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紙屋悦子の青春

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

1945年の春、鹿児島県米ノ津町。両親を空襲でなくしたばかりの紙屋悦子は、兄の安忠、兄嫁ふさと暮らしていた。ある日、兄が見合いの話をもってくる。相手は、悦子が秘かに思いを寄せていた海軍航空隊に属す明石少尉の親友、長与少尉だった。

思ったこと

Kamiya001昔の日本映画みたい!(ものすごく良い意味で)
現代でもこういう映画が撮れるんだ〜と感心した。
俳優もどことなく昔っぽい雰囲気をもった人ばかり。
柔らかい九州弁が耳に心地よい。

お話の舞台となるのは、おそらく現代であろう病院の屋上と、1945年の紙屋家のみ。
紙屋家はいかにもセットという造りで、桜の木が立つ庭と階段の向こうは、何も存在しない真空なんじゃないのかと思ってしまえるくらい、閉じられた世界だ。
良い映画の味わいって、セットや映像のすごさとは相関関係にないのだということを、改めて認識させてくれます。
なんだか舞台劇を観ているみたい。
・・・と思ったら、もともとは舞台で上演されていた戯曲だったのね。

老夫婦の「寒いでしょう」「寒くない」という押し問答。
家族の食卓での「この芋・・・」「大丈夫よ」「まだ食べられる」というやりとり。
男二人の「貴様」「貴様」という応酬。
何気ない会話が交わされる様子が、実にほほえましく、くすくす笑いを誘います。
終戦間近という時期でも、こういう穏やかな空気もあったんだなぁと思う。
もちろん両親の死とか、兄の徴用とか、明石少尉の旅立ちとか、重苦しい事実は厳然とそこに横たわるのだけれど。

原田知世と本上まなみが同級生で、本上まなみを「義姉さん」と呼んでいる。
えーっと、知世ちゃんって何歳? そしていったい何歳の設定??
という疑問が、前半ずーっと気になってしょうがありませんでした(後半にはそんなことどうでもよくなった)。
プロフィールを確認したところ、原田知世は1967年生まれで、本上まなみより8歳上・・・それで縁談のくる年頃の娘としてまったく違和感がないのってスゴすぎる!
さらに70代に扮した老けメイクも、いやんなるほどカワイイぜ。

本上まなみは背筋がすっと伸びて美しいたたずまい。
こんな素敵な女優さんだとは知らなかった〜。
軽妙な明るさのなかにも、強さと愛情深さを感じさせます。
映画のなかで泣かされたシーンが2カ所あったのだけど、いずれも本上まなみのセリフがきっかけだった。
なんだか・・・美しい女性とはどういうものかってことを考えさせられました。

紙屋悦子の青春
(2006年 日本)
監督/黒木和雄
出演/原田知世(紙屋悦子)
   本上まなみ(紙屋ふさ)
   小林薫(紙屋安忠)
   長瀬正敏(長与)
   松岡俊介(明石)
公式サイト

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