに一番笑えたよ。

そんななか、悩めるヤンキー次男・行雄は見ごたえあるね。
乱暴者だけど家族思い。
けっこうかわいい顔してるし・・・。
ハムレットのセリフを大阪弁でまくしたてるシーンが印象的。

それと、松坂慶子が演じるお母ちゃんの存在感がイイ!
つらさや悲しみを飲み込みながら、はつらつと働いて、笑顔を絶やさない。
お母ちゃ〜んパフン!と豊満な胸に飛びつきたい気持ち。
小さい頃からとてもモテてたというのに、死んだヒサノリにしろ、居ついた孝則にしろ、パッとしない男とばかりくっつくなんて、菩薩さまの功徳のようだ。

それにしても、大阪って私あんまり縁ないんだけど、なんだか外国みたいに思えるな〜。
こういうところなんだ〜・・・?

大阪ハムレット
(2008年 日本)
監督/光石富士朗
原作/森下裕美
出演/松坂慶子(久保房子)
   岸部一徳(久保孝則)
   久野雅弘(久保政司)
   森田直幸(久保行雄)
   大塚智哉(久保宏基)
   間寛平(久保ヒサノリ)
   加藤夏希(明石由加)
   本上まなみ(亜紀)
   白川和子(ヤエ)
   中村隆天(行雄の担任教師)
公式サイト

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鴨川ホルモー

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

2浪して京大に入った安倍は、新歓コンパで出会った早良の鼻を見初め、普通のサークルだという「京大青龍会」に入った。しかしその実体は、オニ語を駆使してオニ(式神)を操り戦う、千年の歴史をもつという“ホルモー”を行うサークルだった。

思ったこと

Hormo01友人が何人か試写会で観て「イマイチだった」と言っていたけど、原作も読んでないけど、どうしても“オニ語”が見てみたくなったー。
そして、気に入ったー!!
私、もしこのサークルに入ってたら、ハマってたな・・・。
最初はうさんくさそうにオニ語の練習をしていた面々が、実戦になると必死で「ゲロンチョリー!」「ゲロンチョリー!」叫んでるのが笑える。
ホルモーの強さって何で決まるんだろう。
精神力? オニ語のうまさ? 身体のキレ?
でも四神のなかから選ぶなら朱雀がいいので、龍谷大学に入らなきゃ。
龍の谷の大学か・・・いいな。
白虎もちょっと捨てがたいが・・・(イメージだけで語ってます)。

ホルモーの設定って、ゲーマーにはたまらないと思う。
音楽もいかにもって感じだよね。
これがゲーム化されたらやっちゃうかも・・・Wiiでオニ語の指令ができるんなら、我慢していたハードも買っちゃおう!
女は救援隊だというのが不満だが、だからこそ楠木の活躍に盛り上がる。

それ以外のシーンで、いろいろと懐かしさを喚起するところも好き。
大学に入って数カ月後にダレる感じとか、得体の知れないサークル、がやがやとした新歓コンパ、素敵な人を見つけて夢みちゃう気持ち、雑然とした部室、怪しすぎる学生寮、ヒマな学生の奇行・・・あった、あったよー、そういうもの!
細かいギャグもけっこうツボった。

私、山田孝之、好きだなー。
どんな役でも実にそれらしくて見ごたえがある。
早良を部屋にあげたときの、なんか舞い上がってる様子とか、すごく本当にありそうなおもしろさだったよ。
今後、山田くんが出ているというだけで、趣味じゃない映画でも観に行っちゃいそう・・・!

気が弱くて、いざというときにヘタレな長髪、高村は・・・なんだか身近に思えすぎて、自分の学生時代の同級生のような気がしてならない。
ちょんまげの同級生はいなかったけど!

大木凡人似の楠木・・・美少女も、髪型とファッションとしぐさ次第でおかしなことになってしまうというのがよく分かる。
でもカワイイよ、楠木・・・ドアを蹴る様に萌え♡
告白シーンには久々にキュンとしたよ♡

その他、傲然としていてなおかつ圧倒的に強く、反感を覚えつつも頼りになる芦屋とか、きれいでやさしげだけど自己チューな早良とか、それぞれが愛すべきキャラクターだった。

しかし、オニ語のポーズをもっとちゃんと見せてほしかった。
カメラが動いたり一部だけしか映ってなかったりでフラストレーションがたまるんだよ〜。
オニのビジュアルが人形ぽいっていうか、チープすぎなのも不満。
17条にまつわる云々とか、神様の怒りを鎮めるだとか、そのあたりはよく意味が分からん・・・でもきっと、たいした意味はないんだろう。
居酒屋「べろべろばあ」の店長、ホルモー実況中継なんかは、かなりうるさい感じなんだけど、若い役者たちの熱演と、京都の風景だけを見てればいいや。

鴨川ホルモー
(2009年 日本)
監督/本木克英
原作/万城目学
出演/山田孝之(安倍)
   栗山千明(楠木)
   濱田岳(高村)
   石田卓也(芦屋)
   芦名星(早良)
   荒川良々(菅原)
   斉藤祥太(三好兄弟)
   斉藤慶太(三好兄弟)
   渡部豪太(松永)
   藤間宇宙(紀野)
   梅林亮太(坂上)
   石橋蓮司(居酒屋の店長)
   佐藤めぐみ(龍谷大フェニックス会長)
   趙王民和(立命館白虎隊会長)
   和田正人(京産大玄武組会長)
   パパイヤ鈴木(鈴鬼)
公式サイト

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ヤッターマン

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

4つ集めると願いがかなうというドクロストーンをめぐって、ドロンボー一味と毎週戦いを繰り広げるヤッターマン1号・2号。ドクロストーンを探している途中で行方不明になった海江田博士の娘・翔子と一緒に、ドロンボーを追ってオジプトの砂漠、ハルプスの山へと向かう。

思ったこと

生まれてからン十年、いろいろなものになりたいと夢想してきたが、一番初めになりたくなったものは正義の味方の強い女の子だった!ということを思い出させてくれました。
私、タイムボカンシリーズ大好きだコロン・・・。
ビックリドッキリメカとか、何が出るか毎週楽しみだったよなぁ〜!

オープニングのハッチ公像とか、107とか、渋谷壊滅の風景でワクワク。
懐かしアイテムやフレーズにウキウキ。
全体的なテンポはあまり良くないけど・・・いろいろくだらなくて笑えるし、郷愁も手伝って、かなり楽しんでしまいました。

しかし、この実写映画版の主人公はドロンジョさまですな。
深キョンのドロンジョさまは正直かわいらしすぎ・・・。
でもいいの! 深キョンは深キョンであるというそれだけで!
1号に片思いしたドロンジョさまが、ジャマな2号を始末しようとし、それを1号がかばうシーンでは、ドロンジョさまの気持ちを思って泣いちゃいました☆
で、ボヤッキーはメカ作りに長けてるし(毎週負けてるとはいえ、いつも異なるメカと武器を作ってくるのはたいしたものでは?)、トンズラーは意外な包容力を見せていて、ドロンボー一味に入るのも悪くない・・・と思わせられた。
毎度の爆発とおしおきに耐えられる不死身っぷりも魅力だ。
しかしドロンジョさまの夢は、何もドクロストーンがなくたってかなえられそうなカワイイ夢だよね!
ボヤッキーのほうの「全国の女子高生の皆さん・・・」という夢には必要だと思うけど。

「天才ドロンボー」の歌が始まったときには、懐かしさにワーイワーイ♪となったが、いかんせん3人の歌がいまいちで・・・もう少しなんとかならんかったんか。
ただしダンスのばかばかしさはなかなかだ。
自分たちのテーマソングで「やられてもやられてもなんともないな〜い♪」と繰り返すような、そんな負け犬根性だから毎週負けるんだよ、と思った。

ヤッターマンのふたりはまあかわいかったが、ある意味、誰がやっても同じような感じだったかな。
正義の味方なのにいつも敵をスパイしてたり、ヤッターワンの走行は傍迷惑だったり、ヤッターキングに船酔いしてたり、というパロディ的な部分がおもしろかった。
ていうか、かっこよさより笑い重視?
ふたりが飛び上がって変身したり、「ヤッターヤッターヤッターマン!」と決めポーズしたりしたときに、見ている海江田翔子が「ハァ?」みたいな呆然とした顔なのにウケる。
この翔子役の女の子はびっくりするくらい表情がなくて、いったいこの子は何なんだ?と思っていたが、大股開きでヤッターワンにしがみついていたり、サソリに太股を刺されたり、鼻血たらしたり、ハルプスの山でスカートはだけながら頭から降りてたりと、ある意味熱演であった。

しかしちょっとシモネタ多くない?
バージンローダーのおっぱいマシンガン&ミサイルとか、欲情するヤッターワンとか、やばすぎなんですけど。
大喜びしながら観ちゃったけど・・・。

ちなみに、私の考えたワールドワイド版キャスト(ちょっと年くってるが・・・)。
この場合、ヤッターマンたちのアクションをもっと増やします。
ドロンジョ:ニコール・キッドマン
ボヤッキー:生瀬勝久
トンズラー:ジャック・ブラック
ヤッターマン1号:ニコラス・ツェー
ヤッターマン2号:チャン・ツィイー

帰り道、一緒に観た友人と懐かしのアニメソングカラオケに興じたが、タイムボカンシリーズも意外といろいろ覚えているもんですな。
この勢いでDVDボックスとか買ってしまいそうです・・・。
あと商品化されてたら欲しいものは2号さんのマスクと帽子のセット。
ドロンジョさまのコスチュームフルセットも魅力的だが、着て行く場所がないしな〜(2号もないけど)。

ヤッターマン
(2009年 日本)
監督/三池崇史
出演/櫻井翔(高田ガン/ヤッターマン1号)
   福田沙紀(上成愛/ヤッターマン2号)
   深田恭子(ドロンジョ)
   生瀬勝久(ボヤッキー)
   ケンドーコバヤシ(トンズラー)
   阿部サダヲ(海江田博士)
   岡本杏理(海江田翔子)
声/たかはし智秋(オモッチャマ)
  滝口順平(ドクロベエ)
  山寺宏一(ナレーター/ヤッターワン/ヤッターキング)
公式サイト

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デトロイト・メタル・シティ

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

おしゃれな渋谷系ポップミュージシャンになることを夢みて、大分から東京に進学した根岸崇一。しかし、卒業した今、悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のギターボーカル、ヨハネ・クラウザーII世としてカリスマ的人気を博していた。家族や憧れの相川さんには内緒にして、社長からはいたぶられ、本当にやりたい音楽をやれないことに悩む。

思ったこと

「Go To DMC! Go To DMC!」
帰り道、歩調に合わせて口ずさんでしまう感じ・・・。
なんか、意外とおもしろかった! 笑えたし。
事前の期待値があまり高くなかったのと、原作マンガを読んでなかったのが良かったのかもしんない。

冒頭、東京の街を歩く根岸にポップなアニメがからんでくるところもなかなかヘンでおもしろかったけど、DMCが登場した悪魔系アニメのオープニングがいい出来! かっこいい。
ただ、芝居のノリがなんかコントっぽくて、しばらくシラーッとしたままだった。
こういう感じ、TV出身の監督によくある感じがするんだけど・・・私がTVをほとんど観ないからノリに慣れていないだけなんかな・・・。

松山ケンイチはL役のせいで(観てないけど)コスプレ俳優というイメージだったが、立派なコスプレっぷりであったな〜。
クラウザーさんはもちろん、それよりさらに、根岸のくねくねが見ものでした。
佐治くんもだけど、こういう乙女系男子って、ちょっと昔だったら随分生きづらかっただろうに・・・自然体でいられる現代日本っていい時代だね!
なんだかんだ言って、いつもクラウザーさんの衣装とメイク道具を持ち歩いている根岸・・・。
早変わりって、ネイルも塗ったり取ったりしているんだろうか。
悩んでいるけど、実はクラウザーさんになったとき、とても生き生きしているよね。
子供のときの夢にこだわらず、本当の自分の適性を受け入れて、人から求められることの幸せを感じるんだ!!と、心から言いたくなったよ。
クラウザーさんの歌って、てっきり松山ケンイチすげ〜な〜と思っていたら、冠徹弥って・・・知ってる、この人!
ずっと昔、友達が「So What?」のファンで、一緒にライブに行ったことがある・・・なんか「ジャイアン!」とか叫んでた人・・・私自身は全然メタルには興味ないんだけど。
あと、DMC信者の人たちを見るのも楽しかったな。

ただ、もったいないと思われる部分もいろいろ。
インディーズ戦国時代のくだりってなんか唐突で、必要性がよく分からなかった。
金玉ガールズはかわいいし、ちょっと骨がある感じだったのに、出番あれで終わり?
アサトヒデタカがプロデュースプロデュース言うのもギャグかな・・・と思ったけど、あまり効いてこなかった。
加藤ローサちゃんはすこぶるかわいいけど、なんか心情がよく分からないというか・・・音楽雑誌の編集者という設定も特に生かされてなかった気がするし・・・説教されてもなぁ〜。
それに、せっかく「私の好きな人が・・・」と言っているのに、どうして根岸はそこの部分をスルーする!?
ラストの行動もなんなんだよ!?

タバコの火を人に押しつけたり、首から吊り下がったり、そんな表現いいの・・・?と言いたくなるところ多数。
だって映画の中では、そんなんされても平気そうにしてるんだもん。
バカなお子様が真似したりしないかちょっぴり心配だ。

特に笑えたシーン
・トイレで歌い踊る「サリ〜♪」
・戦隊ショーでつぶやく子供「おぉ〜、めちゃくちゃ強そう、だ〜」
・「まるで農家の息子だ!」
・メタル・バッファローに「ベーベーベー」
・ジャック・イル・ダークに「Yes, I do」

あ、クラウザーさんのライブシーンをもう一度観てみたくなっちゃった・・・。

デトロイト・メタル・シティ
(2008年 日本)
監督/李闘士男
原作/若杉公徳
出演/松山ケンイチ(根岸崇一/ヨハネ・クラウザーII世)
  加藤ローサ(相川由利)
  秋山竜次(西田照道/カミュ)
  細田よしひこ(和田真幸/アレクサンダー・ジャギ)
  松雪泰子(デスレコーズ社長)
  鈴木一真(アサトヒデタカ)
  高橋一生(佐治秀紀)
  宮崎美子(根岸啓子)
  加藤諒(根岸俊彦)
  美波(ニナ)
  ジーン・シモンズ(ジャック・イル・ダーク)
公式サイト

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レッド・クリフ part I

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

208年、中国・後漢王朝の末期。北部を制圧した魏の曹操は、80万の兵を率いて南部へと出陣する。多くの民を連れた劉備軍は、長坂において大敗を喫した。孔明は呉の孫権のもとへ赴き、共に曹操と戦おうと説く。呉の軍師・周瑜の賛助を得て両軍は同盟し、赤壁の地にて曹操の兵を迎え討つ。

思ったこと

最初に基本的な国の勢力図と登場人物の説明があります。
また、主要キャラが出てくると名前が添えられるので、分かりやすいです。
なんだかな〜、ゲームの解説みたいっつーか、連続ドラマの続きみたいっつーか。
でもおかげで、三国志についてほとんど知識のない私でも全然大丈夫。
派手で迫力ある映像満載で、2時間半飽きさせないが、それほど盛り上がりはしなかったな・・・。
タイトルは『赤壁』のほうが重厚でいいのに〜と思っていたが、結果的には『レッド・クリフ』がお似合いな雰囲気であった。
武将たちが、それぞれ超人的な戦い方をするのはおもしろい。
“鏡でまぶしい作戦”すごい必殺技っぽくて笑った。
周瑜と孔明が琴セッションで会話してて笑った。
風光明媚な川に曹操軍の船が延々と連なっている光景は、ファンタジー映画のように幻想的。
“八卦の陣”って、巨大マスゲームみたい。
これ、本当に人で作ったんかな・・・すげーな。

キャラとして気に入ったのは関羽!
眉ひとつ髭ひとつ動かさず、踊るように敵をなぎ倒す! 槍ぶんぶんと!!
旗を拾って掲げたところもカッコイイ〜ッ。

私はトニーさまファンだけど、今回の髪型はあんまり似合ってないように思った。
生まれた仔馬の名前は萌萌(モンモン)、というところで思わず吹き出す。
・・・けど、ここ笑うとこじゃなかったかな? 他に笑ってる人いなかった・・・。
周瑜の妻、小喬が絶世の美女だか何か知らないが、いちゃいちゃ仲むつまじいシーン、かなりどうでもいい〜。
トニーさまのベッドシーンはもうおなかいっぱいだよ!(『ラスト、コーション』で)
それよりも戦の話をしようよ!
「1本のワラはすぐちぎれるが、何本も束ねてわらじにしたら丈夫になる」
日本では毛利元就の3本の矢が有名だが、実はチンギス・ハーンも子供たちに5本の矢に例えた話をしたとかで、これはもっと昔ってこと?
私もいつか年をとってエラくなったら、ここぞというときに、若者たちに向かって言ってみた〜い。

金城くんは・・・美形だし好きなんだけど〜、きらきらした瞳とにやっとしがちな口元、あまり知略に富むタイプに見えない・・・。
トニーさまが孔明役のほうが似合ったんじゃないかな〜。
でも周瑜のほうが活躍する役だしね・・・。

なんだか総じて、キャラを見る映画だったという感じ。
もっともっと活躍してほしい人:関羽
たぶん大食いなんだろうな〜と思わせる人:張飛
結婚したら頼りになりそうな人:趙雲
言われるほど役に立っていないように見える人:孔明
悩みを聞いてあげたい人:孫権
存在を忘れてしまいがちな人:劉備
友達いないと何回も言われてちょっと同情しちゃう人:曹操
日本人(倭寇?)でも中国で強く生きていけることを見せてほしい人:甘興

じゃじゃ馬の尚香ちゃんはかわいかったな。
将来、劉備と結婚・・・しないという展開でもいいんじゃないかな!

レッド・クリフ part I
赤壁/Red Cliff

(2008年 アメリカ/中国/日本/台湾/韓国)
監督/ジョン・ウー
出演/トニー・レオン(周瑜)
   チャン・チェン(孫権)
   ヴィッキー・チャオ(孫尚香)
   中村獅童(甘興)
   リン・チーリン(小喬)
   ホウ・ヨン(魯粛)
   金城武(孔明)
   ヨウ・ヨン(劉備)
   フー・ジュン(趙雲)
   バーサンジャブ(関羽)
   ザン・ジンシェン(張飛)
   チャン・フォンイー(曹操)
   ソン・ジア(驪姫)
   シェ・ガン(華陀)
   ワン・ニン(献帝)
公式サイト

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転々

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

大学8年生の文哉は、借金84万円の返済を3日後までに迫られていた。借金取りの福原がやってきて、吉祥寺から霞ヶ関まで歩いていくのにつきあえば100万円をくれると提案する。かくして男ふたりの奇妙な東京散歩が始まった。

思ったこと

なんだか私も東京の町をふらふらと歩いてみたくなった1本。
男ふたりのとりとめのない無駄話が楽しい。
福原愛一郎のような、飄々としたおじさんキャラ、好きです。

文哉と福原が待ち合わせて散歩がスタートしたのは、吉祥寺にある井の頭公園だ。
「いせや公園店」で焼きとりを買うシーンが。
「見るとすごくおいしそうなんだけど、食べるとそうでもないんだよな」って、いせやの焼き鳥ってまさにそんな感じだよねー!
雰囲気でついつい何度も食べてしまうわけだが。
ちなみに“焼きとり”といってもラインナップの半分以上は豚肉であるのを初めて知ったときはビックリした。

「町の小さな時計屋はどうやって生きていってんだろう?」
私も小学生の頃、いつもそばを通る商店街の時計屋を見ながら、同じこと思ってたー!
地元の小さな町で毎日時計が売れているとはとても思えなかったからね。
もしかして現在はもう潰れてんのかも・・・。
カンフーの達人の時計屋さんは、きっと裏稼業があるに違いない。

ふたりが愛玉子(オーギョーチー)を食べるのは、ずっと前に雑誌で見ていつか行きたいな〜と思っていた谷中の店だ〜。
愛玉子って、一見ゼリーなんだけど、独特のむにゅむにゅした食感なんだよねぇ。
レモン味か・・・食べたい!

ふたりの道程をすべて把握できたわけではないが、吉祥寺から霞ヶ関に向かったにしては、かなりくねくねと迂回している感じがする。
まっすぐ向かいたくなかったのかな・・・。

福原がスナックのママ、麻紀子を訪ねる辺りから雰囲気がちょっと変わる。
とはいっても、べたべたとした情愛が展開されるわけではない。
寄せ集めの疑似家族によってもたらされる温かさ。
“すき焼きにマヨネーズ”で、ちょっとほろりときた。
文哉が天涯孤独だということをやけに強調していると思ったら、このためだったのか。
それにしても、ふふみ、おもしれーなー。
若くかわいい女の子で、変人で、見てるだけで笑えて好ましいというのは、なかなか稀有なキャラクターだ。

スーパーの3人のゆる〜いやりとりもなごむし、小ネタはそれぞれにおもしろいんだけど、全体的にはちょっと散漫な印象でした。
なんかどんでん返しとかあるのかな〜と思っていたんだけど・・・。

転々
(2007年 日本)
監督・脚本/三木聡
出演/オダギリジョー(竹村文哉)
   三浦友和(福原愛一郎)
   小泉今日子(麻紀子)
   吉高由里子(ふふみ)
   岩松了(国松)
   ふせえり(仙台)
   松重豊(友部)
   鷲尾真知子(愛玉子店のおばさん)
   石原良純(愛玉子店の息子)
   岸辺一徳(岸辺一徳)
   広田レオナ(鏑木)
   ブラボー小松(ギターマン)
   平岩紙(尚美)
   風見章子(お婆さん)
   笹野高史(畳屋のオヤジ)
   麻生久美子(三日月しずか)
公式サイト

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グーグーだって猫である

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

吉祥寺に住むマンガ家の小島麻子は、15年間ともに暮らした愛猫サバを亡くして、マンガを描けなくなっていた。心配するアシスタントのナオミたち。仔猫のグーグーが家にやってきたり、青自という青年と知り合ったりするうち、麻子は新しい作品づくりにとりかかる意欲を見せるが・・・。

思ったこと

ずっと前、夜に井の頭公園のはずれを自転車で通ったら、暗い木立がライトで照らされ、『グーグーだって猫である』の撮影が行われていた。
迷子になったグーグーを探すシーンかな〜?と思って、小泉今日子かグーグーが見られないかちょっと立ち止まってみたんだけど、残念ながら何も見られなかった。
この場所、どこで出てくるのか楽しみにしていたら、麻子が夢の中(?)でさまようシーンだったよ。
あんな暗い林の中のような風景が、吉祥寺駅から徒歩10分程度の場所にあるというのがスゴイよね。

私はほとんど大島弓子信者なので、マンガの絵とか、セリフやモノローグの一部を聞くだけで、なんかいろいろ思い出してポロポロ泣けてしまうくらい。
冒頭で麻子さんが描いているのは『ダイエット』だ〜!
サバと出会うときに描いているネームは『綿の国星』だ〜!
中学生のナオミが感動したのは『四月怪談』だ〜!
しかし映画としては、かなりイマイチ・・・。
人と猫との魂の触れ合いがテーマだと想像していたけど、猫はけっこう添え物な感じ。
恋愛をストーリーにからめるのは別にいいんだけどさ〜、この監督、動物を家族のように愛する気持ちが分かってないというか、「猫はしょせん猫」って思ってるんじゃない?
ウザイところがたくさんあって観ててうんざりするが、大島弓子に対する想いを勝手に脳内補完してなんとか観てました。

まず“サバ”の発音に違和感が。
サバにまつわるエッセイはずっと愛読していたが、この20年近く“鯖”の発音で読んでいたから・・・。
でも皆“カバ”のイントネーションで発音してる〜。
フランス語で「元気?」という意味だったら、やっぱり「鯖?」じゃないかと思うんだけど・・・。
(私だけでしょうか?)

猫の動きにピュルピュルルなどと効果音がついているのが、かな〜りウザイ!

吉祥寺の町案内みたいになっているところもウザイ。
ええ、吉祥寺はいい町なんですけどもね〜。
しかしベルリンやパリの路地につながっているよう・・・ってちょっと言い過ぎじゃね?
そして、吉祥寺といえば楳図かずお(私も東急の辺りで目撃したことあるよ〜)。
初登場時は笑ってしまったが、出てくるのは1回だけで良かったんじゃね?

ナオミの泣き方がこれ見よがしでウザイ。
大人がわんわん泣いて、病人に「大丈夫だから、ね、ね」なんて気を遣わせるなよー。
公園で殺陣のシーンは一瞬おもしろいが意味不明。
ナオミの彼氏のこととか、どうでもいい。
突然始める説教にいたっては・・・。
上野樹里ちゃんはせっかくかわいいのにね。

青自のキャラもまったくもって好きになれない。
初対面での「あんたみたいな人に飼われる猫は大変だな」というセリフ、いったいどういう見識で言っているのかね?
まさか「ペットに避妊手術をするのは可哀想」と言いたいんじゃないですよね?
「あんた、変わってんね」なんてぶしつけな言葉も大キライ!
エラそうでイヤな奴〜と思っていたが、職業を知ってますます嫌いになった。
エラそうな職業についているエラそうな奴って最悪。
でも加瀬亮の身体の線はキレイですね。

医師や看護士もどうかしている人ばかり。
「私、死ぬんでしょうか」という患者の問いに、「いい質問です」という返答ってあり得る?
これから手術で入院しようとしている患者に対して、「うれしい〜! 今日の私はラッキー」なんて浮かれた対応ってあり得る?
こんな病院にはかかりたくないな。

死んだサバを少女の姿で出したのも失敗だと思う。
大島弓子ファンにとっては、サバはむすっとした顔の青年なんだよっ(メスだけど)。
それはおいといても、少なくとも流れからいえば、お婆さんであるべき。
いちいち口に出さなくてもいいことを、セリフを読み上げるように言われて興醒めも甚だしい。

それから、声を大にして言いたいが、角川書店が登場しすぎ!
「全集」でなく「選集」を発行したのは朝日ソノラマだろ〜。
本屋に行けば、角川書店から出た関連本が並びすぎ!
“マンガを原作にした映画を原作にしたマンガ”って何なのさ。
大島弓子さんはよくこんなのOKしたな〜。

グーグーだって猫である
(2008年 日本)
監督・脚本/犬童一心
原作/大島弓子
出演/小泉今日子(小島麻子)
   上野樹里(ナオミ)
   加瀬亮(沢村青自)
   林直次郎(マモル)
   伊坂達也(タツヤ)
   大島美幸(加奈子)
   村上知子(咲江)
   黒沢かずこ(美智子)
   マーティ・フリードマン(ポール・ウェインバーグ)
   大後寿々花(サバ)
   小林亜星(山本泰助)
   松原智恵子(麻子の母)
   柳英里紗(エリカ)
公式サイト

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同窓会

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

小さな映画プロデュース会社を経営する南克之は、高校時代の初恋の相手である雪と結婚していたが、若い女優と不倫の末、あっさり離婚が決まった。仕事で故郷の島原に帰ると、かつて雪のことが好きだった同級生の文太らに責められる。そんななか、克之は雪が入院したという連絡を受け、同窓会を企画する。

思ったこと

「勘違いは人生最高の悲劇であり喜劇である」
冒頭にこんな文言が出てくると、あぁ、主人公が勘違いする話なんだなぁ、とあからさまに分かってしまっておもしろさ半減だと思うんだけど。
九州弁のせいか音響のせいかセリフが聞きづらいところが多く(特に大人のぶんちゃん)、その一方で展開の先は読めてしまうという・・・逆なら良かったのにネ!
「雪が入院した。医者から3カ月って言われた」ってところで、あぁーそうゆうことね・・・って。
現実的にはこんな勘違い、ずっとし続けているのは無理だろう。
「中垣は結婚式に来ていた?」というところでも、あぁーもしかして・・・と思ったら、そのとおりだったし。
せっかくところどころおもしろいんだから、観客をも勘違いに巻き込んで感情を揺さぶってくるような構成だったら良かったのになーと思うと、ちょっと惜しい。
私には克之は身勝手な男としか思えなかったな(愚かで、ある意味かわいらしいと言えなくもないか・・・)。
あんなプロポーズ、追い詰められるみたいでヤダ。
大人になって現れた中垣が、いかにもマンガ的に作られた役というか、屈託なさすぎるキャラクターなのにもしらっとしてしまった。

予想以上にたくさん挿入された高校時代の回想シーンは、きらきらとした印象。
若き克之も雪もカワイイ。
文太も大人のときより迫力ある。
昔の不良とかって今見るとおもしろいな。
首からお守り下げている人、いたいた!
学校にマドンナ的な美少女がいて男の子たちの憧れ・・・という設定も、昔っぽい。

永作博美は30代後半にして本当にベビーフェイスだね!
あれ、魔法か何か?
この先いったいどんな風に年を重ねていくんだろう・・・と、興味深く見守っていきたい。
関係ないけど、宮崎あおいちゃんもあんな風になりそうな気がするなぁ。

監督・脚本のサタケミキオと、主演の宅間孝行は同一人物。
劇中で主人公が「映画を撮りたい。コメディでラブストーリーで心が温かくなるような・・・」と言うシーンがあるが、それが実現してフーン良かったねって感じ。

同窓会
(2008年 日本)
監督・脚本/サタケミキオ
出演/宅間孝行(南克之/かっつ)
   永作博美(友永雪/ゆき)
   鈴木砂羽(石川えり/ひめ)
   二階堂智(浪越文太/ぶんちゃん)
   阿南敦子(和田政子/わだまさ)
   飯島ぼぼぼ(利根川一/トネイチ)
   伊藤高史(中垣)
   佐藤めぐみ(大崎めぐみ)
   尾高杏奈(少女時代の雪)
   兼子舜(少年時代の克之)
   渡辺大(少年時代のぶんちゃん)
   窪田正孝(少年時代の中垣)
   笑福亭鶴瓶(克之の父)
   うつみ宮土理(克之の母)
   中村獅童(市役所の戸籍係)
公式サイト

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墨攻

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

紀元前370年頃、春秋戦国時代の中国。趙と燕の境にある小国・梁は、10万人の趙軍に攻められる危機に瀕していた。墨家に援軍を頼んでいたが、やってきたのはみすぼらしい身なりの革離一人のみ。梁王から兵に関する全権を与えられ、城を守るために奮闘する。

思ったこと

紀元前4世紀頃というと日本では弥生時代、日本人がやっと集落を作って稲作に励んでいた頃に、すでに中国ではこんな激しく国盗り合戦やっていたのだね〜。
墨家の思想は“非攻”と“兼愛”ということだが、なんか納得できなかった。
革離は最初からかなり好戦的に見えたし、助けを求められたらどんな相手でも助けるって、つまり先に言ってきたほうを助けるってこと?
群雄割拠する戦国時代での平和って何だろ?
いっそどこかの国に統一されてしまったほうが、世は落ち着くんじゃないか?
革離は自分の作戦で敵が火だるまになっているのを目の当たりにしてショックを受けていたし、決して礼を受け取らないというポリシーをわりとあっさり翻したし、逸悦に特別な想いを抱くようになったし・・・で、もしかして墨者としてはまだ未熟な人なんかな?

城壁に囲まれた梁の国民はたったの4000人。
1回の戦闘だけでも(勝ったのに)、かなり人数が減ってしまったように見える。
その上、梁王は邪魔になった人間や生意気な人間にどんどん謀反の嫌疑をかけて排除していくんだから呆れてものもいえない。
こんなダメな国さっさと滅んじゃえばいいよ!・・・と私が見捨てるまでもなく、2千年以上前に既に滅んでいるから安心だ。
それにしてもストーリーが大ざっぱだなぁ・・・。
東伯というお爺さん兵士が死んで逸悦が嘆くが、そんないきなり出てきた人物には感情移入できませんなぁ。
梁適のあんまりな最期も、牛将軍のたくらみかと思えば、ただのミス? そんなのありですか?
終盤で、趙の名将・巷淹中がとった行動もよく分からないから盛り上がれない・・・。
なんで梁王がおめおめと生き残ってんだよ!?
このストーリーの消化不良感って、原作の小説やマンガを読めば解消されるのかしら・・・。

騎馬隊の紅一点、逸悦ってロマンス要員かな。
けっこう足手まといになっていたようだが・・・。
なぜ手をつないで逃げる(笑)。
ふたりが飛び降りる崖、高すぎて怖〜い、でも景色として非常に美しい!
あっさり逸悦に惹かれてしまう革離、今まで女性に免疫がなかったタイプだろうか。

もしも私が兵士だったら、どの役割がいいか考えた。
最初に突撃するのはやっぱりイヤだな〜。すぐ死んじゃいそうだから。
しかし石を運んで落とすばかりの奴隷もつまんないし・・・。
“高貴の象徴”である騎馬隊には憧れるが、弓矢隊のほうがかっこいい気もする。
信義に厚く寡黙で、狙ったものをはずさない弓の達人・・・(しばし妄想タイム)。
それか、軍略や布陣を考えるための城の模型を作る人でもいいな。

墨攻
墨攻/A Battle of Wits

(2006年 中国/日本/香港/韓国)
監督/ジェイコブ・チャン
原作/酒見賢一、森秀樹、久保田千太郎
出演/アンディ・ラウ(革離)
   ワン・チーウェン(梁王)
   チェ・シウォン(梁適)
   ファン・ビンビン(逸悦)
   ウー・チーロン(子団)
   チン・シウホウ(牛子張)
   アン・ソンギ(巷淹中)
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たみおのしあわせ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

オクテで女性慣れしていない民男は、子供の頃に母を亡くし、父・伸男とふたり暮らし。何度もお見合いを繰り返してはまとまらなかったが、とうとう美しく清楚な女性、瞳と婚約にこぎつけた。伸男も大喜びするが、一方で民男に隠れてつき合っていた宮地との関係がぎくしゃくしてくる。

思ったこと

世慣れないタイプで気弱なたみおが、素直で優しい女性と出会ったことでだんだんと心を開いていき、父は無骨ながらも温かいまなざしで見守って、まあ軽く笑いあり涙あり、最後にはほんわかとした結婚式を迎えて良かったね良かったね人生って捨てたもんじゃないよね・・・というのが、タイトルとチラシ写真から予想していたストーリー。
ぜ、全然違ってた・・・!
何この奇妙な味わい・・・?
いったい何が起こったの・・・!?
ていうか私、『たみおのけっこん』というタイトルだと勘違いしており、民男がいかにして結婚するかという話だと思っていたので、わりとその他のエピソードが続くのにとまどってしまった。
“しあわせ”と“けっこん”、似たようなものかと思いきや、後から思えばかなり意味違う・・・。

自宅で過ごす民男と信男を俯瞰するアングルが多用され、しかもぐらぐら揺れがちなので、天井から吊られている電灯の視点かな〜、斬新だな、と思っていたら・・・!
こんなヘンな方向に話が進むとは・・・唖然。

オダギリジョーは今をときめくイケメンだが、服装と髪型でダサ男になれるということがよく分かった。
逆に言えば、服装と髪型さえ改善すれば、皆イケメンになれるのかも!(・・・なれません)
猫背気味でちょっと自信なさそうな感じ、だけど自分の殻は固い感じが、あ〜本当にこういう人いるいる!と思わせてウマイね〜。
民男の仕事の予想:食品メーカーの研究開発部。中小企業のシステム担当。地方公務員。

人づきあいが苦手そうな民男の一方で、父・伸男はいろいろと如才なく、モテそうだな〜。
民男と伸男、男ふたりの暮らしは殺風景で愛想なく、会話もぶっきらぼう。
でも、もくもくと家事をする伸男や、帰宅した父を迎えて急須でお茶を淹れる民男の様子から、安定したふたりの暮らしぶりが感じられます。

瞳の髪型は、ぴしっとお椀をかぶったみたいにツヤツヤなめらかで、なんか注目してしまう。
「私、バカなの。自分で分かってるの。ちゃんと紐をひっぱってくれる人が必要なの・・・」と民男にささやく瞳。
引いた!!
それまでも、なんかうさんくさい女だな〜と思ってはいたが・・・。

大竹しのぶはさすがに上手いし、石田えりもちょっとしか出てこないのにやけに印象に残るし、小林薫はヘンだし、忌野清志郎もヘン!
こういう軽妙な日本映画をもっともっと観たいものです。

たみおのしあわせ
(2007年 日本)
監督・脚本/岩松了
出演/オダギリジョー(神崎民男)
   原田芳雄(神崎伸男)
   麻生久美子(瞳)
   小林薫(透)
   大竹しのぶ(宮地雪江)
   富士眞奈美(レイコ)
   石田えり(宗形)
   忌野清志郎(変な男)
   原田貴和子(日傘を差した女性)
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歩いても 歩いても

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

横山良多は、妻・ゆかりとその連れ子・あつしの3人で実家を訪れた。すでに姉の一家も来ており、たくさんの料理を準備して待っていた母、数年前に自宅の医院を閉めた父とともに、食卓を囲む。今日は15年前に海で死んだ長男・純平の命日なのだ。

思ったこと

人んちの家庭事情を超のぞいちゃった!
そして、まるで自分もその一員であるかのような気分を味わった。
どこにでもありふれている家族の景色のようでいて、実は自分の属している場所以外の様子をじっくり見ることなんてできない・・・。
だって自分がそこに存在するだけで場に影響を与えるし、自分がどう振舞うかも決めなきゃいけないし。
透明人間になった気分で無責任に眺める・・・こういうのこそ私が映画に求めている感触だ。
もちろん、血わき肉踊るスペクタクルというような路線も楽しいけどね。

樹木希林とYOUがふたりで台所に立ち、次から次へとたっぷり料理を作っていく。
なかでもすこぶるおいしそうだったのが、とうもろこしの掻き揚げ!!
こんなん初めて見た。
食べてみたい・・・だけどパチンパチンはじけるのが恐ろしくて自分では作れない・・・。

縁側、低いテーブル、ごちゃごちゃと物があふれた棚、狭い台所、タイルがはがれてくたびれたお風呂・・・まるで自分のいなかを見ているよう。
そこで飛び交う言葉もごくありふれていて、くすっと笑えて、横から垣間見ただけだったら「平凡だけど和やかで幸せそうな一家だねー」って思うだけだろう。
でも、どんな平凡な家にも、抑えつけられた気持ちが隠れている。
何も派手な事件が起こらない1日でも、個々人の感情は大きく揺れ動いている。

「あんなくだらない奴を助けるために、なぜ純平が死ななきゃならなかったんだ!」
亡くなった人の近親者にとっては、15年経っても傷は生々しいまま。
折にふれ、寄せては返す波のように表面に浮かび上がってくる。
・・・そして助けられた人にとっても、重い人生になるんだなぁとつくづく思ってしまった。
のびのびとデブって汗かいて就職に失敗してもいられないかのような・・・。
期待を一身に背負ったまま亡くなってしまった子供は、永遠に完全無欠の存在だから。

樹木希林は、小さな身体でちょこちょこと動き回る姿がかわいいし、いかにも人がよさそうな感じ。
やさしくて世話焼きな母親のあたたかさの裏から、どろどろと冷たく黒くうずまいている毒が時折見える。
決して悪い人じゃない、やさしいお祖母ちゃんであることに変わりはない、だからこそ人って恐ろしい。
まるで自分の肉親に対するように、思慕と嫌悪感が同時に湧き上がってくる。
実際に存在する人物が、すぐ目の前で息づいているかのようだったー。
それに比べると、プライドが高くて偏屈なおじいちゃんはカワイイよな・・・。

良多が抱く両親への反発、実家に帰るのがうっとうしい気持ち。
でも決して捨てられない、逃げられない・・・そしていつもちょっぴり後悔が残ってしまうもの。
リアルな家族への思いが静かにそこにある。

歩いても 歩いても
(2007年 日本)
監督・脚本/是枝裕和
音楽/ゴンチチ
出演/阿部寛(横山良多)
   夏川結衣(ゆかり)
   田中祥平(あつし)
   樹木希林(横山とし子)
   原田芳雄(横山恭平)
   YOU(ちなみ)
   高橋和也(信夫)
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西の魔女が死んだ

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

車の中で、ママが涙を流しながら、まいに「魔女が死んだ」と言った。“魔女”というのは、まいのお祖母ちゃん、イギリス出身のママのママのこと。まいは、かつて中学校へ通うのがいやになり、お祖母ちゃんのもとで過ごしたひと夏のことを回想する。

思ったこと

まい役の女の子は、身近に普通にいそうな感じがするかわいらしさで、ぷくっととんがりがちな口元がセンシティブなローティーンぽい。
サチ・パーカーは、西の魔女、まいのお祖母ちゃんのイメージぴったり。
しかし、いかんせん、ふたりとも棒読みだ・・・。
セリフを一生懸命覚えて、すらすら言おうと頑張っているように聞こえてしょうがなく、なんか安心して見ていられないわー。
「私はもう学校には行かない。あそこは私に苦痛を与える場所でしかないの」
まいがママに言うセリフだが、翻訳か?と思ってしまう不自然さだなー。
「昔から扱いにくい子だった」
シーンとした夜のマンションで、まいに聞こえてしまうのは十分予想できるだろうのに、電話ではっきりとしゃべるママ。
このママって、すごくやさしそうな顔と口調だけど、心の中には違うことを隠していそうというか、なんか信用できない〜と思ってしまった。

小説はずっと前に読んだことがあって、山の自給自足的な暮らしに憧れを感じた覚えがある。
野いちごのジャム作りが素敵!
あんな群生、日本にあり得るの!?
私が小さいときにも近所の草むらで野いちご摘んでおいしく食べていたな〜、たいして量は取れなかったけど。
それに、当時は庭の小屋でニワトリ飼っていて、うみたて卵を取りに行こうとしたら頭の上に飛びかかってきて怖ろしかったこととか、懐かしく思い出したよ。

自分の存在をまるごと受け入れてくれていて、かつ違う価値観を持っている人に会うって、やっぱ大切なことだよね。
お祖母ちゃんが教えてくれた魔女の修業。
「早寝早起き、食事をしっかりとって、規則正しい生活をすること」
まいと一緒に「なぁ〜んだ、そんなつまんないこと・・・」と思ってしまうけど、確かに、私にとってもすごく難しい!
夜中(朝方?)までだらだら起きてて、上の空でジャンクなものを食べて、ぼんやりと眠い頭で昼間を過ごしていたら、澄んだ目と心で真実を見つけることなんてできるわけない!
衣食足りて礼節を知る?・・・って全然意味違うか。
とにかく、この約束は、心に刻んでおこうと思った!
「何でも自分で決めること」
これはわりかし得意かも!
でもあれだよね、自分勝手にやっていいという話じゃないよ(と、自分に釘をさしてみた)。

「女子のつきあいって独特なんだよね」
でもいくつになっても、どんな相手でも、つきあい(人間関係)は大変だよー!と思う。
まい、ガンバレ!
自然体で心を偽らないままで、うまく生きていく道を見つけて!
私もガンバルから。

西の魔女が死んだ
(2008年 日本)
監督/長崎俊一
原作/梨木香歩
出演/サチ・パーカー(おばあちゃん)
   高橋真悠(まい)
   りょう(ママ)
   大森南朋(パパ)
   木村祐一(ゲンジ)
   高橋克実(郵便屋さん)
公式サイト

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崖の上のポニョ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

崖の上の家に住む5才の宗介は、海辺でビンにはまって困っている小さくてヘンな魚を助け、ポニョと名付けた。ポニョと宗介はお互いが好きになるが、父フジモトによってポニョは海に連れ戻されてしまう。「人間になりたい!」と強く願ったポニョは、魔法の力で逃げ出し、宗介のもとへと向かう。

思ったこと

「ポーニョポニョポニョさかなのこ〜♪」
予告編を観たときに衝撃を受けたのは、うねうねとしたポニョの動きがまるで赤ちゃんそのもの。
駿さん、とうとうそんな幼いところまで対象年齢を広げたの・・・!
うう〜柔らかそうでかわいい〜。
脳内に否応なく浸透してくる魔法の歌に導かれて観てきたよ、いそいそと。

宗介は海辺でポニョを拾うと、ぎゅーぎゅー引っ張ったり、ガラスを石で割ったり・・・んな乱暴な!
「死んじゃったかな」って、死ぬってー!
そして家に持って帰って、水道水ジャーッと入れたバケツにぶっこむ。
「死んじゃったかな」って、死ぬってー!
この夏、日本全国で、「ポニョ、ぼくが守ってあげるからね」とかなんとか言いながら、海や川の生きものを手づかみにして水道水で飼おうとするガk、いや、お子さまどもが続出するであろうことを憂慮する・・・。
お父さんお母さんがた、せめて正しい水の用意の仕方について教えてあげてね。
あと、子供だけで一晩過ごしたり、マッチやろうそくを使ったり、船に乗ったりすると危ないから、気をつけようね。
宗介の母リサはわりと好きなタイプの女性だが、あの無謀な運転は許容できないな・・・。
小さな子供がいるのに、スリルを求めてやっているとしか思えない。

多様な生きものでいっぱいの海の中は、いつまでも眺めていたい、いい気持ち。
色鉛筆で描いたような陸の風景も、まるで絵本の世界のようで素敵。
宗介の家の隣、「売地」となっていたけど、いくらくらいかな・・・私ここに住みたいんだけど。

Ponyo01_3しかし「手ぇ出たー! 足出たー!」って、オタマジャクシかよ!
そしてあの顔、カエルというかオオサンショウウオというか・・・。
圧巻はポニョが嵐を呼んで荒れ狂う波の上を疾走する場面!
あまりに気分が高揚して泣けた。
もうこれは理屈じゃないね。
アニメーションにしかできない表現だと思う。

いきなり現れたポニョを宗介とリサは屈託なく歓迎していたが、理屈の通じない人外のものが家に入り込んできた気味悪さをひしひしと感じてしまった。
もし私だったら、理性で差別してはいけないと優しく接しても、ふとした瞬間にビクッと手を引っ込めたりなんかしちゃって、ポニョに嫌われそう・・・。
相反する感情として、大切なものがどんどん変容してしまって手に負えなくなりそうな不安も胸に迫ってくる。
最初ポニョの子供かと思って焦った、わらわらと小さな妹たちも、カワイイがキモイ、キモイがカワイイ。
なんだかこの子たちのほうがポニョより知性がありそうに見えるのが不思議・・・。

フジモトはハウルのなれのはてかね。
なんか一生懸命っぽいのに、皆から疑われ軽んじられていて哀れ・・・。
後半になるとフジモトまで「ポニョ」と呼んでいて笑っちゃう。
「ブリュンヒルデ」じゃなかったのか〜?
奥さん(?)とのサイズ、存在感の差からは、小さなオスが大きなメスに寄生するチョウチンアンコウを連想した。
んで、カンブリア爆発の再現は結局成功したのかな?
この世界の数年後では、両生類顔の子供たちがそこらにはびこってるんじゃないかと想像して・・・コ、コワ〜!

さて、ここでちょっと駿アニメについて振り返ってみた。
改めて、自分自身の成長過程に食い込んできてるなぁ〜と思う。

『ルパン三世 カリオストロの城』★★★
あんまりよく覚えてない。テレビでしか観てないし。
『風の谷のナウシカ』★★★
「そのもの蒼き衣をまといて・・・」のシーンは強烈インパクトだったが、ハマッたのはマンガのほう。テレビでしか観てないし。
『天空の城ラピュタ』★★★★★
最高! 大好き! しかし何回も観てるのに、細かい内容を忘れてしまうので、数年ごとに新鮮な気持ちで楽しめる。忘れっぽいってお得。
『となりのトトロ』★★★★★
ここまで深く心に刷り込まれているのなら、トトロは実在するも同然。
『魔女の宅急便』★★★★
あがいている思春期の自分にオーバーラップしたのだろう。観るたびラストで号泣。
『紅の豚』★★★
ふ〜ん・・・という感じ。
『もののけ姫』★★★
あんまり覚えてないな・・・。しかし、アシタカが「カヤのことは忘れない」と言ったくせ、あっさり忘れてしまったことだけは忘れられない。
『千と千尋の神隠し』★★★★★
あらゆる意味で画期的な傑作だと思う。
『ハウルの動く城』★★
ストーリーには文句いっぱい。しかし、城の動きとか、居心地よさそうな室内とかはさすが。

なんだかんだ言って、駿と同時代に生きられて幸せだ!
もうどんな妄想映画でも構わないので、これからも元気でがんばってください!

崖の上のポニョ
(2008年 日本)
監督・脚本/宮崎駿
音楽/久石譲
声/奈良柚莉愛(ポニョ)
  土井洋輝(宗介)
  山口智子(リサ)
  長嶋一茂(耕一)
  天海祐希(グランマンマーレ)
  所ジョージ(フジモト)
  柊瑠美(赤ちゃんを抱いた婦人)
  矢野顕子(ポニョの妹たち)
  吉行和子(トキ)
  奈良岡朋子(ヨシエ)
公式サイト

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百万円と苦虫女

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

フリーターの鈴子は、ひょんなことから前科持ちになってしまう。家に居づらくなったため、「100万円貯まったら、この家を出ていきます!」と宣言。以来、行く先々でアルバイトをしながら、100万円貯まる度に新しい土地へ転々とする放浪が始まった。

思ったこと

Hyakumanen01_2蒼井優ちゃんは相変わらずかわいかったー♡
暗いっぽい女の子の役が似合うよね。
優ちゃんがいろんなバイト先で地道に働く姿を見るだけで楽しい。
ぼそっとしたさりげないしゃべり方もいい。
普通にそこらにいそうな等身大のファッションもいい。
すごく痩せてて細いのに、パッと見健康的な印象なのもいい。
でも、優ちゃん本来の魅力だけでもっている映画というか、決してそれ以上を引き出せてはいなかったのが残念です・・・。

とにかく脚本がイマイチ。
「女の子が100万円貯めながら、いろいろな場所でアルバイトするとおもしろいかも!」という思いつきがまずあって、頭の中で作り上げた話って感じ。
虚構なら虚構でその世界に連れてってくれればいいんだけど、そんなパワーも感じられず、「ない」「ないない」「ありえない〜」と文句ばかり言いつつ観るハメに。

海の家のバイトで、ひと夏終わる前に100万円は貯まらないだろ。
特別な技能も何もない女の子が、普通のバイトで転々と暮らしていけるほど、現代日本って牧歌的なんでしたっけ?
格差社会をナメんな!って感じ。
家を借りるとき、保証人の欄に保証能力のない人物の名前を勝手に書いて、それが通用するってのもありえなさすぎ。
引っ越すときには、服からカーテンからトランクひとつに収まってしまうマジックに驚嘆。
布団は毎回買ってたのかな?
それから、弟が「受験はしません。皆と一緒の中学に進む」と決心したのがエライことのように描かれてるようだが、なんで?
イジメからは、ある程度逃げてもいいと思うな〜私は。
ドーナツかじりながら大荷物抱えて階段を登るのは相当苦しいだろうから、立ち止まって食べたほうがいいと思うよ!

桃農家のエピソードはまあまあ楽しめた。
桃園の風景と、いかにもな田舎家と、方言ずっぽりの地元の皆さんのおかげ。
なんといっても桃が美味しそうで食べたくなったし!
電話ごしに「おぉ〜」「うぅ〜」とかうなってる、マイペースな村長が特に気に入った。
農家のおばさんの「やれよー!」にも笑っちゃった。
ピエール瀧の「自分たちで・・・」云々というもっともらしい演説は興醒めでしたが。
桃の産地といえばてっきり山梨なのかと条件反射的に思ってしまったけど、「山梨に勝つ」とか言ってるから違ってた・・・これどこだったの?

「好きです」にはプッと吹き出してしまう。
ネギのシーンにもププッと笑ってしまう。
こんなことだから私はダメなんだろうな・・・いろいろと・・・。
中島くんは同級生とかにいたら好感もてそうな雰囲気ではあるが、普通に小っせぇ男〜としか思えない。
何をどう考えてあの行動だったんでしょうね?
大学の心理学で何を勉強してるんだ!?
この一連の体験を経て、鈴子の人生がどう変わったのかもよく分かんなかった。

百万円と苦虫女
(2008年 日本)
監督・脚本/タナダユキ
出演/蒼井優(佐藤鈴子)
   齋藤隆成(佐藤拓也)
   矢島健一(鈴子の父)
   キムラ緑子(鈴子の母)
   平岩紙(リコ)
   弓削智久(リコの彼氏)
   モロ師岡(刑事)
   斎藤歩(海の家の主人)
   竹財輝之助(ユウキ)
   佐々木すみ江(桃農家の絹さん)
   ピエール瀧(桃農家の長男)
   石田太郎(村長)
   笹野高史(喫茶店のマスター)
   森山未來(中島亮平)
公式サイト

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接吻

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

孤独なOL・遠藤京子は、一家3人を惨殺した犯人・坂口秋生をテレビで見て惹かれ、新聞や雑誌の記事をスクラップし、会社をやめてまで裁判の傍聴に通い詰め、差し入れをする。坂口を担当する国選弁護人・長谷川は、思い詰めたような様子の京子のことを心配するうちに、その存在が気になってくる。

思ったこと

遠藤京子と長谷川弁護士が、それぞれ長いセリフをよどみなく滔々と話したり、そのセリフにちょっとよい調子がついていたり、京子が内容をはっきりと口に出しながら坂口への手紙を書いたりするので、なんだか舞台のお芝居を観ているようでした。
うん、それはそれで悪くない。

さえないOL風の遠藤京子だったが、やけに小ぎれいな部屋に住んでいるのが気になる。
親とは絶縁状態らしいが、仕事やめちゃったりなんかもして、そんなにお金に余裕があるの〜?
「タクシーが12400円!? どんなド田舎だよ」って、家賃が高くないことの伏線だったのだろうか。
それから、京子は「いつも皆に無視され、見下されてきた」と心の闇を語るが、ちょっと被害妄想強いタイプ?
若くてきれいで、(長谷川に対していたように)人の目をちゃんと見て自分の気持ちをすらすら言えるんだから、そんな弱者じゃあないんじゃ〜?と思ってしまう。
「一人で旅行したら、自殺するかと疑われた」って、わりとよく聞くような話だしね〜。
“おひとりさま”が珍しくない存在となった現代でも、そんなことが普通にあるのかは疑問ですが。

それでも、坂口秋生の犯罪やメディアの使い方、遠藤京子の一途な思い込みなどは、とても現代的に感じる。
報道陣に囲まれた京子が浮かべる笑み・・・ぞっとさせられます。

京子はひたすら坂口を見つめ続け、想いをつのらせるが、私はこういう一方的な強い気持ちにはどうも拒否反応がある。
なんか、勝手に「あなたはこういう人。私と同じ」と思い込まれてもねぇ〜。
「もっと早く出会っていれば・・・」というセリフがあるが、京子は、凶悪殺人を犯した坂口だからこそ興味を持ったんじゃないのだろうか、という気がしてならない。

トヨエツはいい声してるな〜と思った。
だんまりを決め込む坂口秋生の声を聴きたいと切望する京子に同調してしまっていたためか、坂口が声を発したとき、どきどきした。

中盤はだれ気味で、正直ちょっと眠ぃ〜となっていたが、そして展開はある程度予想がついていたのだが、ラストの数分にはけっこうびっくりした。
く、狂ってる・・・。
女優としての小池栄子に瞠目した瞬間でした。

接吻
(2006年 日本)
監督/万田邦敏
出演/小池栄子(遠藤京子)
   豊川悦司(坂口秋生)
   仲村トオル(長谷川弁護士)
公式サイト

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アフタースクール

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

探偵・北沢は、一流商社に勤めるサラリーマン・木村探しを依頼される。母校の中学校で教師をしている神野に、元同級生だと偽って近づくと、神野は木村と親友だった。しかし、美紀が子供を産んだというのに、木村は連絡がつかず昨日から帰ってこない。何が何だか分からないうちに、神野は北沢の木村探しにつき合わされる。

思ったこと

観た後にスカーッとした気分で「おもしろかった!」と言いたくて、世間で評判が高く、ワクワクさせる予告編の、前作もなかなか凝っていた内田けんじ監督の新作をいそいそと観に行ったわけですが・・・過度な期待はしていなかったつもりが、やっぱり期待し過ぎていたのかなぁ。
フツーでした。
どれほど鮮やかにどんでん返ししてくれるのかと待っていたら、わりと想定内だった。
しかも、この後もうひと返しあるのかと思っていたら、エンドクレジットが流れ始めた。
あまりビックリできなかったことにビックリですよ。
感情を揺さぶられるシーンもなかったしな。
これなら前作の『運命じゃない人』のほうが良かった。
ただ、役者それぞれの力量・持ち味は発揮されていたので、小ネタはおもしろかったかな。
くすくす笑えるところはいくつもあったし。
以下、ネタバレ三昧です、ご注意を。

まず前半がだらだらと盛り上がらない。
「え、木村、いったいどうしちゃったんだろう」とハラハラする気持ちにまったくなれない。
そして後半に話の転回があってからは、誰がどーしてどーなって・・・という事実関係を把握するのに気をとられ、ストーリーの流れに集中できない。
なんかさー、情報がスッと頭に入ってこないのって、映画として作りがイマイチってことじゃない〜?
おまえの理解力が足りないだけだと言われたら、返す言葉もありませんけどもさ〜。
ずっと気になってしょうがなかったのは、最初に木村が女とホテルで会っていたという小さな写真だけで、なんで秘書がわざわざ社長に報告し、社長は大金で探偵を雇ってまで木村を探さなきゃならなかったのかということ。
秘書はあゆみの顔を知っていて、ホテルの女をあゆみと見間違えて、あゆみから木村に情報がもれている可能性を感じたのかな?それにしても別人を見間違えるか?と思ったのだが、よくよく考えてみたら、社長側はあゆみの存在を知らなかったのだった。
じゃあ何故、木村を探すというまわりくどいことをする?
不自然すぎやしない?
「臆病な性格だから」というのでは、全然納得いかないんだけど。
納得いかないといえば、あゆみの死んだふりも。
堅気の男がいきなり死体写真をケータイメールで送ってくるって不審すぎると思わないのか?
ていうか、服が同じというだけで簡単に信じちゃうのって、チョロすぎない?

「おまえは(本当の)木村を知っているのか」という、やさぐれ探偵の言葉。
中学生の頃からずっと親友で、今でもちょくちょく交流しており、すっかり気心が知れた間柄と信じ切っている神野に鋭く切り込む言葉。
・・・と思っていたのに、結局、神野や木村はそのまんまの人間だったってことじゃーん。
そんで最後は警察の組織力で一件落着って、何それー、つまんない。
よく知っていると思っていた相手に意外な一面が隠されているかもしれない・・・というのはおもしろいテーマだと思ったのに肩すかしです。

それから、饒舌な探偵、ヤクザ、たくさんの札束・・・と『運命じゃない人』で見たことあるモチーフがいくつも出てくるのにも鼻白む。
極めつけは「あゆみ」という名前ね。
監督、特別な思い入れがあるんですかね〜?

ひとつ、非常に感心したのは、中学時代の木村と現在の木村がすごく同一人物っぽいとこ!
ぴったりの子役をよく見つけてきたな〜。
木村役の境雅人は、最初はなんだか得体のしれない怪しい雰囲気だったのが、最後にはポヤーッと抜けた感じのキャラに印象が変わっていったのがおもしろかったです。

アフタースクール
(2007年 日本)
監督・脚本/内田けんじ
出演/大泉洋(神野良太郎)
   佐々木蔵之助(北沢雅之)
   境雅人(木村一樹)
   常磐貴子(佐野美紀)
   田端智子(謎の女)
   伊武雅刀(片桐)
   北見敏之(大黒)
   奥田達士(唐沢)
公式サイト

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めがね

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

とある海辺の町にやってきたタエコは、民宿ハマダに宿をとる。主人のユージ、謎の女性サクラ、近隣の高校教師ハルナなど、一風変わった人々が集う独特の雰囲気に最初は馴染めなかったタエコだが、ゆったりとした時間の流れの中で、だんだんとリラックスしていく。

思ったこと

Megane01うーん?
なんかかったるかった。
「たそがれる才能、なくて結構!」と言いたくなっちゃう。
なんか押しつけられているような気がするのが違和感なのかなー。
私自身は“たそがれる”のは得意なほうだと思うけどね。
明るい青と緑が溶け合う海や、白砂ビーチの景色はとてもきれい。
ロケは与論島か〜、沖縄とはまた雰囲気違うのね。
行ってみたくなった。

朝起きたら布団の脇にサクラさんが座っていて「おはようございます」「朝ですよ」と言われたりとか、かき氷は苦手だと言っているのに「氷、ありますよ」と毎度毎度声をかけられたりとか、分かる人だけ分かればいいという排他的な感じがする地図とか、私には馴染めそうにござんせん。
ここらの人々が作り出している独特の空気にノレる人だけが許容されているようで。
馴染める人にはいいんだろうねー。
実際の旅でも、そこの雰囲気に入れるかどうかで、のびのび具合は変わってくるよねー。

「はぁー死にたい」「生徒にかわいい男子がいない」などとつぶやくハルナは、どうも好きになれない。
いちいちつっかかるような言い方するし、「早く飽きてください」とタエコに早く出ていけという意味のことを言ったりするし、単にイヤな子としか思えない。
何か言われたタエコの「いけませんか?」という返答も、会話を打ち切る言葉のようで好きじゃない。

タエコはほぼ毎日違う服を着ている。
滞在日数分の服を持ってきたのかな。
よっぽど洗濯したくなかったんだろう・・・。
タエコも、タエコを追ってきたらしいヨモギも、普段はいったいどういう生活の人たちなんだろう?
こんな何日も南の島での〜んびりしていても大丈夫なんだ?

朝の光の中、民宿のオープンエアなテーブルで朝食を食べるのは素敵だったな。
あと、浜辺で飲むビールはとってもおいしそうだったな。

エンドロールで流れるのは大貫妙子による主題歌「めがね」。
大貫妙子の歌、久しぶりに聴いたけど、やっぱりいいなぁ〜。

めがね
(2007年 日本)
監督・脚本/荻上直子
出演/小林聡美(タエコ)
   もたいまさこ (サクラ)
   市川実日子(ハルナ)
   光石研(ユージ)
   加瀬亮(ヨモギ)
   薬師丸ひろ子(マリンパレスの女主人)
公式サイト

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クワイエットルームにようこそ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

フリーライターの明日香があるとき目覚めると、見知らぬ白い部屋で身体を拘束されていた。そこはクワイエットルームと呼ばれる、精神病院の女子閉鎖病棟の隔離部屋だった。睡眠薬を多量摂取して2日間も昏睡状態だったとか、自殺の疑いがあると言われても、明日香には何かの間違いだとしか思えない。しかし、エキセントリックな入院患者たちと触れ合ううちに、明日香の中で何かが変わり始める・・・。

思ったこと

かつての美少女アイドルというイメージしかなかった内田有紀が、ぼさぼさ頭と汚れた顔でうろうろし、精神的に追いつめられるとじんましんが広がり(これ、まじで気持ち悪い)、「アホが好き」とバカ騒ぎするキャラクターを演じていて、なかなかの体当たり。
動きが生き生きしててかわいいなー。
やっぱスタイルいいし・・・。
私自身も明日香みたいに「おもしろくなきゃイヤ」なとこがあるけれど、おもしろさばかりを追って生きていけるわけもなくて。
クワイエットルームという場所は、自分が思っているよりうんと身近にあるのかもしれない、という気持ちになった。
それほど特別なことでも異常なことでもなく。

脇を固める俳優陣がまた見ごたえたっぷり。
明日香の同棲相手である鉄雄役、宮藤官九郎が出てくると、なんか泣き笑いを誘う。
尻を出したまま「明日香が死ななくて良かったー!」と号泣する場面とか。
ふたりが住んでいた部屋のごちゃごちゃ感は、なんだか友達ん家みたいな親しみを覚えた。
凍り付くような眼差しの厳しいナース、りょうはこれ以上ないだろう!と思えるくらいのハマリ役。
やさしいナースの平岩紙、ぽわーんとしてユーモラスでかわいくて、お友達になりたい感じ。
編み込みヘアの蒼井優ちゃんは、拒食症というのも納得の、折れそうな身体。
トイレで秘密をささやくシーンはぞくぞくしました!
ブルジョア拒食症の、ぼんやりしたサエちゃん、よしよしってしたくなる。
大竹しのぶは、西野をこのうえなくいやらしく演じていて、さすが!
和服の金原さん、最高ー。
眉がつながったコモノが妻夫木くんだったとは、言われるまで気付かなかったよ。
えっ男!?女!?と惑わせる白井医師は意味不明のおもしろさ。

クワイエットルームにようこそ
(2007年 日本)
監督・脚本/松尾スズキ
出演/内田有紀(佐倉明日香)
   宮藤官九郎(鉄雄)
   蒼井優(ミキ)
   大竹しのぶ(西野)
   妻夫木聡(コモノ)
   りょう(江口)
   平岩紙(山岸)
   中村優子(栗田)
   高橋真唯(サエ)
   馬渕英俚可(チリチリ)
   筒井真理子(金原)
   宍戸美和公(水原)
   塚本晋也(明日香の元夫)
   徳井優(白井医師)
   庵野秀明(松原医師)
   河井克夫(内科医)
公式サイト

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刑務所の中

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

ミリタリーおたくの花輪は、銃砲刀剣類等不法所持および火薬類取締法違反で懲役3年の実刑判決を受け、北海道日高刑務所に入れられた。雑居房で同室の4人とともに繰り広げられる刑務所での日々が、コミカルに描かれる。

思ったこと

ああ〜ん、なんか知らないけど、出てくる食べ物がどれもこれもおいしそうに見える〜。
学校給食とか別にたいして好きじゃなかったのに、献立表を見て次は何かな〜と思いながら、あの味も素っ気もない食器で支給されてみたくなった〜というヘンな気持ち。
どんなメニューが出てくるかが、本当に貴重な毎日の楽しみなのだなぁ。
しかし皆さん、本当に甘いものが好きなのね。
私も好きだけど、世の男性たちがそんなに甘いものを食べたがるとは意外です。

刑務所って、ホントにこんな呑気なとこなの・・・?
受刑者たちがどいつもこいつもかわいげがあるように感じられるのは、花輪の目を通して見ているせいだろうか。
中には凶悪な犯罪をおかした者もいるのだが、恐ろしさとか苦悩とか反省とかとは無縁な感じ。
ちょっと思ったのは、このような自由が制限されて厳格に管理された状態では、子供に返ってしまう部分があるのかなぁ・・・と。
告げ口したり看守に気に入られようとしたりする受刑者なんて、小学生みたい。
きちっと規則を守って、言われるとおりに行動しないと、その日その日を生きていけない。
逆に、与えられた環境を受け入れれば、その日その日を生きていける。

「ああー、いい・・・」
「えー、おれが、うそー」
「あ、乳首見るの忘れた」
「おれ、受刑者のなかでこいつがいちばん好き」
花輪を演じる山崎努の、淡々としたセリフ回しが妙に耳に残ります。

出所後にまた集まろうと連絡先をこっそり交換していたのがバレて、懲罰房に入れられる5人。
ここで花輪は最も充実した時を過ごすことになる。
袋貼りという単純作業に集中し、自分で決めたノルマを達成することにこだわり、見知らぬ人が途中まで作業した袋のピシッとした折り目に驚嘆し、集めにくる係の「それじゃ」という口癖に注目する・・・いつでもどこでもその場を楽しんでしまうというか、ちょっとおもしろいことを見つけてしまう性格なのだな。
しかしこれは単に脳天気だということではなく、自分や状況を客観的に観察し、それを一歩引いたところから表現するという知性を感じる。
原作マンガ自体がそういった味わいで、映画でもかなり忠実に再現されているとは思うものの、より脳天気な雰囲気が強くなっている気がしました。

香川照之が演じていた神経質なお坊ちゃんが、『ゆれる』のお兄ちゃんだと想像してみると、さまざまなことから解放されて楽しそうにしているように思えて、なんだか救われる・・・。

刑務所の中
(2002年 日本)
監督/崔洋一
原作/花輪和一
出演/山崎努(花輪)
   香川照之(伊笠)
   田口トモロヲ(田辺)
   松重豊(小屋)
   村松利史(竹伏)
   大杉漣(ティッシュマン高橋)
   窪塚洋介(浜村)

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自虐の詩

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

無口で乱暴者のイサオは、仕事もせずギャンブルにあけくれ、ちょっとでも気に入らないことがあるとちゃぶ台をひっくり返す。そんなイサオを心から愛している内縁の妻、幸江。貧乏に耐え、食堂・あさひ屋で身を粉にして働く幸江だが、ある日妊娠していることが分かり・・・。

思ったこと

『嫌われ松子の一生』の印象を鮮烈に残す中谷美紀が、またまた貧乏で薄幸な女性を演じてる・・・なんかすっかりそういうイメージがついちゃったよ。
ノーメイクで鼻にほくろを付け、今回も大熱演。

前半は出来の悪いコントみたい、後半はなかなか引き込まれる。
あれっ、これって原作の作りを踏襲しているのかしら・・・でも原作マンガは前半もおもしろいし、後半はもっと感情ぐらぐら揺さぶられるよ。
お約束のちゃぶ台返しは、現代の映像技術はすごいな〜と感心するが、それだけ。
何回もやられるとけっこう飽きる。
周辺の人々の大げさなコミカル演技もうっとうしい。
ただ西田敏之は、いるだけでおもしろいな。

しかしさーやっぱさー、中谷美紀は美人過ぎるんじゃないかな、幸江にしては。
あさひ屋のマスターにしつこく恋慕されるのも、「だって美人だもんね」って思っちゃう。
「私は私がきらいよっ」という原作の名セリフがなかったのも残念・・・。
阿部寛のイサオはほとんど喋らず、眼光鋭くパチンコしたりしてるばかりだが、なかなかの存在感ですな。

幸江の中学時代を演じてる子、どこかに普通にいそうな、幸薄さのさりげない風情がいいねぇ〜。
そして熊本さんの異色さは格別だ。
ド貧乏で野性的な熊本さん、学校で飼っているニワトリや亀(食うのか?)を抱えてのっしのっしと歩きます。
裏切り、つかみ合い、そして友情の約束・・・!
アンとダイアナの腹心の友の誓いを連想した。
「幸せになりてっすかぁ〜?」
「ん〜、ちょっこらでえぇ、幸せになってみてぇ〜」
客観的に見ると、映画に流れる時間の中で幸江に起こった変化は、妊娠・出産だけなんだな。
幸せって自分で見つけるもの・・・こう書くと月並みだけど。
大人になった熊本さんも、いい味出してる。
登場時間は短いんだけど、彼女にもいろいろあったんだな〜と想像をかきたてられて、温かい余韻を残します。
人生には明らかに意味がある!

自虐の詩
(2007年 日本)
監督/堤幸彦
原作/業田良家
出演/中谷美紀(森田幸江)
   阿部寛(葉山イサオ)
   西田敏之(森田家康)
   カルーセル麻紀(福本小春)
   遠藤憲一(あさひ屋のマスター)
   竜雷太(組長)
   アジャ・コング(熊本)
   岡珠希(中学時代の幸江)
   丸岡知恵(中学時代の熊本)
   名取裕子(美和子)
   松尾スズキ(中年男)
   蛭子能収(新聞販売店店主)
   ミスターちん(難波警部)
   金児憲史(船場巡査)
   Mr.オクレ(喫茶店店主)
公式サイト

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オリヲン座からの招待状

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

昭和25年に開館した映画館「オリヲン座」が、57年の歴史に幕を閉じることになった。かつて映画の黄金時代、豊田松蔵とトヨ夫妻が経営するオリヲン座をふらりと訪れた貧しい青年留吉は、ここで働きたいと熱心に頼み込む。やがて松蔵が急死すると、トヨと留吉はふたりで支え合いながら映画館を続けるが、だんだんと寂れてくる。

思ったこと

あー、ここんとこ流行りの昭和30年代人情ものね。
ウェッティウェッティ。
意外なことは何も起こらないお話・・・いや、あの映画館が57年も続いたということが意外か。
客足の減った映画館がどうやって今まで生き残ってきたんだろう?
そして、閉館の日に集まったのはいったいどういう人たちなんだろう?
松蔵亡き後、未亡人トヨと弟子留吉の微妙な関係は隣人たちの陰口の対象となり、親しくしてくれる人もいなかったようだが。
佑次と良枝カップルも、小さな子供の時分から、いきなり離婚寸前の倦怠期状態を見せられてもなー。
閉館の日、留吉が涙ながらに感情を込めた挨拶をするのに鼻白む。
抑制のきいた若き日の留吉と同一人物に見えないんだけど。
トヨと留吉は惹かれ合いながらもずっとプラトニックな関係?
それが“純愛”ということなの?

宮沢りえは、古き良き日本女性の、透明感ある美しさを体現していた。
緑のなか、自転車に乗って走る姿が印象に残る。
あんこを鼻にくっつけるりえちゃん・・・なんてお茶目なんだぁ〜!

劇中に出てくる昔の映画を私はほとんど観たことないんだけど、「二十四の瞳」とか「無法松の一生」とか、断片ながら心騒ぐものがありました。
映画の力が強かった時代のヴィヴィッドな興奮をちらりと味わったような気持ち。

オリヲン座からの招待状
(2007年 日本)
監督/三枝健起
原作/浅田次郎
出演/宮沢りえ(豊田トヨ)
   加瀬亮(仙波留吉)
   宇崎竜童(豊田松蔵)
   田口トモロヲ(佑次)
   樋口可南子(良枝)
   小清水一輝(少年時代の祐次)
   工藤あかり(少女時代の良枝)
   中原ひとみ(現代の豊田トヨ)
   原田芳雄(現代の仙波留吉)
公式サイト

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誰も知らない

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

アパートに引っ越してきて大家に挨拶する二人、母けい子と小学6年と自己紹介する明。実は他にも3人の子供たちを隠しており、それぞれ父親が異なり、誰も学校に通ったことがなかった。母が毎日仕事に行く間、きょうだいは家の中だけで過ごし、長男の明が買い物や食事の用意をする。そのうち、母が「出張」と称して家を長く空けるようになり、子供たちだけで生活する。

思ったこと

このきょうだいが実在して、今このときも社会からこぼれ落ちたまま生きているような気がして、観終わって家に帰ってからもずっと気になってしょうがなかった。
なんだか本当のことみたいな手触りを感じる映画だった。
実際に起こった事件を題材にしているということだが、そういうことだけでなく、登場する人々の息づかいが間近に迫ってきた。
後半ではずっと「誰か見つけて!」という祈りが頭の中をぐるぐる回り続けた。

どういう話か事前にだいたい知っていたので、どんな鬼母が出てくるのかと思いきや、YOU演じる母はほがらかで、子供たちと仲良くて、ちゃんと向き合って会話しているように見える。
小さな子供がたくさんいるとアパートが借りられないからという理由で、茂とゆきはスーツケースの中に隠して運ばれるという随分ひどい扱いなのに、いたずらをしているような雰囲気というか、共犯関係を楽しんでいるみたい。
子供たちは皆いきいきと笑っていて、とてもかわいく、大きい二人が家事を分担している様子もほほえましい。
ちょっと拍子抜けして、仲良し家族だな〜くらいの気分で観ていたら、ふいにある場面で冷水を浴びせられる。
おずおずと「学校に行きたいんだけど」と言う京子に、「学校なんか行かなくたっていいよ。何にもいいことないんだから」と母が一蹴するのだ。
そっか・・・最初に明が「小学6年です」と言ってたからそのうち学校に行くのだろうとなんとなく思ってたら、このまま行かせてもらえないんだ・・・。

この母は、子供への愛情がない鬼母なのではなく、自分のことで頭がいっぱいになって現実の責任から目をそらしてしまう成熟していない人だったのだ。
小さな子供たちに必要なのは友達のような母ではなくて、守ってくれる保護者なのだ。
「皆をよろしくね。頼りにしてるよ」という明に向けられた優しげな言葉。
長男はしっかりしているから大丈夫、そのうち落ち着いたら迎えに行くのだから大丈夫、という甘い考えだったのだろう。
そして何が起こったか知ったら、きっと「こんなことになるとは思わなかった・・・」と泣くのだろう。

きょうだいの中では保護者的役割を演じてしっかりして見える明だけど、声をかけられて中学校の野球チームでプレイしているときには、その身体の小ささに改めて気付かされる。

しかしですね、この映画では子供たちをきれいに描き過ぎている気がする。
小さい子たちも聞き分けがよくて、かわいかったりけなげだったりする姿ばかり見せているけど、実際はこんなもんじゃ済まないよね〜。
いらいらした明がきつく当たったりしたときもあったとはいえ、まだ子供なのだもの、弟妹の面倒をみる重圧感をもてあまし、もっとひどい言動に出てもおかしくなかった。
明とゲーセンで仲良くなった同年代の男の子たちが家に入り浸るようになったときも、もっといや〜な感じの展開を予想していたんだが・・・。
ゆきを羽田に連れていくシーンも、ちょっときれいなエピソードに見える・・・。
「こんなにいい子たちなのに可哀想」と思わせるような話になっているのが違和感なのかな。
だって、たとえそれほどいい子じゃなくたって、子供をこんな状況においてはいけないんだから。
見てる分にはつらさが少ないといえるが、なんだか現実のやるせなさがオブラートにくるまれてしまっているようで、ちょっと残念。

誰も知らない
(2004年 日本)
監督・脚本/是枝裕和
音楽/ゴンチチ
出演/柳楽優弥(明)
   YOU(母:福島けい子)
   北浦愛(京子)
   木村飛影(茂)
   清水萌々子(ゆき)
   韓英恵(紗希)
公式サイト

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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

オトンと住んでいた小倉の家を出て、オカンは3歳のボクを連れて筑豊の実家に戻った。オカンはせっせと働いて、外の世界に出て行きたくなったボクを、大分の美術学校に、そして東京の美大に行かせてくれた。まともに勉強も仕事もせず堕落していたボクだが、だんだんとうまくやっていけるようになった頃、オカンを東京に呼び寄せて一緒に住み始める。しかしオカンの身体は癌にむしばまれていた。

思ったこと

オダギリジョーはやっぱりかっこいいなー。
全身ピンクの服がここまでさまになる男ってなかなかいないだろ。
松たか子も芯がしっかりしたかわいさ。
公園で、「あなたのお母さんに会ってみたい」「ほんと?あーオレ、今までで一番幸せかも」みたいな会話をするところ、あまりのベストカップルぶりにくらくらしてしまいました。

樹木希林は、すごく日本のオカン的なものを体現している。
私の母とは全然似ていないのに、ああ〜オカンってこういうものよね・・・と思わせられた。
年をとってから故郷を離れるって大変なことだと思うけど、そこで確実な居場所を得て、息子の仲間たちに慕われ、多くの人と大事に思い思われる関係を築いている。
私がなりたいのってこういう人だなぁ・・・と素直に感じました。
無理して大学にやった息子が遊び暮らして留年しても、きちんと働かずこづかいをせびっても、入院して手術を受けているときに連絡がとれなくっても、「自分がこんなに苦労しているのに」「こんなに思っている親の心を子は分からない」などと暗くなったり恨みがましくなったりしない。
人に多くを与えながら、明るく自分の人生に喜びも見出せる人間・・・私もそういう人を目指したい。

それにしても、樹木希林、抗ガン剤での苦しみ方は鬼気迫っていて恐ろしかった。
当人はもちろん、そばにいる人間はたまんないだろうな・・・。
思ったんだけど、ある程度の年齢がいった役者とか、病気の経験がある役者とかがこんなふうに死ぬ役を演じるのって、身内だったらとても見ていられないのかも。

若い時代のオカンを演じている内田也哉子は、モックンと結婚したときに女性誌でインタビューを読んだっきりでその後は何をしている人かよく知らなかったけど、本作で動いている姿を見て、いい雰囲気をたたえた女性だな〜と思った。
さすが実の母娘、すごく自然に同一人物に見える。
入れ替わったときは、わっ、急に年をとった!と、ちょっとびっくりするけど。

平栗おもしれー。
なんかいいよね、ずっとつきあいがあるヘンな友人。

原作はセンチメンタルなモノローグが鼻について私はいまいち入り込めなかったんだが、松尾スズキ脚本になって変わるかと思いきや、やっぱり要素として残っているのね。
「ぐるぐる、ぐるぐる・・・」みたいな。
この話がここまで国民的に愛されたのは、大事に思い合う母と息子の姿に、皆が理想型を見たのかな〜。
私は世間の人ほど号泣してません、たぶん。

とはいえ、涙腺を刺激されてしまったシーン。
オカンが入院する前に「ぶどう(死んじゃったウサギの名前)は可哀想なことをしたねぇ〜」と涙ぐむところ。
ウサギ好きとしてはたまりませんわ。
それから葬式で、オトンが「栄子と、私は・・・」と声を詰まらせる場面、これはもらい泣いちゃうよな〜。
原作を読んでいるときも、あんまり入り込めないとか思いつつ、この場面だけはうるっときた覚えが。

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
(2007年 日本)
監督/松岡錠司
原作/リリー・フランキー
脚本/松尾スズキ
出演/オダギリジョー(ボク:中川雅也)
   樹木希林(オカン:中川栄子)
   内田也哉子(若い頃のオカン)
   小林薫(オトン)
   松たか子(ミズエ)
   伊藤歩(タマミ)
   勝地涼(平栗)
   平山広行(磯山)
   荒川良々(えのもと)
   渡辺美佐子(筑豊のばあちゃん)
   佐々木すみ江(小倉のばあちゃん)
   田中祥平(小学時代の雅也)
   冨浦智嗣(中学、高校時代の雅也)
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しゃべれども しゃべれども

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

古典落語を愛する気持ちは人一倍ながらパッとしない若手落語家、今昔亭三つ葉は、ひょんなことから自宅で素人相手に落語を教えることになった。生徒は、不愛想で会話が苦手な若い美人の十河五月、関西から転校してきてクラスになじめない小学5年の村林優、口下手のせいで解説の仕事を失った元プロ野球選手の湯河原太一。初めはあまりやる気の感じられない3人だったが、だんだんと打ち解け上達していく。

思ったこと

うーん・・・落語が柱の映画なんだけど、その落語がおもしろく感じられなかったのは致命的だと思うんだよね・・・。
私は落語をほとんど聞いたことないけど、おもしろそうだから一度寄席に行ってみたいな〜くらいには思っていたのに、観終わったあとまったく気持ちが盛り上がらなかった。
「まんじゅうこわい」は初めて知った子供の頃にすごくおもしろいと思った覚えがあるけど、そのわくわく感は戻ってこなかったし、「火焔太鼓」はぶつ切りですじがつかめず、「半鐘? いけないよ、おじゃんになるから」というサゲも現代人にはピンとこないと思うの(少なくとも私は分からなかった・・・)。
私、向いてないのかな〜、落語に・・・。

登場人物にあまり感情移入できなかったのも大きい。
三つ葉は不機嫌で居丈高という印象で、なんでこいつに話し方を習おうと思うのか、共感できない。
脱皮できない自分の焦燥感でいっぱいいっぱいじゃない? この男。
「誰からも好かれる」と十河五月に言われるシーンがあるが、どこがー??

五月は、「不器用な人間がうまく人づきあいできるようになりたくて頑張っている人」ではなくて、「不器用な人間を演じようとしてわざとぶすっとしている人」でしかなかった。
私自身、普通にしているつもりなのに「怒ってる?」「ふくれないで」と幼稚園の頃から言われ続けてきたムクレ顔の人間。
そんな私から見たら、五月は全然努力しているように思えないよ。
苦しさが伝わってこないっつーか。
自分を変えたいと本気で気に病んでいたら、あんなふてぶてしい態度はありえません。
最後に見せる笑顔、映画としては効果的なつもりかもしんないけど、あんな風に微笑むことができるなら、もっと他のときにもできるはずだー!

ハッピーなエンドではあるが、長続きしそうにない気がするなー、この二人。
すぐケンカになるんじゃない?

そんななか、村林少年役の森永悠希くんはかわいくておもしろい!
映画全編のなかで、私が吹き出して笑っちゃったのって、全部悠希くんの場面。

三つ葉が住んでいる下町の家はいいね。
あんな家に、お茶の先生をしてる祖母付きで住みたいです。
あと、何かというと乗っている隅田川の遊覧船もいい雰囲気。

しゃべれども しゃべれども
(2007年 日本)
監督/平山秀幸
原作/佐藤多佳子
出演/国分太一(今昔亭三つ葉)
   香里奈(十河五月)
   森永悠希(村林優)
   松重豊(湯河原太一)
   八千草薫(外山春子)
   伊東四朗(今昔亭小三文)
   占部房子(実川郁子)
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天然コケッコー

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

小・中学生あわせて6人しかいない田舎の分校に、東京からかっこいい転校生、大沢くんがやってきた。中学2年の右田そよは、田舎をバカにするような大沢くんの態度にムッとするものの、だんだんと魅かれていく。海、山、田んぼの風景、移り変わる四季、家族や村の人々に見守られながら、二人の恋が育まれる。

思ったこと

この映画の企画を聞いて以来、公開されるのをとても楽しみに待っていた理由がふたつ。
まず、原作が大好きで、写真で見た子供たちの「あ、これ伊吹ちゃん、カツ代、さっちゃん・・・」と即座に分かるほどのそのまんまぶりにウケちゃったこと。
夏帆の素朴な清らかさはそよちゃんにぴったりだし。
それから、舞台でありロケ地である島根県石見地方が、私の生まれ育った地に近い。
とはいえ、ここまで過疎の村ではなかったし、方言も近いようで遠いんだけど。
めったに注目されることのないエリアだが(でも最近は岩見銀山が話題だよね)、私の子供の頃に比べても失われてきているカントリーな風景を、じっくりとスクリーンで見てみたかった。

さっちゃん! さっちゃんラブリー!!
ぷっくりとした頬が愛らしさの極致。
そよちゃんが自責の念を感じながらおそるおそるお見舞いに行ったとき、ぱっと飛びついてきたさっちゃんの、温かく湿った感じ、乳くさいような小便くさいような(笑)においが、まるで実際に感じられるようでした。
全然わざとらしくない、いい仕事をする子役だなー。

青々とした稲の葉に光る水滴、浜辺へ続く細道、たくさんのとんぼが飛びかう田んぼ、雪景色、ふきのとう、校庭いっぱいの桜・・・と、田舎の風景をきれいに映して季節の移り変わりを表現するベタな演出。
まあ、海、山、田んぼなどを眺めるのは気持ちいいから文句はありませんが。
海岸沿いを走る列車の風景もいいね。
秋祭りで演じられる石見神楽もおもしろい(本物見てみたい)。
くすっと笑えたり、しんみりしたりするエピソードがうまくつなげられているのだが、後で原作を読み直してみたら、ほとんど原作を忠実に再現していただけなのだった。
原作の良さを損なわずにまとめたという意味では、よくできてると言える・・・。
だけど、シゲちゃんとか松田先生とかまで、あんなそっくりさんにする必要はあるのかなー?
なんだかコスプレに見えちゃう。

映画は高校の制服を着たそよちゃんたちが出てきてほのぼのと終わるが、高校に入ってからの話がせつねぇーんだよ・・・とか思うと、複雑な気分で眺めてしまう。
原作未読の方はぜひ読んでみるべし!
二人の関係はこれからなのだ〜。

エンドクレジット見てたら、キャストのところに「ネコ:大沢」と。
なんだそりゃ!? 猫の名前が大沢くん!?
あの猫はロケ地に実際に住んでいる偶然「大沢」という名前の猫で、スカウトされたという話です。

天然コケッコ−
(2007年 日本)
監督/山下敦弘
原作/くらもちふさこ
出演/夏帆(右田そよ)
   岡田将生(大沢広海)
   柳英里沙(田浦伊吹)
   藤村聖子(山辺篤子)
   森下翔梧(右田浩太朗)
   本間るい(田浦カツ代)
   宮澤砂耶(田浦早知子)
   佐藤浩市(右田父)
   夏川結衣(右田母)
   斉藤暁(篤子父)
   廣末哲万(シゲちゃん)
   大内まり(美都子)
   黒田大輔(松田先生)
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さくらん

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

8歳で吉原の玉菊屋に売られた少女は、きよ葉と名付けられた。きかん気が強く何度も脱走を試みるが、そのたびに連れ戻され折檻を受ける。姉花魁、粧ひの挑発に乗って、「吉原一の花魁になってやる」と言い放つきよ葉。17歳になると、美貌と生まれつき備わった手練手管で大人気の女郎となる。そんななか、若く純真な客、惣次郎と恋に落ちた・・・。

思ったこと

極彩色で絢爛豪華な世界・・・でも、それだけ・・・。
蜷川実花のヴィヴィッドな色使いやキッチュな造形はもともと好きだし、安野モヨコは才能ある漫画家だと思うけど、映画は退屈だった。
なんというか、すべてが薄っぺらい。
写真集とか漫画を、スクリーン上で観ているみたい。
ソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』のときと似たような感想。

一人の少女が反抗しながらも花魁になっていく過程、どうしようもなく惚れた恋人との悲しい結末、外の世界に焦がれてやまない思い、ずっとそばで見ててくれた人・・・と、ドラマチックな要素がたっぷりあるにもかかわらず、ストーリーが表面的になぞられていくだけだから、全然気持ちが乗っていかない。
「ああ、笑う鬼だ」のシーン、もっとゾッとさせてほしかったなー。
清次の秘めた思い、もっと切なさを感じさせてほしかったなー。

土屋アンナが、吉原を舞台に“絶世の美女”扱いされるのは、なんだか腑に落ちない。
どっちかというとファニーフェイスっつーか、爬虫類系の顔じゃない?
もちろんすごくカワイイ人だとは思うが。
素のままみたいな雰囲気も気になる・・・(いや、彼女の素を知ってるわけじゃないですがね)。
『下妻物語』のときは、その“素のまま”感が生きていたんだけどねー。
気に入らない女に跳び蹴りをくらわせたり、妊娠したかと思ったら「ウッ」とお腹を押さえてうずくまったりと、人物造形が笑っちゃうほど漫画的(いや、漫画も好きなんですがね)。
それにしても、土屋アンナとか安藤政信って、骨が美しい感じが、いかにも安野モヨコの漫画に出てくるっぽいと思った。

この映画で好きだったところは、頭上高くそびえて吉原と世間を隔てている大門が、巨大な水槽となっていて金魚が宙を泳いでいるところ。
実際にあったら、水槽の掃除をしたり、金魚の世話をしたりが大変だろうなーと思いました。
何かと金魚が映されたのはうれしかった。
金魚、好きなの。

それから、幼いきよ葉が、お風呂で“女の身体”に圧倒されるシーンも印象に残ってる。
おっぱい、おっぱい、いろんなおっぱいがたくさん・・・あの圧迫感て、なんか分かる。
女性監督ならではの感覚と言えましょう。

さくらん
(2007年 日本)
監督/蜷川実花
原作/安野モヨコ
脚本/タナダユキ
音楽/椎名林檎
出演/土屋アンナ(きよ葉/日暮)
   椎名桔平(倉之助)
   成宮寛貴(惣次郎)
   安藤政信(清次)
   菅野美穂(粧ひ)
   木村佳乃(高尾)
   永瀬正敏(光信)
   美波(若菊)
   小泉今日子(お蘭)
   石橋蓮司(楼主)
   夏木マリ(女将)
   小池彩夢(幼いきよ葉)
   山口愛(しげじ)
   市川左團次(ご隠居)
   山本浩司(大工)
   遠藤憲一(坂口)
   津田寛治(粧ひの客)
   長塚圭史(きよ葉の客)
   SABU(床紅葉の客)
   丸山智己(日暮の客)
   小栗旬(花屋)
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あかね空

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

京の豆腐屋で修業し、江戸で店を出そうと深川蛤町の長屋にやってきた永吉。近くに住む桶屋の娘おふみは永吉に魅かれ、なにくれとなく世話をやく。京風の豆腐はなかなか受け入れられなかったが、結婚した二人は精いっぱい営む。幼くして行方不明になった息子の面影を永吉に重ね合わせた老舗豆腐屋、清兵衛とおしの夫婦の隠れた後押しにより、永吉の豆腐屋はだんだんとうまくいくようになった。

思ったこと

お豆腐食べたい〜!
できたてで湯気が立ちほゃんほゃんのお豆腐!
何をかくそう、私の祖父母の家は豆腐屋なのだ。
だから親近感もひとしお。
京の柔らかい豆腐も食べたいが、江戸のしっかりした豆腐も食べたい。
映画の前半では豆腐がたくさん出てきて楽しかったが、後半ではあまり出てこなくなったのが不満・・・。

出会って間もない永吉がおふみに「これが豆のお乳や」と飲ませるシーン。
おふみが目をキラキラさせて「おいしいっ!」と言う。
このシーン、私はちょっと引っかかった。
というのは、こういう絶対「おいしい」と言わなきゃいけない場面で「おいしい」と言うことに、芝居めいたものを感じて抵抗があるから・・・。
その「おいしい」って本心?それとも相手への迎合?とか、余計なことを考えちゃう。
そういうことを素直にできないから、私はカワイイ女になれないのね、きっと。

きゃぴきゃぴ明るい娘おふみを演じる中谷美紀はかわいいが、ちょっと違和感があるな〜と思っていたら、後半は3人の子供を持ちきびきびと強いおかみさんに。
こっちのほうがずっといいねー!
クライマックスでの凛々しさにはほれぼれしました。
長男の栄太郎は絵に描いたような馬鹿息子でイライラさせられる。
次男の悟郎、職人姿がカワイイ♡
末娘のおきみ、セリフが棒読みで、泣くシーンでは「えーんえーん」って感じで微笑ましい。

江戸人情物ストーリーで、波乱に富んではいるけれど、安心して観ていられます。
脇を固める俳優陣も手堅いし。
でも、それ以上のものはなく、特に感動はしなかった。

それにしても、永吉と傳蔵の二役を内野聖陽が演じているって、私、エンドクレジットを見るまで気付かなかったよー。
ビックリした!!
そういえば二人が同時に出てくるシーンはなかったね。
気付いてなかったのって私だけ?
二人は似ているってことか・・・分かってなかった・・・。
傳蔵がどんな日々を過ごして大親分にまでなったのか気になるところ。

あかね空
(2006年 日本)
監督/浜本正機
原作/山本一力
出演/内野聖陽(永吉/傳蔵)
   中谷美紀(おふみ)
   中村梅雀(平田屋)
   勝村政信(嘉次郎)
   泉谷しげる(源治)
   角替和枝(おみつ)
   石橋蓮司(清兵衛)
   岩下志麻(おしの)
   武田航平(栄太郎)
   細田よしひこ(悟郎)
   柳生みゆ(おきみ)
公式サイト

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花とアリス

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

いつも一緒にいる親友同士の花とアリス。電車で見かけた宮本雅志を好きになった花は、高校では彼のいる落語研究会に入部した。ある日、シャッターに頭を激突した宮本にかけよった花は、「先輩は記憶喪失です!」と、自分が今カノだという嘘を信じ込ませる。アリスは花に協力して、宮本の元カノ役を演じるが・・・。

思ったこと

ヘンなストーリー・・・!!
昔の少女マンガみたい。
昔の大島弓子。
ヘンで、そしてリリカル。

きゃっきゃと戯れる二人、花とアリスを見ているだけで至福の時間。
鈴木杏と蒼井優はどちらもかわいいんだけど、作り込まれすぎてない、友達の中にいそうな自然なかわいさがイイ!
肌とか、動きとか、喋り方とかね。
以前、鈴木杏ちゃんを写真で見ては「こんな顔に生まれたかったな〜」などと思ったりしたものだけど、今は断然、蒼井優ちゃんだな。
スクリーンの中で動いている姿を、思わず知らず目で追ってしまう。
雨の中でレインコートをすっぽりかぶって踊る姿、お父さんとのデート、浜辺で一瞬まじになったかと思ったら「じょ・う・だ・ん・で・す・よ」とおどける動き、制服に紙コップのトゥシューズで踊るバレエの美しさ・・・忘れられないシーンがてんこ盛り。

花の行動にはちょっと引く・・・。
少女マンガの主人公にありがちな思い込みの強い恋愛至上主義少女を、実写で見るとコワイということが分かった。
あと、花のお母さんの下着姿がショーゲキです!

アリスと、別々に暮らしているお父さんとのエピソードは心に残る。
高校入学に万年筆をプレゼントして意味があるようなないようなことを話すお父さん、ちょっとつまんなさそうにぼそぼそと話すアリス、二人で歩く鎌倉の景色・・・互いのことをとても大事に思っている気持ちがしみじみと伝わってくる。
アリスが宮本の元カノ役を演じているうちに、「これ覚えてる?」と思いつくまま嘘を並べ立てていくのだけど、いつからかお父さんとの思い出を重ね合わせているようなところが切なかった。

ストーリー自体はどうしようもなくあり得ない展開なんだけど、花も宮本も「そんなやついるか〜!?」と言いたくなる感じなんだけど、ところどころにリアルな手触りが散りばめられているから、いくらか中だるみしつつも、最後までなんとかついていける。

バレエの先生、さばさばーっとしててステキで印象に残った!
うう、やっぱりバレエ習う少女って憧れ・・・。
アリスが一人で踊るシーンは別格として、女の子たちが純白のチュチュでふざけながら写真に収まっているシーンもお気に入り。
かわいい、かわいいよ〜!
やっぱり娘(架空の)にはバレエを習わせよう。

花とアリス
(2004年 日本)
監督・脚本/岩井俊二
出演/鈴木杏(荒井花)
   蒼井優(有栖川徹子/アリス)
   郭智博(宮本雅志)
   相田翔子(アリスの母)
   平泉成(アリスの父)
   阿部寛(アリスの母の連れ)
   木村多江(バレエの先生)
   坂本真(猛烈亭ア太郎)
   広末涼子(編集者)
   大沢たかお(カメラマン)

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リリイ・シュシュのすべて

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

歌手リリイ・シュシュのファンサイト「リリフィリア」では、リリイの音楽に心酔する者が日夜チャットで思いを吐露している・・・。中学2年生の雄一は、星野をボスとする同級生たちに苛められていた。雄一と星野は、中学に入学した当初は同じ剣道部で仲が良かったのだが、夏休みの沖縄旅行後に星野は変わってしまったのだ。

思ったこと

ドビュッシーのアラベスク!
この曲、私が小学校6年生のときに発表会だかコンクールだかのために練習して、その後20歳を過ぎるまで延々と弾き続けてた。
社会人になってピアノをほとんど弾かなくなって、あんなに自分の中を流れているかのように感じていた曲のことをすっかり忘れていた。
映画の中でメロディを耳にするたびに、自分の思春期の頃の感覚と重なって、痛い、痛かった・・・。

この映画で描かれている、中学生たちをとりまく状況は陰惨すぎる!
そういうときに、なんだか純粋で完全なるもの(ここではリリイの音楽)にずぶずぶと浸りきる、そしてそこでだけ本当の自分になれる・・・という感じは、よく分かる気がするなぁ。
大人に庇護されている(はずの)子供時代って、どうしても自分のいる世界がすべてだし、自力でそこから出ていく力はないし、逃げ場のない閉塞感が強い。
そこをなんとか越えて大人になれば、世界は変わることもあるんだよ、と言ってあげたい。
両親の再婚になじめずかつての親友に苛められる雄一にも、自分を制御できないかのような星野にも、クラスの女子から嫌われさらにヒドイ目に遭う九野陽子にも、援助交際をさせられる津田詩織にも・・・。
でも、そこへたどりつくまでに横たわっている時間は、子供にとっては永遠にも思えるほど長大に感じられるのだ・・・。
「近頃の子供は何を考えているか分からないから」という教師の言葉に、大人なんか嫌いだ!という気持ちがたぎる(とっくに大人側の年齢になっているのだが)。
あーあ、気分が落ち込む映画・・・。

リリイ・シュシュのすべて
(2001年 日本)
監督・脚本/岩井俊二
音楽/小林武史
出演/市原隼人(蓮見雄一)
   忍成修吾(星野修介)
   蒼井優(津田詩織)
   伊藤歩(久野陽子)
   細山田隆人(佐々木健太郎)
   松田一沙(神崎すみか)
   吉岡麻由子(小山内先生)
   田中要次(恩田先生)
   阿部知代(蓮見静子)
   稲森いずみ(星野いずみ)
   大沢たかお(高尾旅人)
   市川実和子(島袋)
   カッチャンカッチャン(シーサーさん)
   Salyu(リリイ・シュシュ)
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Love Letter

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

神戸に住む渡辺博子は、3年前に山で遭難した婚約者の藤井樹が忘れられない。彼の中学時代のアルバムを見た博子は、当時住んでいたという小樽の住所に、天国に宛てたつもりで手紙を書いた。すると藤井樹の名前で返事が届き、不思議な文通が始まる。

思ったこと

偶然に偶然が重なった不思議なストーリー、透明感のある世界。
有名な映画だけどなんとなくの内容しか知らなくって、てっきり『ふたりのベロニカ』のようなファンタジーめいた話だとばかり思っていたよ。
途中まではパラレルワールド!?と疑ってたし。
でも恋愛メインの話はちょっぴり苦手なので、私にはイマイチ良さが分かんなかったかも・・・。

中山美穂演じる渡辺博子は、可憐でかわいらしく、触れると壊れてしまいそうに繊細な風情。
いつまでも恋人の死から立ち直れない様子が痛々しく、守ってあげたくなる。
秋葉さんが博子を自分のものにして大事にしたい気持ちもよく分かる。
だけど、だけど、なーんかイラつくのよねーっ!
どうでしょうか、女子の皆さん?
なんか男子と女子で、抱く印象が違いそうな気がするな〜。
死んだ彼のことが忘れられないのは同情しちゃうし、天国に手紙を出すという気持ちもけなげだけど、一人でやってなさい・・・というか。
秋葉さんが自分のことを想っているのは十分知ってるんだろうに、純真な顔をして頼って、でも心は死んだ彼のもの・・・というのが、なんだか潔くない気がするのよねー。
天然でやってるぽいところがまたイラつかせるんだな。
「お元気ですかー」は涙を誘いますが。

小樽の藤井樹はまあ元気でかわいいけど、単に私は中山美穂がそんなに好きじゃないのかもしれない。
中学時代の回想はみずみずしくて良かった!
日直当番とか、図書室のカードとか、クラスメイトのひやかしに泣いちゃったりとか・・・なんだか自分もそこで見ていたかのような気持ちになりました。
この映像の美しさは、思い出の美しさかしら。
ただ、酒井美紀が演じている樹が、成長した中山美穂の樹につながる気があんまりしなかった。

Love Letter
(1995年 日本)
監督・脚本/岩井俊二
出演/中山美穂(渡辺博子/藤井樹)
   豊川悦司(秋葉茂)
   范文雀(藤井晶子)
   篠原勝之(藤井剛吉)
   酒井美紀(少女時代の藤井樹)
   柏原崇(少年時代の藤井樹)
   加賀まりこ(藤井安代)

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キサラギ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

アイドル如月ミキが自殺で世を去って1年。インターネット上で知り合った5人のファンたちが追悼会のために集まった。ファンサイト管理人の家元、落ち着きのない安男、ノリの軽いスネーク、威圧的なオダ・ユージ、挙動不審のイチゴ娘。「自殺ではなく殺されたのでは」と議論し合ううちに、思いがけない事実が次々と明るみに出る。

思ったこと

おんもしれー!
笑えて笑えてたまにほろり・・・というバランスがいいね。
ほとんどの時間、小さな部屋の中で5人の男たちがやいのやいの言っているだけなのに、緩急の変化が絶妙で飽きさせません。
そのうち舞台化とかされそう。

今までアイドルオタクの人に共感を覚えたことはなかったが、5人がいかにミキのことを想っているかを聞くうち、だんだん如月ミキのことが愛おしい気持ちになってくる。
ミキちゃん、なんで死んじゃったの〜、と悼んでしまう。
顔も分からない架空の人物なのに(笑)。
ここまで人の気持ちを熱くさせるのって、それが何であっても、尊いことなのではないか。
“人生の価値”ってこういうことだ!とまで思った。
ひとりひとりが大事な人生を生きていて、その人をとりまく幾人もの気持ちが寄り添っている・・・。
当たり前のことのようだけど、普段はちょっと忘れがち。

5人の俳優のなかでは、香川照之が最も印象に残る。
イチゴ娘、サイコーね。
たたずんでいるだけで笑えるってスゴイ。
最も感情移入しちゃったのは、小栗旬の家元。
「僕だけが・・・」と拗ねる家元・・・いやー切ないよね切ないよね。
ラストにちらりと映されたロッカーで、家元の日常を推察させるというところもよくできてる。
「虫けらだー」という言葉が後から突き刺さってきますね。
ガンバレー、負けるなよー、家元!
5人がただおもしろくキャラ設定されているだけでなく、それぞれの人生の背景をにじませているからこそ、ここまで心に残る映画になったのだろう。
ただ、小栗旬と小出恵介は、どちらもいいんだけど、ちょっと顔の系統が似すぎてるんじゃないかと思うの(たまにパッと区別がつかないことが・・・私だけ?)。

「喪服を着れば盛り上がれるんです!」とか、「ストーカーじゃない。見守っていただけだー」とか、「斜め後ろ45度から見たジョニー・デップ」とか、忘れられないフレーズ満載。
「SHOW ME!!」の破壊力にもヤラれた。
暗い気分になったときも、とりあえず「SHOW ME!!」を思い出せば笑顔を取り戻せそう(でもニヤッとした感じの笑顔かも)。
エンディングのヘタな歌と熱心なダンスも、目頭が熱くなります。
笑えるという噂は聞いてたけど、まさかこんな泣けちゃうとは思わなかったな。

キサラギ
(2007年 日本)
監督/佐藤祐市
脚本/古沢良太
出演/小栗旬(家元)
   ユースケ・サンタマリア(オダ・ユージ)
   小出恵介(スネーク)
   塚地武雄(安男)
   香川照之(イチゴ娘)
   酒井香奈子(如月ミキ)
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フラガール

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

昭和40年、炭鉱の町であった福島県いわき市では、時代の流れとともに炭鉱が閉鎖に向かっていた。新しい産業としてレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」の計画が進められているものの、地元の反対は根強い。そんななか、炭鉱の娘たちにフラを教えるため、東京から元SKD(松竹歌劇団)の花形ダンサー平山まどかがやってきた。

思ったこと

Hula01フラを習っている友人がいることもあり、フラの舞台を幾度か見たことがあります。
これがね〜本当にいいの!
自然に涙が浮かぶ。
プロによる華麗なパフォーマンスももちろん楽しいんだけど、フラ教室の発表会で見られる、はつらつとした若い女の子たち、自分の母や祖母くらいと思われる年齢の女性たちによるゆるゆるとしたダンス・・・これは天国の踊りだと確信した。
(あと、あまり知られていないけど、男性フラもすごくいいんだよ〜。見たことない人はゼヒ!)

そういうわけで、泣きの体勢ばっちりで臨みました。
ま、ストーリーは予定調和で、どーってことないやね。
ハワイアンセンターは成功することに決まっているし、反対派もいつかは分かってくれるし、やさぐれた教師は地元の人々と心を通い合わせて変わっていくし、いくつか不幸は起こるけど皆で乗り越えるし、仲違いした家族とは和解のときがくる。
お約束お約束・・・。
松雪泰子ほかベタな役作りやら、わざとらしいエピソードやら、いかにもCGの炭鉱町やら、思わず失笑してしまう部分も多い。
すすけたような映像も、昔っぽさや炭鉱町っぽさを表現しているのだろうけど、なんだかあざとくも感じる。
だけど、だけれど、いろいろな困難に負けず、フラを会得して踊るガールズを見ているだけで、もう満足しました!!
しかしこの感想って、『ウォーターボーイズ』のシンクロシーンだけで満足、に似てるな〜。

蒼井優ちゃんって何なの!?
今まであまりよく知らなかったが、姿を見ているだけで涙が浮かんでくる、その存在感。
かわええのぉ。
方言もラブリー!
ソロダンスには本当に心を揺さぶるものがあった。

早苗役の徳永えりちゃんもかわいかったなー(最後までいてほしかった・・・)。
私はTVをほとんど観ないので、“南海キャンディーズのしずちゃん”と言われても、あー名前は聞いたことあるけど〜って感じで別にどうという感慨も抱かなかったのだが、泣き声にはハッとした。
それにしても皆、あっという間にダンス上手くなりすぎじゃねー?
特に紀美子(蒼井優)、最初はド素人だったくせに、眠れる才能あったってかー?
まどか(松雪泰子)が「田舎娘には無理」的なこと言ってたが、頑張ればできる程度の話だったんかー?
全然いいんですけどね・・・ダンスには感動したから。

フラガールの一員に“ひらめ”という名前の娘がいたのが気になる・・・。

フラガール
(2006年 日本)
監督/李相日
音楽/ジェイク・シマブクロ
出演/松雪泰子(平山まどか)
   蒼井優(谷川紀美子)
   豊川悦司(谷川洋二朗)
   富司純子(谷川千代)
   徳永えり(木村早苗)
   池津祥子(佐々木初子)
   山崎静代(熊野小百合)
   岸部一徳(吉本紀夫)
公式サイト

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武士の一分

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

三十石の下級武士である三村新之丞は、美しく気立てのよい妻加世、父の代から仕える中間の徳平と、つましくも和やかな暮らしを送っていた。藩主の毒見役という務めに嫌気がさし、早めに隠居して町道場を開きたいという夢をもっていた新之丞だが、ある日、貝の毒に当たり倒れてしまう。なんとか一命をとりとめたものの、新之丞の目は光を失ってしまっていた。

思ったこと

時代劇の世界に、現代人のキムタクがまぎれこんでいる〜。
という感じも、話に入り込んでいくうち、次第に薄れていくかな・・・と思いきや、最後までそんなんでした、ぎゃふん。

加世の美しさ・・・顔の造りだけでなく、立ち居振る舞いや心根の美しさには、心底ほれぼれ。
ちょっとした所作、セリフのひとつひとつが、日本の宝!って感じ。
芋がらの煮物、食べたい〜。
演じた檀れいは宝塚出身の人で、今作が映画デビューとのこと、これからが期待できますね〜。
プロフィールを見たところ、うおっ、私より年上なんだ・・・こりゃ驚いた。
それであの純真無垢な雰囲気・・・まあ自分と比べてもしょうがないか・・・。

かしましくねっとりしたオバハン役の桃井かおり、上手いな〜。

描かれているのは、現代とは遠く隔たった価値観に根ざした世界だ。
新之丞は武士として多くのものを抱えているし、加世はひたすら夫に尽くし支え、徳平は生涯越えられない身分差に疑問を持つことなく主人のことを一番に考える。
彼らは自分の権利を声高に主張したりせず、充足を知っている。
そこが美しさのポイントだろうか。
今の世でこういう役割を押しつけられたらきっと不幸を感じそうだけど。
でも、現代では“自由”が何より正しいもので人生の選択肢は広いけど、それが必ずしも幸せにつながっているともいえない気がする。
だからといって絶対戻れないけどね。
現代人である私は、やっぱり自由が大事って思うようにできてるし。
彼らの姿がことさらに素晴らしく見えるのは、既に失われてしまったものだからかしら・・・。

ところで毒見ってああいうものなの?
食べてすぐに反応が出る毒ばかりではないんじゃないか、毒見してから何人もの手を経て移動させてちゃ意味ないんじゃないか、と思ったんだけど。
それとも、新之丞が冒頭でぼやいていたように、形式的なものになっていたのかな。

ちょっと笑っちゃったシーン。
蛍、わざとらしい飛び方・光り方ですね。
イヤ〜ンと身もだえしちゃったシーン。
蚊が! 蚊がぁ〜!

武士の一分
(2006年 日本)
監督/山田洋次
原作/藤沢周平
出演/木村拓哉(三村新之丞)
   檀れい(三村加世)
   笹野高史(徳平)
   桃井かおり(波多野以寧)
   坂東三津五郎(島田藤弥)
   赤塚真人(山崎兵太)
   緒方拳(木部孫八郎)
   大地康雄(玄斎)
   小林稔侍(樋口作之助)
   歌澤寅右衛門(藩主)
公式サイト

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アタゴオルは猫の森

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

言葉を話す猫と人間がなごやかに暮らすアタゴオル。デブ猫のヒデヨシは驚異的なパワーと非常識な性格で騒ぎを起こしてばかりで、友達のテンプラやツキミ姫、さすらい猫ギルバルスらに迷惑をかけている。祭りの翌日、ヒデヨシが怪しい箱を見つけて封印を解くと、いにしえの植物の女王ピレアが復活する。一方ヒデヨシは小さな輝彦宮と出会い、“ヒデコ”と名付けて仲良くなる。

思ったこと

私は昔から原作のファンだけど、この映画ではあまりアタゴオル世界の雰囲気が生かされてなかった気がする・・・。
圧倒的な力で支配するものに、仲間が力を合わせて立ち向かうっていうストーリー、それだけ聞くとよくある感じだし。
各キャラクターの特徴もあまりうまく描写されてなくて、ヒデヨシがいかにとんでもなくって、なのに妙に魅力的っていうところ、元を知らない人には伝わってこないんじゃないかなぁ・・・。
テンプラくんはただの男の子、ツキミ姫はただの女の子って感じだし。
ギルバルスはかっこいいけど、活躍しすぎだし。
それに私の好きなパンツが単なるその他大勢! どーゆーこと?
谷山浩子がテマリちゃん役で特別出演するというから、ちょっとでも歌ってくれるのかと楽しみにしていたのに、やはりその他大勢みたいなもんだった・・・。
ただ、直接の原作となった『アタゴオル外伝 ギルドマ』は読んでなかったので、チェックしとこ〜と思いました。

映像もイマイチ。
ひと昔前のCGという感じで、人形劇みたいに見えるのはまあそういうものだと許せるとしても、派手で安っぽいエフェクトがうるさい。
ギルバルスの敵との立ち回り、テンプラくんやツキミ姫も交えての闘い(ケンカ?)シーンは、せっかくの見せ場なのに、誰がどう動いているか分かりづらいから爽快感も薄い。
ただ、ヒデヨシの帽子とか、布の縫い目などはいい感じと思った。
それに、晴れているときのアタゴオルの景色は、カラフルできれいでした。

ピレアが「この星を・・・」と何度も言うのが、どうでもいいようだけど、気になる。
この場合、「この国を・・・」と言うのが妥当じゃないか?っていうか、他の星も知ってんの?
植物の女王ピレアの第一の手下が、タツノオトシゴ型というのも気になる・・・なんで植物型じゃないんだ?
それから輝彦宮の存在意義・・・ピレアを封印するためだけに生まれてきたの?
二人が“対”だというなら、あんなに一生懸命戦わなくても、いっそヒデコが・・・な〜んて考えちゃったりして。
ま、きっとお子様向けの話なんだな。

文句ばかり書いたけど、まったく気に入らなかったというわけでもなく、ところどころ出てくるアタゴオル的なものには楽しませてもらいました。
ヒデヨシとヒデコの仲良しっぷりも微笑ましい。
「オレたちはトコトン生きるために生まれてきたのよーっ!」というヒデヨシの言葉、ヒデコに対する一途な気持ちにはホロッときちゃった。

アタゴオルは猫の森
(2006年 日本)
監督/西久保瑞穂
原作/ますむらひろし
声/山寺宏一(ヒデヨシ)
  小桜エツ子(ヒデコ/輝彦宮)
  内田朝陽(テンプラ)
  平山あや(ツキミ姫)
  田辺誠一(ギルバルス)
  夏木マリ(ピレア)
  谷啓(網弦)
  佐野史郎(竜駒)
  谷山浩子(テマリ)
  石井竜也(MCタツヤ)
公式サイト

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幸福な食卓

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

中学3年の佐和子の家では、母さんは家を出て一人で暮らし、お兄ちゃんは成績優秀だったのに大学に行かず農業を始め、そして今日、父さんが父さんをやめると言う。複雑な心境の佐和子の前に転校生の大浦くんが現れ、次第に大事な存在になっていく。

思ったこと

日本映画を観たときによく抱きがちな感覚なんだけど、すべてが絵空事めいているというか、こういうふうに作るために作った、という感じ。
ありえない突飛な設定やキャラでも、そこに何がしかのリアルを感じたいから映画を観てるんだけどなー。
主人公の佐和子を演じた北乃きいは、すこぶるかわいかった!
いろいろなことにとまどい悲しみながらも、真摯で真っ直ぐな眼差し。
でもそれだけだな〜、この映画。

そもそも、ちゃんと並べられた、絵に描いたような朝食が気に入らない。
父、兄、佐和子の3人暮らしで、誰が用意してるの?
そして誰が片付けているの?
家も随分きれいにしてるようだけど、誰が掃除してるの?
様子を見ていたところ、父と兄がこまめにやっている風ではないし、佐和子の肩にかかっているのなら、相応の葛藤があるはず(家事ってけっこう大変だからね)。
「父さんが父さんをやめる」のも、母さんが家を出てパートで働きながらアパート暮らししてるのもいいけど、お金の心配とかないの?
そういう現実的な部分をスルーして、ただきれいに整えられた家って、感情移入できないわぁ〜。

お兄ちゃんは農業に従事しているということだが、バイトにでも行っている程度の雰囲気。
鶏が生んだばっかのタマゴを冷蔵庫に入れていたようだったけど、せっかく生み立てなんだから、その場で食べろよ〜と思った。
どんな問題を抱えていたのか曖昧なままなので、誰だって悩みとか裏の顔とかあるよ〜というくらいの感想しか持てない。
ガールフレンドのヨシコ、殻が混じったシュークリームって、マンガに出てくるドジッ子かよ、つーか、案外ワザとやってんじゃねーか?
大浦くんは爽やかなヤツだが、中学生男子が会ったばかりの女子に向かって「友達になろう」とか「中原は優しいから」とか、言うかね〜?
かわいらしいふたりのおつきあいに他の人が介入してくることは一切なく、まるでクラスの友達などはいないかのよう。
大浦くんが佐和子に用意していたプレゼントのことも、だいたいなんでお母さんが知っていたんだ?
そんなオープンな思春期の息子って・・・まあ、いるのかもしれんがね。
佐和子も素直すぎるというか、この年頃って、もっと内面が荒れ狂う感じじゃないのかなー(自分がそうだっただけですかね?)。

文句しか出てこないや。
私はわりと泣きやすい体質だけど、こういう映画では泣きませんー。

幸福な食卓
(2006年 日本)
監督/小松隆志
原作/瀬尾まいこ
出演/北乃きい(中原佐和子)
   勝地涼(大浦勉学)
   平岡祐太(中原直)
   さくら(小林ヨシコ)
   羽場裕一(中原弘)
   石田ゆり子(中原由里子)
公式サイト

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ゲゲゲの鬼太郎

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

ゲゲゲの森で、父親の目玉おやじや仲間の妖怪たちと暮らしている鬼太郎。ある日、ねずみ男が強い魔力をもつ妖怪石を見つけ、宝石と勘違いして質屋に売る。偶然居合わせたリストラ中年の三浦晴彦は、石の魔力にとりつかれて盗み出し、息子の健太に託す。妖怪石を取り戻そうと跳梁する妖狐の一族。健太と姉の実花を助けるために鬼太郎が活躍するが、妖怪石盗みの濡れ衣を着せられ妖怪裁判にかけられる。

思ったこと

Kitaro01_1初めてチラシを見たときから、ワーイ♪すごいトンデモの薫りがする〜♡と楽しみにし、前売り特典の目玉おやじストラップもちゃんとゲットしつつ待っていたんです。
観終わった感想は、可もなく不可もなくって感じかな・・・。
こんなもんだろって言えばそうなんだけど、どうしても惜しいような気がしてしまう。
これだけの素材(原作・キャスト・VFX技術)を持っていながら、何故この程度の映画にしかできないんだろう・・・。
脚本と演出をもうちょっとなんとかできないのか。
オープニングからクライマックスまで、全然盛り上がるところがない。
子供だましのストーリーでも、もっと上手に騙して欲しいな〜。
逆にトンデモ的な突き抜け感もなかったしね〜。
おどろおどろしい鬼太郎世界をもっと感じたかった・・・。
妖怪バトルで興奮させてもらいたかった・・・。

鬼太郎の登場シーン、全然インパクトない。
カリスマ性などまったく感じさせず、超そこらのあんちゃんのたたずまい。
せっかく鬼太郎にほのかにラヴい気持ちを抱きつつ臨んだというのに、期待はずれもいいとこだ。
言うことクサイし。
あんまり強くないし。
リモコン下駄や霊毛ちゃんちゃんこ、髪の毛針などの便利な道具も、それほど有効に使いこなしてない感じ・・・。

田中麗奈、こんな色物でいいのか・・・?
すらりと伸びた脚はきれいだが、お椀をのっけたような髪型が気になる。
鬼太郎とは何百年も一緒に住んでいる内縁関係なんだろうに、冷たくあしらわれていて可哀想・・・。

出色だったのは大泉洋のねずみ男でしょう。
うわー本当にいそう!っていうか、まあ本当にいたらビックリしちゃうだろうけど、汚い感じがサマになってます。
守銭奴キャラなんだけど、妖怪にとっても人間界のお金って価値あるのかな?

そのほか、橋本さとしの空狐、西田敏行の輪入道も存在感あった。
小雪の天狐は美しい・・・登場時間は短いけど、おいしい役どころですね。
心から油揚げが好きなんだな〜と感じさせられました。

ビジュアル面では、妖怪ハウスの周りを天狗ポリスが飛び回っている絵が良かったかなー。
一反木綿に乗って空を飛ぶのって楽しそうだけど、スケール感が出てないから、あんまりワクワクさせられない。
そして妖怪ディスコ・・・なんだありゃ!?

ゲゲゲの鬼太郎
(2007年 日本)
監督/本木克英
出演/ウエンツ瑛士(鬼太郎)
   井上真央(三浦実花)
   内田流果(三浦健太)
   利重剛(三浦晴彦)
   田中麗奈(猫娘)
   大泉洋(ねずみ男)
   間寛平(子なき爺)
   室井滋(砂かけ婆)
   西田敏行(輪入道)
   橋本さとし(空狐)
   小雪(天狐)
   YOU(ろくろ首)
   中村獅童(大天狗裁判長)
   谷啓(モノワスレ)
声/田の中勇(目玉おやじ)
  伊集院光(ぬりかべ)
  柳沢慎吾(一反木綿)
  石原良純(見上げ入道)
  デーブ・スペクター(傘化け)
  きたろう(ぬっぺふほふ)
  立川志の輔(化け草履)
  石井一久(べとべとさん)
  神戸浩(百々爺)
  安田顕(天狗ポリス)
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時をかける少女

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

紺野真琴は、同級生の千昭や功介と野球のまねごとを楽しむ、普通の明るい高校生。ひょんなことから過去へ戻るという不思議な体験をし、叔母の和子に「それは“タイムリープ”という能力」と教えられる。調子にのって、日常のささいなことに能力を使いまくる真琴。そのうち仲良し3人組の関係に変化が現れて・・・。

思ったこと

バカ! バカ、バカ! 真琴のバカ!!
なんでそんなことにタイムリープ使ってんの!
私は最初っから千昭のことが好きだったよっ。
でも、このバカさ加減は、なんだかすっごくよく分かる気がする。
今だけを生きている17歳は、そのときどきの感情のほとばしりで、後先考えずに行動しちゃったりするのよね。
ああ〜切ない・・・。

当初、ポスターで見かけた絵が好きじゃなかったのと、スカートが短すぎると思ったのと、予告編でのテンションの高さに引いてしまったのとで、あまり興味を持ってなかったのです。
でも妙に評判が高いので、遅ればせながら観てみた。
おもしろかった!!
絵や、デフォルメした表現、たまに写実的な映像を混ぜてくる美術は、やっぱりあまり好きになれなかったんだけど、それを超越して、勢いあるストーリーと演出に引き込まれた。
まったく予備知識なしで、てっきり昔の原田知世の映画(観てない)のリメイクなのかと思っていたら、別のお話なのね。
和子叔母さんは過去に何かあったっぽい人だな〜と思っていたら、原田知世が演じた役のその後、という設定なのね。

青春時代にこういう体験をしてしまったら、その後どうやって生きればいいんだろう?
希望があるような気もするし、信じる気持ちを持ち続けられるか不安なような気もするし。

それにしても、もし何人もの人間がタイムリープを使えるようになったら、世界ってものすごく混乱しそう!
記憶はそのままで過去のある一点の自分になりかわり、何も知らないふりをして同じような行動をする・・・というシチュエーションは、RPGやシミュレーションゲームを途中からやり直すときの感覚に似ていて、実際にそういうふうにやり直しを繰り返していたら気がおかしくなってしまうんじゃないかなぁなどと考えていたのを思い出した。
今、自分がそういう能力を得たら・・・戻りたいときってあるかなぁ?
細かい後悔はいろいろあるけど、キリないし。
ニュースに出るような事故を防いで回るという使い方もできるけど、そのために生きるのも大変だし、かといってやれるのにやらないと自分を責めちゃいそうだし。
『バタフライ・エフェクト』も似た感じの話だったけど、いくらやり直したってうまくいくとは限らない。
そう考えると、タイムリープなんて使えないのがいいみたい。
とりかえしのつかない大事なもの、かけがえのない人を失ってしまったときには、心から欲するのかもしれないが・・・。

時をかける少女
(2006年 日本)
監督/細田守
原作/筒井康隆
声/仲里依紗(紺野真琴)
  石田卓也(間宮千昭)
  板倉光隆(津田功介)
  原沙知絵(芳山和子)
  谷村美月(藤谷果穂)
  垣内彩未(早川友梨)
  関戸優希(紺野美雪)
公式サイト

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蒼き狼 地果て海尽きるまで

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

モンゴル部族長イェスゲイ・バートルと、メルキト族から略奪されたホエルンとの間に産まれたテムジン(後のチンギス・ハーン)。始祖“蒼き狼”の伝説を胸に誇り高く育ったが、父の死後、自分はメルキトの血を引いているのではないかという疑惑に苦しみつつ、部族を守り大きくしていく。妻に迎えたボルテがメルキトにさらわれ、取り戻したときには既に妊娠していた。産まれた子は余所者という意味のジュチと名付けられる。

思ったこと

モンゴルの景色は雄大ですばらしい!
馬がたくさん出てくるのもワクワクする。
モンゴル特有の衣装や髪型は目に楽しい。
はい、以上、ほめるところを先に書いておいて・・・と。

ストーリーがとんとんと進むというか、チンギス・ハーンについての子供向けダイジェスト絵本でも読んでるような感じ。
どうしてこんなに大味なんだろう?
お金はしっかりかけたらしいし、日本の文学やエンターテインメントの分野には才能ある人も少なからずいるはずと思うのに、なんでこうなっちゃうんだ??
出来事やセリフが、伏線にもならず裏に隠された意味もなく、ぶつりぶつりと続いていく。
全体的に不自然なセリフを棒読みしてる感じなのは、モンゴルの人がしゃべっているのを日本語に訳した風を狙ったんですかね?
特にジャムカは、少年時代も大人になっても、すごい棒読みだったので、ああ〜ちゃんと同一人物っぽいな〜と感心しました。

何の説明もなく放置されたままのエピソードが多い。
ホエルンは自分を略奪して妻にしたイェスゲイ・バートルを「許さない・・・!」と胸に秘めていたような気がするが、いつの間にかいいお母さんになっていた。
テムジンの掌にあった赤いアザには、いったいどういう意味が?
ジュチは女だ男だと言い争っていたわりに、あっさり男だとバレても殺されない。
テムジンはジュチを「俺の目に触れさせるな!」とか怒鳴っていたと思ったら、次の瞬間には、成長したジュチが部屋に座っている。

部族間の闘争についても、釈然としないところが多いのだよ・・・。
イェスゲイ・バートル亡き後に跡目を奪ったタイチュウト氏族とはどうなった?
ボルテの実家のオンギラト族は何をしてたんだ?
ジャムカはボルテと幼なじみだというから、てっきり同じ族なのだと思っていたが、いつの間にジャラダン氏族の長に?
テムジンたちはもう駄目だという感じで敗走してたのに、いきなり勢いよく反撃したのは何だったんだ?
ジャムカやトオリルと争った結果、モンゴル統一が達成されたということになったので、なんだかモンゴルって意外と広くなかったのかな〜という印象です。
エキストラ27000人という即位式のシーンは圧巻だが、あの人らはどこから出てきたどういう人たちで、なんでテムジンを歓迎してるの?

戦闘の仕方も、正面から力まかせに攻め入るばかりだから、つまんない。
テムジン軍が勝っていった理由が全然分からん。
ジャムカとの戦闘シーンでは、草原を多くの馬が駆け、人と馬が入り乱れて戦うので、おお〜けっこう迫力あるじゃんと思ったが、その後のジャムカ&トオリル軍との戦いでも再び同じような描写が繰り返されたのでガックリきた。
せっかくいい背景と、たくさんの人と馬を使えたんだから、もっと効果的な演出や撮影法があっただろうにと思うともったいない。

それから、女性の映し方があまりきれいじゃなかったと思う。
ボルテ(菊川怜)はかぶりもののおかげで、丸い顔だな〜としか印象に残らなかった。
クランの「昼は兵士、夜は女」・・・っていったい・・・ここは笑うところですね?
皆が戦場で泥まみれのときもクランだけはつるんときれいな無表情で出てくるので失笑・・・兵士と言うわりには戦ってたように見えないし。

だいたい、「モンゴルの女の悲しみを終わらせる」だとか「戦いを終わらせるための戦い」だとか、中途半端に現代的な思想が盛り込まれているのが萎える。
製作にはモンゴルも関わっていたみたいだけど、映画の内容にどのくらいモンゴルの人の意向が入っているのか気になる。
モンゴルの人はこれ観て満足するのかなー?

蒼き狼 地果て海尽きるまで
(2006年 日本/モンゴル)
監督/澤井信一郎
原作/森村誠一
出演/反町隆史(テムジン/チンギス・ハーン)
   菊川怜(ボルテ)
   若村麻由美(ホエルン)
   袴田吉彦(ハサル)
   松山ケンイチ(ジュチ)
   Ara(クラン)
   野村祐人(ボオルチュ)
   平山祐介(ジャムカ)
   池松壮亮(少年時代のテムジン)
   保阪尚希(イェスゲイ・バートル)
   榎木孝明(デイ・セチェン)
   津川雅彦(ケクチュ)
   松方弘樹(トオリル・カン)
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アルゼンチンババア

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

母が病院で死んだ日、父の悟も姿を消してしまい、ひとり残された高校生のみつこ。半年後、町のはずれにあるアルゼンチンハウスに父がいることが分かった。そこは、かつてタンゴやスペイン語を教えていた変わり者の女性、通称“アルゼンチンババア”の家だ。みつこはなんとか父に戻ってもらおうと頑張るが・・・。

思ったこと

うーーーーーーーーん。
役所広司は魅力的だし、苦悩も分からないでもないけど、その行動と態度はまったく許容できない。
“ダメな父”ではすまされないでしょう。
悲しみと不安でいっぱいのみつこの心をないがしろにしてる。
父子の関係に、取り返しのつかないダメージを与えかねなかった。
アルゼンチンババア=ユリさんがいい人かどうかっていうのは、また別問題でさー。
みつこが家出したときも「行き先は分かってる」とかつってしばらく放っておくなんて、あってはいけないことだと思う。
母はイルカが好きだったっていうのもさ・・・何回かイルカウォッチングに行って楽しかったというだけじゃなくて? 絶対の決め手になるほどのイルカ大好き人間だったというわけ?
なんかイルカっていかにもな癒しモチーフなんで鼻白んじゃう・・・別にいいんだけどさぁ〜私もイルカ好きだしぃ。
ただ、父とみつこが海に沈んで、母に別れを告げるシーンはきれいで良かったです。

アルゼンチンババアの人物像は、あ〜なんかこういう人いそういそう!という感じ。
鈴木京香は頑張っていたと思うよ、うん。
しかし、いかんせん“ババア”と呼ばれるには、若々しいし美人過ぎる。
老けメイクしてるんだろうけど・・・。
何も38歳の美女がやらなくてもいいんじゃないか?
本当の年輩者が演じて、みつこと一緒にだんだんとその魅力に気づいていければ、後半の展開にももっと驚きや感動が得られたんじゃないかな〜と思う。

草原の中にすっくりと建つアルゼンチンハウスという景色は素敵。
だけど、皆すごく臭がっていたね。
あれ、何だったのだろう?
庭に前近代的なトイレでもあったのか?
アルゼンチンババア本人も臭うようだったが、そういうところで採れたハチミツってビミョーと思ったのは、私だけなんでしょうか・・・。
あと、この建物は誰の持ち物なのかとか、生活費はどうしているのかとかも気になってしまった。

堀北真希はかわいいね。
セーラー服がまぶしいっす。
信一役の子も、フツーの高校生っぽくていい感じ。

エンディングテーマ、アルゼンチン民謡をアレンジしたタテタカコによる歌「ワスレナグサ」は、すごく良かった!!

アルゼンチンババア
(2006年 日本)
監督/長尾直樹
原作/よしもとばなな
出演/堀北真希(涌井みつこ)
   役所広司(涌井悟)
   手塚理美(涌井良子)
   鈴木京香(アルゼンチンババア/ユリ)
   森下愛子(滝本早苗)
   小林裕吉(滝本信一)
   田中直樹(向井守)
   きたろう(犬塚幸吉)
   岸辺一徳(白井順三)
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手紙

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

金目当てで強盗に入った家の老女を殺害してしまい無期懲役を課せられた兄のために、武島直貴は大学進学をあきらめ、職場やアパートでも差別を受け、人目を避けるように暮らしていた。お笑い芸人を目指し、心の通じ合う朝美を恋人に得、一時はうまくやっていけるかのように思えたが、兄のことが明らかになって足かせとなる。

思ったこと

弟「大学に行くのはやっぱりやめました・・・」
兄「こないだの手紙、ちょっとショックだったな・・・」
冒頭に流れる兄弟の手紙のやりとり、ここでいきなり涙ぐんでしまった。
簡単すぎ?
私は何故だか、保護者のいない兄・姉が、弟・妹を上の学校に行かせてやりたいけど行かせられない・・・というシチュエーションに弱いのだ。

兄のことを罵倒した職場の先輩が大検めざして勉強しているとか、友の成功のために身をひくとか、恋人の父親が社会的地位のある人間で「あの男はおまえにふさわしくない!」だとか、親の決めた婚約者が「二度と彼女に近づかないでくれ!」だとか、ありがちなエピソード満載で、次はなんだろ〜とちょっとワクワク。

物語もクライマックスになってくると、背後のあちらこちらから人々のすすり泣く音が。
うわ〜皆が泣いてるとなんだか冷静になっちゃうな〜。
だいたいベタなんだよ、ベタ、へっ。
などとイヤな感じに薄笑っていた私ですが、最後の刑務所でのシーン、号泣してしまいました・・・。
やっぱりね、イヤなことやツライことも多いけど、人と人とのつながりって尊い・・・。

電気店会長の平野の言葉、「君はここで生きていくんだ」。
由美子の言葉、「逃げたらあかん」。
武島兄弟のように厳しい状況に生きているわけではなくとも、日々いろいろと不平不満を持ちがちな私の心にも突き刺さる。
(現実には逃げたほうがいい時と場合もあると思うけど。)

沢尻エリカ、かーわーいーいー!
清純というか、ロリっぽいというか、食堂勤めの地味ななりがかわいらしいお顔を引き立てるー!
と思いきや、バーに現れたときのドレスアップした姿もいいわね。
芯の強いお母さん役も素敵。
こんなにかわいいのに直貴に冷たくされて、それでもめげずにちょっかい出し続けるのがスゴイ。
かなり本気でイヤそうだったからな、直貴のやつ・・・。
邪険にされるたびに、代わりにヘコんだよ、私は。
諦めないで心から相手のことを思っていればいつかは振り向いてもらえる日がくるかもしれない・・・でも現実的には難しいよね。
一歩間違えたらストーカーだし(男女逆転させて、全然タイプじゃない男が由美子みたいにつきまとってくると想像すると、けっこうコワイ)。

山田孝之、自然なたたずまいなのに、何をやってもそれっぽく見える(暗く生きてる人でもお笑い芸人でも電気店員でも)。
演技力があるってことか?
兄、あの過ちさえなければ、良い人生を送れたかもしれないのに・・・と同情心をあおる好男子。
祐輔役の尾上寛之って、なんだか私の身内にいそうな顔なんだよね・・・すげー親近感わくよ。
朝美役の吹石一恵は美人だとは思うがイマイチ私の好みではないので、直貴との仲が裂かれそうになってもあまり感情移入できない・・・と思いつつ、胸の谷間にホクロがちら見えるのが気になって気になって(私ゃ男か?)。

手紙
(2006年 日本)
監督/生野慈朗
原作/東野圭吾
出演/山田孝之(武島直貴)
   玉山鉄二(武島剛志)
   沢尻エリカ(白石由美子)
   吹石一恵(中条朝美)
   尾上寛之(寺尾祐輔)
   田中要次(倉田)
   杉浦直樹(平野)
   風間杜夫(朝美の父)
   吹越満(緒方忠夫)
公式サイト

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紙屋悦子の青春

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

1945年の春、鹿児島県米ノ津町。両親を空襲でなくしたばかりの紙屋悦子は、兄の安忠、兄嫁ふさと暮らしていた。ある日、兄が見合いの話をもってくる。相手は、悦子が秘かに思いを寄せていた海軍航空隊に属す明石少尉の親友、長与少尉だった。

思ったこと

Kamiya001昔の日本映画みたい!(ものすごく良い意味で)
現代でもこういう映画が撮れるんだ〜と感心した。
俳優もどことなく昔っぽい雰囲気をもった人ばかり。
柔らかい九州弁が耳に心地よい。

お話の舞台となるのは、おそらく現代であろう病院の屋上と、1945年の紙屋家のみ。
紙屋家はいかにもセットという造りで、桜の木が立つ庭と階段の向こうは、何も存在しない真空なんじゃないのかと思ってしまえるくらい、閉じられた世界だ。
良い映画の味わいって、セットや映像のすごさとは相関関係にないのだということを、改めて認識させてくれます。
なんだか舞台劇を観ているみたい。
・・・と思ったら、もともとは舞台で上演されていた戯曲だったのね。

老夫婦の「寒いでしょう」「寒くない」という押し問答。
家族の食卓での「この芋・・・」「大丈夫よ」「まだ食べられる」というやりとり。
男二人の「貴様」「貴様」という応酬。
何気ない会話が交わされる様子が、実にほほえましく、くすくす笑いを誘います。
終戦間近という時期でも、こういう穏やかな空気もあったんだなぁと思う。
もちろん両親の死とか、兄の徴用とか、明石少尉の旅立ちとか、重苦しい事実は厳然とそこに横たわるのだけれど。

原田知世と本上まなみが同級生で、本上まなみを「義姉さん」と呼んでいる。
えーっと、知世ちゃんって何歳? そしていったい何歳の設定??
という疑問が、前半ずーっと気になってしょうがありませんでした(後半にはそんなことどうでもよくなった)。
プロフィールを確認したところ、原田知世は1967年生まれで、本上まなみより8歳上・・・それで縁談のくる年頃の娘としてまったく違和感がないのってスゴすぎる!
さらに70代に扮した老けメイクも、いやんなるほどカワイイぜ。

本上まなみは背筋がすっと伸びて美しいたたずまい。
こんな素敵な女優さんだとは知らなかった〜。
軽妙な明るさのなかにも、強さと愛情深さを感じさせます。
映画のなかで泣かされたシーンが2カ所あったのだけど、いずれも本上まなみのセリフがきっかけだった。
なんだか・・・美しい女性とはどういうものかってことを考えさせられました。

紙屋悦子の青春
(2006年 日本)
監督/黒木和雄
出演/原田知世(紙屋悦子)
   本上まなみ(紙屋ふさ)
   小林薫(紙屋安忠)
   長瀬正敏(長与)
   松岡俊介(明石)
公式サイト

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理由

お気に入り度 ★☆☆☆☆

こんな話

1996年6月5日未明、吹き荒れる暴風雨のなか、荒川区にある超高層マンション“ヴァンダール千住北ニューシティ”2025号室で、一家4人が殺される事件が発生した。関係者に話を聞いて調べていくうち、殺された4人は、住民台帳に記載されている小糸一家とは別人であることが分かり、ますます謎が深まる。

思ったこと

オープニングで荒川区の来歴が文字でつらつらと流れ、早くも萎え〜。
いつ、どこで、誰が、という情報も、漢字たっぷりの文字で説明書きされてイライラする。
文字を読むのが嫌いなわけではないが、他人のペースで読まされるのは苦手なんだよな・・・。
何年何月とか書かれても、前後関係がよく把握できないんだよ・・・(まあ、気にしなきゃいいんだけど)。
私は原作を読んだことがあるのでだいたいの流れが事前に分かっていたんだけど、何の予備知識もなく観た人って混乱しないのかな?
まあでも登場人物がむやみに多いわりには整理されていたかもしれない。
小説を読んだとき、私には良さがいまいちピンとこなかったので、映画で観るとポイントがくっきり見えるかな〜という淡い期待があったのだが、何がテーマなのかよく分からないうちに終わってしまった。
これって映画にした意味あんのー?
本で読むほうが向いている内容だと思うんだけど・・・。

登場人物たちが、事件について説明調のセリフをつらつらと読み上げ始めたので(特に久本雅美ね)、かなり早くの段階から我慢モードに入ってしまった。
ドキュメンタリータッチを狙ったんだと思うが、失敗してると思う。
次から次へと現れる登場人物たちが、まったくもってウソくさいんだもの。
ニュースバラエティ番組での再現ドラマって感じ。
画面はずーっと暗っぽいしさー。
場面転換のたびにガチャガチャとしたカットが挿入されるのにもイライラする。
こういうの観ると、「日本映画って好きじゃない〜」と言いたくなるの。

上映時間160分と長いのだけど、細かいエピソードを詰め込み過ぎの感。
だから肝心なところがぼやけてる。
2025号室に住んでいた疑似家族の人たちについて、結局よく分からないままだったのが気になってしまう。
“占有屋”というのはフツーの人には耳慣れない仕事だと思うし、もうちょっと丁寧に描写してあっても良かったんじゃなかろうか。

ラストのCGには失笑。
あれで一気に安っぽさが増したね。
ここでまた、もったいぶった言い回しの文章がつらつら流れてきて読まされるんだけど、ほんとウンザリ。
しかし、後で確認したところ、小説のラストとまったく同じ文章だったのだな(それって手抜きじゃね?)。
本で読んだときはヘンだなんて感じなかったんだけど、きっと映画には合わないんだよー。
それから「殺人事件が結ぶきず〜な〜♪」というエンディングテーマ・・・おもしろすぎるんですけど!

石田さんちの子供たちはかわいいな・・・と思っていたら、なんと実の兄妹なんだね!
お祖母さんと、亡きお祖父さんもいい感じ。
松江の和菓子屋出身ということだが、松江の言葉、かなり自然だったよー(my地元なもんで)。
それから、片倉ハウスの面々もよかった。
このへんは芸達者な人たちって感じでしょうか。
あ、あと些末なことだけど、美容院に置いてあった女性週刊誌のタイトルが「女性本身」だったのにも、ちょっとウケた。

理由
(2004年 日本)
監督/大林宣彦
原作/宮部みゆき
出演/村田雄浩(石川巡査長)
   岸辺一徳(マンション管理人・佐野)
   久本雅美(2024号室・葛西美枝子)
   大和田伸也(1225号室・佐藤義男)
   松田美由紀(1225号室・佐藤秋江)
   赤座美代子(学習塾経営・小糸貴子)
   山田辰夫(小糸信治)
   風吹ジュン(小糸静子)
   厚木拓郎(小糸孝弘)
   寺島咲(片倉信子)
   柄本明(片倉義文)
   渡辺えり子(片倉幸恵)
   菅井きん(片倉たえ子)
   小林聡美(2026号室・北畠敦子)
   古手川祐子(秋吉勝子)
   峰岸徹(勝子の兄・秋吉克之)
   加瀬亮(八代祐司)
   伊藤歩(室井綾子)
   細山田隆人(綾子の弟・室井康隆)
   ベンガル(綾子の父・室井睦夫)
   左時枝(綾子の母・室井敏子)
   立川談志(綾子の祖父・室井辰雄)
   勝野洋(石田直純)
   宮崎将(直純の息子・石田直巳)
   宮崎あおい(直純の娘・石田由香里)
   南田洋子(直純の母・石田キヌ江)
   片岡鶴太郎(直純の父・石田直隆)
   石橋蓮司(早川一起)
   永六輔(フラワーロード店主)
   根岸季衣(砂川里子)
   中江有里(作家)
   裕木奈江(イーストタワーの住人・B子)
   多部未華子(ウエストタワーに住む少女・篠田いずみ)

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パーフェクトブルー

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

霧越未麻はアイドルグループCHAMを脱退し、女優への転身をはかる。はげます事務所社長の田所と、アイドルへの未練を残すマネージャーのルミ。ドラマでのレイプシーン、ヘアヌード写真集などの仕事を悩みながらもこなすうち、周囲で殺人事件が立て続けに起こり、アイドル時代の自分の幻影が現れるようになる。

思ったこと

題材的には実写でも良かったんじゃないかと思われるが、未麻の目を通した映像が、主観なのか客観なのか惑わせるのに、アニメにした効果があったのかな。
ショッキングなシーンは実写だと生々しいか・・・いや、アニメだから余計に扇情的だという気も。
脚本家やカメラマンを殺したのが誰なのか、なんとなく怪しいと思っていた人物がやっぱり犯人だったのだけど、その正体の明かされ方は、同じように実写でやっていたらすごーくヘンで受け入れ難かったかも。
あと幻覚の未麻の怖さね・・・。

途中、これはいったい現実なのか、劇中ドラマのシーンなのか、それともただの幻影なのか、分からなくなって混乱する未麻の気持ちに同化した瞬間があった。
自分の精神がおかしくなっているのかもしれない・・・と、頼れる人もなく悩む状況は怖ろしい。

アイドルといっても、フツーな感じのアパート暮らししてるのね。
周囲で不穏なことが起こっても、わりとほったらかしにされてるし。
かわいらしい小物で部屋をいっぱいにしているのが、ひと昔前っぽい雰囲気を出している。
自分のポスターを部屋に貼ったりするかなぁ、と違和感も感じるけど。
未麻がネットにつなぐために買ってきて部屋に置いたMac。
私もちょうどこの映画が作られたのと同じような頃にMacでコンピュータ操作を覚えたので、モニター画面の感じとか、わぁ〜懐かしい〜と反応してしまいました。
それにしてもウェブ上のサイト「未麻の部屋」・・・もっと警戒しろよ〜とハラハラ。
このへんのネットを取り巻く状況には、隔世の感がありますね。

主人公の未麻が、いかにもなアニメ声なのが、ちょっとツラ〜。
遠くの人物が白目になってて怖かったり(アイドルさえも)、その他大勢である人物があまり動かなかったりと、映像の荒さが目に付くような気がしました。

パーフェクトブルー
(1998年 日本)
監督/今敏
声/岩男潤子(霧越未麻)
  松本梨香(ルミ)
  辻親八(田所)
  大倉正章(ME-MANIA)

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ゆれる

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

東京でカメラマンとして成功している弟の猛。実家で父親と暮らし、家業のガソリンスタンドを継いでいる兄の稔。猛は母の一周忌で久々に帰省し、兄と幼なじみの智恵子の3人で渓谷を訪れた。猛が山の奥のほうで写真を撮っているときに、吊り橋の上から智恵子が激流へと落ち、そばにいた稔に殺人の嫌疑がかかる。

思ったこと

・・・なんという緊迫感!
真相はどうなのか、誰が何を考えているのか、どう決着がつくのか、どきどきしながら最後まで引っ張られました。
かっこよさげな仕事でモテてそうだけど、平然と人の気持ちをふみにじる猛。
人の和を大事にして皆に慕われているんだけど、結婚には縁がなく冴えない稔。
かわいいんだけど、なんだかくすぶっている感じの智恵子。
怒鳴る以外の感情表現を知らない父。
登場人物の誰もがとてもリアルに感じられて、私は猛の気持ちになりきったり、稔の気持ちになりきったり、智恵子の気持ちになりきったりで、めまぐるしく大変でしたよ(父の気持ちにはなりきらなかったケド)。
それなりに仲良くやってはいても、心の奥底に抱えたまま普段は直視しない、きょうだいならではの感情って、なんか分かるな〜。
うまく作り上げれば素晴らしい関係にもなるけれど、こじれたらとことんこじれてしまいそうな・・・。
生まれも育ちも一緒だからこそ、いろいろな点で比べてしまうからかなぁ。
欲を言えば、猛が兄のことをどう思っていたかも、もっと赤裸々に表現してほしかったと思う。
“いい兄”であった稔が心に抱えていた屈託を、精神的な極限状態のなかで見せたように。

稔を演じた香川照之は、本当にこういう人なのかと信じてしまいそうな自然さ。
智恵子に対するおずおずとした好意とか、3人で渓谷に行ったときのはしゃぎっぷりとか、いたいたしくって・・・。
香川照之という俳優のことが気になりだしたのはつい最近で、あんまりステキじゃない人の役しか見たことないんだけど、この人、実際に会ったらかっこいいんじゃないかな〜・・・。
次はかっこいい香川さんも見てみたいものです。

オダギリジョーも、本当にこんな人なのかと思えちゃう。
今まで、正直、いいと思ったことあんまりなかったんだけど、今回は心揺さぶられたよー。
でも、個人的には、こういう人ちょっとニガテ。
私の中でもう、すっかり猛の人格の印象がついてしまった・・・。

あと、ガソリンスタンドの従業員役の新井浩文も、目の力の強さで印象に残った。

深夜に洗濯物をたたんでいる稔のまるい背中、薄暗い台所でもそもそと食事をする男3人、うっすらと雪が積もった殺風景な庭で洗濯物を干す父・・・。
侘びしさに覆われた空間の映像が、それぞれの心情を雄弁に語るようで、目に焼きついてる。

映画では、実際に何が起こったのか明かされないままストーリーが進むが、雑誌で監督のインタビューを読んだところ、もともとは最初の段階ではっきり見せるつもりだったんだって。
その内容は、私がこうじゃないかなーと想像したのと一致していたけど、真相が見えない不安な状態に置かれたからこそ、自分も現場に居合わせているかのような臨場感を味わえたのが良かった。
それはそうと、監督、きれいな人だね。
30ちょっとの若さで骨太な作風。
前作『蛇イチゴ』も観てみなきゃ。
今後も長くがっつり活躍してほしいものです。

ゆれる
(2006年 日本)
監督・脚本/西川美和
出演/オダギリジョー(早川猛)
   香川照之(早川稔)
   伊武雅刀(早川勇)
   新井浩文(岡島洋平)
   真木よう子(川端智恵子)
   蟹江敬三(早川修)
   木村祐一(検察官)
   田口トモロヲ(裁判官)
   ピエール瀧(船木警部補)
公式サイト

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旅の贈りもの 0:00発

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

大阪駅を深夜0:00に出発する列車は、行き先不明。どこか遠くへ行きたいという気持ちを抱えた人々が着いたのは、「風町」という海辺の小さな町だった。恋人の浮気現場を目撃したキャリアウーマン由香は、勢いでこの列車に乗る。最初は誰もにとげとげしい態度をとっていた由香だが、同じ列車で来たミチルや華子、泊めてくれた本城夫妻、町医者の越智らと触れ合ううちに、何かが変わっていく。

思ったこと

“深夜発の行き先不明の列車”という設定を聞いて、ああ、あの世行きね・・・そして死んだ家族や恋人とかと再会しちゃうわけね・・・と勝手に思い込んでいたが、全く違う話でした!!
“行き先不明”とは、どこに着くかはお楽しみという意味。
実際にあったら乗ってみたいかも・・・。
宿泊先などについては、もうちょっとケアしてもらいたいもんだけど。
それぞれに心を閉ざした人々が、ふらりと立ち寄った土地で、こんなに簡単に地元の人々と打ち解けて人生観が変わるだなんて、甘っちょろい話だと思うし、展開は古くさいけど、なかなか引き込まれました。

櫻井淳子とやら、過剰演技がうざったらし過ぎ。
他のキャストはけっこういい感じなのにな・・・。
役柄の由香というのがまた自意識過剰のウザ女で、もぅ〜「放っといて」と本人が言ってんだから放っとこうよ、そんな奴に包帯巻いてやることない、絆創膏渡せば充分じゃぁ!と、言いたい。
一応主人公であるらしく、何度もアップになるので、その度に視線を逸らしつつ「帰ったら何食べようかな」とか考えてた。
こんなに嫌っちゃってゴメンね。

華子みたいな、話の通じないふてくされた若い娘の扱いには困ったもんだが、まだ馴れてない動物と同じと見なしてみたら、なんだか「よしよし」と構ってみたくなってきた。
金髪ミチルは本当にカワイイ奴だな。
この子には幸せになって欲しい・・・。
3人が泊めてもらっている本城家の奥さんは、包容力にあふれた出来すぎな人だ。

由香と越智先生が海辺に座ってスイカを食べるシーンがあるが、かたわらにはざっくりと半分に割られたスイカ、ふたりがかじっているのはきれいな三角形に切られたスイカ・・・。
どうやって切ったのよぉ〜、ナイフとか見当たらないけど?
スイカの残りの部分は!?
こういうリアリティの無さ、私は許さんぞ!
あ、でも、もしかして先生が懐にメスを隠し持っていたのかな、医者だけに。
または手刀ですっぱり切ったとか。
なんちて、ハハ・・・どうでもいいか。

ロケ地は島根県、広島県、岡山県に分散しているそう。
こういう形の地域ピーアールはいいアイデアだね。
古い建物が連なる町並みは趣深く、なんとも魅力的でした。
ちらほらと登場するお年寄りたちもいい表情。
本城夫妻の家となった古民家は、民宿になっているんだって。
泊まってみたいな〜。

旅の贈りもの 0:00発
(2006年 日本)
監督/原田昌樹
出演/櫻井淳子(由香)
   多岐川華子(華子)
   黒坂真美(ミチル)
   大平シロー(若林)
   細川俊之(網干)
   徳永英明(越智太一)
   大滝秀治(真鍋善作)
   梅津栄(本城喜助)
   樫山文枝(本城多恵)
   石丸謙二郎(車掌)
公式サイト

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独立少年合唱団

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

父を亡くした柳田道夫は、全寮制の中学「独立学園」に編入する。吃音で引っ込み思案のためいじめられる道夫だが、ボーイソプラノの声を持ち合唱に情熱を燃やす伊藤康夫と出会い、学園に留まる。合唱団の顧問である清野に「歌っているときは吃らない」と指摘された道夫は、合唱団の活動にのめり込んでいく。

思ったこと

1970年代初頭が舞台だとはいえ、製作されたのはそれほど前じゃないのに、なんだか昔の映画のような手触りだった。
筋書きだけ聞くと、フランス映画『コーラス』を思い出すが、雰囲気はまったく違う。
“少年たちと合唱”というより“全共闘の時代”がテーマだったのかなぁ・・・。
いまいち感情移入できず。

私も合唱部に在籍していたことがあったり、中学校ではクラス対抗合唱コンクールがあったりしたので、練習風景はちょっと懐かしかった。
『大地讃頌』とか・・・久しぶりに聴いたけど、えらく感動的な歌なんだよね。
香川照之の指導は、本物の合唱の先生ぽかったよ。
でも、中学生男子があんなにマジメに合唱に取り組んだりするかね?
もしかしてこの時代だったら、そういう感じもあったのかな?
康夫、15歳でまだ声変わりしてないって、ちょっと遅いのでは。
その年で「ウィーン少年合唱団に入るのが夢」って、無理ありすぎだろー。
男声合唱に一人だけボーイソプラノが交じってるってどうなの・・・私にはあまり美しいと思えなかったんだけど・・・。

体育館で、他校の女声合唱団と合同練習、女子はブルマ姿。
「男子は女子と組んで腹押し〜!」と、腹にこぶしを当てられながら発声練習するんだけど、あれってすごい過酷な練習では・・・。
だって中学生だよ!? 男子校だよ!?
いちばん異性を意識して素直になれない時期なんじゃ。
しかし、道夫はかわいい女子に惑わされてなかった。
それより康夫との関係が、なんだか怪しかったなり。

「革命のために東京に行く」と熱心な康夫と道夫だが、子供らしく、純粋だからこその浅慮、理想への傾倒という感じ。
個人的な悩みとか、日常の圧迫感への反発とかが転化されているのかなあ。
現代音楽調のBGMが全編を覆っていて、落ち着かない気分を増幅させる。

「はぁぁ〜、あの光景・・・筆舌に尽くしがたし」
丸池に落ちて臨死体験をした少年、磯部はちょっとしか出てこないんだけど、なんだかカワイイ♡

独立少年合唱団
(2000年 日本)
監督/緒方明
音楽/池辺晋一郎
出演/伊藤敦史(柳田道夫)
   藤間宇宙(伊藤康夫)
   香川照之(清野省三)
   滝沢涼子(相沢里美)
   芹沢礼多(田中教諭)
   泉谷しげる(木場教諭)
   岡本喜八(植草学院長)
   横田裕一(康夫の歌声)

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マリー・アントワネット

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

オーストリア皇女であるマリーは、14歳にしてフランス王太子(後のルイ16世)に嫁いだ。しきたりでがんじがらめにされたヴェルサイユ宮殿での生活が始まる。政略結婚を確かなものとするため、少しでも早く子供を作ることを望まれていたが、ルイは趣味の錠前作りばかりに夢中でマリーに触れさえしない。満たされない心を抱えたマリーは、贅沢三昧やパーティに慰めを見出そうとする。

思ったこと

Marie01_1相当軽い内容だと事前に聞いていたので、歴史ものとしてのおもしろさはまったく期待せず、きれいな衣装や宮廷美術を楽しもうと思って観に行った。
それにしたって・・・ここまで内容がないとは、予想を超えていたよ・・・!

ひとりの女の子としての生が描かれるのかと思いきや、マリー・アントワネットの内面についてさえ、たいした描写がされない。
キルスティン演じるマリー・アントワネットが見せる感情表現といえば、故国からフランスへの国境で愛犬と引き離されて悲しむところ(ここは唯一心が揺さぶられたシーン)、子供ができないことを憂えて自室で泣き崩れたところだけ。
既に自分が持っている知識(おもに『ベルサイユのばら』で得たもの)と想像力で補完しながら観る。
歴史的事実が淡々と並べられているが、それぞれにこれといった意味づけがされないので、「それで?」と言いたい感じになってしまう。
デュ・バリー夫人に話しかけた・・・それで?
フェルゼン伯爵と楽しくやった・・・それで?
怒る民衆におじぎをしてみせた・・・それで?
これらのエピソードって、もっと高まった緊張感を感じさせる、もしくはアントワネットの心情を見せるところなんじゃないの〜。
そんな映画じゃないというのなら、なんでこういうエピソードを盛り込んだの〜。

遊びたい盛りの14歳で独り異国へ嫁ぎ、窮屈な宮廷でしめつけられる、というのは同情に値するが、映画のなかのマリーはそれほど悩んでいないっぽい。
言葉の壁もなかったしね!
みんな「ハロー」とか言って、英語を使ってんだもん!
いや・・・そんなこと気にするな、自分・・・『ベルサイユのばら』だって日本語で読んだじゃないか・・・と言い聞かせてみたものの、そういう葛藤が描かれてこそ、マリーに感情移入できるというもの。
自分の立場について深く考えず、社会情勢についても聞き流し、目先のドレスや楽しみに目が奪われているマリーは、充分に現代の女の子に通ずるのだから。
まじめな話、一国の王妃として思慮が足りなかったとは思うけど、周囲の人たちの責任も大きいと思うな〜。
なんてったって中身が子供だもん・・・。
違う時代、違う立場に生まれてくれば、もっと幸せに生きられたかもしれないのにね。

キルスティン・ダンストのことはわりと好きなんだけど、マリー・アントワネットの役はあまり似合ってないと思う。
どうしても顔はやぼったいと思うので、「美しい」と誉めそやされるのを聞くと、もにょもにょする。
でも身体はきれいだね〜。
透き通るように白い肌。
プラチナブロンドをほんのりピンクに染めた髪がかわいかった。
寝起きの姿もいい♡
あと、マリー・アントワネットの娘役の子供が、天使と見まごうほどの愛らしさ!

ヴェルサイユ宮殿で撮影されたというのはスゴイし、画面いっぱいにあふれるドレスや靴、お菓子は確かに美しいけど、私のなかではあまり盛り上がらなかったな・・・。
まんまと帰り道に、きれい色のお菓子を買ってしまったけれども・・・。

マリー・アントワネット
Marie Antoinette

(2006年 アメリカ/フランス/日本)
監督・脚本/ソフィア・コッポラ
出演/キルスティン・ダンスト(マリー・アントワネット)
   ジェイソン・シュワルツマン(ルイ16世)
   リップ・トーン(ルイ15世)
   ジュディ・デイヴィス(ノアイユ伯爵夫人)
   アーシア・アルジェント(デュ・バリー夫人)
   ローズ・バーン(ポリニャック公爵夫人)
   ジェイミー・ドーナン(フェルゼン伯爵)
   マリアンヌ・フェイスフル(マリア・テレジア)
   ダニー・ヒューストン(ヨーゼフ2世)
公式サイト

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鉄コン筋クリート

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

宝町で暴れ回るストリートチルドレン、“ネコ”と呼ばれるふたりの少年、クロとシロ。町にネズミという通り名のヤクザ、鈴木が戻ってきた。“子供の城”というテーマパークが建設されることになり、町は変わっていこうとする。ふたりを案じる警察や、町をのっとろうとする蛇という男に3人の殺し屋、ヤクザたちがからみ、クロとシロも今までと同じでいられなくなる。

思ったこと

細部まで作り込まれた宝町のビジュアルに圧倒される。
クロとシロが空を飛ぶ〜〜! 宙に浮いてる〜〜! 楽しい!!
恐れを知らない子供の想像力と全能感が外まであふれ出しちゃっている感じ。
それ自体が命を持っているかのように生き生きとした宝町の魅力は、少年たちの目を通して見たものだと思うと納得。
動きや視線にともなう、風景のゆらぎや焦点の合わなさが臨場感を増す。
ほんと、アニメーションも進化してるのな。

ストーリーは一応あるんだけど、なんだかとりとめがない感じ。
“道徳を知らず、血を好む”と言われる暴力的なクロだが、そんな邪悪なイメージよりも、「シロと町を守りたい」という一途な気持ちばかりが迫ってくる。
お話はクロを中心に回っているといえるが、見終えたあとには、これはシロの物語だったという印象が強い。
いかにも子供らしいイノセンスと天衣無縫さがカワイイ〜!
一人じゃ何もできないようなシロ、だけどクロの存在を支えているのは、底知れない力強さを秘めたシロなんだ。
クロとシロは「心のネジが足りない、神様が失敗したから」。
でも「クロの持っていないネジ、シロが全部持ってる」。
血縁でも恋愛でも損得でもないふたりの心のつながり、このうえなく感動的です。
多分、すべての人間は、どこか“ネジが足りない”のだと思う。
その人がいるからこそ自分にも存在価値が感じられる、ソウルメイトに出会えた人生は、それだけで幸いだ。

ふたりの宝町への思いは、愛と憎しみが混ざり合ったアンビバレントな感じ。
“大人を毛嫌いしている”というクロだけど、町も自分たちも変わっていかざるを得ない。
そんなふたりの未来が、海辺でのイメージのように、自分らしく豊かなものであるといいなぁと祈るような気持ちだ。
それは、私自身そうありたいなぁと思う気持ちと同じ。

松本大洋のマンガはほとんど読んだことないけど、原作、買ってみようかな〜。

鉄コン筋クリート
(2006年 日本)
監督/マイケル・アリアス
原作/松本大洋
声/二宮和也(クロ/イタチ)
  蒼井優(シロ)
  伊勢谷友介(木村)
  田中泯(鈴木)
  本木雅弘(蛇)
  宮藤官九郎(沢田)
  西村知道(藤村)
  納谷六朗(じっちゃ)
  大森南朋(チョコラ)
  岡田義徳(バニラ)
公式サイト

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パプリカ

お気に入り度 ★★★★★

こんな話

他人の夢の中に入り込むことができる機械“DCミニ”。サイコセラピスト千葉敦子は、夢の中で治療を施すとき、パプリカという少女になる。ある日、精神医療研究所から3台のDCミニが盗まれた。そして、狂った夢に侵されていく人々。千葉敦子は、天才科学者である同僚の時田や島所長とともに、犯人を捜す。

思ったこと

めくるめく夢の世界に酔いまくり、映画が終わったあとも、自分の身体の周りに広がるこの世界が現実だと感じられない・・・。
映像世界にここまで没頭したのって、すごく久しぶりのような気がする。
いったいなんなの!? この異様なおもしろさ。
オープニングからタイトルロールまでの流れで一気に心をつかまれ、すごい興奮した。
アニメならではの映像美。

Paprika01_1夢の世界にだけ存在する女、パプリカ。
かわいくて生き生きしていて変幻自在で万能。
孫悟空、妖精、フランス人形、人魚・・・くるくる変わる姿は、とてつもなくカワイイ!!
いいなー憧れだなー。
私の中にもパプリカがいないかなー。
そしたら私、ずっと眠ったままでもいい・・・。

千葉敦子がこれまたいい女でさー。
あの怜悧なまなざし、きつい言葉、たまりませんなー。
お姉さま・・・(って、私のほうが年上なんじゃないかという気がするけど)。
敦子とパプリカがまったく違う人格として描かれているところも興味深い。
ふたりのやりとりを見てると、私がいろいろ考えて自問自答しているときにも、心の中でいくつもの人格が話し合っているんだと思えてきて・・・。

脈絡なく場面が転換し、自分の気に入っているシチュエーションや、過去の記憶の断片が挟み込まれていく。
夢って本当にこんな感じだよね。
そして敦子と一緒に、これが夢なのか現実なのか分からないような気持ちになっていく。
怪しげな場所で、次に何が起こるのかまったく予想がつかず、おそるおそる足を踏み出す感じ・・・実際に他人の夢に入り込んでしまったかのような幻惑感だ。
サーカスの舞台、ぶるんぶるん回る時田の顔、おびただしい蝶、小山内の横から顔を出してくる乾など、ぞくっとくるような悪夢イメージも満載。

正直言うと、ストーリーはなんだかよく分からなかった。
何を言っているのかよく聞きとれないところも多かったし(特に、乾理事長と、悪夢に操られている人たちのセリフ。2〜3割程度しか聞きとれなかった・・・そんなの私だけ?)。
DCミニの設定はいいとして、なんで夢がいきなり現実を浸食してくるのか?
パプリカは夢の女なのに、いつどこで入れ替わってるの?
粉川刑事のトラウマはちょっと不自然では?
敵の人たちはいったい何がしたかったのだろう?
ラストはあれで一件落着なのかー?
・・・でも、そんなのまあ、どうでもいいかなって。
ストーリーの雰囲気しか把握できなくても、映画のおもしろさはまったく損なわれていなかったと思うから。
とはいえ原作も読んでみようかな。
今敏は評価の高い監督らしいが、私は全然知らなかったので、過去の作品も是非チェックしてみよっと。

パプリカ
(2006年 日本)
監督/今敏
原作/筒井康隆
音楽/平沢進
声/林原めぐみ(パプリカ/千葉敦子)
  江守徹(乾精次郎)
  堀勝之祐(島寅太郎)
  古谷徹(時田浩作)
  大塚明夫(粉川利美)
  山寺宏一(小山内守雄)
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哀しみのベラドンナ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

中世フランスの村。領主に結婚の報告に行ったジャンとジャンヌだが、貢ぎ物が足りなかったためにジャンヌは領主に身体を奪われた。傷ついて家に戻ったジャンヌの前に悪魔が現れる。飢饉のなか、ジャンヌが紡いだ糸はよく売れ、税金を納めることができたジャンは役人に取り立てられた。しかし戦争の資金を集めることができず、ジャンは左手首を切り落とされ、ジャンヌは悪魔つきとして村を追われる。

思ったこと

ベラドンナ・・・ああ・・・ベラドンナ・・・ああん♪
ベラドンナ・・・美しい女♪
ベラドンナ・・・恋をした女♪

同行の友人と歌いながら、劇場を出てきてしまいました。
なんかクセになるメロディだな〜。
ついなんとなく「ベラドンナ」が名前だと思ってしまいがちだが、主人公の名前はジャンヌだ。
そのジャンヌがとにかく陵辱される・・・というお話。
ぽか〜んと口を開けっ放しになってしまうほど、ショッキングな性表現がこれでもかこれでもかと続く。
あまりにくどく長たらしいので、だんだん麻痺してきてしまった(ちょっと眠くなったくらい)。
でもこれ、子供が観たらトラウマになりそうだな・・・。

誰も彼も(悪魔さえも)がジャンヌの身体を欲している。
魔性の女?
可哀想な身の上なんだけど、あんた、顔も身体も声もエロ過ぎるから・・・と、アンチ・フェミニズムなことを言ってしまいたくなります。
むごたらしい目にあって悲鳴をあげたり泣いたりしてるが、本当のとこどうなのよ?という感じに見えるのは、男性によって作られているからなのでしょうか。
現代に生きる自分にとって荒唐無稽なお話だから、ジャンヌの悲劇が身に迫らないのでしょうか。

アニメーションによくあるようなくっきりした線の絵ではなく、叙情的な水彩イラストレーションがそのまま動き出したかのような美術はすばらしく美しい。
特に、ジャンヌが森の奥で悪魔に身をゆだねたときの映像が圧巻。
旧・虫プロによる製作なのだが、手塚治虫っぽさはあまり感じなかったな。
ちなみに、この映画の公開年の1973年に旧・虫プロは倒産している・・・こんなマニアックなの作っているから・・・。

哀しみのベラドンナ
(1973年 日本)
監督/山本暎一
原作/ジュール・ミシュレ
美術/深井国
出演/長山藍子(ジャンヌ)
   仲代達矢(悪魔)
   伊藤孝雄(ジャン)
   高橋昌也(領主)
   シメギシガコ(奥方)
   米倉斉加年(司祭)
   中山千夏(ナレーション)
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ヨコハマメリー

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

かつて横浜にひとりの娼婦がいた。白塗りの顔にくっきりと黒いアイライン、フランス人形のようなドレス。“皇后さま”“キンキラさん”“ハマのメリーさん”などと呼ばれた彼女は1995年に姿を消し、都市伝説のような存在となった。彼女をめぐる人々の話から、その姿を浮き彫りにしていくドキュメンタリー。

思ったこと

メリーさんという人のことは今回初めて知った。
一度見たら忘れられない強烈な外見。
チラシや予告編を見て不思議に思ったのは、娼婦という影の世界の存在で、白塗りにドレスという異様な風体の老婆が、どうして畏怖されるような、尊敬されるような扱いなんだろう?
「横浜の男の人にとって、メリーさんに声をかけられるのは名誉なことなんです」という言葉は、いったい何を表しているんだろう?

横浜には数回行ったことがあるけれど、港が見える丘公園とか外人墓地、中華街など、観光地としての表面しか知らない。
この映画はメリーさんに焦点を当てつつも戦後からの横浜を回想していく作りになっていて、ああ、横浜ってこういうところだったのかー、という生っぽい感触が伝わってくる。
24時間営業で猥雑なエネルギーに満ちていた居酒屋「根岸家」の話など、自分からは全然遠い時代のものなんだけど、その場に存在してみたかったような、知らないのが悔しいような気持ちにさせられる。

メリーさんを偲ぶ人たちが、皆濃くておもしろい。
癌に侵されながら歌い続ける、化粧ばっちりのシャンソン歌手、永登元次郎さん。
以前はドラッグストアを手伝っていた、暗黒舞踊家の大野慶人さん。
さわやかな“テレフォンセックスの女王”、清水節子さん。
昔のちょっといい(?)思い出を語る、風俗ライターの広岡敬一さん。
ほかにも、かつて娼婦だった人とか、かつて愚連隊だった人とか・・・。

メリーさんが声をかける男性の条件は「メガネをかけている(頭がいい)、太っている(お金持ち)、色が黒い(身体が丈夫)」だそうで、ちょっと笑ってしまった。
なんかかわいらしいな・・・。
将校以上しか相手にしなかったとか、帰国する船の前で恋人とひしっと抱き合っていたとか、伝説めいたエピソードの数々は、どれほどの美女だったかと想像をたくましくさせられる。
しかし、特別な存在だったとはいえ、皆が口々に懐かしそうに思い出を語るとはいえ、そこはやっぱり娼婦。
行きつけの美容院から断られたり、ホームレス状態だったりと、年をとってからは特に、決してラクに生きていたわけじゃなかった。
収入なんてほとんどなかったろうに、それでも誇り高くあったメリーさんの内面は、最後まで謎のまま。
昔別れた恋人が戻ってくるのを待っているのだ、なんて、メロドラマのような噂も信じてしまいたくなる。

結局メリーさんは行方不明のミステリアスな存在なのかと思いきや、最後に素顔で登場する。
なんだか心がほっこりするような、うれしい驚き。
いい笑顔の、ごくごく普通のカワイイおばあちゃんに見えた。
しかし現在では、メリーさんも永登元次郎も既に亡くなったとか・・・こうして時代は流れていくのだな・・・合掌。

ヨコハマメリー
(2005年 日本)
監督/中村高寛
出演/永登元次郎
   五代路子
   杉山義法
   清水節子
   広岡敬一
   団鬼六
   山崎洋子
   大野慶人
公式サイト

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嫌われ松子の一生

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

東京で無為な生活を送る川尻笙は、今まで存在さえ知らなかった伯母が殺されたと聞かされ、そのアパートの整理を頼まれる。そして、周囲に現れる人々の話から、松子の人生をだんだんと知っていく。23歳のときに現金盗難事件で中学教師を辞職、妹の首をしめて家出、数々の男たち、トルコ嬢、殺人、刑務所・・・その人生は壮絶なまでに波瀾万丈だった。

思ったこと

Matsuko01涙なくしては語れない松子の一生・・・観ている間ほとんど泣きっぱなし状態・・・なのに、すんごく笑えるの!
涙と笑いをずーっと持続させられて、こちらの感情はもう、ぐちゃぐちゃですよ。
どこが特に泣けたかというと、親友めぐみが松子のことを気づかうシーン。
私、友情とか兄弟の絆とかに弱い・・・。
恋愛や親子愛には食傷気味というか、けっこうクールでいられる・・・とはいえ、松子が父の日記を見つけたシーンも相当キましたが。

運命に翻弄される松子の人生は本当に痛々しい。
こんなに美人に生まれたのに・・・(って、それは中谷美紀だけど)。
教師時代、女生徒たちと小舟に乗って合唱の指揮をしている松子はすがすがしく美しく、このまま平凡でもまっとうで幸せな人生が続いていくのだろう、と思わせる空気をまとっているというのに。

松子は何人もの男を渡り歩く。
ちょっと節操ないような気がしないでもないのだが、そのこと自体が暗くすさんだ感じじゃあないのは、松子はそのときそのときの相手のことを精いっぱい心から愛しているためだと思う。
常に、まっすぐ、愚直なまでに。
そして、相手も松子のことを本当に愛していたはず・・・うまくいかなかったのは、運命の歯車のちょっとした食い違い・・・。
父親との関係だってそうだ。
気持ちはちゃんとあるのに、互いにうまく表現することができなかった。
どんなにつらい目に遭ってきても、愛する力、信じる力、夢みる力を失わない間は、不幸じゃあなかった。
年をとってからの引きこもり生活と末路は、真に悲惨だが・・・(生活費をどうしていたのかが気になる)。

音楽劇としても楽しい!
特にソープランドと刑務所の群像シーンね。
音楽に乗せると、雰囲気や感情、状況説明が短時間でダイレクトに伝わってくるわぁ。

松子が追いつめられたときにしてしまうあの表情、すごいよ、美人女優なのに!!
子役の松子も、鮮やかな変顔っぷり。
あんなに見事な寄り目って普通にできるものなのかな〜?と思って鏡の前で試してみたが、寄り目にすると鏡が見られない、鏡を見ると寄り目ができない。
友達と会ったときに事情を説明して、「どう?」と見てもらったが、「全然寄り目になってないよ」とあっさり言われた・・・。
私には松子の才能がない・・・。

嫌われ松子の一生
(2006年 日本)
監督/中島哲也
原作/山田宗樹
出演/中谷美紀(川尻松子)
   瑛太(川尻笙)
   伊勢谷友介(龍洋一)
   香川照之(川尻紀夫)
   市川実日子(川尻久美)
   柄本明(川尻恒造)
   奥ノ矢佳奈(松子:子供時代)
   黒沢あすか(沢村めぐみ)
   柴咲コウ(明日香)
   木村カエラ(超人気シンガー)
   片平なぎさ(片平なぎさ本人)
   ゴリ(大倉修二)
   竹山隆範(教頭)
   谷原章介(佐伯俊二)
   宮藤官九郎(八女川徹也)
   劇団ひとり(岡野健夫)
   谷中敦(マネージャー赤木)
   ボニー・ピンク(綾乃)
   武田真治(小野寺)
   荒川良々(島津賢治)
   AI(女囚A:唄)
   土屋アンナ(女囚C:プライド)
   山田花子(女囚D:思い出)
公式サイト

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humoresque ユモレスク〜逆さまの蝶〜

お気に入り度 ★☆☆☆☆

こんな話

17歳の女子高校生、エイミーとソニー。ふたりはいつも着飾って、おいしいものを食べ、使われていない骨董屋で気ままな時間を過ごしている。エイミーは謎の人物イギーの話をし、ソニーはギターを鳴らす。ある日、エイミーはバーで出会った男、ジャックダニエルを好む“J”に恋をした。

思ったこと

なんていいますか・・・雰囲気映画?
ふたりの女の子たちはモデルなだけあってきれいだし、洋服や雑貨は素敵な物を厳選してある感じだし、おしゃれな雑誌みたいに作り込まれた映像。
でも、それだけ・・・。

登場人物たちの存在感が、観ていてまったく伝わってこない。
「エイミーとソニーは正反対の性格」って、あとから解説を読んで初めて知ったよ・・・。
特にエイミー役の太田莉菜の大根ぶりは、いたいたしいくらい。
「〜〜だわ」「〜〜わよ」という語尾が、すごく不自然に聞こえる。
今の若い人って、そういう言葉使いしないよね?
既に文語的表現だといえると思う。
かといって完全に死語というわけでもないので、上手な役者であれば自然にできたかもしれないが。
ソニー役の美波のほうは、まだ表情にニュアンスを感じさせる。

ふたりが過ごす毎日は非現実的だし、作品世界にも入り込めなかったので、ひたすらディテールを眺めてた。
きれいな骨董品がところ狭しと並んだ部屋で、いつもおしゃれな格好をして、お菓子も素敵な食器に盛られている。
ふたりともマメに掃除とかしなさそうに見えるから・・・部屋の隅にはホコリや髪の毛がふきだまっているんだろうな、グラスは磨かれずくもっているんだろうな、服には染みとかついたままなんだろうな・・・。
意地悪言うなって?
ふんだ、フィクショナルな世界に酔わせてくれないほうが悪いんだ。

humoresque ユモレスク〜逆さまの蝶〜
(2006年 日本)
監督・脚本/猪俣ユキ
出演/太田莉菜(エイミー)
   美波(ソニー)
   村上淳(J)
   鮎川誠(イギー)
公式サイト

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子ぎつねヘレン

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

世界を飛び回るカメラマンの母を持つ8歳の太一は、北海道で動物診療所を営む矢島のもとで暮らし始めた。ある日、親とはぐれたキタキツネの子を見つけて連れ帰る。矢島は、子ギツネのおかしな様子から、目と耳が不自由らしいことに気付く。ヘレンと名付けた子ギツネを助けるため、太一は一生懸命に世話し始めた。

思ったこと

Kitsune01お母さんと離れて暮らす男の子が、身体の不自由な子ギツネを拾い、親身になって世話し、一緒に強く成長していく・・・という、予告編だけでもう観終わったような気分になる、予想外のことは何ひとつ起こらない映画。
ウーン、どうしてこうも陳腐なんだ・・・。
“セリフを言わせられてる感”ありありの子役を見続けるのはツライわ。
それから、とってつけたような幻想シーンや美しい景色ね。ウンザリ。
子供向けって言うより、子供だましって思う。

しかし、子ギツネをじっくり見られたのは、かわいくて良かった。
珍しいし。
三重苦を背負った子ギツネの演技(?)がスゴイ!!
いったいどうやって撮影したんだろう?
と思って公式サイトのプロダクションノートを読んでみたが、ほぉ〜、8匹の子ギツネをかわるがわる使っていると・・・ほぉ〜ほぉ〜、アニマトロニクスとCGを駆使していると・・・。
子ギツネには、不自然さやわざとらしさをまったく感じなかったから、ちょっとビックリ。
技術の進歩ってスゴイわ〜。

それにしても、遠くに住む恋人(?)のもとへいきなり息子ひとり送りつけて、自分は南の島で「大切なお仕事をしてくる」という母親・・・ろくなもんじゃないな・・・虐待じゃねぇか。
それから、親子という設定の矢島と美鈴の関係が、ストーリーが進んでもしばらく分からなかった・・・矢島ってなんだか独身ぽい雰囲気だし、美鈴は若いアシスタントと見えなくもないし・・・。
あと、親子らしいと分かってからも、亡くした妻の連れ子かなぁ〜?と考えたりして。
なんかスッキリしなかったので、もうちょっと分かりやすく説明しといて欲しかったです。

子ぎつねヘレン
(2005年 日本)
監督/河野圭太
原作/竹田津美
出演/深澤嵐(大河原太一)
   大沢たかお(矢島幸次)
   小林涼子(矢島美鈴)
   松雪泰子(大河原律子)
   阿部サダヲ(派出所の警官)
   吉田日出子(森の老婆)
   藤村俊二(上原教授)
公式サイト

日本映画 | | コメント (0) | トラックバック (0)

THE有頂天ホテル

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

高級ホテル・アバンティのおおみそか。カウントダウンパーティまであと2時間の忙しいときにトラブル続出で、副支配人の新堂は大わらわ。汚職国会議員の武藤田を追ってマスコミは詰めかけるし、派手なコールガールのヨーコがうろうろ、そんななか別れた妻の由美と再会してしまう。客室係のハナと睦子は、悪夢のように散らかったスイートルームの掃除。歌手の夢をあきらめて田舎に帰る決心をした憲二は、舞台を控えて情緒不安定の大物演歌歌手、徳川膳武をなだめることに。

思ったこと

設定や豪華キャストを聞いたときはおもしろそぉ〜と思ったのに、ううーん、最初から最後まで心が動かない映画だった・・・。
まあまあ楽しめたとは言えるけど、「あ、ここ笑うところかな」と思っても実際には笑えないため、なんだか寒々しい気分に・・・。
これ、TVでいいんじゃない?
三谷幸喜のドラマはまったく知らないが、昔、舞台を観たときは、心の底から笑ったり感動できたりしたんだけどなぁ〜。
映画だとなんかイマイチなんだよなぁ〜。

最高級ホテルという設定らしいが、全然高級に見えない。
副支配人があんなにバタバタして、ロビーで垂れ幕を広げているようじゃあ、たいした格のホテルじゃないね・・・。
別れた妻に思わず見栄を張って、ウソのスピーチをしてしまうところとか、イタ過ぎて直視できません。
篠原涼子のコールガール役は評判いいらしいが、こういうキャラって架空のお話の中にしかいないよね。
コントみたいというか、空気を安っぽくしてると思うんだけど。
なんかありえないことだらけで・・・フィクションの中でありえないことが起こるのは当然なんだけど、その世界でそれが起こる必然性、説得力というのが感じられないと、観ているこっちはついていけないのよね。

役者の方々は、それぞれ見ごたえあったよ。
ただ、メインの男性陣は、なんか大げさで暑苦しいんだよなー。
戸田恵子お姉さま、ステキ。こんな人にアシストしてほしい。
生瀬勝久、おもろい。
松たか子はきりっぷりっとしていて、最近ちょっと好きになってきた・・・。
堀内敬子って聞いたことあるけど誰だっけ・・・ああ!劇団四季でヒロインやってた人じゃん!何故こんなところに・・・?
オダギリジョーは、本当にこういう人だと思ってしまいそうな化けっぷり。
原田美枝子って、戸田恵子と顔つきが似ていてまぎらわしいと思ったのは私だけですか?
西田敏之の演歌歌手、登場人物のなかで一番好きだったかも・・・。
YOUの妙な存在感と、ラストの歌がいい感じ。

ええーっと、あんなラストで無事ハッピーエンドなんですかね?
やっぱ高級ホテルじゃないだろーっ!!

THE有頂天ホテル
(2006年 日本)
監督・脚本/三谷幸喜
出演/役所広司 (副支配人、新堂平吉)
   戸田恵子(アシスタントマネージャー、矢部登紀子)
   生瀬勝久(副支配人、瀬尾高志)
   松たか子(客室係、竹本ハナ)
   堀内敬子(客室係、野間睦子)
   川平慈英(ウェイター、丹下)
   香取慎吾(ベルボーイ、只野憲二)
   伊東四朗(総支配人)
   石井正則(ホテル探偵、蔵人)
   オダギリジョー(筆耕係、右近)
   篠原涼子(コールガール、ヨーコ)
   佐藤浩市(国会議員、武藤田勝利)
   浅野和之(議員秘書、神保保)
   角野卓造(マン・オブ・ザ・イヤー受賞者、堀田衛)
   原田美枝子(堀田の妻、由美)
   麻生久美子(小原なおみ)
   唐沢寿明(芸能プロ社長、赤丸寿一)
   YOU(シンガー、桜チェリー)
   寺島進(マジシャン、ホセ河内)
   奈良崎まどか(マジシャンのアシスタント、ボニータ)
   榎木兵衛(腹話術士、坂田万之丞)
   西田敏之(演歌歌手、徳川膳武)
   梶原善(徳川膳武の付き人、尾藤)
   津川雅彦(大富豪、板東健治)
   近藤芳正(板東健治の息子、直正)
公式サイト

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ALWAYS三丁目の夕日

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

東京タワーが空に向かって延びていく昭和33年。無骨な則文、やさしいトモエ、小学生一平の一家が暮らす鈴木オートに、集団就職で六子が加わった。駄菓子屋の店主、茶川はしがない小説家。行きつけの飲み屋で、おかみのヒロミに、身よりのない淳之介の世話を押しつけられる。

思ったこと

おもしろくてビックリした・・・。
評判が高いのは知っていたけど、ちょっと前に流行ったテーマパークみたいな“昭和30年代”に食傷気分だったし、ほのぼの人情ものは私の守備範囲ではないと思っていたので、たいして興味をもってなかったのだが、観て良かったな。
ベタなストーリー展開だけど、丁寧に作られているから、素直に楽しめます。
子供たちの演技が自然でしっかりしているのも良かった〜。
日本の子役にも、ちゃんといい子たちがいるんじゃん〜。

私自身は東京から遠く離れた地方の出身だし、昭和30年代も実際には知らないし、懐かしくもなんともないわけだが、かつての日本はこんなに素敵だったと空想するのは、まあ心地よいね。
きれいな部分ばかりが描かれているのだろうけど・・・。
初めて冷蔵庫やテレビが届いて大喜びしたり、鈴木オートのだんなが「今は町の修理工場だけど、将来は大きな会社に」と夢を語ったり、確かに、すべてがこれからどんどん良くなっていくという希望で頑張れた時代なのだろうとは思う。
そして実際に豊かさを手に入れた現代なわけだが・・・人間って、実際に何かが満たされたときより、これから満たされるぞーと進んでいるときのほうが、幸せを感じられるものなのかな〜と思った。
そういえば、お休みの当日より、その前夜のほうが幸せ感高いしな〜。
それなら、永遠に実現しない目標を設定して、(でも実現すると信じながら)ゆっくりそれに向かっていくのが幸せの秘訣かな?

Always01鈴木オートのダンナが怒り狂う場面、涙が出るほど笑ってしまった。
マンガみたいな怒り方だった〜。
六ちゃん、めちゃくちゃカワイイ。
いちばん見ごたえがあったのは、やはり茶川かな・・・。
どうしようもなくカッコ悪いんだけど、なんか、だんだん好きになっちゃうの・・・。
ヒロミ(小雪)は、いつもほど美人に見えなかったな〜。
作り込まれたこの世界から、ちょっと浮いてた気がする。
それから、今まで謎に思っていたサザエさんの髪型って、実際に見たら、鈴木オートのお母さんみたいな感じなのかぁ〜と納得した。

ところで、以前、川本喜八郎監督の特集上映を観に行ったとき、期せずして川本監督と山崎貴監督との対談があったんですよ。
小さいホールの最前列真ん中に座っていたので、目の前でお二人が話すのを聞けたのですよ。
山崎監督が素敵な人でビックリした・・・(同行者は、オダギリジョーが出てきたかと思ったと言っていたが、それは言い過ぎ!?)。
1964年生まれということだけど、もっと若く見える!
ちなみに川本監督(1925年生まれ)も、眼がキラキラして、お若く見えました。
いいものを楽しみながら作っている人たちって、若さを保っていられるのかしら・・・。
『ALWAYS三丁目の夕日』では、CGを利用してノスタルジックな風景を作り出したことも話題になったけど、ミニチュア撮影も併用しているそうです。
CGにはない、本物だけがもつ存在感が大切・・・などというようなことを話されてました。

ALWAYS三丁目の夕日
(2005年 日本)
監督/山崎貴
原作/西岸良平
出演/堤真一(鈴木則文)
   薬師丸ひろ子(鈴木トモエ)
   小清水一輝(鈴木一平)
   堀北真希(星野六子)
   吉岡秀隆(茶川竜之介)
   小雪(石崎ヒロミ)
   須賀健太(古行淳之介)
   三浦友和(宅間史郎)
   もたいまさこ(大田キン)
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運命じゃない人

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

婚約破棄となり行くところもなく独りレストランで涙を浮かべる真紀。新しく購入したマンションから出て行ってしまった元彼女あゆみのことが忘れられない、お人好しの宮田。そんな宮田を案じて真紀をナンパする親友、私立探偵の神田。そして、ヤクザ組長の浅井・・・。彼らの思惑と行動が交錯する一夜。

思ったこと

突飛な事件が次々と起こるのに、私たちのすぐそばで、等身大の人たちによって、本当に起こったかもしれないとだんだん思えてくるのは、作りのうまさかな。
俳優たちの演技は特筆するほどじゃないんだけど、自然でわざとらしさがなく、すんなり感情移入できる。
各エピソードがピシピシとつながっていく瞬間が楽しいので、予備知識なしで観るのをおすすめします。
凝った構成にもかかわらず、とても分かりやすいのも◎。
ただ惜しむらくは、軽妙なストーリーとセリフ運びのわりに、ちょーっとテンポが悪く感じられたことかな。
この地味な感じがぬぐえれば、もっと世間一般でブレイクしそう。

宮田というのが、映画やドラマの主人公にはそうそういない、本当にフツーのサラリーマン風。
なんか、なごむ。
真紀とふたりきりで話すときも、全然もの慣れてなくて、会話が盛り下がって、途切れがち。
ああ、こういう雰囲気、現実ではよくあるよね・・・。
いかにもな寝グセも見事だけれど、寝グセ風の髪型にセットするって、どうやるんだろう??
峰不二子風の悪女あゆみも、なかなか魅力的だった。

元カノあゆみに未練を残す宮田に、新しい出会いをしろと説く神田のセリフが印象的。
「タイミングがなかった!? タイミングはおまえが作らないと、ないよ!」
「30超えたら、運命の出会いとか、自然の出会いとか、友達同士からいつの間にかラブラブとか、一切ないから。ゼーッタイに。もうクラス替えとか、文化祭とかないんだよ!」
うーん・・・もっともな意見ね、耳がイタイわ。
でも、私にだけは運命の出会いが訪れるかもしれないの(・・・と、夢を見続けるのだった)。

こういう、予算があまりかかっていないのにおもしろい作品が出てくると、日本映画の未来もまだまだ期待できるという気分になるね。

運命じゃない人
(2004年 日本)
監督・脚本/内田けんじ
出演/中村靖日(宮田武)
   霧島れいか(桑田真紀)
   山中聡(神田勇介)
   山下規介(浅井志信)
   板谷由夏(倉田あゆみ)
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単騎、千里を走る。

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

漁師の高田は、長年仲違いしている息子の健一が入院したと聞いて東京の病院を訪ねたが、健一は会うことを拒んだ。健一の妻、理恵に渡されたビデオテープを見て、民俗学者である健一が舞踊家の李加民と約束を交わした「単騎、千里を走る」という仮面劇を撮影するために、高田は単身中国へと渡る。

思ったこと

最初あらすじを知ったときは、このストーリーでどうやって2時間弱も持たすんだろう、そして何がそんなに感動的なんだろう・・・と不思議に思った。
お涙ちょうだいは好きじゃないので、息子が死んだくらいじゃー泣かないよ!と斜に構えていた。
しかし・・・さすがチャン・イーモウ! さすが高倉健!
「お父さ〜ん!」と、泣きながら叫びたいような気持ちにかられました。
(実際の自分の父は、高倉健にも李加民にもまったく似てないけど。)

本当言うと、息子の代わりに中国でビデオを撮ってこようとする高田の行動には、賛成できなかった。
そういうことではないんでないかな〜、その前にすることがあるんでないかな〜と思った。
しかし、自分の思いをうまく表現できず、正面から息子に歩み寄ることができないのが、不器用な高田という人間なのだろう。
過去に何があり、父子を隔ててしまったのかは、具体的には説明されなかったが、それぞれの不器用さと頑なさですれ違ってしまったんだろうなぁと容易に想像させられる。
モノローグ以外で高田が喋るセリフはあまり多くないのだけど、“背中で語る”というのを、ここまで実感したのは、初めてのような気がする。
高倉健、これで74歳・・・素晴らしいですね。
健さんが、隠すように涙を流しているのを見たら、もうホント、たまらなかった。

『あの子を探して』のときと同様、ほとんどの出演者は素人とのこと。
楊楊は本当に子供らしくて、愛しくてしょうがなくなる。
ガイドの邱林は、ひょうひょうとした好人物で、旅先で出会うとうれしくなれそう(最初ちょっと胡散くさいと思っちゃったけど。ゴメンネ)。
元来“素人くさい”のは嫌いなんだが、そんな言葉を超えた存在感を見せつけてくれる。

高田が訪れる、中国の麗江は、おとぎ話のように幻想的な美をもつ町。
楊楊との道程では、壮大過ぎる景色が広がる。
村では、携帯電話が使える場所を探して屋根の上へ出るシーン、永遠に続くかと思われるほど長く並べられた食卓のシーンが、強く印象に残った。
中国、やっぱり一度行ったほうが、いいかもしれん・・・。

中国パートに比べると、日本パートは色あせて見える。
寺島しのぶや中井貴一(声だけだが)の、きっちりとした演技が、なんだか興醒め。

単騎、千里を走る。
千里走単騎/Riding Alone for Thousands of Miles

(2005年 中国/日本)
監督/チャン・イーモウ
   降旗康男(日本編)
出演/高倉健(高田 剛一)
   リー・ジャーミン(李加民)
   ジャン・ウェン(蒋雰)
   チュー・リン(邱林)
   ヤン・ジェンボー(楊楊)
   寺島しのぶ(理恵)
   中井貴一(健一)
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博士の愛した数式

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

10歳の息子と二人暮らしをしている家政婦、杏子の新しい勤め先は、記憶が80分しかもたない数学博士の家だった。いつも数学の世界に思考をさまよわせている博士は、人との交流にも数字を用いる。学校帰りに立ち寄るようになった杏子の息子に、博士は「ルート」という愛称を与え、3人で過ごすあたたかい日々が刻まれていく。

思ったこと

ルートと呼ばれる若い数学教師が教室に入ってきて、最初の授業は僕のことを知ってもらおう、と話し出す。
そこで、ちょっとウンザリした気分に。
授業の時間に先生の私的な話をされてもな・・・。
しかし、そこから回想シーンが始まり、杏子と博士の出会いが描かれたあと、黒板に「素数」「階乗」などと示して視覚的に解説されると、なんだか授業に引き込まれていくような感覚を覚えた。
おおー、意外とうまいセンセっぽい。
iやらeやら、あったあった、懐かしいなー。
そういえば高校生のときまでは、数学けっこう好きだったんだよね・・・すっかり忘れていたけど。
それにしても、こんなにちゃんと授業を聞いて、イキイキと意見や質問を述べる中学生っているんかいな。

博士の住んでいる家がステキ。
古めの日本家屋で、アンティークな家具が無造作に配置され、本や書類が積み重ねられている。
記憶が80分しかもたないって、実際どういう感じなんだろう。
1日のうちに何回も、自分の症状について“初めて”知らなくてはならず、それに慣れることもできない。
いや、80分以内に思考を反芻すれば、精神状態を安定させられる?
継続した思考ならば、複雑なことも考えられる?
いずれにしろ、足もとがぐらぐらするように不安なのではないかと思う。
絶望を感じてしまいそうな状況で、本人の知性、人格のよさ、恵まれた出会いが、しみじみとしたあたたかさを醸し出し、“人生における希望”を信じられそうな気持ちになった。
さっそうと自転車を走らせる深津絵里の姿は、苦労を見せず朗らかに凛と生きるシングルマザーの姿を象徴しているようで、美しい。

ところで、劇場で観た折に真後ろに座っていた人。
映画内で数字の話題が出るたびに、「虚数」「素数」などと、登場人物が言う前にぼそぼそつぶやくので、「うるせー!」とイラついた。
でも、もしかしたら博士みたいに、事故か何かで脳に傷がついて、思ったことを口に出さずにはいられなくなった人かもしれない・・・と考えて自分をなだめる。
終わったあとに冷たい視線で見てやろうと思って振り返ったが、その人(年配の男性)は気付かずに行ってしまいましたよ・・・。
映画館で上映中にしゃべる人って、意外に多い。
いくら小声でも、気持ちがそがれるのよね。
なんとかしてほしいよ、まったく。

博士の愛した数式
(2005年 日本)
監督・脚本/小泉堯史
原作/小川洋子
出演/寺尾聰 (博士)
   深津絵里(杏子)
   齋藤隆成(ルート:子供)
   吉岡秀隆(ルート:大人)
   浅丘ルリ子(未亡人)
公式サイト

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里見八犬伝

お気に入り度 ★★★★★

こんな話

かつて里見家に滅ぼされたことを恨む玉梓と息子素藤は妖怪となってよみがえり、里見家を襲った。ひとり逃げおおせた静姫は、100年前の伝説にしたがい、玉を持った8人の犬士を集めて蟇田一族を倒そうとする。そして、迷い込んだ村で出会った新兵衛に、いつしか惹かれていく・・・。

思ったこと

Satomi01_1おもしろすぎる!!!
ああ・・・もう、ダメ・・・。
子供の頃にテレビで観て好きだったけど、目が肥えた今ではがっかりするかも・・・という思いはまったくの杞憂、心から楽しめた。
アクションがかっこいいし、音楽は妙にノリがよく、テンポよく進むストーリーに没入してしまう。
古くさい特撮も、ある意味おもしろい。
ムカデのお化けみたいのとか大蛇とか、おもちゃみたいで笑えるうえに、八犬士の皆さんが真剣な顔で戦っているのがますます笑える。

ひろ子ちゃんのお尻ぷりぷり、太ももむちむち。
清らかなお姫様のたたずまいとのギャップがそそるわー。
でも、ラブシーンはねちっこすぎる・・・。
見てて恥ずかしいよ!

真田広之のことは好きになってしまうよね。
特に、姫をわなにひっかけてさらうシーンが好き。
お姫様と身分の低い粗野な男という組み合わせは、盛り上がるなー、周りの者がさげすめばさげすむほど。

敵を殺すために全身に毒を込められた、毒娘というモチーフも大好き!
やはり毒娘は美しく舞わなきゃね、うんうん。

志穂美悦子もきれいで凛々しくてステキ。
ヘビ男妖之介と毛野(志穂美悦子)が最後に戦う部屋は、19世紀末ウィーンのユーゲントシュティール装飾だった。
時空を超えておるな。
クリムトの『接吻』を模した絵の前で、毛野が、くるくるっ「誰にも愛されず・・・」くるっ「誰も愛さず・・・」と死んでいく様は、見ごたえ十分。

そして、なんといっても、夏木マリの怪演は見もの!
全身を柔らかな娘の肌に張り替えて、血の池につかって、美しく若返りたーい!

しかし、改めて観ると、RPGみたいなストーリーだな。
仲間を探し集めて、8つの玉を所定の場所にはめこむと、敵を倒すための武器とメッセージが与えられる。
でもラストダンジョンの城へ乗り込むときは、策なしというかカミカゼ的というか、体当たりの突撃・・・勝てて良かったけど。

ラストは、ラブストーリーとして観ていると感動するが、八犬士の目的は里見家再興ではなかったのかと考えると???

里見八犬伝
(1983年 日本)
監督/深作欣二
出演/薬師丸ひろ子(静姫)
   真田広之(犬江新兵衛)
   千葉真一(犬山道節)
   寺田農(犬村大角)
   志穂美悦子(犬坂毛野)
   京本政樹(犬塚信乃)
   大葉健二(犬飼現八)
   福原拓也(犬川荘助)
   苅谷俊介(犬田小文吾)
   夏木マリ(玉梓)
   目黒祐樹(蟇田素藤)
   萩原流行(妖之介)
   岡田奈々(浜路)

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野蛮人のように

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

15歳でデビューし天才と騒がれた作家珠子は、20歳の誕生日を迎えた今、少々スランプ気味。ひとり夜の六本木を徘徊しているとき、チンピラ英二と偶然知り合った。英二はヤクザの滝口から銃などを預かっており、珠子はヤクザの組長が死んだ夜に一緒にいた女と間違われて、ふたりの逃避行が始まる。

思ったこと

全体的にもったいぶった感じの演出が、ちょっとウンザリした気分にさせる・・・。
リアリティを求めるような映画じゃあないのだろうけど、だからといってウソくささを楽しむこともできなかった。
登場人物の行動がバカすぎて、なんだか、はなじろんでしまうの。

若き柴田恭兵は、ギラギラしたひと昔前の二枚目という感じ。
薬師丸ひろ子は、行動に予測がつかない不思議ちゃん。

ふたりはとにかく逃げまくる。
力を合わせて敵と戦う。
ああ・・・いつもの“吊り橋効果”ね・・・。
おまけに、ケガをした男を献身的に看病するというオプション付き。
しかし、こういうシチュエーションに陥ったとき、“吊り橋効果”などと言っている私のような人間は、劇的な恋に落ちたりしないのだろうな・・・。

湘南のビーチに建っている家はステキ。
住んでみたいけど、風や砂がすごそうだから、住み心地はいまひとつかも。
こんな家に一人暮らしなんて、よほど売れっ子作家だったのかな。
ここで花火を打ち上げまくるのだが、あんなすごいの、素人がやってもいいのー!?
警察がくるんじゃないか。
・・・とはいえ、一晩中どんぱち騒いでいたときも外から誰も来なかったので、よほど人里離れた場所なのかもしれません。

野蛮人のように
(1985年 日本)
監督/川島透
出演/薬師丸ひろ子(珠子)
   柴田恭兵(英二)
   清水紘治(滝口)

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オペレッタ狸御殿

お気に入り度 ★☆☆☆☆

こんな話

がらさ城の城主安土桃山は、“この世で最も美しい者”の地位を奪われることを恐れ、実の息子である雨千代を快羅須山へ追放して亡き者にしようとする。運よく逃れた雨千代は、狸御殿の狸姫と出会った。ふたりはたちまち恋に落ちるが、姫を心配するお萩の局、雨千代を追うびるぜん婆々らの邪魔が入る。

思ったこと

Tanuki01チャン・ツィイーは相変わらずかわいかった。
オダギリジョーはかっこよかった。
それだけだった・・・。

ふたりが出会って・・・え!? いつの間に恋に落ちたって!?

意味わかんない。
前後がつながらない。
ブツ切れのカット割り。
テンポが悪い。
歌と踊りが全体的にしろうとくさい。
出来の悪い舞台みたいな美術。
斬新さもなければ、様式美もない。
墨絵のような背景から滝が流れ落ちている・・・などは良い発想だと思うのだけど、生かせていたとは言い難い。
狸御殿の宴が貧乏くさい。
上野公園の花見の宴会か?
美空ひばりをデジタル出演させるような暇があったら、ブランコを揺らす糸くらい消したらどうか?

意味なし荒唐無稽ストーリーというなら、もっと理屈抜きでわくわくさせてくれなきゃねー。
まともに演技しようとしている役者のことが、いたいたしく見えてくる。

お萩の局を演じる薬師丸ひろ子は、健闘していた。
「ヒトは〜やまい〜♪」という歌も良かった。
まゆげがない顔はちょっとコワイけど。
由紀さおりも歌はいいが、演技がバラエティ番組のコントみたい(そういう演出なのか?)。

チャン・ツィイーのことは大好きなので、悪く言いたくないの・・・でもでも片言の日本語は苦笑するしかなかったよ・・・(吹き替えにすれば良かったのに)。
ひとりだけ中国語をしゃべっているのも、不自然極まりない。
いくら「唐の国から来た」とは言ってもさー。
なぜチャン・ツィイーでなければならなかったの!?
きれいだけどさー。

ひとつだけ、気に入ったところ。
タヌキの紋がかわいかった。

オペレッタ狸御殿
(2005年 日本)
監督/鈴木清順
出演/チャン・ツィイー(狸姫)
   オダギリジョー(雨千代)
   薬師丸ひろ子(お萩の局)
   由紀さおり(びるぜん婆々)
   平幹次朗(安土桃山)
   山本太郎(駝鳥導士)
   パパイヤ鈴木(次郎狸)
   篠井英介(弥助)
   市川実和子(コメ)
   美空ひばり(光の女人:デジタル出演)
公式サイト

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探偵物語

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

女子大生の新井直美がアメリカへ発つ一週間前、辻山という私立探偵がボディガード兼監視役として現れ、行く先々についてくるようになった。直美は最初反発するが、次第に親しみを感じるようになっていく。ある日、辻山の別れた妻である幸子が、殺人容疑で警察とヤクザから追われて逃げてきたのをかくまう。

思ったこと

ここのとこ、薬師丸ひろ子主演作をいくつか続けて観たが、この映画のときがいちばんかわいいんじゃないかと思った。
ちょっと屈折をかかえているけれど、天真爛漫なお嬢さんという役柄がぴったり。

ひろ子ちゃん演じる直美は、映画のなかで計3回ホテルに連れ込まれる。
1回目は、ひそかに憧れていたらしい永井先輩と。
「帰らなくてもいいかな」「帰るのやめよっかな」とつぶやくように言うのがカワイー。

次はヤクザに追いかけられて、松田優作と手をとりあって逃げ、とっさにそばにあったラブホテルへ。
なんて定番の展開!
ちょっと笑ってしまった。
ドラマなどではよくあるが、本当にそういうことってありえるのかな〜。
あるとしても、少なくともどちらかが下心をもって、誘導しなきゃだよね?
敵に追われて一緒に逃げるなんてシチュエーション、いかにも“吊り橋効果”で、恋に落ちてしまいそうです。

3回目は、自暴自棄になって通りすがりのおじさんと。
「ダメー! ひろ子ちゃん! そんな男と!!」と、ドキドキしてしまいました。

辻山の住むアパートの描写も気になった。
あの、しょぼくれ加減・・・。
直美が意を決して訪れてきたとき、辻山は風呂場で洗濯機回していたし。
恋心がいくら盛り上がっても、あの部屋に入った瞬間、ふと我にかえってしまいそう・・・。

最後の空港でのキス、せつないね。
直美にはきっとアメリカで明るい青春が待っているのだろうけど、この探偵のおじさんには、今後これ以上いいチャンスは巡ってくるのかしら・・・。

ところで、探偵を依頼したのは結局誰だったの?
お手伝いの長谷沼さん?
監視役といったって、自由意志でボーイフレンドとホテルに行ったのを邪魔するなんて許されるのか?
途中で危険に巻き込んでしまい、本来の業務はおろそかになったわけだが、辻山はちゃんと支払ってもらえたのか?

探偵物語
(1983年 日本)
監督/根岸吉太郎
原作/赤川次郎
出演/薬師丸ひろ子(新井直美)
   松田優作(辻山秀一)
   岸田今日子(長谷沼)
   秋川リサ(幸子)
   北詰友樹(永井)
   坂上味和(正子)

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Wの悲劇

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

女優を目指す劇団研究生、三田静香。新作のミステリー舞台「Wの悲劇」のオーディションでは、ヒロイン和辻摩子役を射止めたのは菊地かおりで、静香は女中役&プロンプターを務めることになる。ベテラン俳優である羽鳥翔、五代淳らを交え、公演が始まったが・・・。

思ったこと

「わたし、殺してしまった! おじいさまを刺し殺してしまった!」
ジャーン!!
(↑音楽:ヴェルディのレクイエム)
思わずモノマネをしないではいられない、インパクト。

薬師丸ひろ子は、この映画の頃から演技ができるようになったのかな?
これ以前はまずかったというわけではないが、演技力というより、本人そのままの魅力が前面に出ていたと思う。
記者会見で、冷静に話そうとしているのに、感極まって泣いてしまうシーン。
これはウソだとわかっているのに(演技をしている演技?)、騙されてしまう気持ちになった。

三田佳子はすごい。
“THE・女優”という感じでございました。
尊大で、自分の能力・魅力に自負をもっており、舞台で主役を張るためなら汚れることもおそれない。
ホテルで「あの人には、奥さんも子供もあるのよ」と言うときの目つき、自嘲を込めた笑顔にハッとした。
この映画を観ていたら、三田佳子自身がああいう人なのだと、信じてしまいそうになる。
若手女優にいちゃもんをつけて泣かすシーンとか、コワイよ〜。
でも、劇中劇での奥さま役は、大げさでちょっとヘン。
演技力はイマイチだけれど、身体を使ってのし上がってきた大女優という設定だから?(考えすぎ?)

蜷川幸雄が演出家役で出演しているのもおもしろかった。
実際にあんな感じなのかな?
劇中劇「Wの悲劇」の舞台演出も蜷川幸雄によるものだとか。

 ああ〜時の川を〜♪
 渡る船に〜♪
 オールはない〜♪
 流されてく〜♪

歌いたくなって、すごく久しぶりにカラオケに行ってしまいました(友達と一緒に、薬師丸ひろ子&原田知世しばりで)。

Wの悲劇
(1984年 日本)
監督/澤井信一郎
原作/夏樹静子
出演/薬師丸ひろ子(三田静香)
   世良公則(森口昭夫)
   三田佳子(羽鳥翔)
   三田村邦彦(五代淳)
   高木美保(菊地かおり)
   蜷川幸雄(安部幸雄)

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翔んだカップル

お気に入り度 ★☆☆☆☆

こんな話

九州から単身出てきて東京の高校に入学した田代勇介。伯父の家を借りることになっていたのだが、なんと同じクラスの山葉圭が下宿人に! 親友の中山わたる、ボクシング部の織田先輩、同級生の杉村秋美らを交え、微妙な距離感を保ったふたりの新生活が始まる。

思ったこと

“ラブコメ”って、苦手なジャンルだ・・・。
“コメ”って何?
“コメディ”の略なんだったら、もう少し笑える部分があってもよさそうなもんだと思うけど。
誰が誰を好きだとか、くっつきそうになったりケンカしたりとか、心の底からどうでもいいや・・・。

思いがけずカワイイ女の子が同居することになってどぎまぎ、という設定はコミックが原作だけある都合のよさ。
ごく普通の男の子である主人公の勇介に、まわりの女の子たちが寄ってくる。
さすが少年マンガ。
当時の男の子たちは「突然かわいいクラスメイトと同居することになったらどうしよう!?」と妄想しながら観てたのかなあ。

デートの背景に出てきた、タケノコ族の映像がおもしろかった。
それから、勇介に向かって「このお兄ちゃん、泣いてる」と言う、中山わたるの3〜4歳くらいの妹は、きっちり切りそろえられたおかっぱが当時の自分を見るようだった(たぶん同世代くらいだし)。

薬師丸ひろ子の声は、とてつもなく豊かな何か、をイメージさせる。
ふと気付いたのだけど、この頃の薬師丸ひろ子の声や笑い方って、私が愛してやまないシンガーソングライター谷山浩子になんだか似ている(どちらもヒロコ!)。
自分はこういう声が好きなのだなあ・・・と、改めて認識しました。
でもどうして、薬師丸ひろ子は一世を風靡したのに、谷山浩子はマイナーなんだろ?

翔んだカップル
(1980年 日本)
監督/相米慎二
原作/柳沢きみお
出演/鶴見辰吾(田代勇介)
   薬師丸ひろ子(山葉圭)
   尾美としのり(中山わたる)
   西田浩(織田隼人)
   石原真理子(杉村秋美)
   円広志(和田先生)
   真田広之(星田)

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レイクサイド マーダーケース

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

子供の中学受験に備えて、3組の家族が姫神湖畔の別荘で合宿を行っていた。並木俊介は、気が進まないながらも娘のために参加していた。そこへ俊介の愛人、高階英里子が突然訪れる。夜中、別荘には英里子の死体が横たわっており、俊介の妻、美菜子が「私が殺した」と告げた・・・。

思ったこと

自分自身は田舎の公立校出身だし、子供ももたないので、“お受験”とはまったく無縁。
よく知らない世界だが、子供も親も、大変そうだね〜。
どうして“これが正しい道”とばかり信じて努力できるんだろう?
不思議だ・・・。

役所広司って、顔、大っきいな〜・・・。
(スミマセン、役所さんの良さって、よく分からないんです。)
並木俊介は、その場しのぎの行動しかとれず、度胸のない、どうしようもない男・・・でも、いかにも実在しそうなキャラクターだ。

物語自体はそれほどユニークではなく、展開に意外性もないが、血で固まった髪の毛を床からベリベリ剥がすとか、石で○○をつぶすとか、感覚にゾクッと訴えかけるシーンで引っ張られる。
また、演技派の役者が揃っていて、なかなか見ごたえある。
役所広司と薬師丸ひろ子の夫婦ゲンカは、緊迫感あってドキドキした。
しかし、夜中とはいえ、月明かりの湖畔であんなに堂々と作業していて大丈夫なものかしら?
誰かに見られているんじゃないかと心配で、ある意味ドキドキしちゃったよ。
林の中に大人たちが勢揃いするシーンは、木々の間から差し込む青い光がきれい、だけど“作りすぎ”感もあり。

終わってから、意味ありげだったのに結局たいした意味はなかったらしい伏線など、腑に落ちない点がいくつか残っている。
ま、どうでもいっか〜。
別に忘れてしまっていいようなストーリーだし、2時間ドキドキしながら楽しめたわけだし・・・。
問題提起らしきものもあったけど、「ふーん」としか思わなかった。

レイクサイド マーダーケース
(2004年 日本)
監督/青山真治
原作/東野圭吾
出演/役所広司(並木俊介)
   薬師丸ひろ子(並木美菜子)
   柄本明(藤間智晴)
   黒田福美(藤間一枝)
   鶴見辰吾(関谷孝史)
   杉田かおる(関谷靖子)
   眞野裕子(高階英里子)
   豊川悦司(津久見)

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セーラー服と機関銃

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

父を亡くしたばかりの女子高生、星泉を4人のヤクザが迎えに来た。弱小ヤクザ目高組の4代目組長を襲名してくれというのだ。最初はいやいやながら引き受けたものの、組織の抗争、ヘロイン収奪戦などに巻き込まれていくうちに、泉は仲間にかけがえのない絆を感じるようになる。

思ったこと

初めて観ました。
これが有名な「カイ・カン」か〜。
ストーリーはトンデモなので、感想を述べるのは難しいな。
とにかく若き薬師丸ひろ子を堪能しました。

薬師丸ひろ子の声は、甘酸っぱい果汁ではちきれそうなフルーツみたい。
どうにもこうにも惹き付けられる。
クレーンで吊されて、コンクリート液に浸けられたり。
白い十字にはりつけにされたり(このために、この日は白い服だったのね)。
「素っ裸にして、解剖台にくくりつけてしまえ!」などと言われてしまったり(なんのために!?)。
ひろ子ちゃんの受難に、なんだか嗜虐趣味がかきたてられます・・・。

星泉は中学生だと思って観ていたら、途中で退学・・・ってことは、え? 高校生?
あとで調べてみたら、薬師丸ひろ子は当時17歳。
小っちゃいなー!!
でも身長は155cmあるのかぁ〜・・・ファッションのせいで、ことさら幼く見えるのかな?

80年代初期のファッションや小物、セリフ回しも、なかなか興味深い。
「ユーたちにわかるわけない!」
「おたく、ひょっとしてクルージング?」
「ビョーキね、ほとんど」
「イモっぽいオジンのくせに!」
なんだか、流行りそうです・・・自分の中だけで。

“クルージング”とはなんだいったい?と思ってググってみた。
どうも、ゲイが相手を求めてさまよう、という意味らしい!?
1980年のアル・パチーノ主演の同名映画から来ているらしい!?

“生まれて初めてのくちづけを、中年のオジンにあげてしまいました。
 わたくし愚かな女になりそうです、マル”

 さよならは別れの言葉じゃなくて〜♪
 ふたたび遭うまでの遠い約束〜♪

あー、カラオケに行きたくなっちゃった!!
(実は、持ち歌なんです。)

セーラー服と機関銃
(1981年 日本)
監督/相米慎二
原作/赤川次郎
出演/薬師丸ひろ子(星泉)
   渡瀬恒彦(佐久間真)
   大門正明(マサ)
   林家しん平(ヒコ)
   酒井敏也(メイ)
   風祭ゆき(三大寺マユミ)
   柄本明(黒木刑事)
   三國連太郎(三大寺一/太っちょ)

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死者の書

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

平城京の大貴族の姫である藤原南家の郎女は、「称讃浄土経」千部写経の途中、二上山の上に光輝く荘厳な姿を見た。最後の文字を書き終えたとき、郎女は憑かれたように雨の中を西へ向かい當麻寺にたどり着く。50年前に謀反を疑われて処刑された大津皇子の魂がよみがえり、執心する美女の面影を重ね、郎女を求めていたのだ。

思ったこと

Shisya01_2人形アニメの巨匠、川本喜八郎が描き出した幽玄世界。
月並みな表現で恐縮ですが、まるで人形が命を持っているかのようだった。
一心不乱に写経にいそしんでやつれた郎女、寺にたどり着き微笑みを浮かべながら舞う郎女、大津皇子の亡霊に心惹かれ、その魂の安寧を祈る郎女・・・。
顔の表情を実際に変えているわけではないのに、人形の繊細な演技で、心情が伝わってくる。
そして、川本喜八郎による人形たちはえらく官能的なのだ。

心の清らかさ、仏の教えを信じるひたむきさ、ものごとの本質を見極める聡明さを兼ね備えた、見目美しい姫は、この世ならぬものに魅入られてしまう運命なのだね。
凡人である身からすると、憧れるような、そう生まれなくてホッとするような・・・(だって、大変そうだもん)。

地中からよみがえった大津皇子は、悲しげな表情をたたえた美丈夫で、郎女が惹かれるのも無理ない感じ。
郎女の想いによって仏と一体化できたのは、本人がもともと持っていた高潔さの故でもあるのだろうか。
謀反の咎をきせられて処刑されたことはあまり覚えていないようで、死の直前にちらりと見た美女のことばかり追い求めていたけど・・・。

宮沢りえは、美人声、姫声だった。
デビュー当時、TVで見ていたときに「声がイマイチ」と思った記憶あり。
後年、こんなにしっとりと麗しい姫声を聞かせてくれるとは想像できなかったな〜。

凄みのある大津皇子を演じた観世銕之丞とはどういう人だろう・・・?とネット検索してみたら、能の世界では有名な人のようだ(全然知らんかった)。
でも、顔写真は・・・見ないほうが良かったかも・・・(ゴメンナサイ)。

ところで、本編の前に、TVの教育番組みたいな土地や時代の解説が上映されて、確かにためになったし理解を助けてくれたとは思うけれど、必要なのかな・・・?
芸術作品としての映画は、それ自体で完結すべき存在なのでは?

死者の書
(2005年 日本)
監督・脚本/川本喜八郎
原作/折口信夫
声/宮沢りえ(藤原南家の郎女)
  観世銕之丞(大津皇子)
  榎木孝明(大伴家持)
  江守徹(恵美押勝)
  黒柳徹子(當麻の語り部の媼)
  新道乃里子(身狭乳母)
  三谷昇(魂乞をする村人の長老)
  岸田今日子(ナレーション)
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空中庭園

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

「隠しごとをしない」というルールで暮らす京橋家。明るいママ絵里子、ちょっと軽いけどやさしいパパ、素直な子供たちマナとコウ。シミひとつない仲良し家族だと思ってきたが、絵里子の母さと子、コウの家庭教師としてやってきたミーナらを交え、少しずつほころびが見え始める。

思ったこと

これは・・・心にずしりときてしまいました。
絵里子の姿が、自分がこれからこうなってしまうかも(もしかしてもう既になっているのかも)しれない姿に重なって思えて・・・。

つらかった高校時代までを封印し、理想の家庭を築こうと、笑顔で努力を続ける絵里子。
なりたい自分の姿、欲しくてしょうがなかった愛あふれる家族を思い描き、作り上げるため懸命に努力してきたのに、その下でこんなに歪んでしまったものがあるなんて・・・。
じゃあ、いったいどうすればいいというのだろう?
理想を求めて努力する、それ以外にいったいどんな方法があったというの?
「自然体で心を開けばいいんだよ」などと言う人もいるかもしれないけれど、ありのままの自分ではうまくいくわけないと感じてしまう人間には、そらぞらしくしか響かないのだ。
あの“私を否定する究極の言葉”が頭の中にこだまする。
斜めに逆さにゆらゆら動く映像が、不安感を増幅して、酔ってしまいそう。

一度爆発してしまったからといって、何もかもがダメになってしまうわけじゃない。
その気さえあれば、もう一度作り直せる。
絵里子と母との関係だって、これまで何度も悩んで、ぶつかって、解決しなくて、それでも今になって初めて分かったことがある。
あきらめずに進み続ける、それが生きていくっていうことなのかな・・・。

やり直せる。
繰り返せる。
何度でも。

小泉今日子の女優っぷりには、感じ入りました!
張り付いた笑顔の下に、何かをおし隠しているような、あやうい感じ。
ぎりぎりのところで薄い皮膜の内に自分を保っている、いたいたしさ。
微妙な表情で、キリキリと伝わってきます。
大楠道代との母娘バトル誕生日パーティは凄まじかった。
「お母さん、私が生み直してあげるから・・・もう、死んで」

ところで、ロケ地一覧に「ホテル野猿」が出ていてビックリ。
実在するんだ!?
映画のとおりのサイケな内装や手作り風ドアプレートなのかな!?
行ってみたいカモ・・・。

空中庭園
(2005年 日本)
監督・脚本/豊田利晃
原作/角田光代
出演/小泉今日子(京橋絵里子)
   板尾創路(京橋貴史)
   鈴木杏(京橋マナ)
   広田雅裕(京橋コウ)
   ソニン(ミーナ)
   大楠道代(木ノ崎さと子)
   永作博美(飯塚麻子)
公式サイト

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サヨナラCOLOR

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

医師佐々木正平の勤める病院に、高校時代のあこがれのマドンナ、及川未知子が入院してきた。しかし、未知子は正平のことをまったく覚えていないようだ。正平は献身的に未知子を気にかける。未知子には売れっ子スタイリストである同居人、鈴木雅夫の存在もあり、しつこい正平を最初は迷惑に感じるが・・・。

思ったこと

竹中直人監督作品を観たのは、『東京日和』に続いて2作目なんだけど・・・あまり監督のセンスがあるとは思えない・・・でも5作目ということは、少なからぬ支持者がいるということなんでしょうか?

とにかく、竹中直人演じる医師がキモくてキモくてしょうがなかった。
しょっぱなの尻さわり、痴漢行為なんで!
全然ユーモアとか、感じないんで!
「ヒッヒッフーヒッヒッフー」とか、おもしろくないんで!
「僕のこと、覚えてますか?」って、本当にウザいんで!
しょっちゅう雑談しに来ますが、ヒマなんですか?
夜中にこっそり様子を見に来ないでください!
看護婦の大根ぶりが、余計にイライラ感をつのらせる。
私だったら、すぐ担当医を変えてもらうか、病院を移るね。

まあ、これも計算のうちかもしれない・・・最初はキモい人物が、だんだんとかけがえのない存在になる展開かも・・・と淡い希望をもたないでもなかったが、いつまで経ってもキモいんで、私は画面に目の焦点を合わせないようにして、終わるまでの時間を過ごしました。
こんな正平にほだされる未知子は、よっぽど趣味がヘンなのか、病気で心が弱っていたのか・・・。
これって、男にとってのおとぎ話?

しかし、原田知世はカワイイな!
知世ちゃんが出てきたら、ばっちり焦点合わせて観てたよ。
同窓会でのスピーチシーンでは、ちょっとじわっときてしまいました。

それから、正平の愛人である居酒屋のおかみ、聖子はいい女だ〜。
気が良くて、料理上手で、抱きしめたらぷにゅ〜って柔らかそう。
私が男だったら、こういう女とつきあうのもいいな・・・って思った。

未知子の手術を担当するベテラン女医、巌岳先生は、きりりとしたたたずまいが、いかにも仕事できそうで頼りになるお医者さま!って感じで、印象的な存在感を残した。
演じたのは誰だろう、と思ったら・・・中島みゆきさんでしたか!

それから、病室にいたおばあちゃん、相当高齢と見受けられるが・・・と思ったら、明治42年生まれの最高齢現役女優、原ひさ子さんですって。
もうお姿を見るだけで、頭を垂れずにおれません。

星ひとつのつもりだったけど、女性陣の好演に星もうひとつプラス。

サヨナラCOLOR
(2004年 日本)
監督・出演/竹中直人(佐々木正平)
出演/原田知世(及川未知子)
   段田安則(鈴木雅夫)
   雅子(あき子)
   中島唱子(聖子)
   中島みゆき(巌岳先生)
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メゾン・ド・ヒミコ

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

小さな塗装会社で働く沙織を訪ねてきた男、春彦は、かつて母と自分を捨ててゲイバー卑弥呼のママになった父の恋人だった。父は癌で余命いくばくもないという。沙織は会うことを拒否するが、バイト代を払うからと言われ、いやいやながらも訪れることに。そこは、ゲイばかりが集う老人ホームだった。

思ったこと

あまり期待せずに観に行ったら、想像していたよりも良かった!
(それでも星ふたっつなんだけど・・・)
私は芸能界に疎いのだが、オダギリジョーや柴咲コウが主演と聞いて、今をときめくアイドル的な人たちの映画ね・・・と、斜に構えてしまっていた。
ゴメン。
ふたりとも良かったよー!

Himiko01柴咲コウは、ばさっとまとめた髪、化粧っけのない顔、三白眼ぎみの目でいつも睨んでいて、世の中を恨んでいるような風情が、すごく出ている。
もとはすごく美人のハズなのに、ゲイの老人に「ブース!」と言われるのが、しっくりくる感じ。
素材じゃないんだ・・・ブスって、雰囲気で作られてしまうんだ・・・と思った。
これはヘタな美人女優さんが演じていたら、ただイヤミなだけになってしまっただろう。

病床についている年老いたゲイを演じる田中泯は、ゴージャスな花柄の部屋着や、シルクのベッドリネンがしっくり似合う、風格が漂っている。
堂々と自分に恥じない人生を送ってきたのであろうなあ・・・という重み。

オダギリジョーの男ぶりは、子供から年寄りまで、皆を惑わせてしまうのネ!
男同士のキスシーン・・・なかなかいいものを見せてもらいました♡

老人ホーム“メゾン・ド・ヒミコ”の面々も、ひとりひとり、愛すべき存在だった。
いい役者さんたちが集まっていたと思う。

でも、脚本と演出がもうひとつなのではないかなーという感想。
私には感動ポイントがいまいちつかめない。
キャラクターの個性に感情移入をし始め、それぞれのエピソードがいきいきと描き始められたところで、中途半端に投げ出されてしまっているような感じ・・・。
春彦と沙織の気持ちの交流も、わかったような、わからないような・・・。
(あのベッドシーンって、どういうこと??)
素材は良かったのになぁ。
終わったところで、「え? それで、どう決着がついたの?」という点が、いくつも残る。
別に、すべてが解決されなくてはならないと考えているわけではないけれど、あのままスルーでいいのだろうか?(沙織の両親の間でどういう感情が交わされていたのかとか、山崎さんは相当傷ついたと思うけどちゃんと立ち直れたのかとか、ルビイのことはその後家族に任せきりなのかとか・・・)。

企画の最初の段階で、大島弓子の『つるばらつるばら』が案にあったという。
私にとっても特別な思い入れのある名作だ。
あの話が基にあって、このストーリー展開か・・・と思うと「惜しいッ!!」と言いたくなってしまうのです。

メゾン・ド・ヒミコ
(2005年 日本)
監督/犬童一心
脚本/渡辺あや
出演/オダギリジョー(春彦)
   柴咲コウ(沙織)
   田中泯(卑弥呼)
   西島秀俊(細川専務)
公式サイト

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8月のクリスマス

お気に入り度 ★☆☆☆☆

こんな話

町の小さな写真館を営む寿俊は、病気のためあとわずかの命。そのことを誰にも話さず、残された時間を穏やかに過ごしていこうとしていた。しかし、近くの小学校に勤めている臨時教員の由起子と知り合い、そのみずみずしさに惹かれていく。

思ったこと

誰かが死んで、ラストに山崎まさよしの歌声が切々と響く・・・って、なんだか前にも経験したことあるんですけど・・・。
(そう、それは『月とキャベツ』。One more time, One more chanceはいい曲だった。)
こういうあからさまな“泣かせ”のストーリーは、しらーっとしてしまうね。

山崎まさよしは俳優としてなかなか良い。
たたずまいに雰囲気がある。
でもねー、臨時教師がねー、最初から最後まで「なに、この女・・・」という感じなのですよ。
この子供っぽさは、中学生とか高校生くらいに設定したほうが良かったのでは?
「おじさん、おじさん」って、ありえないでしょ・・・。
天真爛漫な明るさ、を狙ったのかなー。
そういう目でしか見られなかったので、寿俊の「惹かれているのに、思いが伝えられない」という状態に、いまいち気付くことさえできなかった。

ところで、タイトルの『8月のクリスマス』って、どういう意味なんだろう?
“8月”も“クリスマス”も、ストーリーに出てきたっけ?
誰か教えてください・・・。

極私的この映画の見どころは、ロケ地の福井県高岡市。
すごく雰囲気のいい町並みですなー。
寿俊の写真館は、高岡市金屋町にある民家を映画のために改造したものだとか(現在は記念館になっているらしい)。
小さな庭がある寿俊の家は、古くていい感じ。
寿俊のお気に入りの場所、町を見下ろす高台は、金沢の桜坂。
私は北陸地方は未踏なので、ぜひ行ってみたいものだと思わせられました。

8月のクリスマス
(2005年 日本)
監督/長崎俊一
出演/山崎まさよし(寿俊)
   関めぐみ (由起子)
   大倉孝二(亮二)
   西田尚美(寿俊の妹)
   井川比佐志(寿俊の父)
公式サイト

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電車男

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

さえないヲタク青年が、ある日電車の中で、酔っぱらいにからまれた女性を助ける。青年は“電車男”としてネット掲示板で一部始終を相談。ネット上の人々からアドヴァイスや励ましを受けながら、“電車男”は美しい女性“エルメス”との恋を通じて変わっていく。

思ったこと

Densya012005年にブームとなった作品だが、私は長らく原作にもマンガにもドラマにも触れていなかった。
それなりにおもしろそうとは思ってたけど、必然性も感じなかったから。
けれど仕事に煮詰まった夜ふと、まとめサイトを読み始めたら、ついつい引き込まれて徹夜してしまい、あまつさえ感動の涙までにじんでいたのだ。

そこで、映画。
おもしろかった・・・けど、原作の良さを追体験したという感じかな。
短い上映時間にいろいろ詰め込まなきゃいけないし、わかりやすく盛り上げるために脚色しなければならなかっただろうし・・・。
そこで、足りないと思われる部分は、脳内補完しながら観てた。

そもそも、電車男がエルメスを好きになった理由が十分に描かれていなかったと思う。
美人だから?
もてない人生で初めて出会ったチャンスだから?
何かというとネットで相談して、うまく乗り切ろうとする電車男は、ゲームを攻略して豪華景品をゲットしようとしているみたい。
自信がないのはわかるけど、ひとりよがりで、相手のことをちゃんと見ようとしていない。

対してエルメスも、なんで電車男に惹かれていったのか、ちょっと説得力に欠ける。
中谷美紀が、素直な天然お嬢さんに見えないのは私だけ・・・?
裏の本心を隠しているように思えてしょうがない。
あれもこれも、計算なんじゃないのぉ〜?

原作のどこに最も感動したかというと、電車男がネット住人について「友達に相談に乗ってもらった」と言い、住人が「…友達って…オレらのこと…?」と感極まるところ。
そんなつながりが存在すると想像しなかったところに出現した、思いがけない温かさだったから心を突くのだろう。
固定メンバーが最初から最後までずっと見守っている状態だと、そういう意外性がないよ。

と、つい文句ばかり書いてしまったが、「人は変われる」「求めよ、さらば与えられん」というテーマには、励まされますね。
ベノアティー飲みたい。(相当、宣伝になったのでは?)

電車男
(2005年 日本)
監督/村上正典
脚本/金子ありさ
出演/山田隆之(電車男)
   中谷美紀(エルメス)
   国仲涼子(彼氏にふられた看護婦)
   瑛太(引きこもりの青年)
   佐々木蔵之介(仕事に追われるサラリーマン)
   木村多江(倦怠期の専業主婦)
   岡田義徳(よしが)
   三宅弘城(たむら)
   坂本真(むとう)
   西田尚美(エルメスの友人)
   大杉漣(電車の中の中年おじさん)
公式サイト

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