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故郷の香り

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

北京の大学に行ってから10年ぶりに故郷の村へ帰ってきたジンハー。かつて結婚の約束もしていた幼なじみのヌァンと偶然出会い、家を訪ねる。ヌァンは聾唖のヤーバと結婚し、既に6歳の娘もいた。ヌァンの暮らしぶりを見ながら、ジンハーは若き日々を回想し、迎えに来るという約束を果たさなかったことを悔いる。

思ったこと

中国南部江西省の、山に囲まれた田園風景が美しい。
こんなところに生まれて、自分のことを好きな幼なじみの男子とブランコに乗ってみたかった。
きれいな自然に囲まれて心豊かに生きられそう。
・・・なんて思う気持ちに嘘はないが、実際にそういう場所に育ったら、ヌァンみたいに劇団員に憧れたり、ジンハーみたいに都会に行ったまま帰って来なくなったりしちゃうのかもなー。

10年ぶりに再会したヌァンは生活に疲れすさんでいるように見えるし、訪れた家は暗く雑然として貧しそうだし、夫のヤーバはどう見ても立派な男じゃない。
歌と踊りが得意で劇団に入るのを夢見ていたきれいなヌァンが、どうしてこんなふうに・・・。
お似合いの幼なじみだったふたりは、どうして結婚できなかったのだろう・・・。
少しずつ回想される過去のきらきらとした情景と、現在の不遇に見えるヌァンが対照的で、いったいどういう経緯で今に至ったのかという興味がかきたてられる。
そして、この3人が会うことで、何が起こるのか・・・過去とこれから、両方の成り行きにはらはらさせられ、淡々とした描写ながら最後まで目が離せない。

Nuan01香川照之は、野卑で知性の乏しい聾唖の男ヤーバそのものだった。
どんよりした目とうつろに開いた口が薄気味悪い。
あの生き生きとかわいかったヌァンが、どうしてこんな男と結婚しなきゃならなかったの・・・と、おそらくジンハーが感じているだろうのと同様に、情けない気持ちでいっぱいになる。
しかし、ヤーバの心が表されたとき、自分の考え違いを気付かされた。
本当にラストのシーンだけで、ヤーバとヌァンに対する見方が変わる。
思いもかけず涙があふれてきてしまったのは、香川照之という役者の力も大きかったかなぁとも思う。
やっぱり夫婦のことって、端からは分からないのかな・・・。
そして、何が幸せなのかってことも・・・。

それにしても、語り手であるジンハーはさわやかでやさしげなエリートだが、えらく言い訳がましくて、だんだん腹が立ってくる。
都会に出て、故郷に残してきた恋人のことを忘れるなんてよくある話だろうけど。
でもムカツク。

ところで、私はアヒルの群れが田舎の光景のなか、歩いたり泳いだりしているのを見るのが好き。
10年前のヤーバはアヒル飼いだったため、存分にアヒルを堪能できました。
アヒルが出てくる映画をリストアップしておこうかな。
とりあえず思いつくのは『黒猫・白猫』くらいだけど・・・。
何かいいのを知っている人がいたら、ぜひぜひ教えてください!!

故郷の香り
暖/Nuan

(2003年 中国)
監督/フォ・ジェンチイ
出演/グオ・シャオドン(ジンハー)
   リー・ジア(ヌァン)
   香川照之(ヤーバ)

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