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悲しみが乾くまで

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

やさしい夫ブライアンとふたりの子供とともに、幸せに暮らしていたオードリー。しかしある日、ブライアンが事件に巻き込まれ死んでしまう。葬儀に現れたジェリーは、元弁護士だがドラッグ中毒で、皆が見放すなかブライアンだけがずっと親友であり続けていた。それまで彼を嫌っていたオードリーだが、その人柄を知り、自分の家で一緒に住まないかと提案する。

思ったこと

子供たちのためにアイスクリームを買いに行き、そのまま戻ってこなかったブライアン。
良き夫、良き父であり、このまま和やかな家族の幸せがずっと続くものだと皆が信じていたのに・・・。
大切な人が突然いなくなる・・・毎日どこかで起こっていることだけど、当事者にとっては世界を揺るがすほどの大事だということを改めて感じさせる。
ぽっかりと空いた喪失感は癒されることがない・・・。

ジェリーはドラッグ中毒で社会からドロップアウトしているが、ブライアンだけはそんな彼を見捨てずに友達であり続けた。
しかも偽善的な臭いなく。
なんやかやと、できすぎな人間だな、ブライアン。
オードリーがふたりのつきあいをよく思っていなかったのは意地悪っぽくも見えるけど、身を持ち崩した友人に親しく接する人は現実的に少ないだろうし、ましてや直接の知り合いでなかったらなおさらだろう。
しかし葬儀のとき実際に会ったジェリーからは、人間性がにじみ出ていた。
オードリーは先入観だけで避けていたことを後悔する気持ちもあって、その後の親交が始まったのだろう。
ジュリーは断薬会で一緒のケリーからも好意をもたれているし、隣人ハワードともジョギング仲間になるし、もともと魅力のある人なんだろうなぁ〜。

ジュリーと子供たちとが親しくなっていく様子は、やはり心温まります。
ハーパーとドリー、ふたりともカワイイし。

夫の死をいつまでも受け入れられないオードリーは、子供に当たったりジェリーにひどい言葉をぶつけたりしてしまう。
ジュリーをまた追い出してしまうのは、気持ちが分からんでもないが、自分勝手だよね・・・。
一方で、やさしくて魅力的な人柄をもつジェリーなのに、クスリを断ち切ることができない。
それぞれ人間のきれいじゃない面をも見せつける、説得力ある人物造形、さすがオスカー俳優のご両人と言えましょう。
じっとその表情を見ているだけで、痛いくらい気持ちが伝わってくる感じ。
夫を亡くして弱っている美女が夫の友人を家に住まわせたからといって簡単にロマンスが始まるわけではないところが凡百のメロドラマと異なるわけだが、ジュリーに添い寝を頼むオードリーにはちょっととまどった・・・どういうことを期待されているのか迷っちゃう感じじゃない?

見捨てないでいてくれる人、支えてくれる人が周りに何人もいるというのが、大きな悲しみや転落から立ち上がろうとしている人にとって何より必要なんだ。
ジェリーを自分の会社で雇い、資格試験を受けるよう薦めてくれるハワードは、差別心なさすぎというか、都合よく現れた人という気もするけど。
なんか、みんないい人?みたいな。

悲しみが乾くまで
Things We Lost in the Fire

(2008年 アメリカ)
監督/スサンネ・ビア
出演/ハル・ベリー(オードリー)
   デヴィッド・ドゥカヴニー(ブライアン)
   ベニチオ・デル・トロ(ジェリー)
   アレクシス・リュウェリン(ハーパー)
   マイカ・ベリー(ドリー)
   アリソン・ローマン(ケリー)
   オマー・ベンソン・ミラー(ニール)
   ジョン・キャロル・リンチ(ハワード)
公式サイト

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