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ベンジャミン・バトン 数奇な人生

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

1918年のニューオーリンズで母親の命と引き替えに生まれてきた赤ん坊は、80歳の老人であるかのような奇異な姿だった。ショックを受けた父トーマスは、養老院の入口に捨ててしまう。施設で働くクイニーに拾われた子はベンジャミンと名付けられ、老人らに囲まれて過ごすが、普通の人間とは逆にだんだんと若返っていく。ある日、施設入居者の孫である少女デイジーと出会って惹かれる。

思ったこと

な、長かった・・・。
ひとりの人間の一生が語られているのだから、まあ長いのも当然か・・・。
ロシアで人妻とねんごろになるあたり、第二次世界大戦に参戦するあたりでちょっと退屈してしまったが、潜水艦との激突で目が覚める。
すわ一巻の終わりか!・・・なんてわけはなく、これからデイジーと再会しなきゃね。

年老いて生まれ、だんだんと若返っていくという設定は、大原まり子のSF小説『ハイブリッド・チャイルド』に出てくる神官が強烈な印象を残しているし、ドイツの絵本『ちいさなちいさな王様』だとメルヘン的で幸せなイメージだった。
ベンジャミンが彼らと違うのは、肉体が若返っていっても、精神は普通に進んでいるところ。
このギャップはつらいだろうな〜。
しかしベンジャミンは、人とは違う境遇を受け入れて、素直な人間に育つ。
とても印象に残ったのは、不気味な赤ちゃん、ベンジャミンを拾って養うクイニーのあたたかさ。
慈愛あふれるお母さんを体現した存在だ。
この人に拾われたのは、ベンジャミンにとって本当に幸せなことだったね。
それにしても、昔のことだし、ベンジャミンを悪魔だとか吸血鬼だとか言って恐れる人はいなかったんかな〜。
それからベンジャミンは、自分と同じような仲間を探そうとか考えなかったんかな〜。

そんな“変わった人”ベンジャミンを、あるがまま受け入れたデイジーはすごい。
少女の頃から、ちゃんと相手の本質を見つめている。
ふたりの時間がちょうどよく交差した数年は、本当に稀有なひとときだったろう。
実はそれって私たち普通の人間同士の関係でも同じかもしれないが、ベンジャミンという普通じゃない存在のおかげで、その奇跡のような時が際立ち、一瞬一瞬を大切にしなきゃという気持ちが強まる。
一緒に暮らし始めたのは30代後半くらいだと思うけど、なんかはしゃいでて、めちゃくちゃ楽しそうだったな〜。
そして、去っていくベンジャミンは、悩んだ末なのかもしんないけど、自分勝手に思えた。
デイジーや娘の幸せを、勝手に決めつけんなって感じ。
ただ放浪の旅に出たかっただけなんじゃないか?
中途半端なときにちょっとだけ戻ってきたのもいただけない。
しかし、瞳がキラキラしたブラピは異常にさわやかであった。
若いブラピの瞳にはいつも星が光っているのに、老いたブランシェットの目は暗い。
私も日常的に目をキラキラさせたいんだけど、どうやればいいんだろう〜? いつも光を当てるようにすればいいの?
ブラピはいつもブラピでしかないが、若い女から老女まで説得力をもたせるブランシェットはさすがの演技派。

どこからどこまでがブラピでブランシェットなの?ということが気になって、いまいちストーリーに集中できてない。
生まれたてのベンジャミンはさすがに違うよなぁ〜・・・立ち上がった頃は、別人の胴体に顔を合成しているという話だが。
現代、ベッドで最期のときを待っているデイジーはブランシェットなんだろうけど、いまいち面影が読みとれない・・・一方、ベンジャミンと一緒に船に乗った頃のデイジー(10歳くらい?)は、表情にブランシェットの雰囲気を感じるけど・・・。
バレエを踊っているのは本物のブランシェット?
認知症が現れてきた頃のベンジャミンはさすがに別人だよね?
いったいどこの状態が今現在そのままのブラピとブランシェットなんだ!?
(たぶん、鏡の前でふたり並んでいた頃と思うが・・・)
こうなってくると、演技力がどうこうというより、CG技術がすごいな〜という感じ。
デイジーの、若い頃の無駄な肉のない身体のラインから、年をとってゆるんだ肉体への変化・・・あれもCG、これもCG、こうなると役者はただの素材?
『ジュラシック・パーク』が1993年、『トイ・ストーリー』が1995年、それほど大昔のことではないのに、この分野の進歩って本当にめざましいね。

ところで、映画内で迫ってきていたのは、2005年にニューオーリンズを襲ったハリケーン・カトリーナだったと思うけど、どういう意味があったのだろう?

もうひとつ気になったのは、“雷に7回打たれたことのある”老人。
楽しみに待っていたのに、7回全部言ってないんじゃないか〜?
(ちゃんと数えてないので自信はないけど・・・)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生
The Curious Case of Benjamin Button

(2008年 アメリカ)
監督/デヴィッド・フィンチャー
原作/F・スコット・フィッツジェラルド
出演/ブラッド・ピット(ベンジャミン・バトン)
   ケイト・ブランシェット(デイジー)
   ジュリア・オーモンド(キャロライン)
   ティルダ・スウィントン(エリザベス・アボット)
   ジェイソン・フレミング(トーマス・バトン)
   イライアス・コティーズ(ガトー)
   タラジ・P・ヘンソン(クイニー)
   マハーシャラルハズバズ・アリ(ティジー)
   エル・ファニング(6歳のデイジー)
   ジャレッド・ハリス(マイク船長)
   フォーン・A・チェンバーズ(ドロシー・ベイカー)
公式サイト

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