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春との旅

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

元漁師の祖父・忠男と、小学校の給食室での仕事を失った孫娘・春は、疎遠だった忠男のきょうだいを訪ねて旅する。足が不自由で自活できない忠男が身を寄せられる先を探すものの・・・。

思ったこと

寒々とした北の海辺、小屋といってもいいほど粗末な家から足を引きずって出てくる頑固そうな老人と、追いすがるように駆け寄る赤いコートの女の子。
冒頭のシーンからなんだか胸に迫るものがある。
お爺ちゃんと少女・・・ぐっとくる組み合わせだ。
『變臉 この櫂に手をそえて』とか、映画じゃないけど『獣の奏者』とか・・・春は19歳で少女という年齢ではないけれど、素朴なたたずまいで幼く見える。
えらいがに股だったのは役作りのためか?
最初は中学生くらいかと思ったけど、だんだんと内面がにじみ出てくるにつれて、一人前の女性に感じられてくる。

忠男は、疎遠だったきょうだいに「自分の面倒をみてくれ」と頼みに行っているのに、いつも横柄な態度。
そりの合わなかった兄、一番仲良かった弟、頭が上がらないしっかり者の姉、仲が悪いもう一人の弟。
それぞれに精一杯の生活があり、それぞれとの関係性がある。
忠男はいつも変わらず偏屈とはいえ、相手によって微妙に変わる雰囲気が、実際に存在する人間関係であるかのようなリアリティ。
特にかくしゃくとした姉とのシーンが沁みたな〜。
「働かざる者食うべからず」としごくまっとうなことを言われても平然とし、叱られてるのがなんだか嬉しそうでもあるのがコミカル!
しかし実際に自分の身内だったら困るだろうね〜。
仙台でのホテル探しでは我が儘放題で、かなりイライラさせられたし。

全体的にちょっと泣かせどころが多すぎる気もしましたが。
それに、ラストのまとめ方には、釈然としない気持ちも残る・・・。
老いた家族の問題ってどうにもこうにも難しいよね・・・。
忠男は困り者ではあっても確かに愛すべきお爺ちゃんだし、春の気持ちは尊いものだけど、もしも、忠男が寝たきりとかになって10何年とかを介護に費やさねばならなくなったら・・・とか想像すると、やっぱり春には解放されて自分の人生を生きてほしいと思ってしまう。

春との旅
(2010年 日本)
監督・脚本/小林政広
出演/仲代達矢(忠男)
   徳永えり(春)
   大滝秀治(金本重男)
   菅井きん(金本恵子)
   小林薫(木下)
   田中裕子(清水愛子)
   淡島千景(市川茂子)
   柄本明(中井道男)
   美保純(中井明子)
   戸田菜穂(津田伸子)
   香川照之(津田真一)
公式サイト

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