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サン・ジャックへの道

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

仲の悪い3きょうだい、威圧的な会社社長ピエール、口うるさい高校教師クララ、アル中で無職のクロード。亡き母の遺言で、遺産相続の条件はフランスのル・ピュイからスペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラまで1500kmの巡礼路を一緒に歩くことと告げられ、いやいやながら巡礼ツアーに参加する。

思ったこと

フランスからスペインへとピレネー山脈を越える巡礼路のことは聞いたことあった。
こんなにも風光明媚なルートなんだね〜。
果てしなく広がる大地、群れる羊たち、荘厳な古い教会や街並み・・・荷物を背負って一歩一歩道を踏みしめていけば、確かに人生観変わりそう。
苦労を共にした旅仲間の間で芽生える恋なんてのも、いかにもありそうだし。
私も行きたくなった、巡礼の旅へ・・・。
スタンプを集めていくところにもそそられるぅ。

「歩くなんて無理だ!病弱なんだ!毎日たくさん薬を飲まなきゃいけないんだ!」とヒステリックに怒鳴る長男ピエール。
何の薬かというと、高血圧とか生活習慣病系ね。
こういう自分中心のお偉いオヤジさんは、もし現実に相手しなきゃいけないとなるとウザいんだけど、一歩引いて観察してる分にはコミカルでおもしろい。

次男ピエールはどうしようもない、だけど憎めない男。
まったく何の装備も用意しておらず、人の水を遠慮なく飲んで、着たきりすずめだけどたまに脱いで洗って干しながら歩き、悪びれず人に金をたかったりもし、ひょうひょうとしている。
こんなダメ男に、世間的には断然成功者であるピエールが「おまえは皆から愛されるし、女の扱いもうまい。このうえ何を望む!」と、隠していた嫉妬を見せる。
うーん、人が心のうちに何を抱えてるかって、分かんないもんですな。

長女クララは、辛辣な言葉で人を突き刺し、兄ピエールとはつかみ合いまでやる武闘派。
3人の中では、私はこの人が一番苦手だな〜・・・。
心優しいカミーユが失読症のラムジーに字を教えてあげようとしているのを見て、「教師になろうと思わなくて正解ね。向いてない」とか言うとこ、何様!?
カミーユは上手くなかったのかもしれないけど、そもそも普通の高校生なわけだし、クララの発言は人を無用に傷つけて、あったかもしれない可能性の芽を摘むだけでは。
それこそ教師の言葉とは思えないんですが。
そして渋りながらも、成り行きでクララはラムジーの文字教育を始めるわけだが、なんかなー。
失読症という一筋縄ではいかない障害なんでしょ。
クララの教えでわりと簡単に克服したように見えたので、今までは単にやる気がなかっただけなんかー?という印象になってしまう。

いとこのサイードが、「メッカに行く」とラムジーを騙してツアーに連れてきてるのもイライラさせられた。
なんか・・・痛々しくて笑えないんだよね。
自分たちの都合や遺産のことしか頭になかった3人に「お母さんが死んじゃったの!?それは悲しいね」と同情するラムジーは本当にいい子で、彼のキャラクターに非は全然ないんだけど、取り巻くエピソードがいちいちわざとらしくってちょっとウンザリする。

ちなみに、カミーユがラムジーにA、B、Cからアルファベットを教えている場面。
「BにAを並べたらバ、じゃ次にCにAを並べたら?」「バ・カよ、バカ」
バカ!?
一瞬カミーユがラムジーをおちょくっているのかと疑ってしまったが、これはフランス語、そんなわけはない。
このシーン、日本人にだけ笑えるようになってんのな・・・ビミョーな気持ちになる困り笑いだけど。

サン・ジャックへの道
Saint Jacques...La Mecque/Start Walking

(2005年 フランス)
監督/コリーヌ・セロー
出演/ミュリエル・ロバン(クララ)
   アルチュス・ド・パンゲルン(ピエール)
   ジャン=ピエール・ダルッサン(クロード)
   パスカル・レジティミュス(ギイ)
   マリー・ビュネル(マチルド)
   マリー・クレメール(カミーユ)
   フロール・ヴァニエ=モロー(エルザ)
   ニコラ・カザレ(サイード)
   エメン・サイディ(ラムジー)
公式サイト

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