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ミスト

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

ひどい嵐の翌朝、湖の向こうには霧が広がっていた。デイヴィッドが息子ビリーと隣人の弁護士ノートンを連れてスーパーマーケットへ買い出しに行くと、とても混雑している。そこへ、血を流した男が、「霧の中の何かに襲われた!外へ出るな!」と駆け込んで来た。外はみるみる霧で覆われ、デイヴィッドたちは大勢の客と共に閉じこめられてしまう。

思ったこと

子供の頃から、“何かが限定された状況”というのを空想することがよくある。
もし土砂崩れで家の中に閉じこめられたら、どうやって生き延びるかとか。
もし本300冊だけしかこの先読めないとしたら(または映画300本)、どれを選ぶかとか。
もしダンボール箱ひとつ分の服を一生着回すしかないとしたら、何を入れるかとか。
なかでもポピュラーな空想が、もしスーパーマーケットの中に閉じこめられたら、そこにある食料でどのくらい生きられるか、効率よく長くもたせるためにはどんな順番で食べたらいいか、というもの。
(電気が止まっていたら、まず最初にアイスを食べよう・・・と決めている)

この映画では、私が何度も空想していたのと近い状況に陥る。
いっぱいの人が一緒だというのが違うけど。
何日もスーパーマーケットの中で過ごすうちにサバイバル的な争いが起きるのかな〜と思っていたら違った。
もっと常軌を逸したスペクタクルな恐怖だった。
こちらはパニックホラームービーだと分かって観てるから、全然信じようとしないノートンにいらいらしちゃうけど、現実であんなこと言われたら「ハァ?ふざけてんの?」という感じだよね〜やっぱ。

外界を満たす霧の向こうに、何か怖ろしいものがいる・・・。
倉庫のシャッターをガタガタと揺らす大きなもの。
得体のしれないタコの脚みたいなのにさらわれていった店員。
外に出ていった人の腰につけていたロープが、しゅるしゅると勢いよく引っ張られていくのは恐怖!
そう、何がいるのか見えていないうちは本当に怖かった・・・。

大きな虫がガラスに張り付いてきたとき、一瞬びくっとはしたものの、きょろきょろ動く目とか、かさかさした動きとか、なんだかおもちゃみたいで笑みを誘う。
ほかにも翼竜みたいのとか、でかいクモとか、よくできたモンスターだね〜という感じで、すっかり怖さが退いていってしまった。
実際に部屋の中で飛び回られたら逃げまどうだろうけどね・・・。
終盤の巨大モンスター登場では、「おぉお〜」と、なんかクジラや王蟲を見たときのように厳かな気持ちに。

そして最も怖ろしい相手は、神への贖罪を説くミセス・カーモディと、扇動されて狂信的になっていく人々。
宗教ってヤバすぎ!!
キリスト教の素地がまったくないもので、彼らの気持ちにはついていけないとしか思えないのだが、これが日本だったらどうなんだろう?
昔だったら山の神さまとかご先祖さまとかにおびえる感じかな・・・。

勇気を持って理性的に行動するグループである主人公たち。
しかしこのラストは・・・“衝撃”の看板に偽りなし。
そんなちょっとの差で〜。
絶望を越えたさらなる絶望。
もうお願いだから殺してくれ、という気持ちでいっぱい。

ミスト
The Mist

(2007年 アメリカ)
監督・脚本/フランク・ダラボン
原作/スティーヴン・キング
出演/トーマス・ジェーン(デイヴィッド・ドレイトン)
   ネイサン・ギャンブル(ビリー・ドレイトン)
   ケリー・コリンズ・リンツ(ステファニー・ドレイトン)
   アンドレ・ブラウアー(ブレント・ノートン)
   フランシス・スターンハーゲン(アイリーン・レプラー)
   ローリー・ホールデン(アマンダ・ダンフリー)
   マーシャ・ゲイ・ハーデン(ミセス・カーモディ)
   トビー・ジョーンズ(オリー・ウィークス)
   アレクサ・ダヴァロス(サリー)
   サム・ウィットワー(ウェイン・ジェサップ)
公式サイト

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