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ふたりのベロニカ

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

ポーランドのワルシャワに住むベロニカと、パリ郊外に住むベロニーク。同じ時に生まれ、同じ名前、同じ容姿、同じように音楽の才能をもつふたりだが、まったくの他人で、お互いの存在を知らない。ポーランドのベロニカは、ある日突然、心臓疾患で倒れて死んでしまう。パリのベロニークは、なぜだか分からないまま、その痛みを感じて涙を流す・・・。

思ったこと

Veronique01歩きながら夢をみているような、昔の記憶をたどっているような感覚。
オレンジがかった映像がきれい。
こんな世界に住んでいたことがあるかのような気持ちになる・・・。

主演のイレーヌ・ジャコブは、頭のてっぺんからつま先まで美しい。
特に、顔をかしげたときの鼻から口にかけてのライン、すんなりとやさしい曲線を描く背中。
気品とちゃめっけをあわせもっている、宝石みたいな女性。
かわいいな〜・・・。
歌声がまた、この世のものならぬ感じなんだ。
コンサートで、ベロニカがソロで歌うシーンでは、その迫力にゾクゾクした。
こんなに清らかで美しい存在は、早々と天に召されるしかないのかしら・・・。

撮影方法もいろいろと凝っていて、夢みている気分をかきたてる。
クラクフの広場で、デモ隊と機動隊がこぜりあいしている中、ポーランドのベロニカは、観光旅行に来ているパリのベロニークを偶然見かけ、魂を吸い寄せられるかのように見つめる。
ベロニカを中心に、広場がぐるぐると回る・・・このシーンが特に印象的だ。(流し撮りっていうのかな?)

でもこれって、見方を変えたら、ドッペルゲンガー?
確かドッペルゲンガーを見た人は死んじゃうんだよね。
ベロニカの死はそのせいなのか・・・。
霊的な存在であるドッペルゲンガーだと思っていたものが実体で、確かな実在だと思っていた自分のほうが霊的な存在だった・・・というふうにも解釈できる。

この世のどこかに、私とそっくり同じ人間が、同じように生きているんじゃないかという妄想を助長する映画でした。
私が失敗してしまったことも、その人ならうまくやっているかもしれない・・・誰にも言えないこの哀しみを、その人なら感じてくれるかもしれない・・・そう考えると、ちょっと救われるような気持ちになるのです。

ふたりのベロニカ
Le Double Vie de Veronique/The Double Life of Veronique

(1991年 フランス/ポーランド)
監督/クシシュトフ・キェシロフスキ
音楽/ズビグニェフ・プレイスネル
出演/イレーヌ・ジャコブ(ベロニカ)
   フィリップ・ヴォルテール(アレクサンドル)
公式サイト

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