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戦場のアリア

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

第1次大戦下の1914年。フランスの小村で、フランス・スコットランド軍とドイツ軍がにらみ合っていた。クリスマスイブの夜、オペラ歌手のアナは夫シュプリンクに会う目的で、ドイツ軍を慰問コンサートに訪れる。スコットランド軍の陣地からはバグパイプの音が聞こえ、シュプリンクによるクリスマスキャロルが響き渡った。3国の軍は武器を置いて歩み寄り、ひとときの休戦を分かち合う。

思ったこと

冒頭で、フランスの子供、イギリスの子供、ドイツの子供が、それぞれ自分たちの美しい国を残虐非道な敵から守れ!と暗誦する。
小さいうちからこのように刷り込まれれば、もう理屈ではなく感覚になってしまうのだろうという空恐ろしさを感じさせる。

3カ国の共同製作のためか総花的な作りで、悪とされる国がない。
それぞれの前線基地の様子がくるくると入れ替わるので、最初のうちはどれがどの国なのか分かりづらかった。
「スコットランド小隊は黒い帽子が目印だ!」
うう〜ん、それだけのヒントでは無理〜。

お絵描きが趣味で、あからさまにおうちに帰りたがっていて、敵にお財布を拾ってもらうオードベール中尉に率いられてるフランス軍。
そして、懐に目覚まし時計を入れている部下、猫を抱いている部下、皆気が進まないな〜という感じで突撃に臨んでいる・・・。
この小隊って、あっという間に負けそうだな・・・言っちゃ悪いけど。

前半の戦争のシーンがあっさりというか、あまり深みなく過ぎていったため、あっという間にクライマックスのクリスマスイブになったという印象。
悲惨さや苦悩の描かれ方が表面的だったからかな・・・クリスマスの休戦が奇跡というほどの対比を成さず、あまり感動を引き起こさない。
いい素材なのに・・・惜しいな〜。
アナは本当に歌っているように見えないし(実際口パクなんだが)。
・・・と言いつつ、しっかり涙ぐんでしまった。
戦場と音楽の組み合わせって、それだけで胸をゆさぶるものがあるわ〜。

しかし、いくら実話を基にしていると言っても、どこまでホントなのか。
だって皆、人がよすぎない?
出し抜こうとする奴とか、私憤にかられる奴とか、神経がイッちゃってる奴とか、もっといてもおかしくないと思うんだけど・・・。
ついさっきまで殺し合っていたのに。
第1次大戦の頃はまだ牧歌的だったのかなぁと一瞬考えたけど、中世だって古代だって、戦争の最中は凄惨だったはず。
たまたま、ゆるい隊長と呑気な兵士たちが揃っていたのか・・・。
同じ物を分け合って食べ、一緒に歌い、家族の話を聞いてしまったら、もう殺し合いなんてできないよね・・・。
っていうか、なんで戦争してたんだっけ?という空気に。
この人らそれぞれ、後で上の人たちに怒られちゃうんだけど。

私だったらこんなに信じられないと思う。
現代のコンピュータ制御の戦争では、このような人情が入る余地はまったくなさそうだけど。
と言いつつも、考え直してみたりもする。
敵を出し抜いてちょっぴり長生きするより、人間性を信じて死ぬほうがいい・・・呑気に見えた兵隊たちは、もしかしたらそこまで覚悟できている人だったのかもしれない。

戦場のアリア
Joyeux Noel/Merry Christmas

(2005年 フランス/ドイツ/イギリス)
監督/クリスチャン・カリオン
出演/ギヨーム・カネ(オードベール中尉)
   ダニエル・ブリュール(ホルストマイヤー中尉)
   ベンノ・フユルマン(シュプリンク)
   ダイアン・クルーガー(アナ)
   ゲイリー・ルイス(パーマー司祭)
声/ナタリー・デッセー(アナの歌声)
  ロランド・ヴィラゾン(シュプリンクの歌声)
公式サイト

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