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この道は母へとつづく

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

孤児院で育った6歳のワーニャは、裕福なイタリア人夫婦の養子になることが決まった。しかし、すでに養子にもらわれていったムーヒンの母が現れたことで、ワーニャは本当のママに会いたい気持ちを抑えられなくなり、孤児院を脱走して母を探しに旅立つ。

思ったこと

「本当のママに会いたい」という一途な思いいっぱいに、幼いワーニャは、孤児院長や仲間が説得するのも聞かず、懸命に文字を覚えて資料を盗み読み、少ない手がかりだけを持って外の世界へ飛び出す。
孤児を里親に仲介して大金の手数料を稼いでいるマダムと手下のグリーシャは、執拗にワーニャの跡を追う。
とにかく必死なワーニャはけなげで、母を求めるひたむきな気持ちにはグッとくるけど、「生みの親より育ての親」と言ってあげたくてしょうがなかったよ。
本当のお母さんがそんなにいいもんかどうか分かんないよ〜って。
だってどんな事情があろうと、ワーニャを孤児院に置いたまま迎えに来ていないのは事実だし。
里親のイタリア人夫婦は良さそうな人たちだったしさー。
しかしこれって“本当の親に優るものはない”というテーマなのかな。
実話を基にしたストーリーらしいが、果たして現実ではその後どうなったんだろう・・・。

ワーニャ役の子は、愛くるしい顔立ちながら、意思の強さを感じさせる眼差し。
子供ひとりでいるのを怪しまれないよう、機転をきかせて周りの人を利用する賢さ。
ストリートチルドレンや、追ってきたグリーシャに立ち向かう根性。
癖かな、しょっちゅうフゥンとのどの奥で鳴らすような相づちを打つのがカワイイ!
ああ〜守ってあげたくなる〜(私は本当のママじゃないからダメか)。

おそらく孤児院で育って、ほかに行き場がないまま不良化している年かさの子たちも興味深い。
いつも幼い子たちの面倒をみている優しいナターハ。
極寒のなか、娼婦業をやってるらしいイルカはミニスカ生脚、まっすぐで棒みたい。
仲間たちのリーダーであるカリャーンは、皆が稼いできたお金をとりまとめている。
ワーニャがお金をごまかそうとしたのが発覚したとき、カリャーンは自分がいかに本当の親からひどい扱いを受けたかという経験を話し、おとなしくイタリア人夫婦のところへ行って幸せになれと諭していて、乱暴者なだけではない、同じ境遇の者を思う気持ちを感じてしんみりした。
その後、きっちりベルトで打つという罰は与えられたけど。
イルカがワーニャを助けようとしたのは、自分にはかなえられなかった“本当の親と幸せに暮らす”という夢を、もう一度見たかったからだろうか・・・。

原題は「イタリア人」という意味で、イタリア人夫婦の養子になることが決まったワーニャを、仲間たちが羨望交じりで「イタリア人」と呼ぶことからきている。
邦題はベタな感じではあるけれど、なかなか合っていると言えるんじゃないかな。

この道は母へとつづく
Итальянец/The Italian

(2005年 ロシア)
監督/アンドレイ・クラフチューク
出演/コーリャ・スピリドノフ(ワーニャ)
   マリヤ・クズネツォーク(マダム)
   ニコライ・レウトフ(グリーシャ)
   ダーリヤ・レスニコーワ(ムーヒンの母)
   ユーリイ・イツコーフ(孤児院長)
   デニス・モイセンコ(カリャーン)
   ポリーナ・ヴォロビエワ(ナターハ)
   オルガ・シュヴァロワ(イルカ)
   ディマ・ゼムリエンコ(アントン)
公式サイト

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