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マリー・アントワネット

お気に入り度 ★★☆☆☆

こんな話

オーストリア皇女であるマリーは、14歳にしてフランス王太子(後のルイ16世)に嫁いだ。しきたりでがんじがらめにされたヴェルサイユ宮殿での生活が始まる。政略結婚を確かなものとするため、少しでも早く子供を作ることを望まれていたが、ルイは趣味の錠前作りばかりに夢中でマリーに触れさえしない。満たされない心を抱えたマリーは、贅沢三昧やパーティに慰めを見出そうとする。

思ったこと

Marie01_1相当軽い内容だと事前に聞いていたので、歴史ものとしてのおもしろさはまったく期待せず、きれいな衣装や宮廷美術を楽しもうと思って観に行った。
それにしたって・・・ここまで内容がないとは、予想を超えていたよ・・・!

ひとりの女の子としての生が描かれるのかと思いきや、マリー・アントワネットの内面についてさえ、たいした描写がされない。
キルスティン演じるマリー・アントワネットが見せる感情表現といえば、故国からフランスへの国境で愛犬と引き離されて悲しむところ(ここは唯一心が揺さぶられたシーン)、子供ができないことを憂えて自室で泣き崩れたところだけ。
既に自分が持っている知識(おもに『ベルサイユのばら』で得たもの)と想像力で補完しながら観る。
歴史的事実が淡々と並べられているが、それぞれにこれといった意味づけがされないので、「それで?」と言いたい感じになってしまう。
デュ・バリー夫人に話しかけた・・・それで?
フェルゼン伯爵と楽しくやった・・・それで?
怒る民衆におじぎをしてみせた・・・それで?
これらのエピソードって、もっと高まった緊張感を感じさせる、もしくはアントワネットの心情を見せるところなんじゃないの〜。
そんな映画じゃないというのなら、なんでこういうエピソードを盛り込んだの〜。

遊びたい盛りの14歳で独り異国へ嫁ぎ、窮屈な宮廷でしめつけられる、というのは同情に値するが、映画のなかのマリーはそれほど悩んでいないっぽい。
言葉の壁もなかったしね!
みんな「ハロー」とか言って、英語を使ってんだもん!
いや・・・そんなこと気にするな、自分・・・『ベルサイユのばら』だって日本語で読んだじゃないか・・・と言い聞かせてみたものの、そういう葛藤が描かれてこそ、マリーに感情移入できるというもの。
自分の立場について深く考えず、社会情勢についても聞き流し、目先のドレスや楽しみに目が奪われているマリーは、充分に現代の女の子に通ずるのだから。
まじめな話、一国の王妃として思慮が足りなかったとは思うけど、周囲の人たちの責任も大きいと思うな〜。
なんてったって中身が子供だもん・・・。
違う時代、違う立場に生まれてくれば、もっと幸せに生きられたかもしれないのにね。

キルスティン・ダンストのことはわりと好きなんだけど、マリー・アントワネットの役はあまり似合ってないと思う。
どうしても顔はやぼったいと思うので、「美しい」と誉めそやされるのを聞くと、もにょもにょする。
でも身体はきれいだね〜。
透き通るように白い肌。
プラチナブロンドをほんのりピンクに染めた髪がかわいかった。
寝起きの姿もいい♡
あと、マリー・アントワネットの娘役の子供が、天使と見まごうほどの愛らしさ!

ヴェルサイユ宮殿で撮影されたというのはスゴイし、画面いっぱいにあふれるドレスや靴、お菓子は確かに美しいけど、私のなかではあまり盛り上がらなかったな・・・。
まんまと帰り道に、きれい色のお菓子を買ってしまったけれども・・・。

マリー・アントワネット
Marie Antoinette

(2006年 アメリカ/フランス/日本)
監督・脚本/ソフィア・コッポラ
出演/キルスティン・ダンスト(マリー・アントワネット)
   ジェイソン・シュワルツマン(ルイ16世)
   リップ・トーン(ルイ15世)
   ジュディ・デイヴィス(ノアイユ伯爵夫人)
   アーシア・アルジェント(デュ・バリー夫人)
   ローズ・バーン(ポリニャック公爵夫人)
   ジェイミー・ドーナン(フェルゼン伯爵)
   マリアンヌ・フェイスフル(マリア・テレジア)
   ダニー・ヒューストン(ヨーゼフ2世)
公式サイト

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コメント

こんばんは。またTBさせていただきました。

歴史的な事件も、みんな他愛もない青春の戯れに収斂していて、私的にはそれはそれで筋が通っているかな〜なんておもいましたですけどね(笑)
フェルゼンなんか、なにしにでてきたの?な感じでしたね〜

ではまた。

投稿: manimani | 2007/02/12 01:23

manimaniさん、こんにちは!
ちょくちょくお越しいただき、なんだか恐縮です。

う~ん・・・私には青春物語としての共感もできなかったんですよ・・・。
世間での評価もまっぷたつみたいですね。

フェルゼン伯爵が出てきたら、ドラマティックな展開になるはず!と期待してしまうのは、ベルばらに毒された者の悪いクセでしょうかねー?

ところで、改めて予告編を見てみたら、ドレスやインテリア、お菓子など、やっぱりきれいだなー、と思いました。
環境映像として使うといいかも。

投稿: チヒルカ | 2007/02/12 02:52

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