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今宵、フィッツジェラルド劇場で

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

長年人気を博してきたラジオの公開番組「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の最後のショーが、フィッツジェラルド劇場で始まろうとしていた。名物司会のキーラー、カントリーデュオのジョンソン姉妹、下ネタが得意なカウボーイデュオのダスティ&レフティらが次々と楽屋入りする。探偵であり番組の用心棒でもあるガイは、白いトレンチコートを来た謎の美女が出没しているのに気付く。

思ったこと

“古き良き”と形容したくなるアメリカのカントリーミュージックの世界が、心地よいリズムにのって描かれ、これっていつの時代の話かなぁ〜と思いつつ観ていた。
のだが、どうも現代らしいと途中で気付く。
こういうやぼったい感じのショーも現代に残っているんだね〜。
なごむな〜。
元ネタとなった「プレイリー・ホーム・コンパニオン」は実在の番組で、今なお存続中だという。

年季の入ったカントリーシンガーを演じるメリル・ストリープ。
吹き替えなしで本人が歌っているらしい!
すごい!!
たくさんの才能を持っているんだね・・・。
ロンダ&ヨランダのジョンソン姉妹が「母は私たちのファンだった」と思い出を語りながら、歌うシーンはほろりとさせられます。
この二人組、日本で言うと由紀さおり&安田祥子姉妹みたいな感じかね。

老シンガーのチャックは、ガールフレンドであるサンドイッチ係のおばさんを待ちながら、楽屋で天に召される。
「老人が死ぬのは悲劇ではないのよ」と天使がささやく。
ある意味、最高の死に方だ・・・。
大好きな仕事の最中に、ガールフレンドや仲間たちに囲まれて、ぽっくりと。

出演者たちは誰も彼も好き勝手にふるまっているようで、長年の仲間たちの馴れ合いっぽいんだけど、そこはプロ、ちゃんと観客を楽しませるショーを作り上げている。
皆この「プレイリー・ホーム・コンパニオン」の舞台を本当に好きで楽しんでいるんだな〜というのが伝わってくる感じ。
がやがや雑然とした舞台裏の様子を眺めるのも楽しい。
ラジオ局が大企業に買収されたせいで番組は終わることになり、皆そのことを残念に思っているはずなんだけど、怒りをあらわにしたり湿っぽくなったりしない。
司会のキーラーは、観客に最後のショーだということやチャックの死を伝えなくて責められたりもするが、「ショーは最初から最後まで楽しいものに」というプロ魂は分かる気がする。

ラスト、舞台の魔法が解けてすっかりくたびれた感じに見える4人がダイナーでこれからの計画を語り合うが、なんだか実現しそうな感じがしない。
歌手にならずに就職したローラや、天使の登場が、時代がはかなく移り変わっていくことを象徴しているように見えた。
死とか終わりとかを受け入れるような淡々とした気分が漂っているのは、これが遺作となった老アルトマン監督の境地なのかな。

今宵、フィッツジェラルド劇場で
A Prairie Home Companion

(2006年 アメリカ)
監督/ロバート・アルトマン
出演/ギャリソン・キーラー
   メリル・ストリープ(ヨランダ・ジョンソン)
   リリー・トムリン(ロンダ・ジョンソン)
   リンジー・ローハン(ローラ・ジョンソン)
   ウディ・ハレルソン(ダスティ)
   ジョン・C・ライリー(レフティ)
   L・Q・ジョーンズ(チャック・エイカーズ)
   ジェアリン・スティール
   ケヴィン・クライン(ガイ・ノワール)
   ティム・ラッセル(アル)
   マヤ・ルドルフ(モリー)
   ヴァージニア・マドセン(天使アスフォデル)
   トミー・リー・ジョーンズ(アックスマン)
公式サイト

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