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単騎、千里を走る。

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

漁師の高田は、長年仲違いしている息子の健一が入院したと聞いて東京の病院を訪ねたが、健一は会うことを拒んだ。健一の妻、理恵に渡されたビデオテープを見て、民俗学者である健一が舞踊家の李加民と約束を交わした「単騎、千里を走る」という仮面劇を撮影するために、高田は単身中国へと渡る。

思ったこと

最初あらすじを知ったときは、このストーリーでどうやって2時間弱も持たすんだろう、そして何がそんなに感動的なんだろう・・・と不思議に思った。
お涙ちょうだいは好きじゃないので、息子が死んだくらいじゃー泣かないよ!と斜に構えていた。
しかし・・・さすがチャン・イーモウ! さすが高倉健!
「お父さ〜ん!」と、泣きながら叫びたいような気持ちにかられました。
(実際の自分の父は、高倉健にも李加民にもまったく似てないけど。)

本当言うと、息子の代わりに中国でビデオを撮ってこようとする高田の行動には、賛成できなかった。
そういうことではないんでないかな〜、その前にすることがあるんでないかな〜と思った。
しかし、自分の思いをうまく表現できず、正面から息子に歩み寄ることができないのが、不器用な高田という人間なのだろう。
過去に何があり、父子を隔ててしまったのかは、具体的には説明されなかったが、それぞれの不器用さと頑なさですれ違ってしまったんだろうなぁと容易に想像させられる。
モノローグ以外で高田が喋るセリフはあまり多くないのだけど、“背中で語る”というのを、ここまで実感したのは、初めてのような気がする。
高倉健、これで74歳・・・素晴らしいですね。
健さんが、隠すように涙を流しているのを見たら、もうホント、たまらなかった。

『あの子を探して』のときと同様、ほとんどの出演者は素人とのこと。
楊楊は本当に子供らしくて、愛しくてしょうがなくなる。
ガイドの邱林は、ひょうひょうとした好人物で、旅先で出会うとうれしくなれそう(最初ちょっと胡散くさいと思っちゃったけど。ゴメンネ)。
元来“素人くさい”のは嫌いなんだが、そんな言葉を超えた存在感を見せつけてくれる。

高田が訪れる、中国の麗江は、おとぎ話のように幻想的な美をもつ町。
楊楊との道程では、壮大過ぎる景色が広がる。
村では、携帯電話が使える場所を探して屋根の上へ出るシーン、永遠に続くかと思われるほど長く並べられた食卓のシーンが、強く印象に残った。
中国、やっぱり一度行ったほうが、いいかもしれん・・・。

中国パートに比べると、日本パートは色あせて見える。
寺島しのぶや中井貴一(声だけだが)の、きっちりとした演技が、なんだか興醒め。

単騎、千里を走る。
千里走単騎/Riding Alone for Thousands of Miles

(2005年 中国/日本)
監督/チャン・イーモウ
   降旗康男(日本編)
出演/高倉健(高田 剛一)
   リー・ジャーミン(李加民)
   ジャン・ウェン(蒋雰)
   チュー・リン(邱林)
   ヤン・ジェンボー(楊楊)
   寺島しのぶ(理恵)
   中井貴一(健一)
公式サイト

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