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蒼き狼 地果て海尽きるまで

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

モンゴル部族長イェスゲイ・バートルと、メルキト族から略奪されたホエルンとの間に産まれたテムジン(後のチンギス・ハーン)。始祖“蒼き狼”の伝説を胸に誇り高く育ったが、父の死後、自分はメルキトの血を引いているのではないかという疑惑に苦しみつつ、部族を守り大きくしていく。妻に迎えたボルテがメルキトにさらわれ、取り戻したときには既に妊娠していた。産まれた子は余所者という意味のジュチと名付けられる。

思ったこと

モンゴルの景色は雄大ですばらしい!
馬がたくさん出てくるのもワクワクする。
モンゴル特有の衣装や髪型は目に楽しい。
はい、以上、ほめるところを先に書いておいて・・・と。

ストーリーがとんとんと進むというか、チンギス・ハーンについての子供向けダイジェスト絵本でも読んでるような感じ。
どうしてこんなに大味なんだろう?
お金はしっかりかけたらしいし、日本の文学やエンターテインメントの分野には才能ある人も少なからずいるはずと思うのに、なんでこうなっちゃうんだ??
出来事やセリフが、伏線にもならず裏に隠された意味もなく、ぶつりぶつりと続いていく。
全体的に不自然なセリフを棒読みしてる感じなのは、モンゴルの人がしゃべっているのを日本語に訳した風を狙ったんですかね?
特にジャムカは、少年時代も大人になっても、すごい棒読みだったので、ああ〜ちゃんと同一人物っぽいな〜と感心しました。

何の説明もなく放置されたままのエピソードが多い。
ホエルンは自分を略奪して妻にしたイェスゲイ・バートルを「許さない・・・!」と胸に秘めていたような気がするが、いつの間にかいいお母さんになっていた。
テムジンの掌にあった赤いアザには、いったいどういう意味が?
ジュチは女だ男だと言い争っていたわりに、あっさり男だとバレても殺されない。
テムジンはジュチを「俺の目に触れさせるな!」とか怒鳴っていたと思ったら、次の瞬間には、成長したジュチが部屋に座っている。

部族間の闘争についても、釈然としないところが多いのだよ・・・。
イェスゲイ・バートル亡き後に跡目を奪ったタイチュウト氏族とはどうなった?
ボルテの実家のオンギラト族は何をしてたんだ?
ジャムカはボルテと幼なじみだというから、てっきり同じ族なのだと思っていたが、いつの間にジャラダン氏族の長に?
テムジンたちはもう駄目だという感じで敗走してたのに、いきなり勢いよく反撃したのは何だったんだ?
ジャムカやトオリルと争った結果、モンゴル統一が達成されたということになったので、なんだかモンゴルって意外と広くなかったのかな〜という印象です。
エキストラ27000人という即位式のシーンは圧巻だが、あの人らはどこから出てきたどういう人たちで、なんでテムジンを歓迎してるの?

戦闘の仕方も、正面から力まかせに攻め入るばかりだから、つまんない。
テムジン軍が勝っていった理由が全然分からん。
ジャムカとの戦闘シーンでは、草原を多くの馬が駆け、人と馬が入り乱れて戦うので、おお〜けっこう迫力あるじゃんと思ったが、その後のジャムカ&トオリル軍との戦いでも再び同じような描写が繰り返されたのでガックリきた。
せっかくいい背景と、たくさんの人と馬を使えたんだから、もっと効果的な演出や撮影法があっただろうにと思うともったいない。

それから、女性の映し方があまりきれいじゃなかったと思う。
ボルテ(菊川怜)はかぶりもののおかげで、丸い顔だな〜としか印象に残らなかった。
クランの「昼は兵士、夜は女」・・・っていったい・・・ここは笑うところですね?
皆が戦場で泥まみれのときもクランだけはつるんときれいな無表情で出てくるので失笑・・・兵士と言うわりには戦ってたように見えないし。

だいたい、「モンゴルの女の悲しみを終わらせる」だとか「戦いを終わらせるための戦い」だとか、中途半端に現代的な思想が盛り込まれているのが萎える。
製作にはモンゴルも関わっていたみたいだけど、映画の内容にどのくらいモンゴルの人の意向が入っているのか気になる。
モンゴルの人はこれ観て満足するのかなー?

蒼き狼 地果て海尽きるまで
(2006年 日本/モンゴル)
監督/澤井信一郎
原作/森村誠一
出演/反町隆史(テムジン/チンギス・ハーン)
   菊川怜(ボルテ)
   若村麻由美(ホエルン)
   袴田吉彦(ハサル)
   松山ケンイチ(ジュチ)
   Ara(クラン)
   野村祐人(ボオルチュ)
   平山祐介(ジャムカ)
   池松壮亮(少年時代のテムジン)
   保阪尚希(イェスゲイ・バートル)
   榎木孝明(デイ・セチェン)
   津川雅彦(ケクチュ)
   松方弘樹(トオリル・カン)
公式サイト

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コメント

チルヒカ様、こんにちは!

突然ですが先程指定型バトンを頂きました。
そこで、是非、いつも素敵な作品をご覧になってるチルヒカ様にバトンを受け取って頂きたく思います!勿論スルーして下さっても構いません♪
お題は「ヒューマンドラマ映画」です。
ま、私が単にどう感じているのか聞きたいだけなんですけど…^^;
どうぞ宜しくお願いします☆

投稿: ももも | 2007/03/22 12:33

ヒェ〜、もももさん、こんにちは!
今までバトンというものは避けて通ってきたのですが、せっかくご指名いただいたので、この場で答えてみようと思います。
『蒼き狼』はヒューマン映画とは言えないので、なんなんですが・・・。

☆最近思う「ドラマ系(ヒューマン)映画」

映画をあまりジャンル分けして考えたことないのだけど、「ドラマ系(ヒューマン)映画」って、凝ったストーリーや映像よりも、人の心情に重きをおいた映画ってことでしょうか。
とはいえ、どんな映画であっても、人間というものを感じさせてくれるのを期待しています。
(あ、でも『ディープ・ブルー』『皇帝ペンギン』などネイチャー系は別ね)

☆この「ドラマ系(ヒューマン)映画」には感動!

最近観たなかで特に印象に残っているのは・・・
『故郷の香り』ためてためていった感情が、ラストで噴出する!
『ゆれる』登場人物それぞれの気持ちになりきってしまい、本当に心揺れた。
『トランスアメリカ』社会からはみ出しちゃっているような人たちの心のよりそい。

☆直感的「ドラマ系(ヒューマン)映画」

直感・・・自分の直感ってあまり信じてないのでw
だけど、世間の評判もあまり信じてないww
「ドラマ系(ヒューマン)映画」って、観る前、地味な雰囲気のものが多いような。
喰わず嫌いせずに、いろいろ観て、自分の琴線に触れる映画を探していきたいと思います。

☆こんな「ドラマ系(ヒューマン)映画」はいやだ!

とにかく、あざといのがイヤ!
実は泣きやすい体質なので、観た映画のうち3分の1くらいの確率で泣いちゃってるんだけど、「泣いたからって感動したと思うなよ!」と毒づきながら帰ります。
あと、善と悪がぱっきり分かれているようなのもイヤ!

他の人に回すのはご容赦くださいませ。
おそまつさまでした〜☆

投稿: チヒルカ | 2007/03/24 01:10

チルヒカ様

お忙しい最中バトン受け取りありがとうございました★
ホラーばかり観てる私にとって、やはりチルヒカ様の視点はとっても新鮮で楽しいです^^

「故郷の香り」気になります~!!
これは早速借りてみよう。

私も泣き上戸なので、泣かせようとしてる映画にはキレます。
本当に感動したときに涙は心地よいですが、そうでない涙はストレスが溜まりますよね…^^;

これからもどうぞ宜しくお願いします☆

投稿: ももも | 2007/03/28 16:42

もももさん、こんにちは!
いつもコメントありがとうございます。
なんかうれしいな~。

『故郷(ふるさと)の香り』は数年前の中国映画で、かなりイイですよ~。
かわいらしいヒロインが出てくるのですが、香川照之のエッセイによると、この女優はなんと『グリーン・デスティニー』のお姫様役にオーディションで一度決まっていたのに、後からチャン・ツィイーにコネで取られちゃったとか。

私はホラー映画はよく知らないんです。
ホラー・オカルト小説はわりと読むので、素質はあると思うんですけど・・・。
もももさんのブログを、参考にさせてもらいますね♪

投稿: チヒルカ | 2007/03/28 23:33

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