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4分間のピアニスト

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

刑務所でピアノ教師を務めているクリューガーは、問題児ジェニーに並々ならぬピアノの才能があることに気付いた。その才能を伸ばすことが使命だと感じたクリューガーは、ジェニーにレッスンをするよう熱心に働きかけ、コンクールに出場させる。

思ったこと

とんでもなくイヤミな婆さん教師と、凶暴で手に負えない少女受刑者の間に、不思議な心の通い合いが育まれる。

クリューガーの毒舌はとどまるところを知らない。
「(融通がきかない看守に)奥さんに逃げられるはずね」
「(刑務所長に)ナチスの強制収容所の所長と同じ」
「(ジェニーに)あなたはいやな人間だけど、才能がある」
に、にくたらしい〜・・・!

対するジェニーは、まだ幼さが残っているような容姿なのに、首を吊った同室の受刑者から平然と煙草を盗んで吸い、近づくもの皆に牙をむき、容赦なく暴れ回る。
まるで言葉の通じない野生動物みたい。

そんなジェニーのピアノは、美しい音楽というより、荒らぶる魂の叫びのよう。
後ろ手に手錠をはめられたまま、見せつけるかのようにピアノを叩き弾く様は圧巻だ。
しかしジェニーが好む躍動的なロック調の曲に対して、クリューガーは「低俗な音楽はやめなさい」と禁止する。
自分の信念に忠実なのは分かるけど、ちょっと融通きかなすぎじゃねー?
下手の横好きでピアノを熱心に練習してきて、クリューガーを慕っている、パグ犬みたいな顔のミュッツェ看守への態度も冷たいし。
そんなだからミュッツェがジェニーに意地悪したりするんだよー。
受刑者へのピアノレッスンは精神ケアの側面もあるだろうに、ちょっとその仕事、向いてないんじゃないのー?
これでは開く心も開けない・・・と思っていたが、重い過去をかかえている者同士、うまく生きられない者同士、通じ合うところがあるのかもしれない。
ジェニーがクリューガーになついて、一緒にダンスを踊るシーンは、じーんときました。

クライマックスの4分間は・・・実際に観衆として聴いていたら「うわーすげぇー!」とびっくりするのは間違いないが、どう評価したらよいものかとまどうかも・・・。
コンクールであんな演奏されたら唖然とするわな。
拍手をした皆さんは懐が深い。

そうそう、ウンコちゃんTシャツを着るクリューガー・・・という笑いどころもあり。

4分間のピアニスト
Vier Minuten/Four Minutes

(2006年 ドイツ)
監督/クリス・クラウス
出演/ハンナー・ヘルツシュプルング(ジェニー)
   モニカ・ブライブトロイ(トラウデ・クリューガー)
   スヴェン・ピッピッヒ(ミュッツェ)
   ヤスミン・タバタバイ(アイゼ)
   リッキー・ミューラー(コワルスキー)
公式サイト

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