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エマニュエルの贈りもの

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

西アフリカのガーナでは、身体障害者は「前世の罰を受けている」「呪われた者」と見なされ、物乞いとなる道しかない。右足に重度の障害をもって生まれてきたエマニュエルは、片足だけで自転車をこいでガーナ横断をなしとげ、世間の注目を集める。義足を得てトライアスロンにも挑戦し、障害者の地位改善に尽力するエマニュエルのドキュメンタリー。

思ったこと

まず何に驚いたかって、ガーナでは10人に1人が身体に障害をおっているという事実。
栄養やポリオワクチンの不足、適切な治療を受けられないといった理由のためだ。
そして、彼らはほとんどまともに社会参加できず、差別を受け、家族からも重荷扱いされる。
エマニュエルが生まれたとき、父親は妻子を捨てて家を出てしまったという。

・・・そんな環境の中で、エマニュエルがここまで真っすぐ強く前向きな性格に育ったのは、お母さんが「あなたには価値がある」「あなたにしかできないことをしなさい」と、心からの愛情を注ぎ込んだというのが大きいだろう。
それから、働くために学校を途中でやめてしまったものの、基本的に頭のいい人なんだろうなーと感じた。
そういうところ、乙武洋匡の『五体不満足』を読んだときと感触が似てる。

肉体と心を鍛え自身の限界に挑戦するアスリートたちは、障害の如何にかかわらず、カッコイイ!
アメリカ人のジム・マクラーレンは、事故で片足を失ってから長距離ランナーとして活躍するが、再度の事故で半身不随となってしまった。
そんな苛酷な運命を越えてきた彼による、「何が不幸で何が幸運なのか、決めるのはその人だ」という言葉。
生ぬるい自分が本当に恥ずかしくなってくる・・・。
普段、ちょっとしたアンラッキーを嘆いたり愚痴ったりしてくよくよしがちなんだけど、そのアンラッキーのおかげで新しく分かったり考えたりチャンスが持てたりすることに気付かなきゃいけないんだ!
エマニュエルやジム・マクラーレンらは、“障害があるのに頑張ってるからスゴイ”のではなく、人の精神の強さ・美しさを見せてくれるから、こんなに多くの人を感動させ励ますのだろう。

私は4歳のときに原因不明で足が動かなくなり、「小児麻痺かも」と言われて入院したことがある。
結局原因が見つかって、足は動くようになって、再発を恐れながらも大丈夫で、その後は走ったり泳いだり踊ったりと元気に育ってしまった。
両親が病院の廊下で固めたであろう悲壮な覚悟はなんだったの?って感じ。
でも、もしかして歩けない人生というのもあったのかもしれない・・・と、思う。
その人生では何ができただろう?
その人生以上のことを、今の人生でできてるだろうか?
その人生で必要としたこと、憧れたことを、今の私ができるのならすべきなのでは?
なんて、普段なかなか考えないことを考えるきっかけをもらいました。

ところで、この映画には、エマニュエルがヒーロー的存在となってから応援する人々がいっぱい出てくるけど、障害者差別の赤裸々な部分は映されてない。
だから、なんだか未来は明るいばかり、という印象。
差別というのが伝統的に行われていたのなら、そこから抜けられない人というのもまだまだ多いのではないかと思えるが、そういう厳しい現実部分もしっかり加えられていたら、ドキュメンタリー映画としてもっと深いものになったんじゃないかなー。
全体的な雰囲気が、ちょっと教育番組みたいでもあったのよね・・・。

エマニュエルの贈りもの
Emmanuel's Gift

(2005年 アメリカ)
監督/リサ・ラックス、ナンシー・スターン
出演/エマニュエル・オフォス・エボワ
   ジム・マクラーレン
   ルディ・ガルシア・トルソン
   ボブ・バビット
   コフィ・アナン国連事務総長
   ロビン・ウィリアムズ
   オプラ・ウィンフリー(ナレーション)
公式サイト

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