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おくりびと

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

チェロ奏者の小林大悟は、オーケストラ解散を機に、妻の美香と故郷の山形へ帰る。求人広告で見つけたNKカンパニーを訪れると、社長の佐々木にその場で採用される。その仕事とは、遺体を棺に納める納棺師だった。

思ったこと

納棺の流れるような所作は、茶の湯にも通じる美しさだと思った。
そういえば私は今まで見る機会がなかったので、このようなことが行われているとはまったく知らなかったなぁ。
お葬式のシーンで、遺体を納棺するにしたがい、遺族たちがお別れの気持ちをととのえていく・・・というところは、いろいろ個人的な思い出とかが喚起されてきて泣けた。

最初に提示された仕事の条件を聞いて、いいかも! 私もやるよ、と思ったが、虫は・・・ほんとごめんなさい、やっぱムリです。
ああいうのって警察の仕事ではないの〜?
アメリカの元警察官が書いた小説『あなたに不利な証拠として』で、臭いについて書かれていたのを思い出した。
しかし、大悟の仕事を知った人々が「もっとまともな仕事を見つけろよ」「自分の子供に堂々と言える?」と忌避感をあらわにするのだが、納棺の仕事に対する差別みたいなものが本当にそんなにあるの?

それにしても、泣かせを意図したストーリーと過剰な演出がちょっと鼻につく。
ああ、銭湯のおばちゃんが亡くなるのね・・・とか、行方不明の父親が見つかるんだろうな・・・とか。
コミカルで笑える部分もあることはあるが、大の男が頬をちょっと切られたくらいで騒ぎすぎだし、川の土手でチェロを弾くのは絵作りしすぎ。
石がぽろっと落ちると、「おいおい泣かせどころか〜コラ」と思わず顔が笑っちゃう。
後ろのほうではグスグスすすり泣く音が聞こえていたのに、ニヤニヤしている私はひねくれ者でしょうか・・・。

広末涼子が演じる美香を見ていて、久しぶりに“ブリッコ”という言葉を思い出した。
顔がなんか常に笑っているのに違和感。
タコを投げた川べりで、「もうやめようかな」と言う大悟を、「何を?」と微笑みながらふりあおぐところなんか、「何だこの女〜!?」とか思ってしまいましたが。
大悟の仕事を知って、話を聞く姿勢をろくに見せようともしないのも、「チェロをやめたのも、山形に帰るのも、私笑ってついてきたよね? 本当は悲しかったんだよ」と言うのも最悪〜。
表面的にはニコニコと賛成しておいて、後から「本当はイヤだったけど我慢してた」とか言うタイプの人って信用ならない〜。
でもまあ、この役は他の女優がやったらもっとよくなったとかいうわけでもないと思うので、まあいっかどうでも。

アカデミー賞外国語映画賞の受賞は快挙だとは思うが、あんまり大騒ぎするのも、「アメリカ様から評価されたのがそんなに嬉しいんか」としらける気持ち(ひねくれ者ですから・・・)。
しかし、本木雅弘と山崎努は世界に打ち出して誇らしい日本男児だな!と、プチっとナショナリストな気持ちを覚えたのも確かです。
なんだかんだいって広末涼子も、透明感のあるジャパニーズビューティには間違いないしね〜。

おくりびと
(2008年 日本)
監督/滝田洋二郎
脚本/小山薫堂
音楽/久石譲
出演/本木雅弘(小林大悟)
   広末涼子(小林美香)
   山崎努(佐々木生栄)
   余貴美子(上村百合子)
   吉行和子(山下ツヤ子)
   杉本哲太(山下)
   笹野高史(銭湯の常連客)
   峰岸徹(小林淑希)
公式サイト

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