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ラースと、その彼女

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

極度に内気な青年ラースは、兄ガスと兄嫁カリンの家の脇にあるガレージに住んでいる。孤独なラースを何かと心配する兄夫婦。ある日、ラースがガールフレンドを連れてくると聞いて喜んで迎えたら、なんとネットで注文した等身大のリアルドール、ビアンカだった。

思ったこと

予告編を初めて見たときびっくりして、友達に「恋人はダッチワイフという映画をやるよっ。しかも心温まるらしい」とメールしてしまった。
その後、あらすじとかを読んで、「ダッチワイフじゃなかったみたい。等身大の人形らしい」とメールして、「それはなかったよね、さすがに引くもんねー」と話していた。
でも・・・“リアルドール”の意味って・・・やっぱそういう人形なんじゃん!

もう、キモッ、キモッ、キモイとしか思えなかった。
もともと私、人形があまり好きじゃないし・・・子供の頃にもかわいがった覚えないし・・・。
兄夫婦や町の人も皆、合わせてあげすぎ!と思いながら観てた。
しかし時間が進むうち、なんだかだんだんビアンカも一人の存在のような気がしてくる。
慣れてくるもんですなー。
形から入って心がついてくるっていうの?
心なしかビアンカの表情も違って見える・・・。
周りの人も最初は、可哀想な青年ラースのためのイヤイヤながらの演技だったと思うけど、ビアンカを一人の人間として扱っているうちに、だんだん感情移入しちゃうんだね。
ボランティア仲間の女性の「ビアンカにも自分の人生があるのよ!」という説教には、思わずじ〜んとしてしまった。
それに、リアルドールだから異様な感じが先立つんであって、実のところ、フィギュアやテディベアに愛着をもつ同僚たちとたいした差はないんじゃないか、ということにも気付く。

それにしても、人形相手にラブラブなのはまだいいとして、プロポーズしては断られたり、激しく口ゲンカをしたりという、ラースの妄想力には脱帽です。

これは、うまく大人になれなかった内気な青年が必要とした心の道程だ。
最初から「僕は人嫌いじゃない」と言っていたように、心の奥底では他人とコミュニケートできる自分を求めていたのだなぁと、最後には素直に共感できる。
兄ガスとの会話で「ビアンカの故郷では成人と認められるための試練があって・・・」と出てきたけど、これがラースの通過儀礼だったのだね。
でも、「いつ自分が大人になったと気付いた?」という質問にはぐっと詰まる。
私、答えられない・・・。
ガスも「人は誰でも子供の部分があると思うけど・・・」と断りつつ、「自分のためだけじゃなく、人のことを考えて行動できる」というようなことを言っていたけど、明確な通過儀礼がないのは、自由であると同時に不自由なことなのかもしれない。

内気すぎるラースも変わってるけど、食事に誘おうと暗闇の中待ち伏せして、飛びついて押し倒して強要するカリンもヘン(笑)。
とても温かい女性なんだけど、場合によってはちょっぴりウザイかも・・・。
独りでいるのが好きっぽい人を、好きにさせておくのがいいか、無理矢理にでも誘うのがいいか、難しい問題ですね。

ラースと、その彼女
Lars and the Real Girl

(2007年 アメリカ)
監督/クレイグ・ギレスビー
出演/ライアン・ゴズリング(ラース)
   エミリー・モーティマー(カリン)
   ポール・シュナイダー(ガス)
   ケリ・ガーナー(マーゴ)
   パトリシア・クラークソン(ダグマー・バーマン医師)
公式サイト

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