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未来を映した子どもたち

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

インド・カルカッタ。売春窟に生まれた子供たちの現状に胸を痛めた写真家のザナ・ブリスキは、子供たちを集めて写真教室を開き、学校へ行けるよう尽力する。カメラを持った子供たちが生き生きと楽しみ、写真展が開かれるまでになるドキュメンタリー。

思ったこと

日本で普通に暮らしていたら、まず触れ合う機会のないであろう子供たち。
“インドの貧しい子供”“売春窟の子供”などといった言葉でひとくくりにすると、なんか漠然としたイメージになっちゃいがちだけど、ひとりひとりまったく違う個性をもち、それぞれの事情と思いを抱えながら生きている。
すごく当たり前のことなんだけど、普段、忘れがちのような気がする。
世界って広くって、なんでもまずは知らなきゃ始まらない。
私が今すぐできることなんて、微々たる額の寄付をするくらいしかないんだけど・・・。

カメラは、子供たちひとりひとりの、生活や言葉を切り取って映していく。
「悲しいことやつらいことも人生だと思うから」
「お姉ちゃんが助けてくれなかったら、あたしは売られていた」
10才前後の子が、こんなことを言わなきゃならないなんて・・・。
しかし、心から楽しんで何かをすること、自分を表現する手段をもつことが、自尊心や希望を育むのだなぁと思った。
それにはやっぱり、ちゃんとした環境と教育が大事なんだってことも実感。

「この町は汚い。お皿と靴が並んでいるところなんて、いなかでは絶対に見かけない」と鋭いことを言う少年ゴウルは、冷静で頭が良さそう。
プージャとの仲良しぶりがほほえましい!
物怖じせずに町で写真を撮りまくるプージャは、おきゃんな雰囲気がとってもかわいくて気に入ったよ。

天性のセンスをもつアヴィジットは、皆を代表してアムステルダムで行われる子供写真展に招待される。
確かに、浜辺で泥水をこぼしながら撮った写真にはハッとさせられたよ。
だが、パスポートがなかなか発行されなかったり、家庭の不幸で不安定になってしまったりで、本当にやきもきさせられる。

テーマは重いけど、ただただ陰鬱な映画というわけではない。
カラフルな町の光景、大はしゃぎで動物園や海に行く様子、バスの中で踊りまくる子供たちなどに、躍動感あふれるインドの音楽が流れるところなんかは純粋に楽しい、救われる。

最後に、彼らのその後がテロップで示される。
せっかく入った学校を家族に辞めさせられた子に涙・・・、頑張っている子にまた涙・・・。
たった85分の映画だったのに、親戚の子みたいに近しく感じるようになった。
映画が撮られてから6年。
皆だいぶ成長しただろう・・・笑顔と人生の希望を失わないでいてほしい、そして画面に映っていない子たちも含め、強く生きていってほしいと願わずにはいられない。

未来を映した子どもたち
Born into Brothels

(2004年 アメリカ)
監督/ロス・カウフマン、ザナ・ブリスキ

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