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あるスキャンダルの覚え書き

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

厳格な歴史教師バーバラの勤める中学校に、美しいシーバが美術教師として着任した。シーバに興味をもったバーバラは、いつもシーバの様子を観察し、事細かに日記にしたためる。うるさく騒ぐシーバのクラスを収めたことをきっかけに二人は親しく交際するようになる。ある日バーバラは、シーバが15歳の教え子スティーヴンと肉体関係にあるという秘密を知ってしまった。

思ったこと

演技派女優の火花散るバトル!
息もつけないような緊迫感だった〜・・・。
サスペンスフルな音楽も否応なしに雰囲気を盛り上げる。

バーバラは世界のすべてを憎んでいるかのように、周囲を容赦なく批判する。
一方で、数少ない大事なもの、猫や女友達に対する執着は並々ならず、そのギャップがバランス悪い。
そしてそれらは心と日記の中だけで吐露される。
「スーがシーバに近づいた。似合わない二人。金髪女とズボンをはいたブタ」とかさ。
こんな皮肉っぽい性格が元々なのか、歳をとるにつれてだんだん形成されてきたのか分からないけど、今までけっこうつらい人生送ってきたんじゃないかな〜と思わせられる。
でもね、バーバラの舌鋒鋭い悪口って、たまらなくおもしろい。
実際にこういう人と出会ったらすごくイヤな気分になるだろうに、フィクションの中で悪口雑言を聞くと楽しいのは、自分の中にも意地悪な人格を隠しているっていうことなのかな〜。
「独りぼっちで老いてゆく・・・」という絶望的な孤独感、「こんなにシーバのことを大事に思っているのに」という苛立ち。
友人関係にぐじぐじするって、子供のうちはよくあるだろうけど、たいてい大人になったらそんなヒマはなくなる。
バーバラはある面で大人になりきれず歳を重ねちゃったのだな。
歳を重ねたからこその狡知もすごくて、シーバの秘密を握ってそれを利用する画策はすさまじい。
内心ではシーバの美と若さを賛美しているのに、「あなた、もう若くないんだから!みっともない!」と打ちのめしたり。
でもね、バーバラの言動は明らかに常軌を逸しているのだが、友情に一途でピュアと言える気もするの・・・。
“ピュア”が決していいもんばかりではないという見本ですな。
私もそういうところを多分に残しているような気がするから・・・ふとしたきっかけでバーバラのようになってしまいそうで怖ろしい。
もしも結婚できていたら変わってたのかな〜・・・この人。

ジュディ・デンチの入浴シーンは衝撃だぁ〜!!
あの二の腕!
こんな姿を撮らせるなんて、女優としてすげぇ。

結婚して子供二人を育ててる40歳くらいのシーバ、恵まれた暮らしを送っているようで、満たされない心を誰にも言えず抱えている・・・。
この人もやっぱり大人になりきれず、いつまでたっても自分探しをしているような感じ。
フワフワして流されちゃって、どうでもいいような男の子を「愛してる」とかって思い詰めちゃう。
違うよね? それって鬱屈した感情が間違った方向に行っちゃったんだよね?
きっと、完全にちゃんとした大人になれる人って、そうそういないんでしょう。
それにしてもケイト・ブランシェットはいつ見てもいいな〜。
迫力と色香と品を兼ね備えていると思う。

あるスキャンダルの覚え書き
Notes on a Scandal

(2006年 アメリカ)
監督/リチャード・エアー
原作/ゾーイ・ヘラー
出演/ジュディ・デンチ(バーバラ・コヴェット)
   ケイト・ブランシェット(シーバ・ハート)
   ビル・ナイ(リチャード・ハート)
   アンドリュー・シンプソン(スティーヴン・コナリー)
公式サイト

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