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ココシリ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

中国奥地、海抜4700メートルの秘境ココシリ。この地に棲むチベットカモシカは、上質の毛皮が取れることから乱獲され、数年で激減した。密猟者からカモシカを守るため、リータイを隊長に山岳パトロール隊が結成された。そこへ、ジャーナリストのガイが、パトロール隊員殺害事件の取材をしに北京から訪れる。

思ったこと

秘境の山々の絶景が見た〜い!という軽い感じのノリで観に行った『ココシリ』。
リータイ、かっこいい〜♡
うおお、リータイの娘、かわいらしいにもほどがある♡
などという感じで、始まってからしばらくは楽しんでいたのが、後々、こんなに重苦しい気持ちをかかえることになろうとは・・・。
冷徹なまでに厳しい大自然、のっぴきならない状況に追い込まれる人間たちのドラマに、全身が巻き込まれてしまった。
事実を基にした映画ではあるが、スクリーン上で目にしている映像は、本当に起こっていることをそのまま写し取っているのだと、ほとんど信じてしまいながら観ていた。

リータイたちは、お金に事欠きながらも、命をかけて、民間の山岳パトロールを結成している。
その姿は壮絶だ。
しかし、密漁者たちのボスがリータイに問う。
「カモシカのほうが人間よりも大事なのか?」
私も同じことを訊きたい。
カモシカを守る気持ちが分からないと言っているんじゃない。
私財をなげうって、命をかけ、不本意な毛皮の売買にも手を染めながら、どうしてそこまで密猟者との闘いに執念を燃やすことができるのか。
その信念について、もうちょっと語って欲しかったと思う・・・。
山岳パトロールの皆の団結力は素晴らしいし、リータイは付いて行きたくなるようなリーダーだが、でも、燃料も食料も尽きるのが分かってて、さらに山奥へ密猟者を追っていく・・・ついて来れない者は置いていく・・・その覚悟って、いったい何に拠っているのだろう?
やむをえず売っているという毛皮は、本当に最低限だけなのかね?
無償でカモシカを守るパトロール員たちの高潔さを疑いたいわけではないが、その心の拠り所を示してもらえなかったことで、なんだかもやもやした感じが残った。

Kekexili001

それにしても、流砂、恐ぇぇ〜!!
あんな何気ない場所で・・・。
もがいてももがいても、ゆっくり確実に、はっきりと最期を意識しながら砂に飲まれていく。
残してきた女のこと、英雄として死ねなかった悲哀・・・。
衝撃だらけの映画だが、このシーン、最強。

しかし思うに、密猟はもちろん良くないのだけど、毛皮を高額で買う外国人ていうのが、諸悪の根源だ!
リータイが「マスコミが何をしてくれるというんだ」と言うシーンがあったが、現実に、この状況がジャーナリスト(ガイ)の手で知らされたために、政府も動いたのだという。
また、私も、映画という媒体で山岳パトロールと一体になる気持ちを味わったおかげで、より身に迫って考える機会を持てた。
やっぱり“知る”というのは大事なことだ・・・。

ところで、パトロール隊員の仲間たちが再会したり別れたりする際に、がっちりと抱き合うのが印象に残った。
大人同士が抱き合うのって欧米の習慣なのかと思っていたら、アジアでもあるのね・・・。
身体の触れ合いを避ける日本人って、もしかして少数派なのかな?

ココシリ
可可西里/Kekexili: Mountain Patrol

(2004年 中国)
監督・脚本/ルー・チューアン
出演/デュオ・ブジエ(リータイ)
   チャン・レイ(ガイ)
   キィ・リャン(リウ)
   チャオ・シュエジェン(ロンシエ)
公式サイト

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原題:可可西里/Kekexili:Mountain patrol 富士山をもはるかに越える中国最後の秘境チベット・ココシリ、雄大な自然とこの地を生息地とするチベットカモシカを守る山岳隊の実話の物語・・。 1980年代100万頭いたというチベットカモシカは、その貴重な毛皮により1... [続きを読む]

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2004年 中国 2006年6月公開 評価:★★★★★ 原題:可可西里 監督、 [続きを読む]

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