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歓びを歌にのせて

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

オーケストラ指揮者ダニエル・ダレウスは、人気絶頂のさなか、心臓を悪くして倒れた。仕事をやめたダニエルは、7歳まで住んでいた小さな村で、独り暮らしを始める。ひょんなことから村の聖歌隊の指導を引き受けることになり、さまざまなトラブルが起こりながらも、皆の声をひとつにまとめ上げていく。

思ったこと

仕事に打ち込んで心身に無理をかけ、完璧を求めるあまりキーッとなってしまう。
倒れて、8年先まで埋まっていたスケジュール表が真っ白になり、自分のことを誰も知らない田舎の村に引きこもる。
一生懸命頑張ってきたけど、子供の頃に描いていた“音楽で人の心を開く”という夢は、実現できていなかった・・・。
なんだか人ごとではないような気がしてしまった・・・都会で仕事中心の生活をしている人には、身につまされるところがあるのではないかしら。
ダニエルは、寒村の閉鎖された小学校に引っ越してきて、シャツと裸足で外に出て、全身に舞い降る雪を受ける。
まったく違う世界で目を開き“生まれ変わる”、新しい生活の幕開けだ。

週に一回、村の老若男女が集まってワイワイと歌の練習をする聖歌隊は、利害のからまない趣味の集まりという感じで、私もちょっと参加したくなりました。
けっこう意見がぶつかり合ったり、ケンカしたりもして、気苦労もありそうだけど。
素人の集まりでしかなかった聖歌隊が、だんだんといいハーモニーを作っていく様はちょっとしたカタルシス。
ダニエルはちょっと好かれすぎだな〜、うまくいきすぎだな〜とは思うが。

あ〜こういう人いそう・・・と思わせるような人物がたくさん出てくる。
感じよさそうだけど実は高圧的な牧師、口うるさくてひがみっぽいハイミスのシヴ、人がいいけど無神経なところのあるアーンなどなど。
でも、スウェーデンって、フリーセックスの国なんではなかったっけ?
都会と田舎ではまた違うのかな?
けっこう堅苦しいことを言う人たちが多いのが意外。
変な邪推をする人は、自分たちが変な方向に想像力を働かせているというのが、見てて恥ずかしいね。

かわいいレナ。
ニコニコと分けへだてなく愛をふりまく、こんな人のところには、周りからの愛も集まってくるんだろうな〜。
湖畔でのムチッと健康的で現実感のあるヌード!
登場シーンで隠れるように泣いていた彼女の、涙の理由はかなり後で明かされるのだが、なにも脳天気でニコニコしていたわけじゃなかったのだね・・・。
心の中に痛みを抱えながらも、ニコニコしていられる・・・私もそういう人になりたいです。

ガブリエラ役のヘレン・ヒョホルムは、歌手としてのキャリアも長いらしい。
確かに、皆で発声練習している最初から、ちょっと目立っていた。
夫から暴力を受けてぼろぼろになったガブリエラが、とまどいながらも発表会で「私は私のために生きる」とソロを歌ったときは、自然に涙が込み上げてきたよ。

あと印象に残ったのが、牧師の妻のインゲ。
20年間、教条主義的な夫の良き妻を演じてきたにしては、なかなかはっちゃけたお方。
決して美人ではないのだが、人間的な魅力をすごく感じさせます。
夫と気持ちをぶつけ合ってベッドインした後、これで今日から何かが変わると思ったのに、結局夫は妻の気持ちを理解していないし変われない・・・そういうのって、なんだかリアル。

ハッピーエンドとは言えないかもしれないが、生きる希望というものを感じさせるラストだった。
レナ、元気を出せよ〜!

歓びを歌にのせて
Sa som i himmelen/As It Is in Heaven

(2004年 スウェーデン)
監督/ケイ・ポラック
出演/ミカエル・ニュクビスト(ダニエル・ダレウス)
   フリーダ・ハルグレン(レナ)
   ヘレン・ヒョホルム(ガブリエラ)
   レナート・ヤーケル(アーン)
公式サイト

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