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愛より強い旅

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

パリに住む青年ザノは、恋人ナイマをアルジェリアへの旅に誘った。無賃乗車をしたり、アルジェリア移民のレイラやアビブと共に過ごしたり、果樹園でバイトしたり、間違えてモロッコ行きの船に乗ったり・・・どんなときも音楽が一緒だった。そして、ふたりはアルジェリアの地で、自らのルーツを探る。

思ったこと

「宗教は?」
「音楽だ」
この映画は、このひと言に尽きる。

ステージの向こうから、スピーカーの向こうから届く、ただ気持ちよく聴くだけの音楽。
自分が日常的に享受しているそういった音楽とのつきあい方とは違う、まるで生きることと同義のような、音楽の姿を見るようだった。
音楽が止まると、心臓も止まって死んじゃうの・・・。
テクノ、フラメンコやアフリカン・ドラム、スーフィー音楽・・・すべての音が、今ここにある身体、思いと一体となって響く。
監督のトニー・ガトリフ自身も、ジプシーの血を引くアルジェリア出身。
音楽製作も行っている多才な人だ。
この監督の過去の作品、『ガッジョ・ディーロ』『ラッチョ・ドローム』『僕のスウィング』などは、どれも魂に訴えかけてくるような音楽に満ちていて、私がジプシー・ミュージックにハマっていくきっかけのひとつとなった。

ナイマの誕生日にシャンパンをプレゼントする、ザノのパフォーマンスに感激!
うう〜ん、さすがフランス人。
ちょっとした工夫と演出で、ロマンティックなことするね。

果樹園でプラム摘みのバイトをするふたり、さっきまでケンカしてちょっと気まずかったのに、ナイマが挑発するようにプラムを口に含む。
なんなんですか、そのエロい食べ方・・・。
それに答えるザノの、葉っぱ食べ。
うう〜ん、さすがフランス人。
愛し合うより大事なことなんて、ないんですよね、そうですよね。

感じるままに、やりたいように、開放されて生きているように見えたふたりのことを、単純に「いいな〜」と思いながら観ていたのだけど、実は心に重いものを背負っていたことがだんだん分かる。
「違和感がある」「どこへ行っても同じ」
というナイマのセリフに、迷いながら何かを探して生きているのは彼女も私も同じなのかも・・・と、ハッとした。
果てしなく続くドラムのリズムでトランス状態となり、今までとは違う次元で生まれ直す・・・。

ところで、どうでもいいけど、気になった点。
ふたりはたまに服を着替えるけど、荷物はすごく少なく見える。
フラメンコの店では、きれいな服着てたし。
しばらく着て、公園で洗って、汚れたら捨てて、新しい服を買ってるのかな〜?
あまりお金ないはずだけど・・・。
リアルな“旅”を感じたからこそ、リアルな細かいところが気になるのだった。

愛より強い旅
Exils/Exilles

(2004年 フランス)
監督・脚本/トニー・ガトリフ
出演/ロマン・デュリス(ザノ)
   ルブナ・アザバル(ナイマ)
   レイラ・マクルフ(レイラ)
   アビブ・シェック(アビブ)

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