« 最高の人生の見つけ方 | トップページ | 剣客之恋 »

ぼくの大切なともだち

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

骨董商のフランソワは、自分の誕生日のディナーで、友人と思っていた人々から「おまえの葬式には誰も行かない」「あなたには友達がいない」と言われ、ショックを受ける。手に入れたばかりの高価なギリシャの壷を賭けて、10日以内に「親友がいる」ことを証明しなければならない。焦ったフランソワは、たまたま出会ったタクシー運転手ブリュノに、どうすれば友達が作れるか習うことに。

思ったこと

フランス人、しかもけっこう年輩の大人たちが、友達がいるかどうかをこんなに云々するとは意外だった。
恋人や家族がいれば平然としている人たちなんだとばかり思ってた〜。

皆がフランソワを「友達いない」と責めるから、「いいじゃん!友達いなくっても!」とキレたくなる。
そんなん人それぞれでしょ(私自身はけっこう気にするが・・・)。
だいたいさー、誕生日パーティで本人に言うことか〜?
そっちのほうが性格悪いよ!
それに、初対面の人と気軽に雑談できるのと、心からの友人を作るのとは、まったく別の話だと思うんですけど・・・。

ブリュノは雑学王で、何かといえば知識を披露する。
夢はTVのクイズ番組に出ること。
『最高の人生の見つけ方』でのモーガン・フリーマンもそういうキャラだったが、この共通点には何か意味があるんだろうか?
正直ウザイ・・・と私は思うのだが、感じがよくて友達が多いキャラとして扱われていたのが腑に落ちない・・・。
それにブリュノは親離れできていないと見た(本人は「両親が子離れしていないんだ」などと言っていたが)。
フランソワがやったことは確かにヒドイけど、諾々と従うブリュノもブリュノだ。
どちらにも感情移入しづらいな・・・。

「クイズ・ミリオネア」というTV番組は世界あちこちにあるんだね。
私は見たことなかったのだけど、ふ〜ん、これがみのもんたか・・・(←違う)。
こんなルールで大金がもらえるんだ〜。
番組中の、フランソワとブリュノのシリアスな会話は、緊張感があって可笑しかったです。

そんなわけで、全体的に釈然としないストーリーだった。
でもけっこう楽しんだ。
不器用なおじさんたちの右往左往っぷりがおもしろいのかな。

ブリュノが大切にしている言葉として、『星の王子さま』の一節が引用される。
「君にとって僕は沢山いるキツネの1匹。
 でも互いになじめば大事な存在となる。
 君は僕のたった1人の人。
 僕は君のたった1匹のキツネ。」
おおー、改めて聞くと、いいね。
あと『星の王子さま』では、「どこかの星で君が笑っていると思えば、星を見上げたとき、すべての星が笑っているように見えるよ」(ウロ覚え)というところに、胸をキュッとつかまれるような、温かいような、もの寂しくて泣きたいような気持ちになる。
似た感じを引き起こす歌に、『天空の城ラピュタ』の「あの〜どれかひとつに〜きみがいるから〜♪」とか、谷山浩子の「それは〜どこか〜宇宙の果ての〜知らない星からの長距離電話〜♪」とか。
銀河の果てで、まだ会ったことのない親友が待っているような気がする・・・。
あ、いやいや、遠い星にじゃなくて、フランソワとブリュノのように身近なところで友達を見つけなきゃ。

ぼくの大切なともだち
Mon Meilleur Ami/My Best Friend

(2006年 フランス)
監督/パトリス・ルコント
出演/ダニエル・オートゥイユ(フランソワ・コスト)
   ダニー・ブーン(ブリュノ・ブーレー)
   ジュリー・ガイエ(カトリーヌ)
   ジュリー・デュラン(ルイーズ)
   エリザベート・ブールジーヌ(ジュリア)
   ジャック・マトゥー(ブリュノの父)
   マリー・ピレ(ブリュノの母)
   アンリ・ガルサン(ドゥラモット)
   ジャン=ピエール・フーコー(クイズ司会者)
公式サイト

|

« 最高の人生の見つけ方 | トップページ | 剣客之恋 »

フランス映画」カテゴリの記事

コメント

うんうん、銀河の果てにも友達はいるかもね~

それは素敵な考えだ!

チヒルカの感想にほだされて見てみましたよこの映画。

良かった!
せつなかった。
フランソワの人間関係構築偏差値の低さ具合。
人のこと言えないけどさー、ありゃねーだろ。

フランソワは、最後少し改心してたけど、やっぱり人付き合い
の基礎が全然身についてないひとだから、ブリュノはこれから
苦労するだろう。

人付き合いの大事なところは思いやりじゃない?
じゃあ思いやりってなにさって言えば
子供のころ言われる
「やられて嫌なことはしない」
「自分がして欲しいことを友達ににする」
ってのが根底に流れる行為だと私は思う。

だけどさー、フランソワはこの感覚が人とまるで違うんだもん。

友人から「友達いない」ってせめられても
「人に求められていないらしい」
ってことにショックをうけたというより
そのことで「自分の壺=財産を手放さなきゃいけない」
ってことにショックだっただけみたいだしさ。

まあ、あの壺の友情にまつわるエピソードに
フランソワが異常に執着していた心境を慮ると
潜在的に友情への憧れを持っていたんだな...
と思えて、本人が自覚してないだけに痛々しい。

しかしフランソワを慕っている素敵な恋人がいるのに
その人のことはまるで大事にしてないし。
そいつとまずは友達になれよ!!
って思った。

彼女も、フランソワがもう少し大事にしてやっていれば
パーティーの席で
「私が友達よ!」って言ってくれたかもしれないのにさ。
完全に遠慮しちゃってるじゃん。
「私はきっと友達だと思われて無いわね...」みたいな
雰囲気でさ。

そう!
結局、フランソワ自身が誰のことも
(心からの)友達だと思ってないから
皆も「フランソワとはともだちじゃない」って言うんだよね。

共同経営者の女性が、フランソワのことを考えて
きちんと保険をかけてくれていたことが分かったときの
「あなたと友達になりたかった」
って台詞からして、そう思う...。

でもなんであんなに人の気持ちが分からない
フランソワが結婚できているのかなー?

お金か。

商才ありそうだもんなー。
人間関係を学ぶ時間を一切とらずに
お金を増やすことに集中してきたって感じだもん。

私は...どっちもある人生をめざそう!

そうそう、クイズミリオネアを題材にした映画といえば
「スラムドッグミリオネア」がある。
同じ番組が題材なのに、重さが全然違うのね。
「スラムドッグ~」は、人生かかちゃってる感じで
しかも!ブリュノは最後財産すぐ使い果たしちゃった
らしいけど、「スラムドッグ~」は大金持ちになって
好きな人と結婚するのだ(原作によれば)。

そういう違いも面白かった。
どうでもいいけど、最後のブリュノ、とても男前
じゃなかった?


投稿: ワカコ | 2010/07/22 20:04

ワカちゃん、こんにちは!
長〜いコメント、どうもありがとう〜。
私が最初に書いたのより長いんじゃないの・・・(笑)
しかし! 観たのがずいぶん前なので、詳細な内容をもう忘れちゃったよ〜。
だからあんまりちゃんとしたお返事ができない・・・ゴメンネ。

「やられて嫌なことはしない」
「自分がして欲しいことを友達にする」
というのは、その通りではあるとは思うんだけど、人によって「やられて嫌なこと」「して欲しいこと」が微妙に違ったりするから、人間関係は一筋縄ではいかないのではないかな〜と思うですよ。
「友達がいない」とは他人がどうこう責める筋のことではない、と観たときに思った気がする・・・。

私も、友達とお金、どっちもたくさん欲しいです!!

投稿: チヒルカ | 2010/07/23 02:23

私が最初に書いたのより長いんじゃないの・・・(笑)

ほんとなー。私信みたいですな。

人によって「やられて嫌なこと」「して欲しいこと」が微妙に違ったりするから、人間関係は一筋縄ではいかないのではないかな〜と思うですよ。

そうだね~。
ほんとに、その通りだ!

私も昔、自分が耐えられることは他人も耐えられると
思ってたの。

でも新品の布巾とぼろ布巾じゃあ、同じ絞り方でも
ぼろ布巾は破けるわけじゃない?
自分の心が新品の布巾の強度を持っているからといって
同じ心の扱い方を他人に強いたら、破けることもあるよね。

それを身をもって知ったのが私が離婚したときでさ~
「もうちょっと踏ん張ればよかったのに」
って言ってくれる人が何人かいたんだけど
思いやりで言ってくれてるんだよね。

でも、こっちにしてみたらそんなの何度も
チャレンジした末の破局だから、せつないもんよ。

あのとき以来
「そのときのその人しか分からない事情がある」
を肝に銘じて、人と接することを心がけている私ですが
いかがでしょうか。

それまでの私は超ノーテンキ野郎だったからな。
あの経験のお陰で、少しは「人が嫌がること」の
感覚を、相手の身になって考えるように...
イヤイヤ、自分の身の上話はどうでもよい、すまんすまん。

何が言いたいかっつーと
人間関係は深い、ということと
次回はもう少しチヒルカの記憶に新しい
映画にコメントを書く、ということです。

投稿: ワカコ | 2010/07/24 22:27

ワカちゃん、こんにちは〜。

私自身、イヤと思うことが人とちょっとずれてるんじゃないかという感じのところがあって、そういうところを「ひねくれてる」と言われることもけっこうあって、でもね〜、直せと言われても直んないんだよね〜。
感受性を多数派に合わせなきゃいけないのか?
・・・と、こういうときに責められてるほうの人に同情的になっちゃうの。
それと、実際に自分がフランソワと友達になりたいかというのは別問題ですが。

「友達がたくさんいなきゃいけない」と思い過ぎて、そればかり考えて作る友達って本当に必要なの?・・・とか・・・。
人に合わせることばかり気にするのは窮屈だし・・・。
かといって人間社会で生きていくには、最低限合わせていくことも絶対必要だし・・・。

「人の気持ちが分かる」と自負してるような人というのが一番疑わしいというか迷惑だと思う。
結局、自分が「こうだ」「これが普通だ」と思う価値観を押しつけてるだけのような気がするので。
人って本当にそれぞれ違うから、いつまで経っても完全に分かることなんてない、だからこそ常に考え続けるというのが正しい姿勢なのではないかと思っています。

投稿: チヒルカ | 2010/07/25 16:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/23401/25709014

この記事へのトラックバック一覧です: ぼくの大切なともだち:

« 最高の人生の見つけ方 | トップページ | 剣客之恋 »