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上海の伯爵夫人

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

1936年の上海。ロシアから亡命してきたソフィア・ベリンスカヤは、伯爵夫人ながら、貧しい家計を支えるためにホステスをしていた。盲目の元外交官ジャクソンは、夜のクラブで日本人青年マツダと友情を結ぶ。ソフィアに出会って理想を感じたジャクソンは、今まで夢に描いてきたバー「白い伯爵夫人(ホワイト・カウンテス)」をオープンさせる。そんななか、日本軍の上海侵攻が始まる。

思ったこと

大事なものを失ってしまう悲しみと、大事なものを手に入れられない悲しみと、どちらがつらいのだろう・・・なんだかそういうことを考えた。
かつて国際政治の表舞台で活躍したものの今では刹那的に夜をさまようジャクソンと、落ちぶれたロシアの伯爵夫人であるソフィア。
ジャクソンにとっての死んだ娘、ソフィアから引き離されそうになる娘。
いつか失うくらいならいっそ持たないほうがいい、などと思ってしまうなんて、ネガティブ過ぎるかな・・・。
それでも人が手と手をとりあうのは、生きるためには、希望を信じて歩いていくしかないからでしょうか。

すべての登場人物が何か重いものを背負って生きており、夜の上海をあてどもなく浮遊する。
この時代の上海って、いろいろな人種・文化・生活が雑多に共存していて、ロマンティックな感じ。
ソフィア、ジャクソン、マツダ、いずれの人物も様になるプロフィールを備えていて、ふとした出会いから魅かれ合い、ドラマティックな物語が動きそうな匂いぷんぷん。
等身大のお話もいいけどー、こういう自分とはかけ離れた人々のドラマに酔いしれるのも楽しいんだよね。
夫と死に別れたソフィアは、プライドが高いばかりで生活力のない家族を養うため、蔑まれながらも夜のお仕事にいそしみ、娘カティアに悪い影響を与えるという言葉も甘んじて受けとめる。
いかにも可哀想でけなげな境遇だし、品のある美貌だしで、気持ちよく感情移入できます。
ジャクソンとふたり並ぶと、奥行きのある雰囲気が漂って、絵になるわ〜。
カティア役の子もカワイイ。

真田広之は本当にかっこいいな!!
世界に誇れるとはこのことですね。
中国に日本軍の侵略をもたらすという、言ってみれば悪役なのだが、かっこいい悪役で良かった・・・。
英語が堪能ということだが、確かに、勉強して頑張ってしゃべってますという感じがまったくなく、ごく自然な会話に聞こえる。
ジャクソンと結ぶ友情関係、暗躍している雰囲気もすごく説得力がある。
もう、じゃんじゃん世界に出て行って、日本人のイメージを上げて欲しいですっ!

上海の伯爵夫人
The White Countess

(2005年 イギリス/アメリカ/ドイツ/中国)
監督/ジェイムズ・アイヴォリー
脚本/カズオ・イシグロ
撮影/クリストファー・ドイル
出演/レイフ・ファインズ(ジャクソン)
   ナターシャ・リチャードソン(ソフィア)
   真田広之(マツダ)
   ヴァネッサ・レッドグレイヴ(サラ)
   リン・レッドグレイヴ(オルガ)
   マデリーン・ダリー(カティア)
   マデリーン・ポッター(グルーシェンカ)
   アラン・コーデュナー(サミュエル)
公式サイト

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