小さな村の小さなダンサー

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

中国山東省にある貧しい農家の6番目の子供として生まれたリー・ツンシンは、11才のときに選ばれて北京の舞踊学院に入学する。厳しいレッスンを乗り越えて、アメリカのヒューストン・バレエ団に招かれ、そこでも卓越した才能で喝采を浴びる。アメリカにとどまりたいと望むリー・ツンシンだが、中国国家はそれを認めず・・・。

思ったこと

実在のダンサーの話なので、主人公の少年が世界的に成功するというのは最初から分かっている。
なので、リー・ツンシンの才能が開花していくのがトントン拍子にも感じられるが、安心感を持ちながら見ていられるわぁ〜。
演じているのも本物のバレエダンサーなので、舞台のシーンはとっても見応えがある!
古典から中国共産党バレエ、コンテンポラリーとバラエティにも富んでいて楽しいし。

毛沢東の時代に生まれ育ったリー・ツンシンは、富裕層は“人民の敵”という教育を受けている。
生まれて初めて訪れた豊かなアメリカは、見るもの聞くもの、価値観をゆさぶった。
ベンに服などの身の回り品を用意してもらったとき、
「私の父は必死に働いて月に5ドルを稼ぐ。でもあなたは今日、1日で500ドル使った!」
と怒りをぶつけるのが胸をつく。
政治的思想がからんでなかったとしても、世の中の矛盾をひしひしと感じさせる事実だよね・・・。
辞書を見ながら一生懸命英語を学び、華やかな人々や暮らしにとまどう様子は、なんだか自分が田舎から東京に出てきたときの気分を思い起こさせて、心がぐらぐらするよ・・・。

北京舞踊学院時代は、細くて力の弱い少年時代のリー・ツンシンが恩師に学び努力していくスポ根ものとして楽しい。
チェン先生が「昔々、力の弱い射手が毎日丸太を運んで・・・」と話してくれたのは、比喩だよね、まさかね・・・と思っていたら、バレリーノ養成ギプスが登場した!(ギプスじゃないけど)

しかし、リー・ツンシンはバレエだけでなく女関係でも凄腕だった。
北京舞踊学院での同級生の女の子は透明感があってかわいかったのに、リー・ツンシンが頭角を表していくうちにフェイドアウトしてしまって残念。
ヒューストン・バレエ団でのサマースクール参加は3カ月と短期間だが、早々とかけだしダンサーのエリザベスと出会う。
すごく初々しい感じでデートしてるのに、けっこうすぐにキスまで進展。
傑作なのはエリザベスとのラブシーンだ。
「ヴァージンって何??」「ワン、トゥー、スリー・・・シックス?」「子供が欲しいの?」
おいー(笑)! 本当は分かって言ってんじゃねーのか、リー・ツンシン!
芸に秀でていて、いい身体をしてて、幼さを残す顔もかわいくて、たどたどしい英語を一生懸命しゃべる様子はさぞや魅力的だったんでしょうねー。
別に気持ちを疑うわけじゃないけど、最終的にプリンシパルのメアリーと結婚しているとは、見事なステップアップですよね・・・。

両親との再会は、ベタではあるものの、涙なくしては見られない。
本物の再会シーンを見ているようであったなぁ。
ところで公式サイトに載ってたリー・ツンシンのバイオグラフィーを見たら、私と誕生日が同じだった!(だから何だという話ですが・・・)

小さな村の小さなダンサー
Mao's Last Dancer

(2009年 オーストラリア)
監督/ブルース・ベレスフォード
原作/リー・ツンシン
出演/ツァオ・チー(リー・ツンシン)
   グオ・チャンウ(青年時代のリー・ツンシン)
   ホアン・ウェンビン(少年時代のリー・ツンシン)
   ブルース・グリーンウッド(ベン・スティーブンソン)
   アマンダ・シュル(エリザベス)
   カイル・マクラクラン(フォスター弁護士)
   ジョアン・チェン(リー・ツンシンの母)
公式サイト

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オーストラリア

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

第二次世界大戦が始まろうとしている頃。英国貴族レディ・サラ・アシュレイは、帰ってこない夫を訪ねてオーストラリアへ行くが、夫は何者かに殺されていた。広大な土地ファラウェイ・ダウンズを守るため、ドローヴァーや混血の孤児ナラたちと一緒に、牛1500頭を移動させる旅に出る。

思ったこと

バズ・ラーマン監督は、『ダンシング・ヒーロー』『ロミオ+ジュリエット』『ムーラン・ルージュ』と、独特のでこぼこした感じ、妙な過剰さがおもしろかったので、今回も期待していたんだけど・・・なんかフツー?
いや、ヘンなおじいちゃんとか出てくるしフツーってことはないか・・・でも今までの映画にあったユニークな空気が感じられない・・・。
ミュージカルだとばかり思い込んでたんだけど違ったし・・・。
出身地オーストラリアの歴史、アボリジニ差別など大きなテーマを題材にしたことで、気負っちゃったんかな、監督。
そのわりにはストーリー運びが散漫で、つじつまの合わない部分も多く、敵(フレッチャー)も小悪党だしで、いまいちスッキリと盛り上がれない。
ナラが語り手の部分と、サラが中心になる部分とが入り混じっているせいもあるかな〜。

そんななか、牛の暴走シーンは掛け値なしにおもしろかった!!
これを見れただけで、とりあえず満足かも。
「暴走だ!」と飛び起きたところから、くい止めようと馬で駆け出す仲間たち、ナラを励ますフリン、崖から落ちていく牛、さらなる暴走、そして・・・最後はちょっとファンタジーだけど、手に汗にぎった〜。
私も馬に乗れるようになりたい〜、牛が暴走したとき私も活躍したい〜、野生の馬を追い込みたい〜、というわけで、やっぱ乗馬習おう!と思った。

サラとドローヴァー、「きゃー何するの!? サイテー!」「あんたが最後の女でもお断りだ」と最悪の第一印象。
少女マンガちっくですな〜。
どうせ後でくっつくんでしょぉ〜・・・ほらやっぱりね・・・って、そんなのはポスターを見たときから分かっていたことか。
「今は雨期だわ」の頃、キスしてばっかりの幸せ描写がなんかうざかった。
でもニコール・キッドマンは相変わらず美しかったです。
ウエスト細〜。
貴婦人の装いから、チャイナ風のイヴニングドレス、乗馬服、砂漠で薄汚れた様子まで、すべてお似合い。
あと、下手に歌うのがうまくておもしろかった!

皆がピンチに陥ったとき、ガラパであるナラのおじいちゃんがいつも、少し離れたところでフラミンゴのように立っている姿はちょっと笑っちゃうんだけど、なんで白人のサラやドローヴァーが土地を守るのを手助けしてるんだろうね?
それから、ドローヴァーは、ナラがウォーク・アバウト(大人になるための旅)に出たと信じていたのに、戦争が始まったら伝道の島へナラを助けに駆けつけていて、いつ捕らわれたと分かったんですかね?

ナラが「Over the Rainbow」をハモニカで吹いて、少年たちの歌がかぶさって、(合間におじいちゃんの呪文も)、船が霧の中から現れるシーンは幻想的で、牛の暴走に次いで気に入ったシーンだ。

最後に気になったこと。
「マンゴ〜♪」ってナラの歌に何回も出てきたけど、どういう意味なんだろう?
アボリジニの言葉だと思うけど・・・。
まさか、フルーツのマンゴーじゃないよね?

オーストラリア
Australia

(2008年 アメリカ/オーストラリア)
監督/バズ・ラーマン
出演/ニコール・キッドマン(レディ・サラ・アシュレイ)
   ヒュー・ジャックマン(ドローヴァー)
   ブランドン・ウォルターズ(ナラ)
   デビッド・ウェナム(ニール・フレッチャー)
   ジャック・トンプソン(キプリング・フリン)
   ブライアン・ブラウン(キング・カーニー)
   デイヴィッド・ガルピリル(キング・ジョージ)
   エッシー・デイヴィス(キャサリン・カーニー)
   ベン・メンデルソーン(ダットン大尉)
   デヴィッド・ングームブージャラ(マガリ)
   ジャセック・コーマン(アイヴァン)
公式サイト

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リトル・イタリーの恋

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

1950年代、イタリアからオーストラリアへ移民してきたアンジェロとジーノは仲のいい兄弟。内気な性格の兄アンジェロは、手紙で結婚を申し込んだ相手にことごとく断られて落ち込んでいる。弟ジーノはそんな兄を気づかい、恋人コニーとの婚約を保留している。ある日、イタリアでつつましく暮らす女性ロゼッタに手紙を書いたアンジェロは、自分の写真の代わりに、ハンサムな弟の写真を同封してしまった。

思ったこと

見知らぬ相手に、写真と手紙だけで結婚を申し込むというのが、普通に行われていた時代があったのだね・・・それも、たいして昔じゃない。
う〜ん、ウソみたい、時代の流れってすごいなー。
アンジェロは登場したときからずっと不機嫌で仏頂面だったので、「本当はいい人なのに」と、なかなか思えず困った。
なんか、フラれてもしょうがないんじゃん・・・って感じ。
モテないからって卑屈になると、ますます縁遠くなるというか、本当にいいことないっていうか、周りの人たちも困るよね。
もう少しアンジェロの長所を見せていくエピソードがあっても良かったのじゃないかと思うけど。
人間ができてる弟ジーノの良さばかりが際立たせられてる。

結婚仲介人が紹介しようと話を持ち出したものの、そんなの!とアンジェロに一蹴されてしまった“プリンセスのように美人だけど、事故で片足をなくした”という女性のことが気になる・・・。
アンジェロにしてみたら「そこまで相手のレベルを下げなくてはならないのか」という気持ちだったのだろうけど、そんなんじゃ「本当はいい人なのに」って思えないよ〜。

Littleitaly01_1イタリアからやってきたロゼッタは、すこぶる可憐で愛らしい。
婚約者の写真(ジーノ)を見つめながら、遠いオーストラリアへ嫁ぐ不安をまぎらわすために、恋人との出会いのストーリーを描き出していく。
その様には胸がキュンとさせられるが、考えてみれば、映画スターとかの写真を見ながらラブストーリーを妄想したりするのも同じようなもんだと言える。
ある意味、思い込みが激しくて、気色悪い(いえ、人のこと全然言えませんが)。
確かにジーノは男前だが、顔だけが重要なの!?手紙の内容は!?と、思ってしまった。

いったいどういうふうに収まるんだろう・・・とハラハラしつつ観ていたが、まさかそれはないでしょ〜と思っていた結末に。
少なからずご都合主義ですな・・・。
でも、ずっと恨みがましく眉をひそめていたアンジェロも、憂いを秘めたまなざしのロゼッタも、最後には心からの笑顔を見せてくれたので、まあいっか。

兄弟が働くカフェ・ラティーノに町で初めてのエスプレッソマシーンが届き、おじいさんが神父を押しのけて最初の一杯を味わい、「これこそ本物のコーヒーだ!」と感激するシーン。
カフェの壁画に、イタリアへ帰るための船を描いてくれとリクエストするシーン。
新天地に生きながらも故郷を慕う気持ちを抑えられない様子が、ほほえましくも胸を打ちました。

リトル・イタリーの恋
Love's Brother

(2004年 オーストラリア)
監督・脚本/ジャン・サルディ
出演/ジョヴァンニ・リビシ(アンジェロ・ドニーニ)
   アダム・ガルシア(ジーノ・ドニーニ)
   アメリア・ワーナー(ロゼッタ)
   シルヴィア・ドゥ・サンティス(コニー/コンチェッタ)
   バリー・オットー(アルフレード神父)
公式サイト

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