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刑務所の中

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

ミリタリーおたくの花輪は、銃砲刀剣類等不法所持および火薬類取締法違反で懲役3年の実刑判決を受け、北海道日高刑務所に入れられた。雑居房で同室の4人とともに繰り広げられる刑務所での日々が、コミカルに描かれる。

思ったこと

ああ〜ん、なんか知らないけど、出てくる食べ物がどれもこれもおいしそうに見える〜。
学校給食とか別にたいして好きじゃなかったのに、献立表を見て次は何かな〜と思いながら、あの味も素っ気もない食器で支給されてみたくなった〜というヘンな気持ち。
どんなメニューが出てくるかが、本当に貴重な毎日の楽しみなのだなぁ。
しかし皆さん、本当に甘いものが好きなのね。
私も好きだけど、世の男性たちがそんなに甘いものを食べたがるとは意外です。

刑務所って、ホントにこんな呑気なとこなの・・・?
受刑者たちがどいつもこいつもかわいげがあるように感じられるのは、花輪の目を通して見ているせいだろうか。
中には凶悪な犯罪をおかした者もいるのだが、恐ろしさとか苦悩とか反省とかとは無縁な感じ。
ちょっと思ったのは、このような自由が制限されて厳格に管理された状態では、子供に返ってしまう部分があるのかなぁ・・・と。
告げ口したり看守に気に入られようとしたりする受刑者なんて、小学生みたい。
きちっと規則を守って、言われるとおりに行動しないと、その日その日を生きていけない。
逆に、与えられた環境を受け入れれば、その日その日を生きていける。

「ああー、いい・・・」
「えー、おれが、うそー」
「あ、乳首見るの忘れた」
「おれ、受刑者のなかでこいつがいちばん好き」
花輪を演じる山崎努の、淡々としたセリフ回しが妙に耳に残ります。

出所後にまた集まろうと連絡先をこっそり交換していたのがバレて、懲罰房に入れられる5人。
ここで花輪は最も充実した時を過ごすことになる。
袋貼りという単純作業に集中し、自分で決めたノルマを達成することにこだわり、見知らぬ人が途中まで作業した袋のピシッとした折り目に驚嘆し、集めにくる係の「それじゃ」という口癖に注目する・・・いつでもどこでもその場を楽しんでしまうというか、ちょっとおもしろいことを見つけてしまう性格なのだな。
しかしこれは単に脳天気だということではなく、自分や状況を客観的に観察し、それを一歩引いたところから表現するという知性を感じる。
原作マンガ自体がそういった味わいで、映画でもかなり忠実に再現されているとは思うものの、より脳天気な雰囲気が強くなっている気がしました。

香川照之が演じていた神経質なお坊ちゃんが、『ゆれる』のお兄ちゃんだと想像してみると、さまざまなことから解放されて楽しそうにしているように思えて、なんだか救われる・・・。

刑務所の中
(2002年 日本)
監督/崔洋一
原作/花輪和一
出演/山崎努(花輪)
   香川照之(伊笠)
   田口トモロヲ(田辺)
   松重豊(小屋)
   村松利史(竹伏)
   大杉漣(ティッシュマン高橋)
   窪塚洋介(浜村)

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