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いのちの食べかた

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

私たちが毎日食べている野菜、果物、肉、魚・・・これらの食料が生産されている現場の映像を、淡々と積み重ねていくドキュメンタリー。

思ったこと

普段口にしているさまざまな食料がどのように作られているか、その現実の様子を見る機会ってそうそうない。
せいぜい、近所にある小さな畑とか家庭菜園、観光牧場や工場見学、おいしい食材を紹介する雑誌やTVなどの風光明媚な田んぼや畑の景色・・・。
だけど、当然のごとく、現代の食料生産の現場はもっと効率的でシビア。
既に知っている当たり前のことのようでいて、“生産工場”と表現するのがぴったりの光景をたたみかけるように見せられると、食欲が失せていき、あれがおいしいこれがおいしいとか言いつのる現代日本のグルメ全盛ぶりが本当にばからしいことのように感じられてくる。
やっぱ単に知識として頭で分かっているのと目で見るのとは違うなぁ(本当は直に見られるともっといいんだろうけど!)。
決して楽しい気分にはならないが、この世界に生きる一人として、観ておく価値があると思います。
時折挿入される、ごく普通の人々の決して豪華ではない食事風景・・・食事って本来こういう淡々としたものなんだよね。

ヒヨコって、とーってもカワイイ。
小さくて黄色いフワフワの姿もピヨピヨの鳴き声も奇跡のようにカワイイ存在。
そんなヒヨコも、チキンや卵産みマシーンになるために生まれ、モノのように扱われてベルトコンベアーで運ばれていく。
小さな檻や暗い部屋の中にひしめきあっているニワトリたち。
もちろんブロイラーや鶏卵が素敵な環境で生産されていないということくらい知識としてあるんだけど、なんとなくつい絵本や食品パッケージに描かれるような牧歌的な農村風景のイメージを頭に思い浮かべがちだった私はバカじゃなかろうか。

パプリカやトマト、リンゴ、レタス・・・きっかり規格を揃えられた農作物がハウスにぎっしりと並ぶ。
でも収穫は人の手でやんなきゃいけないのね。
ニュージーランドを旅行したとき、ワーキングホリデーでフルーツピッキングをしている人がたくさんいたのを思い出した。
一瞬楽しそうな感じがするけど、低賃金の単純作業だからけっこう大変なんだよな。

広大な畑に、金属の長い腕が伸びて散水する様子は、巨大ロボットを連想させた。
大きな魚を正確な動きでさばいていく機械も、まるでそれ自体が意思を持っているかのよう。

雄牛から精子を採取する様子はなんかショッキング。
台に固定されている雌牛に誘導されて乗っかかっていく雄牛・・・なんかレイプみたいで直視できない感じ。
しかし横に控えてタイミングをうかがっている人にサッと精子を採られてしまって哀れなのだった。
それから、牛の横腹を切り開いて赤ちゃんを取り出している様子にもビックリ!
な、内臓が出てる〜!
母牛は平然と立っているように見えるんだけど・・・麻酔が効いているんだよね??

公式サイトに書いてあったけど、日本は食糧自給率が低いくせに、世界で最も多く残飯を出しているんだって。
私はもともとモッタイナイ精神にとらわれている人間なので、そういうこと聞くと非常に憂える気持ちがあふれてきてしまうんだけど、具体的に何をすればいいんでしょうね?
おいしいものはもちろん好きなんだけど、毎日おいしくなくてもいいから、もっと世界全体にバランスよくなるといいなぁと思います。
ひとまず、肉は、食べるのなるべくやめることにしよっと・・・。

いのちの食べかた
Our Daily Bread

(2006年 ドイツ/オーストリア)
監督/ニコラウス・ゲイハルター
公式サイト

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