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アメリカ、家族のいる風景

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

ベテラン西部劇スターであるハワードは、突然何もかもがイヤになり撮影現場から逃げ出した。30年ぶりに母親に会いに行き、過去、自分の子供をみごもったという女性から電話があったと聞かされる。ハワードはモンタナ州ビュートへ向かい、当時関係をもったドリーンを訪ねる。

思ったこと

穴の底から青空が見えている・・・と思ったら、屹立する巨大な岩。
雄大な風景のなか、猛然と走り去るカウボーイ姿の男。
普段、アメリカにはあまり興味ないなどとうそぶいている私だが、こういう映像を見せられると、アメリカ行ってみたい〜!とワクワクしてくる。

America01ハワードは、西部劇のスターとして過ごした年月の間、酒やドラッグにおぼれ、女関係も乱れ、逮捕歴もある“無法者”。
禁酒しようとしているふしもあるが、結局飲んじゃうし、夜の町で騒ぎを起こし、目覚めたらベッドに女が何人もいて、同じことの繰り返し。
人生を見失って、たぶん死んでもいいと考えている・・・そんな彼が見つけたのが“家族”だった。
30年も、実の母と音信不通だったり、子供の存在を知らなかったり、気付くの遅いよ!
だけど、きっと今まではそんなの自分には必要ないと考えていたんだろうし、この境地に至るまでにそれだけの年月が必要だったのだろう。
自分自身がいい年齢になってつくづく実感するんだけど、外見は大人になっても、中身はなかなか変わらないものだよなあ。
ハワードは死ぬ前に気付いたんだから、遅過ぎたということはないんだ。

一人で息子を育てたドリーンは、大人のいい女。
早朝、フィットネスに励む人たちの前で、ハワード相手にキレるシーンは見ものです。
ハワード、おまえは反省しろぉ! もうちょっと大人になれー!

突然父親と名乗る男が現れて動揺するアール。
「オレと奴は似ていないだろ!?」と母親をなじった直後に、アパートの窓からソファーから何からすべて投げ出して荒れくるう様子、うん、あんた確かにあの男の血を引いているね・・・。
母の遺骨を大事そうに抱えてビュートを訪れるスカイ。
娘に語りかけられながら故郷に戻っていく・・・死んだあと、こんなふうに扱われたいと思ってしまった。
最初バカっぽく見えたアンバーはカワイイ女。
「Where is Howard? Who is Howard? Where did he go?」
3人が声を合わせて歌うラストはさわやかだ。

ハワード役のサム・シェパードは、どうしようもないけどにくめない男を、味わい深く好演。
ヴィム・ヴェンダース監督と脚本を共同執筆だそうで。
過去にこのふたりが組んで“完璧な作品”と称している『パリ、テキサス』も観てみようかなあ。

アメリカ、家族のいる風景
Don't Come Knocking

(2005年 ドイツ/アメリカ)
監督/ヴィム・ヴェンダース
出演/サム・シェパード(ハワード)
   ジェシカ・ラング(ドリーン)
   サラ・ポーリー(スカイ)
   ティム・ロス(サター)
   エヴァ・マリー・セイント(ハワードの母)
   ガブリエル・マン(アール)
   フェアルーザ・バーク(アンバー)
公式サイト

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