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トンマッコルへようこそ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

1950年代の朝鮮戦争下。人里離れた山奥のトンマッコル村に、連合軍パイロットのスミス、リ・スファら北朝鮮人民軍の兵士3人、ピョ・ヒョンチョルら韓国軍兵士2人が迷い込んだ。敵対する兵士たちの間で緊張感が走るものの、戦争のことなど何も知らずほがらかな村に滞在するうち、だんだん打ち解けていくが・・・。

思ったこと

Dongmakgol01ファンタジー仕立ての戦争映画。
なんだかね、要所要所で宮崎アニメを彷彿とさせるのです。
うっそうとした森に光が射し込む様は『風の谷のナウシカ』、トンマッコル村への入口は『千と千尋の神隠し』、巨大な猪は『もののけ姫』、苔むした戦闘機は『天空の城ラピュタ』。
音楽は久石譲・・・そのせいもあるか?
と思ったら、監督は熱烈な宮崎駿ファンらしいですよ!
韓国映画が宮崎アニメの影響を・・・そういうこともあるのか。

銃を向け合う兵士たちの緊張感と、のんびりした村人との対比。
ポップコーンが舞い降るシーンでは、その幻想性になんだか涙がにじみました。

猪が突進してくるとこ、かなり可笑しい。
大仰な音楽に、マンガチックなスローモーションが、長々と続く。
何? その連携プレー・・・(笑)。

浮世離れした村の生活で、兵士たちがだんだんと心を開いていく様子が、実にユーモラスに描かれる。
イノセントなヨイルは、本当に楽しそう。
中盤から暗い予感が濃厚で、最後まで見届けたくないというか、途中のこの幸せ気分のまま観るのをやめてしまうのもありかなぁ〜と思いつつ・・・。

兵士として戦場にいるときは、敵を倒すことが至上の命題なのだが、冷静に人間ひとりに立ち返ったときに、そうそう憎んだり殺したりできない。
戦争で勝つためには犠牲者を出すことを厭っていられないが、目の前にいる罪もない民間人を殺すなんて、平常の神経でできるわけない。
その間で揺らぐことを余儀なくされるのが戦争時・・・。
この物語は血に染まりつつも、ヒロイックなおとぎ話のように終わるけど・・・。

でも、トンマッコルの村は本当にあったのかな?という気持ちにもなる。
もしかして、既に死んだ人たちが、楽しく平和に暮らしている異界の村だったのでは・・・。
蝶が飛んでいるのも、何故か村人は猪の肉を食べないっていうエピソードも、なんかそれっぽいな。

それにしても、南側の韓国軍・連合軍がヒドイ〜!って感じなのに、なんで韓国で興行成績が良かったんだろう?と思ってたが、あれは韓国軍ではなくて連合軍が行ったこと、という解釈なのか。
兵士たち6人の中で最もかっこいいのは北朝鮮のリ・スファ中隊長だし。
その辺の政治事情にはまったく疎いので、ちょっとよく分かってないところがあるかも。
ちなみに、スミスはいかにも“外人”といった風情で、映画の中でちょっと浮いている。
普通に皆と意志疎通しているようだったが、誰が英語をしゃべれたんだ?

トンマッコルへようこそ
Welcome to Dongmakgol

(2005年 韓国)
監督/パク・クァンヒョン
音楽/久石譲
出演/カン・ヘジョン(ヨイル)
   シン・ハギュン(ピョ・ヒョンチョル)
   チョン・ジェヨン(リ・スファ)
   イム・ハリョン(チャン・ヨンヒ)
   ソ・ジェギョン(ムン・サンサン)
   リュ・ドックァン(ソ・テッキ)
   スティーヴ・テシュラー(スミス)
   チョン・ジェジン(村長)
   チョ・ドッキョン(キム先生)
   クォン・オミン(ドング)
公式サイト

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