スイート・スイート・ビレッジ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

集団農場で運転手として働くパヴェクと、助手のオチク。知恵遅れのオチクは一生懸命パヴェクの役に立とうとするが失敗ばかり。腹を立てたパヴェクに、今度の収穫後には乱暴者トゥレクと組んでもらうと言い渡される。絶望したオチクは、プラハの公団からの仕事の誘いにのってしまうが・・・。

思ったこと

なんか、なんだか、生きてるっていいな、と思わせてくれる作品。
パヴェクやドクトル、隣の墓掘り人が、庭で自家製ソーセージをつまみにビールを飲みながら、他愛ない会話を交わす。
「地下室の階段の7段目に置いたビールが、最もちょうどよく冷える」
「この世にはいいものもたくさんある・・・森も残っているし、この国のビールはうまい・・・そして女! この国の女は世界一だ」
素敵すぎ!
こんな風に生きていきたい、私・・・。
毎日景色に感動して詩を口ずさみながら車を走らせるドクトルは、しょっちゅう事故っているが、ひょうひょうとした存在感が魅力的。
こんな風に年をとりたい、私・・・。
村の皆が当然のように、オチクのことを身内同然に案じている様子にも心温まる。

会う人会う人に「別荘族の門柱を壊したんだって?」と言われてクサるパヴェク、水に何秒潜っていられるかこだわるトゥレク、不死身(!?)のドラーパリークなど、細かい笑いどころもツボだ。
村にふらりと現れて古い家の絵を描く画家役のズデニェク・スヴェラークも、相変わらず渋くていいね。

パヴェクに好かれようと、かわいがっている鳩をしめて届けるオチクに涙。
口笛の音を聞いて、忠実な犬のように目を輝かせて走っていくオチクに、涙、涙・・・。

ところで、ちぇこっとチェコ豆知識。
チェコの食卓の定番、ロフリーク。
小さめの細長い白パンで、見た目は日本のコッペパンのようだけど、もっとカサカサ・スカスカしています。
バターなどを塗ったり、ソーセージやチーズを挟んだりして食べます。
趙素朴な味だけど妙にハマる!
日本ではこういう味わいのパンって見かけないよな〜。
私が初めてチェコに行った2000年頃、このロフリークは1つ3円程度でした。
安っ!
食堂などで籠に積まれて好きなだけ食べられるようになっているのも納得。
でも現在では物価上昇やレート変動で1つ10円相当くらいになってるかな?
スーパーマーケットでは大きな透明ケースにこのロフリークが何百個と無造作に積み上げられていて、客はビニール袋にたくさん詰めて買っていきます。
オチクがいつもかじっているのが、このロフリーク。
だから、プラハのオフィスで飲み物は何がいいか問われたときのオチクの答えに「菓子パン」という字幕が出ているのは、大きな間違い。
かなりイメージ違うと思うヨ!

もうひとつ、オチクやパヴェクが社食で食べているメニューも、いかにもチェコって感じだった〜。
スープと、肉料理(たぶん)に添えられたクネドリーキ、そしてテーブル真ん中にパンの籠。
クネドリーキというのは茶筒を輪切りにしたような形の付け合わせで、白い蒸しパンみたいな感じ。
パンの細切れを混ぜ込んだものとか、マッシュポテト入りのものとかあります。
これはスーパーではミックスしか売ってないので、家やレストランでそれぞれ作るのが基本なんでしょう。
実は私はそれほど好きじゃないんだが(まずいわけじゃないけど、すぐ飽きちゃう)、ああチェコだ〜と思わせる一品。

スイート・スイート・ビレッジ
Vesnicko ma Strediskova/My Sweet Little Village

(1986年 チェコスロヴァキア)
監督/イジー・メンツェル
脚本・出演/ズデニェク・スヴェラーク(画家)
出演/ヤーノシュ・バーン(オチク)
   マリアーン・ラブダ(パヴェク)
   ルドルフ・フルシーンスキー(ドクトル/スクルジュニー先生)
   ペトル・チェペク(トゥレク)
   リブシェ・シャフラーンコヴァー(ヤナ)
   エヴジェン・イェゴロフ(墓掘り)
   ヤン・ハルトル(カシュパル)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

007 カジノ・ロワイヤル

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

爆弾テロリストを追っていたジェームズ・ボンドは、飛行機爆破を未然に防ぐことに成功し、テロリストの資金源となっている“死の商人”ル・シッフルに大損をさせた。ル・シッフルがモンテネグロで大々的なカジノを開くことを知り、ボンドは参加者として潜り込む。財務省から派遣された監視役、国家予算1500万ドルをたずさえた美女ヴェスパー・リンドと共に。

思ったこと

私は今までの007シリーズについて、ほとんどまったく観たことがなく、よく知らない。
若いボンドが“00”に昇格して最初の任務の話なのだが、「冷戦時代が懐かしい」なんてセリフがあるし、9・11の後らしいし、これって現在の話・・・。
そのわりには携帯電話の扱いが・・・。
今までのシリーズと時系列はどうなってんの?
それとも、ジェームズ・ボンドとは個人名ではなく、歌舞伎役者みたいに襲名していくものなのか?

ボンドがこちらに向かって「バーン☆」と銃を撃つと、主題歌にのってアニメーションがスタート。
何これ、TVドラマのオープニングみたい? 妙におもしろいんだけど。
トランプがパラパラと踊るアニメは、けっこうきれいと言えなくもないが、なんだか笑える。
主題歌の日本語字幕の歌詞がクサクて、さらに笑える。
007シリーズって、いつもこんな風に始まるの?

お金かかってそうなセット、アクションに次ぐアクション、こういうのが“いかにも映画らしい映画”っていうのかもしれないけど、私はやっぱりちょっと苦手だな〜。
いろいろな物が爆発したり、車が猛スピードで転倒したり、人が殺されたりの連続を見ていると、なんだか麻痺してくるというか、頭がぼんやりしてどうでもいいような気分になってきて、「ふ〜ん・・・で?」と言いたくなってしまう。
盛り上がれない・・・。
無味乾燥な情報がどんどん提示されるので、えーと誰がどれで何だっけ?と整理するのがちょっと大変。
とはいえ、ストーリーは割と単純で予想どおりに進むし、2時間半の間、退屈はしませんが。

そもそもなんで観に行く気になったかというと、チェコでロケされたと聞いたから。
映画内でカジノが開催されているモンテネグロは、チェコの温泉保養地カルロヴィ・ヴァリで撮影されたそう。
でも、思ったよりもチェコは出てこなかったな〜(プラハなんてほんのちょっと)。
そのあとの町の風景はイタリアで、実際のモンテネグロは全然映っていないらしい。
序盤でボンドは、爆弾テロリストの痕跡を追ってバハマに行く。
舞台はナッソーの高級ホテル「オーシャン・クラブ」。
あら〜懐かしいわね〜(って、泊まってませんが。通りかかって、中をちょこっと覗いたことあるだけ)。
ほかにも背景に「アトランティス」やら「コンパス・ポイント」やらの建物が映ってて、ちょっと楽しかった。
ヴェネツィアやコモ湖は未踏だから、ぜひ行ってみねば。
最後に出てくる、湖畔の城みたいなホワイトの邸宅、こんなところに住んでみたいよー。

マダガスカルでの爆弾テロリスト、モロカとの追っかけっこはおもしろい。
爆弾男の身体能力がすごい!!
ドアの上に空いた小さい空間を身軽に飛び越え、それを追うボンドがドアをぶち破るシーン、思わず「ドリフ!?」と笑ってしまった。
クレーンから飛び降りるとかって、ありえなさすぎ・・・。
それにしても、ボンドは、なんでああも迷いなく人を殺したりできるのか不思議。
自分が間違っている可能性とか、まったく考えないのか?

ボンドとヴェスパーが、食堂車で出会うシーン。
「君はこれこれこういう人間だね。孤児なんじゃ?」などとすごい決めつけ。
なんかさー、現実でもいるよね、そういう人。
ちょっとした情報から自信たっぷりに決めつけてきて、それが全然当たってないの・・・。
ボンドも傲慢な勘違い人間なのかも、と思うと、随分印象が変わる。
それにしても、いい男いい女になるって、自信満々にふるまって決して動揺してはいけないのだな(お金やルックスの良さも必要だけど)。
「美しい」などと誉められても、照れたり過剰に謙遜したりしちゃダメだし、意地悪や腹の立つことを言われても、カッとなったりムキになったりしないで、冷静にスマートに切り返さなきゃならない。
参考にしよう・・・。
(でも実際にこういう言動したら、かなりイヤミだよね!?)

国家予算1500万ドルを使ってのポーカー対決、これもありえなさすぎておもしろい。
イギリス政府、あわよくば儲けようとか考えてないか。
ル・シッフルとの大勝負に負けて、ベランダにたたずむボンド、いつも自信満々なのにちょっと落ち込んじゃった風情がカワイイ。
そして、ポーカーの途中で、ボンドが青い顔して慌ててトイレに駆け込んでいくものだから、お腹が痛いのかな、下剤盛られたかな・・・と思ってたら、毒だったのね。
私が相棒だったら、ボンド、とっくに死んでたな・・・。

007 カジノ・ロワイヤル
Casino Royale

(2006年 アメリカ/イギリス/ドイツ/チェコ)
監督/マーティン・キャンベル
原作/イアン・フレミング
出演/ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボンド)
   マッツ・ミケルセン(ル・シッフル)
   エヴァ・グリーン(ヴェスパー・リンド)
   セバスチャン・フォーカン(モロカ)
   ジェフリー・ライト(フィリックス・ライター)
   ジャンカルロ・ジャンニーニ(マティス)
   サイモン・アブカリアン(ディミトリウス)
   カテリーナ・ムリーノ(ソランジュ)
   イェスパー・クリステンセン(ホワイト)
   ジュディ・デンチ(M)
公式サイト

| | コメント (6) | トラックバック (2)

Lunacy ルナシー

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

精神病院の職員に拘束されるという悪夢をみたジャン・ベルロは、暴れて宿の部屋を滅茶苦茶にしてしまった。居合わせた侯爵が代わりに弁償し、ジャン・ベルロを自分の城へと招待する。夜、城の礼拝堂では、侯爵が神を冒涜する言葉をわめき、数人の男女がSM乱交を繰り広げていた。翌朝、侯爵は発作を起こして死に、ジャン・ベルロと使用人のドミニクは侯爵を埋葬する。しかし侯爵はよみがえり、友人が経営するという精神病院にジャン・ベルロを誘う。

思ったこと

Lunacy01く、狂ってる・・・。
という感想は、シュヴァンクマイエル監督の作品においてはフツーなので、相変わらずですなーという感じ。
今回は珍しいことに、主演の男性が若いイケメンだ。

冒頭に監督自身が登場して、ものものしく「この映画はホラーです」と告げる。
確かに怖いといえば怖い話だし、うへぇーとなる不気味な映像も多いけど、なんていうか・・・ちょっと笑っちゃう感じなんだよね・・・。
コワカワイイ。
「怖いだろう!」と思いながら作っている監督(72歳)を想像すると、ラブリー♡

しかし、巷にあふれているホラーとは、ひと味違います。
あらすじを聞いてもわけがわからない。
登場人物はどいつもこいつも頭がおかしいが、そういう自分も頭がおかしい・・・と思えてくる幻惑感。
そもそも、狂気って相対的なものなんだな。
いったい何故こんなことを思いついたんだ、と問いただしたくなるようなヘンな映像を次々と見せられ、何をどう解釈すればいいのか分からないのだが、それがコワキモチイイ。
監督は正真正銘の変態だと思うけど、自分の中にひそむ変態性にも気付かされるのです。
太った裸の女に絵の具を塗りたくるセラピー、私もやってみたい。
心の病を治すための13段階ある治療は、されたくない。

侯爵による神の冒涜っぷりは相当過激で、世が世なら、火あぶりものでしょう・・・。
奥さんのエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーさんは昨年亡くなられたけど(合掌)、こんな異常な世界を共有できる伴侶と出会えて、お互いに本当に良かったね!と心から思う。

Lunacy ルナシー
Sileni/Lunacy

(2005年 チェコ)
監督・脚本/ヤン・シュヴァンクマイエル
美術・衣装/エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァー
出演/パヴェル・リシュカ(ジャン・ベルロ)
   ヤン・トシースカ(侯爵)
   パヴェル・ノヴィー(ドミニク)
   アンナ・ゲイスレロヴァー(シャルロッタ)
   ヤロスラフ・ドゥシェク(ミュルロップ医師)

公式サイト

| | コメント (0) | トラックバック (2)

プラハ!

お気に入り度 ★★★★★

こんな話

1968年初夏、ドイツ国境に近いチェコスロヴァキアの小さな町。高校卒業試験を控えたテレザ、ブギナ、ユルチャの女の子3人組は、恋に興味しんしんだが、同級生の男の子たちはダサくてお話にならない。そこへ軍隊を脱走して逃亡中のシモン、ボプ、エマンが現れ、すっかり夢中になってしまう。

思ったこと

Praha01_1ミュージカル大好き!という気持ちが、久しぶりに身体の芯から沸き上がり、なんだかじっとしていられないような気分に。
心に何かの思いが芽生えたとき、思わず口に出して歌ってしまい、そしたら周りの景色が変わって皆が踊り出す・・・ああ〜、私、こんな世界に生まれたかった〜。
でも、ありえない、夢の世界・・・。
だって、他人が主人公で、自分はその気持ちに合わせてバックで踊らなきゃならないって考えたら、あんまりやりたいもんじゃないしね。
登場人物たちが歌い出すと、がらりと画面が転換して、TVのバラエティ番組のセットみたいな世界に入る。
これって、その人の妄想世界の中ってことかな〜。
時計をモチーフにしたダンスで、秒針役の人が床を這っているのにウケた。
あとオネエっぽいしぐさの靴屋のお兄さんね。
音楽は1960年代に欧米で流行った曲のチェコ語アレンジだったり、チェコでのヒット曲だったり。
あまりに楽しかったので、サントラCDも買っちゃった。

出てくる女の子、皆が皆、すらりとしなやかな肢体で、顔もお人形みたい。
すごく細いのに、健康的でムキュップリッとしてる。
私はチェコに行ったことがあるのだが、本当にこんな感じの人たちがそこかしこを歩いているんだよ〜。
美人で細くて手足が長いのは、トーゼンの世界なの。
そんな彼女らがカラフルな服(それもミニスカートばっか)をとっかえひっかえするので、ストーリーについていきながらファッションチェックをするのに、大変忙しかったです。

テレザ、ユルチャ、ブギナの高校卒業を控えた女の子3人組は、ひと夏の体験に意欲を燃やすが、同級生の男の子には目もくれない。
大人っぽい顔してるけど、けっこう純なのよね、この子たち。
同級生オルダ(共産党幹部の父をもちエラソー)は、いかにもなモテナイ君な言動で可笑しい。
テレザが、運命の相手(?)シモンと出会ったとき、甘い音楽が流れ、スポットライトがふたりだけを浮かび上がらせる。
とてつもなく古典的な“ひと目で恋に落ちた”表現。
このレトロ感がたまりませんなー!
しかし正直言って、ふらりと現れた脱走兵3人組とさえない同級生3人組とで、そんなに差別するほどの違いがよく分からなかった。
私に言わせれば、飛び抜けて素敵だったのは、テレザのパパ!
渋いけれど、ユーモアがあり、ちょっぴりとぼけた雰囲気で魅せてくれます。
早朝の沼で釣りをしている様子は、リアル・スナフキンって感じ。

1968年というのは、チェコ(当時チェコスロヴァキア)の歴史上、重要な年である。
“人間の顔をした社会主義”を標榜し、つかの間の自由を謳歌した“プラハの春”だが、8月にワルシャワ条約機構軍の軍事介入であえなく終焉を迎えた。
テレザのパパが釣りに行った帰り道、朝もや漂うのどかな風景の中、木々の間からいきなり戦車が顔を出す。
それまでがとても牧歌的で楽しい雰囲気に満ちていたので、見慣れた風景に戦車という異物が出現する恐ろしさが際立つ。
前半の脳天気さからは、こんな苦いラストを予想できなかったよ・・・。
今このとき、テレザが実在するとしたら、55歳。
その後どういう人生を送ることになったのか、いろいろ想像してしまう。

ところで、チェコ語って、なんだか響きがカワイイ。
「ヨー」「〜〜スコ」「〜〜ツコ」とか。
今回覚えたチェコ語は「ポチュケ〜(待って〜)」。

見終わってから「アレ?」と思ったこと。
タイトルがプラハなのに、内容は全然プラハじゃない!
田舎の町が舞台で、2回くらい「→Praha」という道標が出てきただけ。
まーこういう邦題を付けた気持ちはわからないでもないが・・・。
ロゴかわいいしね。
ちなみに原題の“Rebelove”とは、“反逆者の愛”といった感じの意味かな?

プラハ!
Rebelove/Rebels

(2001年 チェコ)
監督/フィリプ・レンチ
出演/ズザナ・ノリソヴァー(テレザ)
   アルジュヴェタ・スタンコヴァー(ブギナ)
   アンナ・ヴェセラー(ユルチャ)
   ヤン・レーヴァイ(シモン)
   ヤロミール・ノセク(ボプ)
   ルボシュ・コステルニー(エマン)
   マルタン・クバチャーク(オルダ)
   トマシュ・ハナーク(テレザのパパ)
公式サイト

| | コメント (2) | トラックバック (0)

オリバー・ツイスト

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話
19世紀のイギリス。孤児オリバー・ツイストは、救貧院を追い出され、引き取り先の葬儀屋からも逃げ出し、遠くロンドンまで歩いて行った。そこで出会ったのが、スリの少年ドジャー。ボスの老フェイギンと仲間の少年たちにやさしくされ、オリバーは安心する。ある日、オリバーは親切な紳士ブラウンロー氏と出会って・・・。

思ったこと

Oliver01自分の好きなタイプの物語と思って観に行ったのだけど・・・最初から最後まで、特に心を揺り動かされることがなかった。
ずっと昔、ミュージカル映画『オリバー!』を観たときは、もっとワクワクした記憶があるんだけどなー。
主役のオリバー・ツイストが、きれいな顔のいい子ちゃんというだけに思えて、なんだか感情移入できない。
きれいな顔のいい子ちゃんだったら、いつか誰かが助けてくれるっていうこと??
小公女セーラを思い出してしまった(私はセーラも好きじゃないのだ)。
フェイギンやスリ仲間の少年たちとの交流をもっと掘り下げてあれば良かったのかな・・・?
最後、ドジャーやチャーリーたちは、どうなっちゃったんだ・・・?

この映画で最も見ごたえがあったのは、再現された19世紀イギリスの風景だ。
猥雑な騒々しさに満ちているロンドンの下町、レンガ壁と石畳に囲まれた暗い小路、行き交う馬車、霧のロンドン橋。
これらが全部、このために造られたセットだというからすごい。
時代もの映画を撮るのって、大変だなぁ〜と思ってしまった。
全体をとおして、セピアがかったような色合い、しょっちゅう降っている雨も、物語世界の陰鬱な雰囲気を高めている。

それから、ヨーロッパの人たちって、顔・体型ともにバリエーションが幅広くておもしろい。
デフォルメされた感じの登場人物たちは、いかにも物語の中って感じで、いいね。

ほんのちょっとのおかゆしか与えられず、「おかわりが欲しい」と言ったため救貧院を追い出されたオリバー・ツイスト。
孤児ということで、まともな人間扱いをしてもらえない。
現代日本の暮らしって、とてつもなく豊かなものなんだなあ、と改めて感じさせられる(・・・と、一応教訓らしきものも感じておこう)。

ところで、私はエンドロールをじっくり見るのが好きだ。
たまにおもしろい情報を見つけられることがあるから。
今作で珍しかったのは、コスチューム・ブレイクダウン・アーティストなるもの。
衣装をそれらしくぼろぼろに加工する仕事なんだろうね。

オリバー・ツイスト
Oliver Twist

(2005年 イギリス/チェコ/フランス/イタリア)
監督/ロマン・ポランスキー
原作/チャールズ・ディケンズ
出演/バーニー・クラーク(オリバー・ツイスト)
   ベン・キングズレー(フェイギン)
   ハリー・イーデン(ドジャー)
   ジェイミー・フォアマン(ビル・サイクス)
   エドワード・ハードウィック(ブラウンロー氏)
   リアン・ロウ(ナンシー)
公式サイト

| | コメント (0) | トラックバック (0)