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崖の上のポニョ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

崖の上の家に住む5才の宗介は、海辺でビンにはまって困っている小さくてヘンな魚を助け、ポニョと名付けた。ポニョと宗介はお互いが好きになるが、父フジモトによってポニョは海に連れ戻されてしまう。「人間になりたい!」と強く願ったポニョは、魔法の力で逃げ出し、宗介のもとへと向かう。

思ったこと

「ポーニョポニョポニョさかなのこ〜♪」
予告編を観たときに衝撃を受けたのは、うねうねとしたポニョの動きがまるで赤ちゃんそのもの。
駿さん、とうとうそんな幼いところまで対象年齢を広げたの・・・!
うう〜柔らかそうでかわいい〜。
脳内に否応なく浸透してくる魔法の歌に導かれて観てきたよ、いそいそと。

宗介は海辺でポニョを拾うと、ぎゅーぎゅー引っ張ったり、ガラスを石で割ったり・・・んな乱暴な!
「死んじゃったかな」って、死ぬってー!
そして家に持って帰って、水道水ジャーッと入れたバケツにぶっこむ。
「死んじゃったかな」って、死ぬってー!
この夏、日本全国で、「ポニョ、ぼくが守ってあげるからね」とかなんとか言いながら、海や川の生きものを手づかみにして水道水で飼おうとするガk、いや、お子さまどもが続出するであろうことを憂慮する・・・。
お父さんお母さんがた、せめて正しい水の用意の仕方について教えてあげてね。
あと、子供だけで一晩過ごしたり、マッチやろうそくを使ったり、船に乗ったりすると危ないから、気をつけようね。
宗介の母リサはわりと好きなタイプの女性だが、あの無謀な運転は許容できないな・・・。
小さな子供がいるのに、スリルを求めてやっているとしか思えない。

多様な生きものでいっぱいの海の中は、いつまでも眺めていたい、いい気持ち。
色鉛筆で描いたような陸の風景も、まるで絵本の世界のようで素敵。
宗介の家の隣、「売地」となっていたけど、いくらくらいかな・・・私ここに住みたいんだけど。

Ponyo01_3しかし「手ぇ出たー! 足出たー!」って、オタマジャクシかよ!
そしてあの顔、カエルというかオオサンショウウオというか・・・。
圧巻はポニョが嵐を呼んで荒れ狂う波の上を疾走する場面!
あまりに気分が高揚して泣けた。
もうこれは理屈じゃないね。
アニメーションにしかできない表現だと思う。

いきなり現れたポニョを宗介とリサは屈託なく歓迎していたが、理屈の通じない人外のものが家に入り込んできた気味悪さをひしひしと感じてしまった。
もし私だったら、理性で差別してはいけないと優しく接しても、ふとした瞬間にビクッと手を引っ込めたりなんかしちゃって、ポニョに嫌われそう・・・。
相反する感情として、大切なものがどんどん変容してしまって手に負えなくなりそうな不安も胸に迫ってくる。
最初ポニョの子供かと思って焦った、わらわらと小さな妹たちも、カワイイがキモイ、キモイがカワイイ。
なんだかこの子たちのほうがポニョより知性がありそうに見えるのが不思議・・・。

フジモトはハウルのなれのはてかね。
なんか一生懸命っぽいのに、皆から疑われ軽んじられていて哀れ・・・。
後半になるとフジモトまで「ポニョ」と呼んでいて笑っちゃう。
「ブリュンヒルデ」じゃなかったのか〜?
奥さん(?)とのサイズ、存在感の差からは、小さなオスが大きなメスに寄生するチョウチンアンコウを連想した。
んで、カンブリア爆発の再現は結局成功したのかな?
この世界の数年後では、両生類顔の子供たちがそこらにはびこってるんじゃないかと想像して・・・コ、コワ〜!

さて、ここでちょっと駿アニメについて振り返ってみた。
改めて、自分自身の成長過程に食い込んできてるなぁ〜と思う。

『ルパン三世 カリオストロの城』★★★
あんまりよく覚えてない。テレビでしか観てないし。
『風の谷のナウシカ』★★★
「そのもの蒼き衣をまといて・・・」のシーンは強烈インパクトだったが、ハマッたのはマンガのほう。テレビでしか観てないし。
『天空の城ラピュタ』★★★★★
最高! 大好き! しかし何回も観てるのに、細かい内容を忘れてしまうので、数年ごとに新鮮な気持ちで楽しめる。忘れっぽいってお得。
『となりのトトロ』★★★★★
ここまで深く心に刷り込まれているのなら、トトロは実在するも同然。
『魔女の宅急便』★★★★
あがいている思春期の自分にオーバーラップしたのだろう。観るたびラストで号泣。
『紅の豚』★★★
ふ〜ん・・・という感じ。
『もののけ姫』★★★
あんまり覚えてないな・・・。しかし、アシタカが「カヤのことは忘れない」と言ったくせ、あっさり忘れてしまったことだけは忘れられない。
『千と千尋の神隠し』★★★★★
あらゆる意味で画期的な傑作だと思う。
『ハウルの動く城』★★
ストーリーには文句いっぱい。しかし、城の動きとか、居心地よさそうな室内とかはさすが。

なんだかんだ言って、駿と同時代に生きられて幸せだ!
もうどんな妄想映画でも構わないので、これからも元気でがんばってください!

崖の上のポニョ
(2008年 日本)
監督・脚本/宮崎駿
音楽/久石譲
声/奈良柚莉愛(ポニョ)
  土井洋輝(宗介)
  山口智子(リサ)
  長嶋一茂(耕一)
  天海祐希(グランマンマーレ)
  所ジョージ(フジモト)
  柊瑠美(赤ちゃんを抱いた婦人)
  矢野顕子(ポニョの妹たち)
  吉行和子(トキ)
  奈良岡朋子(ヨシエ)
公式サイト

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コメント

こんにちは
わたしも「千と千尋」が傑作だと思います!
で「ハウル」には文句いっぱい(笑)

こうしてみると同じようでいて結構毛色の違うものを作っていますね宮崎氏。

投稿: manimani | 2008/08/14 00:20

manimaniさん、こんにちは!

わ、同じ傾向なんですね。
『千と千尋の神隠し』は、『紅の豚』と『もののけ姫』でちょっと冷めてたときに観たので、余計ガ〜ンときました。

人と話してみると、本当に好みっていろいろなんですよね〜。
『紅の豚』が一番という派もけっこういて、自分とは違う種類の人だな〜とつくづく思ってしまいます。
(別に悪い意味でなく・・・山派、海派、みたいな感じで)

毎回共通する部分もありつつ、趣向を変えてくるのが、(最近では賛否両論ありつつも)、長く人気の秘訣なのかな?

投稿: チヒルカ | 2008/08/14 01:07

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» 「崖の上のポニョ」宮崎駿 [Mani_Mani]
2008日本 監督・脚本・原作:宮崎駿 声の出演:山口智子(リサ)所ジョージ(フジモト) 観たぜ、ポニョ。 いや〜反則というか直球というか 「子供」「母性」「老い」「地域社会」「自然回帰」そして「人間讃歌」 だよ。 驚いたね〜 でも、よく考えると、「ナウシカ」のころから一貫してず〜っとこれがテーマなのでないかい?(例外は「千と千尋」?(だからこれが好き?(笑))) 受けを狙ってとかいう次元ではないなこれは。 あの人にとっては本当に大事なテーマなんだなこれらは。 だとしたらわかった。素直に... [続きを読む]

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