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オペラ座の怪人

お気に入り度 ★★★★★

こんな話

19世紀後半、パリのオペラ座では奇怪な事件が続発し、ファントム/オペラ・ゴーストの仕業と噂されていた。歌姫カルロッタの代役に抜擢されたクリスティーヌが舞台で見事に歌い上げると、オペラ座の新しいパトロンであるラウル・シャニュイ子爵は、幼なじみである彼女に気が付いた。自分に音楽の手ほどきをしてくれた音楽の天使だと信じるクリスティーヌは、仮面をつけた謎の怪人、ファントムにオペラ座の地下深くへと連れ去られてしまう。

思ったこと

あ〜〜〜私ね、もう、この映画、大好き!!!
ロードショーの際に3回観ていたが、再上映すると聞いて数年ぶりに観に行き、改めて大感動。
やっぱり大画面サイコー!
もともとアンドリュー・ロイド=ウェバーの音楽は好きでよくCD聴いていたし(サラ・ブライトマンの信者になったのもここから)、楽譜を手に入れて弾き語りを楽しんだりしていたんだけど(友達を巻き込んでファントムやラウルの役をやらせる・・・つきあってくれる人は少ない)、舞台では観たことなかった(劇団四季があまり好きじゃないから)。
いつかはロンドンで観劇したいものですなぁ〜。

冒頭、廃墟になったオペラ座で開かれているオークションが、古色蒼然とした白黒の画面で映し出される。
猿のオルゴールを落札する、車椅子の老紳士。
そして「50年前の惨劇に関わったシャンデリア」。
これが紹介され、シャンデリアを覆う幕が引き上げられた途端、重厚な音楽が鳴り響く!
次々とキャンドルに火が灯り、積もった埃が払われ、画面は絢爛たる色彩で満たされて煌めきだし、かつてのオペラ座の華やかさ、美しさ、そして雑然とした舞台裏の喧噪がよみがえっていく。
もう、総毛立つほどの興奮!
何度観ても涙があふれるほど、映画ならではの快楽を味わわせてくれる。

癇癪もちの歌姫カルロッタが降板してしまい、困ったマネージャーたちは、教師マダム・ジリーの薦めにしたがってコーラスガールのクリスティーヌに歌わせてみる。
自信なさそうに弱々しく歌い出し大丈夫かい?という感じのクリスティーヌだが、ぐるりと舞台が転換すると、大勢の観客たちの前で堂々と歌い上げている。
このエミー・ロッサムの歌が本当に良くて、ハプスブルク皇妃エリーザベト風のドレスと髪飾りを付けた姿が美しくて、みなしごのコーラスガールから一瞬にしてスターになった高揚感で、また感涙。
バルコニー席から見ていたラウルが、幼なじみと気付いて「Can't it be? Can't it be Christine? ブラーヴォー!」といきなり歌い入ってくるとこも、なんかツボ。

大成功のうちに舞台を終えたクリスティーヌは、薄暗い礼拝室で、音楽の天使へ祈りをささげる。
純心なクリスティーヌは、「幼いときに亡くなった父が音楽の天使となって戻ってきて、私に教えを授けてくれたの」と、きらきらうるんだ瞳で歌う。
「クリスティーヌ、あなた夢をみていたのよ。そんな不思議な話・・・」と、とまどう親友メグ。
この場面の曲「Angel of Music」が美しすぎて、透き通る声で心配するメグの存在がやさしくて、またまた感涙。
ちなみについ最近まで、この曲をケータイの着メロにしてた(今は「Journey to the Cemetery」)。

楽屋に戻ってラウルと再会するクリスティーヌ。
ラウルがちょっと離れたすきに、とうとう姿を現す謎の怪人ファントム!
不穏な前奏が始まり、ジャーン!ジャジャジャジャジャーン!とテーマ曲「The Phantom of the Opera」が鳴り響いて、盛り上がりも最高潮に!
ファントムがクリスティーヌの手をとり、隠された道を下り、小舟で水路をわたって地下の隠れ家に向かうふたり。
音楽は素敵で、とても幻想的なシーンなのに、なんとなくいつもこの曲の途中から興奮が冷めていくのだった。
思うに・・・ファントム、あんまり歌がうまくないというか、ジャンル違いというか・・・サウンドイフェクトに頼りすぎ・・・音楽の師なのに・・・。
そして、クリスティーヌがぽかんと口を開いてついていってる様子に、怖れのようなものがにじまないせいか。

初めて観たときは異形の存在としてのファントムの切なさに感じ入ったような気もするが、何度目からかだんだんと、虚勢を張ったヘタレくんに見えてくるのだった。
一緒に歌いたい相手は断然ラウルだなぁ〜。
歌うまいだけでなく、ハンサムだし、勇敢だし、お金持ちの貴族さまだしぃ〜。

芯から冷えそうで湿気っぽく、カビやリウマチで悩まされそうな場所に住むファントム。
髑髏が浮き上がる封蝋やゴスなインテリアなど、自分好みのアイテムをどうやってか集めているファントム。
醜い顔を見られ、キレてののしりながらも韻をふむことを忘れないファントム。
クリスティーヌそっくりのマネキンにウェディングドレスを着せてるファントム。
クリスティーヌのフィギュアを作って動かして遊ぶファントム。
恋人たちのデュエットをこっそり陰に隠れて聴いて嫉妬にもだえるファントム。
マスカレードの会場に現れては、「ダン!ダン!ダン!」と音楽に合わせて階段を降りるファントム。
容姿コンプレックスがあるわりには、部屋に姿見が多すぎる、実はナル?なファントム。

ファントムの子供時代のエピソードは舞台版にはないそうだが、これのせいで、ミステリアスな怪人でなく、トラウマ抱えた可哀想な人というイメージが強くなっちゃったんじゃないかな。
何よりも、それはないんじゃないの〜?と思ったのは、「Point of No Return」で怪しい雰囲気が最高潮に盛り上がったところで、ファントムが「All I Ask of You」のフレーズで想いを告げ、指輪を差し出すとこ。
そ、そりゃ、恋敵ラウルの持ち歌だし、もともとラウルがクリスティーヌに贈った指輪じゃん!
せっかくクリスティーヌの心を引き寄せていたのに、そういうヘタレな行動で我に返らせてしまったような気がする。
あと、ラウルは「君を孤独から救い出してあげる」と歌ったけど、ファントムは「私を孤独から救い出してほしい」と歌ったという違いにも注目。

オペラ座の怪人
The Phantom of the Opera

(2004年 アメリカ)
監督/ジョエル・シュマッカー
音楽/アンドリュー・ロイド=ウェバー
原作/ガストン・ルルー
出演/エミー・ロッサム(クリスティーヌ・ダーエ)
   ジェラルド・バトラー(ファントム)
   パトリック・ウィルソン(ラウル・シャニュイ子爵)
   ミランダ・リチャードソン(マダム・ジリー)
   ジェニファー・エリソン(メグ・ジリー)
   ミニー・ドライヴァー(カルロッタ)
   サイモン・キャロウ(アンドレ)
   キアラン・ハインズ(フィルマン)

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