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紅いコーリャン

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

九児はラバ1頭と引き替えに、親子ほども年齢が離れハンセン病にかかっている造り酒屋の主人に嫁いだ。嫁入りの輿をかつぐのはコーリャン酒造りの人夫たちと輿かつぎ職人の余。コーリャンが生い茂るなか、強盗にさらわれそうになったところを助けられる。数日後、九児は同じ場所でまたさらわれるが、今度の相手は余だった。そして造り酒屋の主人が何者かに殺される。

思ったこと

う〜〜わ〜〜すさまじいインパクト!!
有無を言わさぬ展開のド迫力で、やっぱ中国ってスケールでかいなーと痛感させられます。

まず花嫁道中がおもしろい。
輿をぐらぐらに揺らされて乗り物酔いしそう、オェー。
“花嫁いじめ”という変な風習のため「花嫁はブスで新郎こそ災難〜♪」と歌われ、楽器はプープーうるさいし、売られた身の悲しさと結婚相手への怖れ(妖怪に嫁ぐくらいの感覚だったのでは)がふくれあがってきて、九児と一緒に泣いてしまう。

これが女優デビューとなるコン・リー。
撮影当時は20歳くらいかな?
むちむちしててカワイイなー・・・眉が太くて揃ってなかったり歯並びが悪かったりまぶたがちょっとはれぼったかったりするのも初々しい!って感じの若さ。
まるで荷物か何かのように抱えられてしまう姿、踏みしだかれたコーリャン畑の真ん中で大の字に横たわる姿にドキドキする。
風に吹かれるコーリャンの葉や穂が情念が乗り移ったかのようにざわめく。

そんで酒造りの家に押し掛けてきた余のロクデナシっぷりが笑える。
やはり若くてお肌つやつやのチアン・ウェンは、耳が左右にぴょこんと飛び出していて、ネズミちゃんっぽいなー。
酔っぱらって人夫たちに追い出されるときの泣き暴れっぷりは、幼児?って感じ。
珍しいもんが見れた・・・。
やんちゃの限りを尽くして威張っても、九児のほうを振り向いて「ほんとはオレのことが好きなんだよね?ね?」と問うかのように不安げにうかがっているのもカワイイ。

名酒「十八里紅」が生まれた過程・・・そんなんあり!?
その後9年間、ずっとそうやって造っていたんだろうか・・・それで余がなくてはならない人物としての地位を築いたっつーことか?

後半の、日本軍が来てからの話は本当に衝撃的で忘れられない。
生唾を飲み込み、気分悪くなるのに目をそむけられない。
いっそひと思いに殺してくれ!って叫びたい感じ。
自分があんな立場におかれたら・・・サンパオの懇願、牛解体屋の親方がとった行動、これは理解できる、やろうと思えばできる気がする、ていうかむしろこう死にたい。
もし私が羅漢だったら・・・もうひとりを生かすために耐えられるか!? 絶対無理・・・とはいっても逃げる術もないのだ。
解体屋の弟子のほうは・・・こんなふうに生き延びたとしてもその人生は終わってる・・・。
そして怒濤のラストへと至って、真っ赤なコーリャン酒は、まきちらされ地に染み込む血を暗示していたということに気付く。
日本軍は悪の存在だけど、映画全体が民話的というか現実感がないので、日本人として観てても特に居心地の悪さは感じなかったなー。

紅いコーリャン
紅高梁/Red Sorghum

(1987年 中国)
監督/チャン・イーモウ
出演/コン・リー(九児/チウアル)
   チアン・ウェン(余占鰲/ユイチャンアオ)
   トン・ルーチュン(羅漢/ルオハン)
   リウ・チー(豆官/トウコアン)
   チー・チュンホァ(サンパオ)

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