« 華麗なるアリバイ | トップページ | やさしい嘘と贈り物 »

瞳の奥の秘密

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

裁判所を定年退職したベンハミンは、25年前に起きた殺人事件を題材に小説を執筆し、元上司のイレーネに読ませる。事件と犯人逮捕の成り行きを思い起こしていくうちに、隠されていた真相と感情も掘り起こされていく。

思ったこと

女の伏せたまなざし、列車に乗る男、窓ガラス越しに合わせる手、プラットホームを走る女・・・夢の中のようにぼやけた映像で詳細は分からないのに、揺れる感情が胸に染みるオープニング。
これが、ベンハミンが書こうとしている小説の一シーンと分かってからも、その小説のいったいどこにそんな場面が?という状態で話は進むのだが、いよいよそのシーンに差しかかったとき、一番初めに登場したことの意味が胸に迫ってくる。

過去の回想と、現在が入り組む構成。
ベンハミンとイレーネ、同じ俳優が演じてるけど、若いときと年取ったときがそれぞれ自然だね〜(実際には何歳なんだろう、この人ら?)。
モラレスの変わり方はちょっとショッキングだったが・・・。
時折さりげないユーモアが笑みを誘う。
判事「エス(怒)」「エス、ポシ(怒)」
ベンハミン「・・・・・・・・・・・・・ト」
のシーンは最高に好き!
「込み入った話?」と執務室の扉を閉めるイレーネの行動は、閉めようとしたけど閉めないくすりと笑える場面あり、しみじみと余韻を残す閉め方あり、すごいうまい繰り返し方だ。
“Aの文字が打てないタイプライター”というのも何度も出てくるのだけど、それがあんなふうにつながるとは!
これはスペイン語が分かる人だったら、もっとハッとさせられたんだろうな〜。

「変わろうと思っても、人が変えられないもの、それは情熱(パシオン)だ!」
喧噪うずまくサッカー場から、暗い地下道での追走劇に興奮!
もしも私が逃げて隠れねばならなくなったとしたら、本屋とか映画館とかでつかまってしまうのかしらん・・・でも今はネットで本も映画も取り寄せたり見たりできるから大丈夫かな!?

イレーネは高学歴で押し出しの強い女性。
こんな骨太グラマラスな美人(なんだよね?)にキツイ言葉で責められると迫力だわ〜。
ゴメスの視線が素直すぎてウケる。

事件は解決し、小説も完成し、なのになんで映画は終わらないんだろ〜と思っていたら、衝撃の展開。
私も死刑反対派だけど、それって、それって、こういうこと・・・なの?・・・かもしれない・・・と考えさせられる。
犯罪と恋愛、それぞれにまつわる心情がどちらもしっかり描かれていて、充実の観後感。

瞳の奥の秘密
El secreto de suss ojos/The Secret in Their Eyes

(2009年 スペイン/アルゼンチン)
監督/ファン・ホセ・カンパネラ
出演/リカルド・ダリン(ベンハミン・エスポシト)
   ソレダ・ビジャミル(イレーネ・メネンデス・ヘイスティングス)
   パブロ・ラゴ(リカルド・モラレス)
   カルラ・ケベド(リリアナ・コロト)
   ハビエル・ゴディーノ(イシドロ・ゴメス)
   ギレルモ・フランセーヤ(パブロ・サンドバル)
公式サイト

|

« 華麗なるアリバイ | トップページ | やさしい嘘と贈り物 »

アルゼンチン映画」カテゴリの記事

スペイン映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/23401/38178661

この記事へのトラックバック一覧です: 瞳の奥の秘密:

« 華麗なるアリバイ | トップページ | やさしい嘘と贈り物 »