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コースト・ガード

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

北朝鮮からのスパイ侵入を防ぐための海岸警戒所。仕切られたエリアに入った人間は射殺されることになっている。カン上等兵はある夜の見張り中、不審な人影を見つけ射殺する。しかしそれは、スリルある情事にふけっていた民間人カップルだった。生き残った女ミヨンは発狂し、カン上等兵もだんだんとおかしくなっていく。

思ったこと

カン上等兵は職務にのめり込んで功を焦っている。
序盤で軍人と地元の若者たちの軽いいさかいが描かれており、カン上等兵の攻撃的な性格が強調されているので、てっきり彼は「スパイじゃないかも、民間人かも」と分かりつつ、規則だからと見せしめのように発砲したのだとばかり思っていた。
違った・・・。
少なくとも最初は、そんな狂った人間じゃなかった・・・。
ショックを受けたカン上等兵は、職務に忠実であったと表彰され、死んだヨンギルの遺族や友人に責め立てられ、同僚たちからは他人事のような態度をとられ、恋人には避けられる。
こういう大変な精神状態におかれた人を放っておいちゃいかんだろー。
誰か早くカウンセリングに連れていけよ・・・と、やきもき。
平穏な日常からは浮いてしまうカン上等兵だけど、非日常の最たる戦時には、こういう人が頼りがいあったり、本当に手柄を立てたりして、生き生きできたんだろうなぁ。
被害者側がつらいのは当然だが、はからずも加害者となってしまった人間の苦悩も底知れない。
特に彼の場合は、職務を真面目に遂行した結果なのだから・・・。

それにしても、韓国には本当にこういうエリアが存在するの?
なんだか簡単に入れるみたいで、危険極まりないように思えるけど・・・。
スパイの脅威に対する、軍隊と民間人の温度差も気になる。

チャン・ドンゴンの強く鋭い目つきは、忠実な軍人である最初から、だんだんと精神のバランスを崩していくところ、得体の知れない脅威の存在となり果てるまで、とにかく恐かった。
チャン・ドンゴンといえば二枚目韓流スターだが、ハンサムだとか、かっこいいとか、まったく感じる暇がなかったよ。
でも、意外とたくまし系なのね・・・。
最後にセパタクロー(足でするバレーボールみたいなスポーツ)のシーンでやっと楽しそうな顔が見れて、その笑顔のかわいさが余計に悲痛な後味を残す。

ミヨンは決して美人という感じじゃないんだけど、おかしくなって海に浸かり戯れる様子は、妙になまめかしく凄まじい印象。
そんなミヨンが、誰かれ構わず恋人に見立ててすりよるのを、いいように遊び相手にする軍人たちは卑劣きわまりない!
そして無理矢理な処置・・・最低!!
終盤はなんだかオカルトっぽい展開になるのだが、ミヨンは単に狂ってしまったのではなく、非人間的な軍隊というものに対する復讐の権化であったということだろうか。

ところで、兵営の入口に掲げられている、ドクロからコウモリの羽が生えているマーク、なんだかふざけてるみたいなんですけど。
また、一斉に床についたあと、指名されたカン上等兵が朗々と歌うシーンも不思議な感じ・・・。

コースト・ガード
The Coast Guard

(2002年 韓国)
監督/キム・ギドク
出演/チャン・ドンゴン(カン上等兵)
   キム・ジョンハク(キム上等兵)
   パク・チア(ミヨン)
   ユ・ヘジン(ミヨンの兄)

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