« 大洗にも星はふるなり | トップページ | パブリック・エネミーズ »

エトワール

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

300年以上の歴史をもつパリ・オペラ座バレエ団のダンサーたちの素顔をとらえたドキュメンタリー。幼いときから厳しいレッスンと競争を耐え抜き、頂点である“エトワール”の座についた者、目指す者たちが語る真実の言葉。

思ったこと

パリ・オペラ座バレエ学校では、8才から18才までの子供たちが毎日厳しいレッスンに明け暮れ、さらに毎年進級できる人、バレエ団に入団できる人の枠を巡って競争し続けているという。
入団してからも、カドリーユ、コリフェ、スジェ、プルミエ・ダンスールという階級があり、頂点であるエトワールを目指してしのぎを削る。
よっぽどの信念と精神力がないとできないこと・・・。
生まれついての容姿とか素質はもちろん、それ以上に並々ならぬ努力が積み重ねられてきているということに恐れ入ってしまう。

そういう競争を勝ち抜いてきたダンサーたちは、意外にもまともな・・・と言ったら悪いけど、バランスのいいさわやかな語り口の人ばかりだった。
バレエ三昧で競争にさらされ続けているというある意味異常な環境で成長してきたら性格もちょっと偏ってたりしても仕方ないと思うんだけど、極めた人というのは人格も磨かれるのかしらん・・・。
「口下手だからダンサーになった」と言いつつ滔々と喋る男性には笑っちゃった。

「修道女になりたかったけど、それには性格が俗っぽすぎたのね」と語る女性がいて、「何かに情熱のすべてを捧げたかった」という言葉に胸を打たれた。
私が憧れていたものはこれだー!と思った。
思い返すに、私は常に“ストイックであること”に憧れを抱いてきたのに、自分自身がまったくもって全然ストイックに生きられないことに失望しているのだった。
修道女もいいなと思ったことあるもんね・・・しかし、毎日3時半起床で、聖なる読書しかしてはいけない(つまりマンガとか読めない)と聞いて、「無理です」とあっさり断念した。
一流のバレエダンサーであるためには、夜遊びもお酒もカロリーの高いおいしいものとも無縁に生きていかなくてはならない。
でも「犠牲とは思わない」と語るすがすがしい表情。
ストイック・・・ストイック・・・どうしたらストイックに生きられるんだろう!?
怠け者な自分に本当にがっかり・・・。

エトワールというバレエ界で最高峰の地位についた人って、姿は美しいし、当然技術もすごいんだろうし、皆から憧れられる存在なわけだし、自分のことを好きでいられるんだろうな〜などと思ってしまうが、「自分の体に満足しているダンサーなんていない」「演技に満足できたとしても70%くらい」なんだそう。
厳しい世界・・・。
綺羅星のようなダンサーたちの後ろにいる、そうなれなかったたくさんの人たちのことを考える。
ベッシー校長が「普通の勉強も大切です。ある日怪我をして踊れなくなったとき、バレエしか知らなかったらどうなるの?」という言葉が重く響く。

しかし、舞台に立つということは、他では代えられない麻薬的な喜び、多くの人に夢を見せるという特別な体験が得られるんだろう。

私はまったく詳しくないんだけど、バレエファンならもっと楽しめたんでしょうね。
ステージや練習風景の様子は期待したほどは多くなかった・・・もっともっと見たかったな〜。

エトワール
Tout pres des étoles

(2000年 フランス)
監督/ニルス・タヴェルニエ
出演/ローラン・イレール
   マリ=アニエス・ジロ
   クレールマリ・オスタ
   マニュエル・ルグリ
   ミテキ・クドー
   ギレーヌ・テスマー
   ノエラ・ポントワ
   アニエス・ルテステュ
   ニコラ・ル・リッシュ
   オーレリ・デュポン
   ウィルフリード・ロモリ
   エリザベット・プラテル
   ジョゼ・マルティネズ
   ブリジット・ルフェーブル
   クロード・ベッシー
   イリ・キリアン
   モーリス・ベジャール
   藤井美帆

|

« 大洗にも星はふるなり | トップページ | パブリック・エネミーズ »

フランス映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/23401/32953411

この記事へのトラックバック一覧です: エトワール:

« 大洗にも星はふるなり | トップページ | パブリック・エネミーズ »