レッド・クリフ part II −未来への最終決戦−

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

赤壁で対峙する魏・曹操の軍vs呉・孫権と蜀・劉備の同盟軍。敵陣をスパイする尚香。魏の軍で疫病が流行り、死体が送りつけられてきて、連合軍にも疫病が蔓延した。戦意を失った劉備軍は撤退する。孔明は残って10万本の矢を調達し、風の動きを読む。周瑜は敵の武将を謀殺する。そして決戦のときが近づいた。

思ったこと

未来って最終決戦って・・・だってこれって1800年も昔で、多くの人が成り行きを知ってる話なんでしょ?
それに冒頭、「この不況の時代、一人ひとりが勇気をもって未来を作ろう! byジョン・ウー」的なメッセージが入っていたが、ウッセーなんであんたにわざわざそんなことを言われなきゃなんないんだよ!と思った。

元気な尚香ちゃんはかわいくて好きなのだが、男だらけの敵陣に入り込んで気付かれないなんてことがあるのだろうか?
蹴鞠が得意な叔材と仲良くなる尚香ちゃん・・・これって友情? それともラブのエピソード?
姫の相手としては不足だな・・・。
スパイ活動を手伝わせ、窮地を助けてもらい、あげくは「きっと帰ってくる」とか適当なこと言って〜!
次に会うときは殺し合わなきゃいけない敵同士だというのは自明なのに、そんなことは考えてもいなそう。
友情にしてもラブにしてもぬるいから、まったくもって感情移入できません。
スパイから戻ってきて、腹に巻いた布をくるくる回りながら披露する、ヘソ出し尚香ちゃん。
何だそりゃ〜(笑)。
しかし、上着をそっとかけてあげるお兄ちゃんには、ちょっとグッときた。

冬至のお団子のシーン。
小学生の頃、給食でフルーツポンチ(白玉団子入り)が大人気で、男子が配膳係をやると自分らの仲間にばかり白玉団子をたくさん入れてイヤだった〜、ひとり3つずつです!・・・という思い出がよみがえったよ。
皆からお団子を分けてもらう周瑜・・・尚香ちゃんや孫権からも分けてもらう周瑜・・・お団子大好きな人なの?

周瑜の嫁、小喬は美女だとは思うが、なんかウザイ。
病人を看病しながらそっと涙ぐむところなんか、これ見よがしな感じで〜。
「あなたの心を乱さないためにお腹に子がいることを黙っていた」と言うならずっと黙っていればいいのに、最高に心を乱させるタイミングでの告白・行動。
そんなに重要人物なのか〜? その女。

今回、曹操がけっこうアホっぽくてかわいかった。
「処刑しろっ!」「(やっぱり)待てっ!」って・・・ちょっと笑っちゃうんですけど。
「華陀を呼べっ!」って言うからてっきり毒でも盛られたかと思ったが、なんだったの?
あと「劉備!?」って声が裏返っちゃうところもおもろい。
「一杯のお茶のせいで戦いの機を逃した」って本気で言ってるのかな・・・?

劉備たちの動きは「え?」という感じで、どうせなら、なんかもっと効果的な演出があったんじゃなかろうか。
ドッカンドッカンと爆発・炎上が見どころなのかもしれないが、派手なばかりで私はあんまり盛り上がれない〜。
周瑜と趙運はめちゃ強いな! こういうのがもっと見たいんだけど。
しかし大将とか将軍がそんな最前線に出ちゃっていいわけ〜?
赤壁の戦いの間、孔明はひとりお留守番をしていたのだろうか?

なんか・・・ずっと思っていたんだけど、周瑜と孔明がふたりで話すとき、顔を近づけすぎだよね・・・それは恋人たちの距離だよ! 周りには静かな空間が広がっているのに!
アップだとトニー・レオンのお肌がちょっと荒れてるのが気になるんだよナー。

レッド・クリフ part II −未来への最終決戦−
赤壁/Red Cliff

(2008年 アメリカ/中国/日本/台湾/韓国)
監督/ジョン・ウー
出演/トニー・レオン(周瑜)
   チャン・チェン(孫権)
   ヴィッキー・チャオ(孫尚香)
   中村獅童(甘興)
   リン・チーリン(小喬)
   ホウ・ヨン(魯粛)
   金城武(孔明)
   ヨウ・ヨン(劉備)
   フー・ジュン(趙雲)
   バーサンジャブ(関羽)
   ザン・ジンシェン(張飛)
   チャン・フォンイー(曹操)
   ソン・ジア(驪姫)
   シェ・ガン(華陀)
   トン・ダーウェイ(叔材)
公式サイト

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レッド・クリフ part I

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

208年、中国・後漢王朝の末期。北部を制圧した魏の曹操は、80万の兵を率いて南部へと出陣する。多くの民を連れた劉備軍は、長坂において大敗を喫した。孔明は呉の孫権のもとへ赴き、共に曹操と戦おうと説く。呉の軍師・周瑜の賛助を得て両軍は同盟し、赤壁の地にて曹操の兵を迎え討つ。

思ったこと

最初に基本的な国の勢力図と登場人物の説明があります。
また、主要キャラが出てくると名前が添えられるので、分かりやすいです。
なんだかな〜、ゲームの解説みたいっつーか、連続ドラマの続きみたいっつーか。
でもおかげで、三国志についてほとんど知識のない私でも全然大丈夫。
派手で迫力ある映像満載で、2時間半飽きさせないが、それほど盛り上がりはしなかったな・・・。
タイトルは『赤壁』のほうが重厚でいいのに〜と思っていたが、結果的には『レッド・クリフ』がお似合いな雰囲気であった。
武将たちが、それぞれ超人的な戦い方をするのはおもしろい。
“鏡でまぶしい作戦”すごい必殺技っぽくて笑った。
周瑜と孔明が琴セッションで会話してて笑った。
風光明媚な川に曹操軍の船が延々と連なっている光景は、ファンタジー映画のように幻想的。
“八卦の陣”って、巨大マスゲームみたい。
これ、本当に人で作ったんかな・・・すげーな。

キャラとして気に入ったのは関羽!
眉ひとつ髭ひとつ動かさず、踊るように敵をなぎ倒す! 槍ぶんぶんと!!
旗を拾って掲げたところもカッコイイ〜ッ。

私はトニーさまファンだけど、今回の髪型はあんまり似合ってないように思った。
生まれた仔馬の名前は萌萌(モンモン)、というところで思わず吹き出す。
・・・けど、ここ笑うとこじゃなかったかな? 他に笑ってる人いなかった・・・。
周瑜の妻、小喬が絶世の美女だか何か知らないが、いちゃいちゃ仲むつまじいシーン、かなりどうでもいい〜。
トニーさまのベッドシーンはもうおなかいっぱいだよ!(『ラスト、コーション』で)
それよりも戦の話をしようよ!
「1本のワラはすぐちぎれるが、何本も束ねてわらじにしたら丈夫になる」
日本では毛利元就の3本の矢が有名だが、実はチンギス・ハーンも子供たちに5本の矢に例えた話をしたとかで、これはもっと昔ってこと?
私もいつか年をとってエラくなったら、ここぞというときに、若者たちに向かって言ってみた〜い。

金城くんは・・・美形だし好きなんだけど〜、きらきらした瞳とにやっとしがちな口元、あまり知略に富むタイプに見えない・・・。
トニーさまが孔明役のほうが似合ったんじゃないかな〜。
でも周瑜のほうが活躍する役だしね・・・。

なんだか総じて、キャラを見る映画だったという感じ。
もっともっと活躍してほしい人:関羽
たぶん大食いなんだろうな〜と思わせる人:張飛
結婚したら頼りになりそうな人:趙雲
言われるほど役に立っていないように見える人:孔明
悩みを聞いてあげたい人:孫権
存在を忘れてしまいがちな人:劉備
友達いないと何回も言われてちょっと同情しちゃう人:曹操
日本人(倭寇?)でも中国で強く生きていけることを見せてほしい人:甘興

じゃじゃ馬の尚香ちゃんはかわいかったな。
将来、劉備と結婚・・・しないという展開でもいいんじゃないかな!

レッド・クリフ part I
赤壁/Red Cliff

(2008年 アメリカ/中国/日本/台湾/韓国)
監督/ジョン・ウー
出演/トニー・レオン(周瑜)
   チャン・チェン(孫権)
   ヴィッキー・チャオ(孫尚香)
   中村獅童(甘興)
   リン・チーリン(小喬)
   ホウ・ヨン(魯粛)
   金城武(孔明)
   ヨウ・ヨン(劉備)
   フー・ジュン(趙雲)
   バーサンジャブ(関羽)
   ザン・ジンシェン(張飛)
   チャン・フォンイー(曹操)
   ソン・ジア(驪姫)
   シェ・ガン(華陀)
   ワン・ニン(献帝)
公式サイト

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雲南の少女 ルオマの初恋

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

中国雲南州の山間部に暮らすハニ族の少女、17才のルオマ。町で焼きトウモロコシを売っているときに、写真館を営む青年アミンと出会う。アミンに誘われて、外国人観光客の記念写真に一緒に写ってお金をもらう仕事をするルオマ。だんだんとアミンに惹かれてゆくが、都会に住むアミンの恋人リリが現れた。

思ったこと

Ruoma01みずみずしい緑の山間に棚田が折り重なり、眼下に雲が漂う様はまるでファンタジー世界のよう。
今この時にも、こんな美しい村が実在するなんて・・・。
水牛を引くお爺さん、仔牛に着せてやる服、あぜ道を行くルオマ、すがすがしい山の空気。
ああ〜心洗われる〜。
ルオマがアミンに借りたカセットプレーヤーからエンヤの楽曲が流れると、この世のものとは思われないほど幻想的だ。
ところで、棚田の風景は懐かしい何かを思い出させる・・・なんだっけ?と考えたところ、等高線で切った厚紙を積み重ねて貼る地図の模型だった。
小学生のとき、あれ作るの、けっこう好きだったな〜。

タイトルに“ルオマの初恋”とあるから、この純朴でかわいらしいルオマの初恋の相手は誰だ?こいつか?それともこいつ?と厳しい目で観ていたのだが・・・うーん、アミン・・・この都会出身の長髪でお金のないアーティストくずれかぁ〜。
あとはもう、ルオマだまされないで、あまりひどく傷つけられないで・・・と一心に祈るような気持ち。
ルオマの初恋が成就しないと決めつけてしまってるようで悪いけど、でも難しいよなぁ・・・。
アミンも悪いやつではなさそうだが、ルオマがあまりにかわいいものだから心配で心配で・・・。

都会帰りのルオシアから聞いた“エレベーター”というものに憧れを募らせているルオマ。
「エレベーターに乗せてやるよ」
!!!
アミンは何気なく約束したのだろうけど、ルオマにとってそのセリフが意味するのは・・・。

ルオマ役のリー・ミンは、今作がデビューとなるハニ族の高校生だそう。
無垢な少女のみずみずしさと透明感は正真正銘の本物だ!
そして、ただ役柄と近いだけの素人ではない証拠に、ルオマとしての気持ちをじんじんと感じさせてくれる。
はにかんでうつむく笑顔・・・現代日本ではもはやお目にかかれない初々しさ!
喜びのあまり叫びながらあぜ道を走る姿は愛しくてたまらない!
そして田んぼで泣く姿・・・。

ハニ族の風習も興味深い。
カラフルな民族衣装はなんといっても美しいし。
「麗しき乙女たちよ、嫁いできておくれ」「たくましい若衆よ、娶っておくれ」と若い男女が歌い交わし、その後は泥かけ祭り!
このとき、好きな相手にはいちばん先に泥玉をぶつけるんだそう・・・。
ルオマ・・・ルオマ・・・必ず幸せになってほしいと祈らずにはいられない(架空の人物だけど)。

雲南の少女 ルオマの初恋
女若瑪的十七歳/When Ruoma Was Seventeen

(2002年 中国)
監督/チアン・チアルイ
出演/リー・ミン(ルオマ)
   ヤン・チーカン(アミン)
   シュー・リンユエン(ルオシア)
   リー・ツイ(ルオマの祖母)

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白い馬の季節

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

砂漠化していく内モンゴルの草原で、毎日のように羊が飢えて死んでいく。かつての放牧地は草原保護のために鉄条網で囲われ、小学生の息子フフーの学費を払うことさえできず、あとは馬を売って町へ出ていくしかないと妻インジドマーが訴えるが、ウルゲンはどうしても遊牧民としての誇りと生活を捨てることができない。

思ったこと

Shiroiuma01哀切な・・・実に哀切な、胸がしめつけられるような気持ち。
何世代にもわたって羊を放牧してきたモンゴルの草原が、今失われようとしている。
その原因は干魃や強風、羊の過放牧、人口増加や農地の拡大などがからみ合っているらしい。
もう今までのような暮らしは続けていけない、ウルゲンも頭では本当は分かっているのだと思う、ただ身体が拒否してしまうのだろう。
草原で馬や羊とともに暮らすのが、モンゴル民族としてのアイデンティティだから・・・。
貧しさのために学校に行けなくて泣いているフフーは可哀想だし、草原の暮らしを捨てて他の皆のように町へ行こうというインジドマーの提案は現実的だ。
しかし、ウルゲンはいくら頭が古いと言われようと、そのようにしか生きられない。
適応力のある人や、次世代の子供たちは、難なく町の人間になっていくのかもしれない。
時代の流れなのだからしょうがないと思いつつも、どうしようもない哀しみで胸がいっぱいになる。
警察に連れて行かれたウルゲンが、壁のカレンダーを眺めるうちに夢見た、緑の草原を駆け抜ける馬たちの勇壮な姿が涙でくもる。

映画はモンゴルの話だけど、厳しい変化にさらされている現代社会では、あちこちで似たようなことが起きているんだろうなぁ〜などと考えた。
自分自身を柔軟に変化させていくのが生き延びる道・・・だけど、そんなふうにできない、不器用な人だってたくさんいるんだ。
“時代遅れ”なのかもしれないけど、苦労するだろうけど、器用な人が早々に手放してしまった貴いものもそこには残っている(画家ビリグが最後に言っていたのはそういうことだろう)。

インジドマーのいるゲルに、羊の皮を買いに来た商売人のトゴー。
「普通なら1枚10元だが、奥さんになら1枚11元でいいよ」と言う。
私は相場も何も知らないが、こいつ絶対に間で暴利をとっている!と確信して、やきもきやきもき。
でも素朴なインジドマーは「値段なんて見当もつかないわ」と喜んで全部売ってしまうのだ。

トゴーに「トラック運転手にヨーグルトでも売ったほうが余程金になる」と言われたインジドマーは、牛にがらがらと台車を引かせて、街道沿いにたたずむ。
通り過ぎるトラックに手を振って「止まってー!」「新鮮なヨーグルトがありますー」と必死に叫ぶが、売れようはずもない。
私が映画の中に入っていって、「おいしいヨーグルト」などと書いたのぼりか何かを作ってあげたくてたまんなかったー!!
そのうち、顔見知りの酒造会社の男が通りかかり、やっとヨーグルトを買ってくれるのだが、ここでもやはり「いくらか決めてください。値段なんて分からないから」。
そ、素朴過ぎるー・・・涙が出ちゃうくらい。

インジドマーは芯の強い美しい女性だった。
酒造会社の男に言う、「偶然出会ったすべての馬に乗ろうなんてダメよ」というセリフにはハッとさせられた。
町に移り住むことで、ウルゲンもインドジマーもまた変わっていくんだろうなぁ・・・。
彼らの将来に幸あることを願ってやまない。

白い馬の季節
季風中的馬/Season of the Horse

(2005年  中国)
監督・脚本・出演/ニンツァイ(ウルゲン)
出演/ナーレンホア(インジドマー)
   チャン・ランティエン(ツァオ)
公式サイト

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雲南の花嫁

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

幼なじみのアーロンとフォンメイの結婚式が行われた。しかし、イ族のしきたりでは結婚しても3年間は別々に暮らし、その間は結ばれてはならない。アーロンは全国大会を目指す娘龍舞隊の監督となり、フォンメイはアーロン恋しさのあまり、しきたりに反して娘龍舞隊に入ろうとする。

思ったこと

「3年間別々に暮らすこと」って謎のしきたりだな〜と思ったが、婚約時代を3年間過ごすこと、という感覚みたい。
折々に婚家に通って、家事などを覚えてるようだし。
アーロンは、成功したビジネスマンのアーツォンにフォンメイを取られることを心配しているので、そういうトラブルもけっこう起こり得るのかな〜と思われる。

フォンメイがとてつもなくかわいい!
愛くるしい顔立ちながら、しきたりや世間体なんか気にしない、手のつけられないおてんば娘。
3年間は一緒に暮らしてはならないとされてるのに、結婚式の夜にいきなりアーロンのベッドにしのびこんだ“恥知らず”(でもふたりともただ酔いつぶれていただけ)。
汁麺をガツ食う顔はヒロインにあるまじき姿だ。
町までの競走では当然のように1着をとり、得意そうにきゅうりを丸かじりする様が男前(それに対して後方で息があがっていたアーロン・・・)。
木や天井からぶら下がったり、窓から出入りしたり、渾名はきっと“山猿”だね。
隣村の男と半裸(金太郎の前かけみたいな下着姿)で相撲をとっては投げ飛ばすし。
自分の感情に正直で、かつ仲間を思いやる気持ちが強く、はつらつと生命力あふれる魅力が炸裂してる。

アーロンは結婚式ではお酒を飲んでぶっ倒れ、娘龍舞隊の少女たちからはナメられ、ちょっぴり頼りない感じ。
家族に「甲斐性なし」「役立たず」とか言われちゃって、アーツォンにコンプレックスも感じちゃって、しきたりや伝統を守る心配もしなくてはならず、男の子も男の子で大変だな〜と思った。
毅然としようとしても、根がやさしいわフォンメイに参ってるわで、けっきょく言いなりになっちゃう。
ただ、心にいろいろとプレッシャーを抱えているから、フォンメイの真っすぐな気持ちを受けとめきれなかったところがあるんだろうね。
この村でも「近頃の若者はしきたりも守らず、自分勝手で軟弱だ」とか言われてるんだろうな〜。
でもでも屋根の上での舞いはかっこよかったよ!
(中国人ってなんかよく屋根の上に乗ってるよねぇ・・・映画の中だけ?)

ここで描かれる少数民族の生活はまるでユートピアだ。
日常から身につけているイ族の民族衣装は、赤を基調として刺繍がたっぷり施されており、実にきれい。
水と緑いっぱいの農村風景はみずみずしい。
伝統芸能の龍舞も壮観だ。
それから、ケンカも仲直りも即興の歌でやりとりする様がおもしろーい!(でも内容は村じゅうに筒抜け?)

娘龍舞隊の面々もかわいくて良かった。
夜中、チーメイとフォンメイが涙を浮かべながら励まし合うシーンは実に美しい。
都会帰りのイーマーは、フォンメイのライバルキャラとしてもっと活躍してくれるのかと思ったが、凛とした美しさのいいヤツでした。
婚約者を嫌っているアーユイのエピソードも、さりげないけどかわいかったな。

雲南の花嫁
花腰新娘/Huayao Bride in Shangri-La

(2005年 中国)
監督/チアン・チアルイ
出演/チャン・チンチュー(フォンメイ)
   イン・シャオティエン(アーロン)
   ツイ・チュウミン(アーツォン)
   ワン・イーリン(アーユイ)
   ハー・ウェンチャオ(チーメイ)
公式サイト

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エグザイル/絆

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

中国返還間近のマカオ。母親と赤ちゃんのいるアパートに4人の男たちが訪ねてきた。ブレイズとファットはウーを殺すために、タイとキャットはウーを守るために・・・。ウーが帰宅すると、激しい銃撃戦が始まる。5人はかつての仲間だった。

思ったこと

全編を貫く緊張感。
そして、男たちが一丸となって戦う様にしびれる。
私は本来銃撃戦は好きではないんだけど、3すくみ、6すくみ、無数すくみ(?)の状態から、激しく銃弾が飛びかう空間にドアが舞う! カーテンが舞う! 空き缶が舞う!
多くを語らずともちょっとした動きや視線で仲間の考えを察知して動けるところがカッコイイ。
足手まといはひとりもいない・・・。
やってることはチョー人殺しなんですけどね。
途中で出てくるマカオ軍警察のチュンも、銃の腕前が抜群で、死線をくぐって生き残ったというだけでカッコよく見える・・・。
それから、皆さん40代くらいと推察するが、ときに子供か?というくらいはしゃいでじゃれあったりするところも微笑ましくてイイですな。
互いの腕も性格も知り尽くしている昔からの仲間なんだね。
顔が好みなのはタイ♡
ファットってやっぱデブだからその名前なの?
ただ素朴に不思議に思うのは、黒づくめの男どもが入り乱れる中で、誰を撃つべきで誰を守るべきかよく瞬時に判断できるな〜ということ。
私がこの中にいたらきっと間違えてそう・・・(ゴメンじゃ済まないよな)。

なごやかな音楽が流れるなか強面の男たちが家事をしているシーンは、その意味不明の唐突さに呆然としつつ、ギャップがおもしろくて目が釘付けに。
さっき鋭くナイフを投げたタイが、慣れた手つきで中華鍋をあおっている!
皆で箸をつつき合う大皿料理が妙においしそう・・・(中はよく見えなかったけど)。
料理が上手い男っていうのもポイント高いよ!

ボスのフェイ、股間を撃たれてすごく痛そうなのが笑えるほどおもしろかった。
絶品の痛がり演技だった。

ところで邦題について。
このタイトルだと「エグザイル」=「絆」って意味に見えてまぎらわしくな〜い?
私は「exile」という単語を知っていたはずなのに、片仮名の「エグザイル」からはなんとなく鎖、ザイルを連想させられたのもあってか、ぼんやりと勘違いしていた・・・ということを、オープニングで原題「放逐」というのが出てきたときに気付いた。
「/」が無ければまだマシだったかも。
ちなみに「exile」は「国外追放、流刑、追放人」という意味です。
「絆」という言葉はぴったりだと思うけど、さらにあてどのない、どこにも行き場のない気分が出ていて欲しかったかな〜って。

エグザイル/絆
放逐/Exiled

(2006年 香港/中国)
監督/ジョニー・トー
出演/アンソニー・ウォン(ブレイズ)
   フランシス・ン(タイ)
   ロイ・チョン(キャット)
   ラム・シュ(ファット)
   ニック・チョン(ウー)
   ジョシー・ホー(ジン)
   サイモン・ヤム(フェイ)
   リッチー・レン(チュン)
   ラム・カートン(キョン)
   エレン・チャン(売春婦)
公式サイト

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墨攻

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

紀元前370年頃、春秋戦国時代の中国。趙と燕の境にある小国・梁は、10万人の趙軍に攻められる危機に瀕していた。墨家に援軍を頼んでいたが、やってきたのはみすぼらしい身なりの革離一人のみ。梁王から兵に関する全権を与えられ、城を守るために奮闘する。

思ったこと

紀元前4世紀頃というと日本では弥生時代、日本人がやっと集落を作って稲作に励んでいた頃に、すでに中国ではこんな激しく国盗り合戦やっていたのだね〜。
墨家の思想は“非攻”と“兼愛”ということだが、なんか納得できなかった。
革離は最初からかなり好戦的に見えたし、助けを求められたらどんな相手でも助けるって、つまり先に言ってきたほうを助けるってこと?
群雄割拠する戦国時代での平和って何だろ?
いっそどこかの国に統一されてしまったほうが、世は落ち着くんじゃないか?
革離は自分の作戦で敵が火だるまになっているのを目の当たりにしてショックを受けていたし、決して礼を受け取らないというポリシーをわりとあっさり翻したし、逸悦に特別な想いを抱くようになったし・・・で、もしかして墨者としてはまだ未熟な人なんかな?

城壁に囲まれた梁の国民はたったの4000人。
1回の戦闘だけでも(勝ったのに)、かなり人数が減ってしまったように見える。
その上、梁王は邪魔になった人間や生意気な人間にどんどん謀反の嫌疑をかけて排除していくんだから呆れてものもいえない。
こんなダメな国さっさと滅んじゃえばいいよ!・・・と私が見捨てるまでもなく、2千年以上前に既に滅んでいるから安心だ。
それにしてもストーリーが大ざっぱだなぁ・・・。
東伯というお爺さん兵士が死んで逸悦が嘆くが、そんないきなり出てきた人物には感情移入できませんなぁ。
梁適のあんまりな最期も、牛将軍のたくらみかと思えば、ただのミス? そんなのありですか?
終盤で、趙の名将・巷淹中がとった行動もよく分からないから盛り上がれない・・・。
なんで梁王がおめおめと生き残ってんだよ!?
このストーリーの消化不良感って、原作の小説やマンガを読めば解消されるのかしら・・・。

騎馬隊の紅一点、逸悦ってロマンス要員かな。
けっこう足手まといになっていたようだが・・・。
なぜ手をつないで逃げる(笑)。
ふたりが飛び降りる崖、高すぎて怖〜い、でも景色として非常に美しい!
あっさり逸悦に惹かれてしまう革離、今まで女性に免疫がなかったタイプだろうか。

もしも私が兵士だったら、どの役割がいいか考えた。
最初に突撃するのはやっぱりイヤだな〜。すぐ死んじゃいそうだから。
しかし石を運んで落とすばかりの奴隷もつまんないし・・・。
“高貴の象徴”である騎馬隊には憧れるが、弓矢隊のほうがかっこいい気もする。
信義に厚く寡黙で、狙ったものをはずさない弓の達人・・・(しばし妄想タイム)。
それか、軍略や布陣を考えるための城の模型を作る人でもいいな。

墨攻
墨攻/A Battle of Wits

(2006年 中国/日本/香港/韓国)
監督/ジェイコブ・チャン
原作/酒見賢一、森秀樹、久保田千太郎
出演/アンディ・ラウ(革離)
   ワン・チーウェン(梁王)
   チェ・シウォン(梁適)
   ファン・ビンビン(逸悦)
   ウー・チーロン(子団)
   チン・シウホウ(牛子張)
   アン・ソンギ(巷淹中)
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トゥヤーの結婚

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

中国内モンゴル自治区で、厳しい自然を相手に生きるトゥヤーの一家。数年前に井戸の事故で下半身が不自由になった夫バータルとふたりの子供を抱え、トゥヤーの負担も限界に。説得され離婚に同意するトゥヤーだが、再婚の条件に挙げたのは、新しい家庭でバータルも一緒に暮らすことだった。

思ったこと

ラクダに乗って羊の群れを追う、スカーフを頭に巻き付けぷくぷくに着ぶくれた、ふたりの子供の母・・・てっきりおばちゃんだと思ったら、これがヒロインのトゥヤーだった!
皮膚は浅黒く厚い感じで、くちびるはぽってり、厳しい表情をたたえ、一家を支えて働く姿は力強い。
しかしスカーフをほどいてみたら、若くてかわいい顔が出てくる。
トゥヤーたちが住んでいるのは、現実に砂漠化が急激に進んでいる地域だそうだ。
家から離れたところにある井戸へ毎日水を汲みにいかなければならないが、年々水の出が悪くなると会話に出てくる。

モンゴルでは羊肉や乳製品が主食でほとんど野菜を食べないと聞いたことがあるけれど、トゥヤーたちの地域では野菜も使っているようで、食卓はけっこう彩り豊か。
幼なじみのボロルが訪ねてきた夜は、なんと羊の丸焼き!
テーブルの中央に焦茶色の羊さんが鎮座ましまし、周囲に座った各々がナイフで肉を削りとって口に運ぶ。
う〜ん・・・ワイルド! これはきっと歓迎の料理なんだろうな・・・食べてみたい。
事故で下半身が不自由になってしまったバータルは仕事もできず家にいるのだが、かつてはモンゴル相撲の覇者だったということがボロルとの会話で分かる。
それまでほぼ無表情だったバータルがこのときばかりは相好を崩す。
そんな強かった男が、今ではトゥヤーに頼り切って生きていかなくてはならないのはつらいだろうな・・・離婚や自殺を考えるほど・・・。
でも、どんなに生活が大変でも、家族として絶対に見捨てない!というトゥヤーの強さに、心が熱くなります。
再婚するのに前の夫も連れていくなんて、あまりにも突飛な発想だけど。
夫婦愛などという一般的な言葉でくくれない、人間の大きさを感じる。

酔っぱらって道で倒れている登場シーンはもとより、妻には逃げられて、仕事も始める前から失敗するんだろうな〜と想像させるダメダメっぷりのセンゲー。
なんかかわいい・・・(けっこう年いってるぽいが)。
もしかしてあなたが白馬の王子様!?
ずいぶんしょぼくれているけど・・・薄汚れた白馬だけど・・・。
もうあんたたち、さっさと結婚しちゃいなYO!とすっかり応援モード。

上の男の子ザヤは、小さいながら家族の仕事を手伝う姿がいじらしい。
拗ねたトゥヤーに「裏切り者!」と言われたとき、「裏切ってないよ、信じて、お母さん」と後を追っていくのがかわいかった〜。
下の女の子ポロは2〜3歳くらいの大きさだと思うけど、ほとんどしゃべらないし、バータルがスプーンを口に運んで食べさせているので、もっと幼いような感じ?
ぷくぷくにふくらんだ頬っぺがか〜わい〜い!
特に、家族が川の字になって寝ているとき、ポロの寝顔はまさに天使! 目が離せなかった〜。

バータルやセンゲーら、トゥヤー以外のキャストはすべて現地で見つけてきた人たちだそうだ。
な、なんと、あなたたちは天然ものであったか・・・!
確かに演技って風じゃなかったよ・・・ただそこにいるって感じだったよ・・・その存在感。

トゥヤーの結婚
図雅的婚事 /Tuya's Marriage

(2006年 中国)
監督/ワン・チュアンアン
出演/ユー・ナン(トゥヤー)
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ラスト、コーション

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

1942年、日本軍の占領下にある上海。傀儡政府のもと、特務機関の幹部を務めるイーは、4年前に香港で出会ったマイ夫人と再会し、激しく惹かれあった。実は、マイ夫人とはワン・チアチーが学生仲間とともに作り上げた架空の人物で、抗日組織のスパイとしてイー暗殺を狙って近づいたのだ。

思ったこと

はーどきどきしたぁー・・・いろんな意味で。
学生たちが思いつきのように企てるイー暗殺計画なんて穴だらけだし、田舎から出てきて間もないワン・チアチーが上流夫人を自然に演じられるわけないしで、絶対バレてるに違いない・・・バレてる、バレてるよ〜と気が気でなかった。
そんなんで騙そうとするのは無理あるってー。
しかし、イーは頭がよく鋭い人物として描かれてはいたが、よっぽどマイ夫人の魅力に惑わされていたということですかな・・・。

ワン・チアチー役のタン・ウェイがかわい過ぎて目が離せない。
農村時代のあどけなさ、抗日芝居を成功させた熱狂、理想と目的のためには手段を選ばない純粋さ、年月を重ねて愁いをおびた表情、歌い踊る姿、すらりとした肢体を際立たせるチャイナドレス・・・。
今回のトニー・レオンは、同胞の抗日運動を弾圧するコワイ男、イーを堂々と演じている。
仕立屋で、チアチーが美しい青のチャイナドレスを試着したとき、「そのままで」というイーの言葉にどきっ。
倒すべき敵である人物なのに、私はトニーさまファンなもんだから、ついつい最初から意識して見ちゃいます〜。
冷徹で厳しい態度をとりながらも、ふとこぼれるように見せる心の断片が、たまりません。

その後もどきどきは続く。
愛人になるしかないと覚悟を決めたチアチー、そこまでやるかー!? そして皆もさせるのかー!?
イーの言動一つひとつにびくびくしてしまい、私だったら泰然としているの、絶対ムリ・・・と思う。
人力車に乗って走るチアチー、いったいこの次の瞬間にどうなるのか、息が止まりそうな気分。

ベッドシーン、過激だと噂には聞いていたが、びっくりしたー。
トニーさま、そんな人だったとは思わなかったっ!
近年、ベッドシーンを赤裸々に描く映画が多いと思うけど、私としては正直、そこまで映してくれなくてもいいんですケド・・・って感じ。
なんかストーリー本筋から気がそれるし・・・身体やわらかいな〜とかそういう方向に感心しちゃったりして。

それにしても、女のスパイは信用ならないねっ!
色仕掛けで敵の要人に近づく作戦は、失敗することが多いんじゃないかという気がする・・・いろいろ映画を観ている限り。
最後の指令を出す、イーの暗い瞳が忘れられない。
そして、イー夫人がどこまで気付いていたのかも気になる。

上海の街の雑踏、麻雀卓を囲む夫人たち、夜の道を走る2階建ての路面電車、インド人の宝石商など、昔の中国を感じさせる雰囲気も十分に味わいました。

ラスト、コーション
色・戒/Lust, Caution

(2007年 アメリカ/中国/台湾/香港)
監督/アン・リー
出演/トニー・レオン(イー)
   タン・ウェイ(ワン・チアチー/マイ夫人)
   ワン・リーホン(クァン・ユイミン)
   ジョアン・チェン(イー夫人)
公式サイト

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變臉 この櫂に手をそえて

お気に入り度 ★★★★★

こんな話

貧しい大道芸人のワンは、仮面を早変わりする“變臉(変面)”の名人で、変面王と呼ばれていた。後継者を切望し、人買いから8歳の子供クーワーを買うが、男の子のふりをしていた女の子ということが分かる。怒って捨てようとするものの、「捨てないで」とすがりつくクーワーを振り切れず、使用人としてそばに置くことにした。

思ったこと

Henmen01泣かされた・・・。
最初から最後まで、ほぼずっと泣かされた・・・。
いかにもな話だと言われればそのとおりなんだけど、皆がいい表情してるんだ。
けなげな老人と子供と動物には勝てませんな。

泣きポイント1:出会い
遠い昔に妻は去り、大事にしていた一人息子も病で失って孤独なワン老人は、門外不出の芸を伝えるべき男の孫を欲している。
幼いのに今までに7回も売られ、虐待も受けていたクーワーは、落ち着ける居場所と温かさを求めている。
出会うべくして出会ったような二人。
巨大石仏のところで「ヤーヤー!ヤーヤー!(おじいちゃん)」とうれしそうに叫ぶクーワーの声、目を細めるワン老人の表情が胸を突きます。

泣きポイント2:女という運命
理想的な孫として皆に自慢していたクーワーが、実は男のふりをしていた女の子だったということが分かる。
何故そんな騙すようなことをしたかというと、女の子だと捨てられちゃうから・・・。
喜びが大きかった分、ワン老人の失望は深い。
でも、女に生まれたというだけで、存在を否定されてしまうクーワーも哀れ・・・。
孫から使用人になって、ワン老人を「ご主人様」と呼び、かいがいしく世話をやくクーワーの姿がけなげすぎ。
一時の怒りが収まって、「おまえが男だったらな・・・」としみじみ言うワン老人には確実に愛情が芽生えているのだが、住処である小舟の火事が穏やかな時間を終わらせる。

泣きポイント3:覚悟
誘拐罪の疑いで警察につかまり、拷問のすえ処刑されてしまうことになったワン老人を助けるため、クーワーは身を捨てるほどの覚悟を見せる。
これまでワン老人にすがって役に立とうと必死だったのは、自分が生き抜くためのしたたかさという面も強かったと思うけど、ここまでくると完全に自己犠牲。
こんな小さな子がね・・・既に2回も捨てられてるのにね・・・。
逆に、無実の罪に問われたのはクーワーのせいだともいえるのだが、ワン老人は「おまえには芸を仕込んだ。それで強く生きていけ。将軍(サルの名前)のことは頼む」と、芸を絶やしてしまう絶望のなか、決してクーワーを憎むわけではない。

泣きポイント4:大団円
良かったね・・・良かったね・・・。
映画が始まる前に「文部省推薦」という文字がでかでかと出たので、ひどいラストにはならないだろうと予想してたとはいえ、いやー、やきもきさせられました。

“變臉(変面)”とは、奇怪な絵の面を顔に貼り付け、手をさっと振っただけで早変わりさせていくという芸。
ほんと不思議、おもしろい。
これを見るだけでも価値があると思います。

クーワー役の女の子は、現実に親元を離れて雑技団に入れられていた子とのこと。
その姿、発する言葉が胸を打ってしょうがないのは、本物の感情に裏付けられているためか。
とはいえ、卑屈な感じはまったくなく、登場時から目を引きつける生命力にあふれた面構え、放っておけないけなげさは、天性のものだと思わせる。
大道芸として見せる柔軟技もサスガだよ!

“人観音”と呼ばれる京劇のトップ女形、リャン・スーランも興味深い人物だ。
付き人が脇でコートを持って控えているような完全なセレブなのに、浮浪者のようなワン老人に敬服し、「兄弟としてつきあおう」と言われても「私のような半分女のような人間に、もったいない・・・」と卑下する。
1920年代という時代のためか、男女差別がすごくはっきりしているのにもびっくりでした。
もちろん、現代の映画だから、それだけじゃ終わらないけどね。

あと、忘れちゃならないのが、サルの演技がすごいこと!
本当に言葉や気持ちが通じてるみたいなんだよ〜。

變臉 この櫂に手をそえて
變臉/The King of Masks

(1996年 中国/香港)
監督/ウー・ティエンミン
出演/チュウ・シュイ(ワン)
   チョウ・レンイン(クーワー)
   チャオ・チーカン(リャン・スーラン)
   チャン・ルイヤン(ティエンシー)

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紅いコーリャン

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

九児はラバ1頭と引き替えに、親子ほども年齢が離れハンセン病にかかっている造り酒屋の主人に嫁いだ。嫁入りの輿をかつぐのはコーリャン酒造りの人夫たちと輿かつぎ職人の余。コーリャンが生い茂るなか、強盗にさらわれそうになったところを助けられる。数日後、九児は同じ場所でまたさらわれるが、今度の相手は余だった。そして造り酒屋の主人が何者かに殺される。

思ったこと

う〜〜わ〜〜すさまじいインパクト!!
有無を言わさぬ展開のド迫力で、やっぱ中国ってスケールでかいなーと痛感させられます。

まず花嫁道中がおもしろい。
輿をぐらぐらに揺らされて乗り物酔いしそう、オェー。
“花嫁いじめ”という変な風習のため「花嫁はブスで新郎こそ災難〜♪」と歌われ、楽器はプープーうるさいし、売られた身の悲しさと結婚相手への怖れ(妖怪に嫁ぐくらいの感覚だったのでは)がふくれあがってきて、九児と一緒に泣いてしまう。

これが女優デビューとなるコン・リー。
撮影当時は20歳くらいかな?
むちむちしててカワイイなー・・・眉が太くて揃ってなかったり歯並びが悪かったりまぶたがちょっとはれぼったかったりするのも初々しい!って感じの若さ。
まるで荷物か何かのように抱えられてしまう姿、踏みしだかれたコーリャン畑の真ん中で大の字に横たわる姿にドキドキする。
風に吹かれるコーリャンの葉や穂が情念が乗り移ったかのようにざわめく。

そんで酒造りの家に押し掛けてきた余のロクデナシっぷりが笑える。
やはり若くてお肌つやつやのチアン・ウェンは、耳が左右にぴょこんと飛び出していて、ネズミちゃんっぽいなー。
酔っぱらって人夫たちに追い出されるときの泣き暴れっぷりは、幼児?って感じ。
珍しいもんが見れた・・・。
やんちゃの限りを尽くして威張っても、九児のほうを振り向いて「ほんとはオレのことが好きなんだよね?ね?」と問うかのように不安げにうかがっているのもカワイイ。

名酒「十八里紅」が生まれた過程・・・そんなんあり!?
その後9年間、ずっとそうやって造っていたんだろうか・・・それで余がなくてはならない人物としての地位を築いたっつーことか?

後半の、日本軍が来てからの話は本当に衝撃的で忘れられない。
生唾を飲み込み、気分悪くなるのに目をそむけられない。
いっそひと思いに殺してくれ!って叫びたい感じ。
自分があんな立場におかれたら・・・サンパオの懇願、牛解体屋の親方がとった行動、これは理解できる、やろうと思えばできる気がする、ていうかむしろこう死にたい。
もし私が羅漢だったら・・・もうひとりを生かすために耐えられるか!? 絶対無理・・・とはいっても逃げる術もないのだ。
解体屋の弟子のほうは・・・こんなふうに生き延びたとしてもその人生は終わってる・・・。
そして怒濤のラストへと至って、真っ赤なコーリャン酒は、まきちらされ地に染み込む血を暗示していたということに気付く。
日本軍は悪の存在だけど、映画全体が民話的というか現実感がないので、日本人として観てても特に居心地の悪さは感じなかったなー。

紅いコーリャン
紅高梁/Red Sorghum

(1987年 中国)
監督/チャン・イーモウ
出演/コン・リー(九児/チウアル)
   チアン・ウェン(余占鰲/ユイチャンアオ)
   トン・ルーチュン(羅漢/ルオハン)
   リウ・チー(豆官/トウコアン)
   チー・チュンホァ(サンパオ)

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北京ヴァイオリン

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

母の形見のヴァイオリンを弾きこなす13歳のチュンと、男手ひとつで愛情いっぱいに育てる父リウ。ふたりはコンクールに出場するため北京へと行く。結果は5位で音楽院に入学することはできなかったが、チアン先生に頼み込んでヴァイオリンの個人レッスンを受けることに。

思ったこと

私はヴァイオリンの音色が好きで、自由自在に弾けるようになりたいな〜という憧れがあって、ヴァイオリンをめいっぱい楽しむぞ〜と思って観始めた。
そういう映画ではなかった・・・。
音楽ものじゃないとしたら、親子もの? 少年の淡い初恋もの? なんか全体的に中途半端だな〜という感じ。
冒頭、運河沿いの中国の田舎町でお産の景気づけに1曲頼む!と言われて弾くところ、親子ふたり大荷物を抱えて北京のコンクールに向かうところなんかは、けっこうワクワクしたんだけどな・・・。
なんか結局チュンにとってヴァイオリンはそれほど大事なものではなかったんかな・・・。

やさぐれた感じのチアン先生は魅力的だ。
ほこりの積もった乱雑な部屋、たくさんの猫たち、もの悲しい過去の出来事が、この哀愁に満ちたキャラクターを彩る。
レッスンを始めるにあたって、チアン先生がチュンに言う。
「まず一生懸命やること。そして楽しさを感じながら弾くこと。お母さんのために弾くなんていうのはお断りだ」
おおー納得! 頼りになりそう!
しかしな・・・その後のレッスン・・・教師としてはどうなのか?
この人、本当に音楽院の先生なの?
人としては好きになれても、ヴァイオリンで身を立てていきたい者にとってはなー・・・。
最後のレッスン風景はオレンジ色の陽光があふれて実に美しいが、これをもっと早くやってくれてれば良かったのにぃ。

父リウは、とにかくすべてチュンのためになることを考えて、なりふり構わず行動し、親バカも極まれりといった感じだが、実は秘密を隠していた・・・。
カッコ悪いけど愛すべきお父さん像ではある。
しかし、ラストの展開がどうにも理解できない。
これって感動するところなのか?
なんで国際コンクールという晴れ舞台の最中にリウが出発しなきゃいけないか分かんないし、それをチュンが投げ出したならむしろがっかりしたり怒ったりするのでは?
ユイ教授を悪者風に仕立ててるのに違和感が。
チアン先生が見送りに来ているのも謎だし。
ライバルの少女リンのセリフ「自分がどれほど音楽を愛しているか分かった」も、唐突で意味不明で印象に残りました。

北京ヴァイオリン
和イ尓在一起/Together

(2002年 中国)
監督・出演/チェン・カイコー(ユイ教授)
出演/タン・ユン(チュン)
   リウ・ペイチー(リウ)
   ワン・チーウェン(チアン先生)
   チェン・ホン(リリ)
   キム・ヘリ(ユイ夫人)
   チャン・チン(リン)
   チェン・チアン(チョン)
   リー・チュアンユン(タン・ロン)

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上海の伯爵夫人

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

1936年の上海。ロシアから亡命してきたソフィア・ベリンスカヤは、伯爵夫人ながら、貧しい家計を支えるためにホステスをしていた。盲目の元外交官ジャクソンは、夜のクラブで日本人青年マツダと友情を結ぶ。ソフィアに出会って理想を感じたジャクソンは、今まで夢に描いてきたバー「白い伯爵夫人(ホワイト・カウンテス)」をオープンさせる。そんななか、日本軍の上海侵攻が始まる。

思ったこと

大事なものを失ってしまう悲しみと、大事なものを手に入れられない悲しみと、どちらがつらいのだろう・・・なんだかそういうことを考えた。
かつて国際政治の表舞台で活躍したものの今では刹那的に夜をさまようジャクソンと、落ちぶれたロシアの伯爵夫人であるソフィア。
ジャクソンにとっての死んだ娘、ソフィアから引き離されそうになる娘。
いつか失うくらいならいっそ持たないほうがいい、などと思ってしまうなんて、ネガティブ過ぎるかな・・・。
それでも人が手と手をとりあうのは、生きるためには、希望を信じて歩いていくしかないからでしょうか。

すべての登場人物が何か重いものを背負って生きており、夜の上海をあてどもなく浮遊する。
この時代の上海って、いろいろな人種・文化・生活が雑多に共存していて、ロマンティックな感じ。
ソフィア、ジャクソン、マツダ、いずれの人物も様になるプロフィールを備えていて、ふとした出会いから魅かれ合い、ドラマティックな物語が動きそうな匂いぷんぷん。
等身大のお話もいいけどー、こういう自分とはかけ離れた人々のドラマに酔いしれるのも楽しいんだよね。
夫と死に別れたソフィアは、プライドが高いばかりで生活力のない家族を養うため、蔑まれながらも夜のお仕事にいそしみ、娘カティアに悪い影響を与えるという言葉も甘んじて受けとめる。
いかにも可哀想でけなげな境遇だし、品のある美貌だしで、気持ちよく感情移入できます。
ジャクソンとふたり並ぶと、奥行きのある雰囲気が漂って、絵になるわ〜。
カティア役の子もカワイイ。

真田広之は本当にかっこいいな!!
世界に誇れるとはこのことですね。
中国に日本軍の侵略をもたらすという、言ってみれば悪役なのだが、かっこいい悪役で良かった・・・。
英語が堪能ということだが、確かに、勉強して頑張ってしゃべってますという感じがまったくなく、ごく自然な会話に聞こえる。
ジャクソンと結ぶ友情関係、暗躍している雰囲気もすごく説得力がある。
もう、じゃんじゃん世界に出て行って、日本人のイメージを上げて欲しいですっ!

上海の伯爵夫人
The White Countess

(2005年 イギリス/アメリカ/ドイツ/中国)
監督/ジェイムズ・アイヴォリー
脚本/カズオ・イシグロ
撮影/クリストファー・ドイル
出演/レイフ・ファインズ(ジャクソン)
   ナターシャ・リチャードソン(ソフィア)
   真田広之(マツダ)
   ヴァネッサ・レッドグレイヴ(サラ)
   リン・レッドグレイヴ(オルガ)
   マデリーン・ダリー(カティア)
   マデリーン・ポッター(グルーシェンカ)
   アラン・コーデュナー(サミュエル)
公式サイト

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故郷の香り

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

北京の大学に行ってから10年ぶりに故郷の村へ帰ってきたジンハー。かつて結婚の約束もしていた幼なじみのヌァンと偶然出会い、家を訪ねる。ヌァンは聾唖のヤーバと結婚し、既に6歳の娘もいた。ヌァンの暮らしぶりを見ながら、ジンハーは若き日々を回想し、迎えに来るという約束を果たさなかったことを悔いる。

思ったこと

中国南部江西省の、山に囲まれた田園風景が美しい。
こんなところに生まれて、自分のことを好きな幼なじみの男子とブランコに乗ってみたかった。
きれいな自然に囲まれて心豊かに生きられそう。
・・・なんて思う気持ちに嘘はないが、実際にそういう場所に育ったら、ヌァンみたいに劇団員に憧れたり、ジンハーみたいに都会に行ったまま帰って来なくなったりしちゃうのかもなー。

10年ぶりに再会したヌァンは生活に疲れすさんでいるように見えるし、訪れた家は暗く雑然として貧しそうだし、夫のヤーバはどう見ても立派な男じゃない。
歌と踊りが得意で劇団に入るのを夢見ていたきれいなヌァンが、どうしてこんなふうに・・・。
お似合いの幼なじみだったふたりは、どうして結婚できなかったのだろう・・・。
少しずつ回想される過去のきらきらとした情景と、現在の不遇に見えるヌァンが対照的で、いったいどういう経緯で今に至ったのかという興味がかきたてられる。
そして、この3人が会うことで、何が起こるのか・・・過去とこれから、両方の成り行きにはらはらさせられ、淡々とした描写ながら最後まで目が離せない。

Nuan01香川照之は、野卑で知性の乏しい聾唖の男ヤーバそのものだった。
どんよりした目とうつろに開いた口が薄気味悪い。
あの生き生きとかわいかったヌァンが、どうしてこんな男と結婚しなきゃならなかったの・・・と、おそらくジンハーが感じているだろうのと同様に、情けない気持ちでいっぱいになる。
しかし、ヤーバの心が表されたとき、自分の考え違いを気付かされた。
本当にラストのシーンだけで、ヤーバとヌァンに対する見方が変わる。
思いもかけず涙があふれてきてしまったのは、香川照之という役者の力も大きかったかなぁとも思う。
やっぱり夫婦のことって、端からは分からないのかな・・・。
そして、何が幸せなのかってことも・・・。

それにしても、語り手であるジンハーはさわやかでやさしげなエリートだが、えらく言い訳がましくて、だんだん腹が立ってくる。
都会に出て、故郷に残してきた恋人のことを忘れるなんてよくある話だろうけど。
でもムカツク。

ところで、私はアヒルの群れが田舎の光景のなか、歩いたり泳いだりしているのを見るのが好き。
10年前のヤーバはアヒル飼いだったため、存分にアヒルを堪能できました。
アヒルが出てくる映画をリストアップしておこうかな。
とりあえず思いつくのは『黒猫・白猫』くらいだけど・・・。
何かいいのを知っている人がいたら、ぜひぜひ教えてください!!

故郷の香り
暖/Nuan

(2003年 中国)
監督/フォ・ジェンチイ
出演/グオ・シャオドン(ジンハー)
   リー・ジア(ヌァン)
   香川照之(ヤーバ)

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鬼が来た!

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

1945年の中国、日本軍の支配下にある掛甲台(コアチアタイ)の村。深夜、マー・ターサンの家に見知らぬ男が訪ねてきて、2つの麻袋を無理矢理預けていった。袋の中に入れられていたのは、日本兵の花屋小三郎と通訳のトン・ハンチェン。日本軍に見つかることを恐れながら、ふたりの処置をどうするか、困った村人たちが右往左往する。

思ったこと

小さな村で起こった事件にドタバタする前半は、登場人物たちは生死をかけて真剣そのものにもかかわらず、ほのぼの感が漂い、ユーモアがふんだんにまぶされていて楽しい。
脅威である日本軍も、単なる“悪”ではなく人間らしく描かれているので、安心して観ていることができます。
中国と日本の関係に限らず、戦争中にひどいことが起きているのはまぎれもない事実だと思うけど、敵軍のひどさばかりを強調する描写に接すると、現実に知っている人間と乖離してしまうというか、物語上で設定された“悪”にしか見えなくなり、かえって胸に迫ってこないような気がするの。
“悪”というのは、そこに至る経過、相互の関係性の中で生じてくる定義だと思うから。
しかし、心の隅に不安な気持ちを抱きつつ、なんとか丸く収まるんじゃないかな〜という淡い期待は、案の定というか、無惨に裏切られるわけですが・・・。

花屋が中国語の罵倒する言葉を習って、凄みをきかせながらマーたちに怒鳴る場面、サイコーね。
一刀劉の殺しの舞いも笑える。
最初は日本軍人としていきがっていた花屋だが、だんだんと農民たちと馴れ合っていく。
そして軍に戻ると、軍人な自分を思い出し、農民な自分との間でふらふらする。
その信念に乏しい情けなさが、全然かっこよく生きられない自分とかぶってイタイ。
後半、なんでああいう展開になってしまったのかよく分からなかったんだけど、現実世界だって何がどうなってそうなったのか分からないことだらけだもんね。
かえって戦争という狂気のリアルみたいなものを感じる。

花屋が帰っていく日本軍の小隊長、酒塚猪吉・・・コ、コアイ・・・。
でも、小隊長、ついていきますっ!!
なんなのこの気持ち・・・普段感じたことなんてない、強く頼もしいモノにすがりたいような気持ち。
カリスマってやつ?
戦争中とか追いつめられたときには、たとえ間違ってると思っても、こういう人に追随していっちゃうのかも・・・。

タイトルの鬼子というのは日本軍を指しているのだと思うが、観終わって、“鬼”ってなんだろう・・・という思いにとらわれた。
外からやってくる脅威、内から生じてくる負の感情、どうしようもない行き違い・・・。
普段冷静な人でも、優しい人でも、極限状態では思わぬ行動をとってしまうかもしれない。
心を通じた相手とも、わけのわからない理由で殺し合えるのかもしれない。
ラストでマーの目がとらえた光景、マーの表情、目に焼きついて忘れられない・・・。

香川照之が撮影時の日記をもとに著した『中国魅録 「鬼が来た!」撮影日記』(キネマ旬報社刊)も読んでみた。
すげーおもしろい!
中国映画の途方もない感じって、こういう風に作り出されているのね・・・。
役作りのための軍事訓練をこなすうちに、天皇陛下を強く意識する気持ちが湧き上がってきたというくだりも興味深かったです。

鬼が来た!
鬼子來了/Devils on the Doorstep

(2000年 中国)
監督・出演/チアン・ウェン(マー・ターサン)
出演/香川照之(花屋小三郎)
   チアン・ホンポー(ユイアル)
   ユエン・ティン(トン・ハンチェン)
   ツォン・チーチュン(ウー長老)
   澤田謙也(酒塚猪吉)
   宮路佳具(野々村耕二)
公式サイト

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ココシリ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

中国奥地、海抜4700メートルの秘境ココシリ。この地に棲むチベットカモシカは、上質の毛皮が取れることから乱獲され、数年で激減した。密猟者からカモシカを守るため、リータイを隊長に山岳パトロール隊が結成された。そこへ、ジャーナリストのガイが、パトロール隊員殺害事件の取材をしに北京から訪れる。

思ったこと

秘境の山々の絶景が見た〜い!という軽い感じのノリで観に行った『ココシリ』。
リータイ、かっこいい〜♡
うおお、リータイの娘、かわいらしいにもほどがある♡
などという感じで、始まってからしばらくは楽しんでいたのが、後々、こんなに重苦しい気持ちをかかえることになろうとは・・・。
冷徹なまでに厳しい大自然、のっぴきならない状況に追い込まれる人間たちのドラマに、全身が巻き込まれてしまった。
事実を基にした映画ではあるが、スクリーン上で目にしている映像は、本当に起こっていることをそのまま写し取っているのだと、ほとんど信じてしまいながら観ていた。

リータイたちは、お金に事欠きながらも、命をかけて、民間の山岳パトロールを結成している。
その姿は壮絶だ。
しかし、密漁者たちのボスがリータイに問う。
「カモシカのほうが人間よりも大事なのか?」
私も同じことを訊きたい。
カモシカを守る気持ちが分からないと言っているんじゃない。
私財をなげうって、命をかけ、不本意な毛皮の売買にも手を染めながら、どうしてそこまで密猟者との闘いに執念を燃やすことができるのか。
その信念について、もうちょっと語って欲しかったと思う・・・。
山岳パトロールの皆の団結力は素晴らしいし、リータイは付いて行きたくなるようなリーダーだが、でも、燃料も食料も尽きるのが分かってて、さらに山奥へ密猟者を追っていく・・・ついて来れない者は置いていく・・・その覚悟って、いったい何に拠っているのだろう?
やむをえず売っているという毛皮は、本当に最低限だけなのかね?
無償でカモシカを守るパトロール員たちの高潔さを疑いたいわけではないが、その心の拠り所を示してもらえなかったことで、なんだかもやもやした感じが残った。

Kekexili001

それにしても、流砂、恐ぇぇ〜!!
あんな何気ない場所で・・・。
もがいてももがいても、ゆっくり確実に、はっきりと最期を意識しながら砂に飲まれていく。
残してきた女のこと、英雄として死ねなかった悲哀・・・。
衝撃だらけの映画だが、このシーン、最強。

しかし思うに、密猟はもちろん良くないのだけど、毛皮を高額で買う外国人ていうのが、諸悪の根源だ!
リータイが「マスコミが何をしてくれるというんだ」と言うシーンがあったが、現実に、この状況がジャーナリスト(ガイ)の手で知らされたために、政府も動いたのだという。
また、私も、映画という媒体で山岳パトロールと一体になる気持ちを味わったおかげで、より身に迫って考える機会を持てた。
やっぱり“知る”というのは大事なことだ・・・。

ところで、パトロール隊員の仲間たちが再会したり別れたりする際に、がっちりと抱き合うのが印象に残った。
大人同士が抱き合うのって欧米の習慣なのかと思っていたら、アジアでもあるのね・・・。
身体の触れ合いを避ける日本人って、もしかして少数派なのかな?

ココシリ
可可西里/Kekexili: Mountain Patrol

(2004年 中国)
監督・脚本/ルー・チューアン
出演/デュオ・ブジエ(リータイ)
   チャン・レイ(ガイ)
   キィ・リャン(リウ)
   チャオ・シュエジェン(ロンシエ)
公式サイト

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単騎、千里を走る。

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

漁師の高田は、長年仲違いしている息子の健一が入院したと聞いて東京の病院を訪ねたが、健一は会うことを拒んだ。健一の妻、理恵に渡されたビデオテープを見て、民俗学者である健一が舞踊家の李加民と約束を交わした「単騎、千里を走る」という仮面劇を撮影するために、高田は単身中国へと渡る。

思ったこと

最初あらすじを知ったときは、このストーリーでどうやって2時間弱も持たすんだろう、そして何がそんなに感動的なんだろう・・・と不思議に思った。
お涙ちょうだいは好きじゃないので、息子が死んだくらいじゃー泣かないよ!と斜に構えていた。
しかし・・・さすがチャン・イーモウ! さすが高倉健!
「お父さ〜ん!」と、泣きながら叫びたいような気持ちにかられました。
(実際の自分の父は、高倉健にも李加民にもまったく似てないけど。)

本当言うと、息子の代わりに中国でビデオを撮ってこようとする高田の行動には、賛成できなかった。
そういうことではないんでないかな〜、その前にすることがあるんでないかな〜と思った。
しかし、自分の思いをうまく表現できず、正面から息子に歩み寄ることができないのが、不器用な高田という人間なのだろう。
過去に何があり、父子を隔ててしまったのかは、具体的には説明されなかったが、それぞれの不器用さと頑なさですれ違ってしまったんだろうなぁと容易に想像させられる。
モノローグ以外で高田が喋るセリフはあまり多くないのだけど、“背中で語る”というのを、ここまで実感したのは、初めてのような気がする。
高倉健、これで74歳・・・素晴らしいですね。
健さんが、隠すように涙を流しているのを見たら、もうホント、たまらなかった。

『あの子を探して』のときと同様、ほとんどの出演者は素人とのこと。
楊楊は本当に子供らしくて、愛しくてしょうがなくなる。
ガイドの邱林は、ひょうひょうとした好人物で、旅先で出会うとうれしくなれそう(最初ちょっと胡散くさいと思っちゃったけど。ゴメンネ)。
元来“素人くさい”のは嫌いなんだが、そんな言葉を超えた存在感を見せつけてくれる。

高田が訪れる、中国の麗江は、おとぎ話のように幻想的な美をもつ町。
楊楊との道程では、壮大過ぎる景色が広がる。
村では、携帯電話が使える場所を探して屋根の上へ出るシーン、永遠に続くかと思われるほど長く並べられた食卓のシーンが、強く印象に残った。
中国、やっぱり一度行ったほうが、いいかもしれん・・・。

中国パートに比べると、日本パートは色あせて見える。
寺島しのぶや中井貴一(声だけだが)の、きっちりとした演技が、なんだか興醒め。

単騎、千里を走る。
千里走単騎/Riding Alone for Thousands of Miles

(2005年 中国/日本)
監督/チャン・イーモウ
   降旗康男(日本編)
出演/高倉健(高田 剛一)
   リー・ジャーミン(李加民)
   ジャン・ウェン(蒋雰)
   チュー・リン(邱林)
   ヤン・ジェンボー(楊楊)
   寺島しのぶ(理恵)
   中井貴一(健一)
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SPIRIT

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

病弱だった少年時代を乗り越え、霍元甲は自他ともに認める“天津一”の格闘家となった。慢心していた元甲は、弟子にケガを負わせた秦に勝負をいどみ、死闘のすえ殺してしまう。その報復として、元甲は優しい母と最愛の娘を失った。己を責めてさまよい歩いた末、山里で老女と盲目の孫娘に救われる。自分を取り戻した元甲は、列強に押さえつけられていた故国の威信を取り戻すため、異種格闘技試合に臨む。

思ったこと

マンガちっくなストーリー展開で、あまり深いことを考えずに楽しめる。
冒頭、ジェット・リーが対戦者をばったばったと倒す試合シーン、これは誰もが思ったであろう、天下一武道会だな、と。
あ、でもヘアスタイルがラーメンマンを彷彿とさせる・・・ウォーズマンの爪に頭をえぐられたときはショックだったなぁ・・・でも廃人からよみがえったのにはびっくりだよ・・・と、余計な思い出が脳内をかけめぐってしまった。

喘息のため武術を禁じられ、ケンカでこてんぱんに負けていた幼い霍元甲がカワイイ!
彼の宿題を代筆してあげたり、ケンカを心配そうに見守っていたりする、幼なじみの農勁孫もいい演技してる〜。
厳しい父との葛藤や鍛錬の日々が描かれるのかと思いきや、急に年月が経って、元甲がいきなりおっさん(ジェット・リー)になり、武術の達人になり、親バカになっているのにはびっくりした。
おいおい、ちょっとはしょりすぎなのでは・・・。
「武術に励んだおかげで、身体も丈夫になりました!」なんてハキハキ言うから、思わず笑っちゃったよ。

ボロボロになった元甲が流れ着く少数民族らしい山村は、ユートピアとして描かれる。
美しすぎる景色、豊かな田園、やさしく温かい人々、純真な子供たち。
そして、清らかな盲目の娘、月慈。
夢の世界か、死後の世界に行ってしまったのか?というくらい。
中国奥地の村に行けば幸せな暮らしができそうだ・・・と、勘違いしてしまいそうになるではないか。(勘違い・・・だよね?)
月慈の着ている細密な刺繍が施された服が、とてもかわいかった。

ジェット・リーは確かにすごい。
すごいのだが・・・なんか感情移入しにくいんだよなー。
アクションに幻惑されたあと、あの顔を見ると、スッと現実に引き戻されてしまう感覚になるのだ。
落ち武者みたいになっているシーンも、哀れというより、なんだかほほえましかったりして(わージェット・リーが演技がんばってるー!みたいな・・・)。

ラスボス的存在、中村獅童が演じる田中安野は、かっこいい役回りだった。
少年マンガとかでよく出てくる、尊敬すべき好敵手ってやつね。
ジェット・リーの最後の敵が獅童かぁ〜とも思ったが、まあまあ健闘といえよう。
獅童って悪役面だよね・・・もうちょっと年齢を重ねると迫力が出てきて、いい感じになるかも。

田中との対戦中に起こる「向上して努力せよ」というコールでは、普段の生活では避けて通りたいような言葉なのに、なんだか気持ちがたかぶり、目頭が熱くなりました。
列強の国々に不当に扱われていた20世紀初頭を舞台にした映画だが、現在の中国の人々の心を駆り立てるテーマなのだろうね・・・。

SPIRIT
霍元甲/Fearless

(2005年 香港/中国)
監督/ロニー・ユー
アクション監督/ユエン・ウーピン
衣装/ワダエミ
出演/ジェット・リー(霍元甲)
   中村獅童(田中安野)
   スン・リー(月慈)
   原田眞人(三田)
   ドン・ヨン(農勁孫)
   コリン・チョウ(霍元甲の父)
   ネイサン・ジョーンズ(ヘラクレス・オブライアン)
公式サイト

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PROMISE

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

戦場で寄る辺なく飢えていた幼い傾城は、運命をつかさどる満神と「すべての望みが得られる代わりに、真の愛だけは手に入らない」という約束を交わす。美しく成長して王妃となった傾城。北の公爵である無歓が城を攻めたとき、花鎧を身につけた者が現れて王を殺し、王妃をさらった。花鎧は大将軍光明の物だが、実はケガをした将軍の代わりに、奴隷の昆崙が鎧をまとって城に攻め入ったのである。

思ったこと

意味不明なまでに壮大な景色、ド派手な衣装。
人いっぱい、牛もいっぱい。
さすが中国! サイコー! こうでなくちゃ!!

美女ひとりを巡って、3人の男たちが国も正義もなく争うという話。
結局、神さまは人間の運命を弄んでいるっていうことでしょうか。
巨匠の歴史大作だと信じて、感動を期待していた人は、肩すかしくらうよ・・・。

馬蹄谷の戦で、奴隷の昆崙が四つん這いから立ち上がり、走って逃げる様は、マンガみたいで爆笑。
『トムとジェリー』を思い出してしまった。
それから、鳥かごに捕らわれた傾城を救い出すシーン、あまりといえばあまりな連れ去り方・・・これってギャグ??
一般的な武侠映画のワイヤーアクションでは、鍛錬で突出した動きができるようになった人、という枠組みからそう外れないと思うのだが、昆崙は化け物じみていて、ちょっと気味悪いくらい。

Promise02_1しかし、昆崙=チャン・ドンゴンはあまりにもけなげで、「ちゃんとお肉食べさせてもらってる?」と聞きたくなっちゃう。
粗野な風貌だからこそ際立って主張してくる、大きく澄んだ目。
身なりをきれいに整えて出てくるシーンがちょっとだけあるのだけど、えらい美形でびっくりした。

真田広之は、豪快な大将軍光明の役で、中国人に交じっても違和感なし。
花鎧の肩から飛び出たチューリップ(?)がカワイイ。

Promise01_1無歓はいったい何がしたいのかよくわからない・・・と思っていたら、ラスト近くになって、心のうちを激白。
は? 本気で言ってる? それって、逆恨みっていうか・・・。
そういえば『グリーン・デスティニー』でも、チャン・ツィイー演じる姫がまったく共感できない理由で暴れまくっていたなあ。
これらって、中国人にとっては納得の心の動きなのかしら・・・?

もし、3人のなかから選べと言われたら、どうしよぉ〜と考えてみた。
光明は頼りがいありそうだけど・・・なんだかバカ殿っぽい。
昆崙は強いし忠義ものだし、役立ってくれそうだけど・・・平和なときにはうっとおしいかも。
というわけで、無歓を選ぶことにしまーす!
珍奇なファッションやインテリア、ポージングで、いつでも楽しませてくれそう♡
そして、光明はお父さんに、昆崙は奴隷に♡

PROMISE
無極/The Promise

(2005年 中国)
監督/チェン・カイコー
出演/真田広之(光明)
   チャン・ドンゴン(昆崙)
   セシリア・チャン(傾城)
   ニコラス・ツェー(無歓)
   リィウ・イエ(鬼狼)
   チェン・ホン(満神)
公式サイト

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