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鉄コン筋クリート

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

宝町で暴れ回るストリートチルドレン、“ネコ”と呼ばれるふたりの少年、クロとシロ。町にネズミという通り名のヤクザ、鈴木が戻ってきた。“子供の城”というテーマパークが建設されることになり、町は変わっていこうとする。ふたりを案じる警察や、町をのっとろうとする蛇という男に3人の殺し屋、ヤクザたちがからみ、クロとシロも今までと同じでいられなくなる。

思ったこと

細部まで作り込まれた宝町のビジュアルに圧倒される。
クロとシロが空を飛ぶ〜〜! 宙に浮いてる〜〜! 楽しい!!
恐れを知らない子供の想像力と全能感が外まであふれ出しちゃっている感じ。
それ自体が命を持っているかのように生き生きとした宝町の魅力は、少年たちの目を通して見たものだと思うと納得。
動きや視線にともなう、風景のゆらぎや焦点の合わなさが臨場感を増す。
ほんと、アニメーションも進化してるのな。

ストーリーは一応あるんだけど、なんだかとりとめがない感じ。
“道徳を知らず、血を好む”と言われる暴力的なクロだが、そんな邪悪なイメージよりも、「シロと町を守りたい」という一途な気持ちばかりが迫ってくる。
お話はクロを中心に回っているといえるが、見終えたあとには、これはシロの物語だったという印象が強い。
いかにも子供らしいイノセンスと天衣無縫さがカワイイ〜!
一人じゃ何もできないようなシロ、だけどクロの存在を支えているのは、底知れない力強さを秘めたシロなんだ。
クロとシロは「心のネジが足りない、神様が失敗したから」。
でも「クロの持っていないネジ、シロが全部持ってる」。
血縁でも恋愛でも損得でもないふたりの心のつながり、このうえなく感動的です。
多分、すべての人間は、どこか“ネジが足りない”のだと思う。
その人がいるからこそ自分にも存在価値が感じられる、ソウルメイトに出会えた人生は、それだけで幸いだ。

ふたりの宝町への思いは、愛と憎しみが混ざり合ったアンビバレントな感じ。
“大人を毛嫌いしている”というクロだけど、町も自分たちも変わっていかざるを得ない。
そんなふたりの未来が、海辺でのイメージのように、自分らしく豊かなものであるといいなぁと祈るような気持ちだ。
それは、私自身そうありたいなぁと思う気持ちと同じ。

松本大洋のマンガはほとんど読んだことないけど、原作、買ってみようかな〜。

鉄コン筋クリート
(2006年 日本)
監督/マイケル・アリアス
原作/松本大洋
声/二宮和也(クロ/イタチ)
  蒼井優(シロ)
  伊勢谷友介(木村)
  田中泯(鈴木)
  本木雅弘(蛇)
  宮藤官九郎(沢田)
  西村知道(藤村)
  納谷六朗(じっちゃ)
  大森南朋(チョコラ)
  岡田義徳(バニラ)
公式サイト

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» マイケル・アリアス「鉄コン筋クリート」 [Mani_Mani]
鉄コン筋クリートHP 2006日本 監督:マイケル・アリアス アニメーション制作:STUDIO4℃ 動画監督:梶谷睦子 演出:安藤裕章 原作:松本大洋 脚本:アンソニー・ワイントラーブ 声の出演:二宮和也(クロ)蒼井優(シロ)田中泯(ネズミ)本木雅弘(蛇) 原作を読んでいるので、インパクトは薄かったが、ほぼ原作の持つ味わいは出せていた。 ただ、どうしてもアニメ一般上映の足枷か、暴力の「重み」はだいぶそぎ落とされて... [続きを読む]

受信: 2007/01/25 10:04

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