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プラハ!

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こんな話

1968年初夏、ドイツ国境に近いチェコスロヴァキアの小さな町。高校卒業試験を控えたテレザ、ブギナ、ユルチャの女の子3人組は、恋に興味しんしんだが、同級生の男の子たちはダサくてお話にならない。そこへ軍隊を脱走して逃亡中のシモン、ボプ、エマンが現れ、すっかり夢中になってしまう。

思ったこと

Praha01_1ミュージカル大好き!という気持ちが、久しぶりに身体の芯から沸き上がり、なんだかじっとしていられないような気分に。
心に何かの思いが芽生えたとき、思わず口に出して歌ってしまい、そしたら周りの景色が変わって皆が踊り出す・・・ああ〜、私、こんな世界に生まれたかった〜。
でも、ありえない、夢の世界・・・。
だって、他人が主人公で、自分はその気持ちに合わせてバックで踊らなきゃならないって考えたら、あんまりやりたいもんじゃないしね。
登場人物たちが歌い出すと、がらりと画面が転換して、TVのバラエティ番組のセットみたいな世界に入る。
これって、その人の妄想世界の中ってことかな〜。
時計をモチーフにしたダンスで、秒針役の人が床を這っているのにウケた。
あとオネエっぽいしぐさの靴屋のお兄さんね。
音楽は1960年代に欧米で流行った曲のチェコ語アレンジだったり、チェコでのヒット曲だったり。
あまりに楽しかったので、サントラCDも買っちゃった。

出てくる女の子、皆が皆、すらりとしなやかな肢体で、顔もお人形みたい。
すごく細いのに、健康的でムキュップリッとしてる。
私はチェコに行ったことがあるのだが、本当にこんな感じの人たちがそこかしこを歩いているんだよ〜。
美人で細くて手足が長いのは、トーゼンの世界なの。
そんな彼女らがカラフルな服(それもミニスカートばっか)をとっかえひっかえするので、ストーリーについていきながらファッションチェックをするのに、大変忙しかったです。

テレザ、ユルチャ、ブギナの高校卒業を控えた女の子3人組は、ひと夏の体験に意欲を燃やすが、同級生の男の子には目もくれない。
大人っぽい顔してるけど、けっこう純なのよね、この子たち。
同級生オルダ(共産党幹部の父をもちエラソー)は、いかにもなモテナイ君な言動で可笑しい。
テレザが、運命の相手(?)シモンと出会ったとき、甘い音楽が流れ、スポットライトがふたりだけを浮かび上がらせる。
とてつもなく古典的な“ひと目で恋に落ちた”表現。
このレトロ感がたまりませんなー!
しかし正直言って、ふらりと現れた脱走兵3人組とさえない同級生3人組とで、そんなに差別するほどの違いがよく分からなかった。
私に言わせれば、飛び抜けて素敵だったのは、テレザのパパ!
渋いけれど、ユーモアがあり、ちょっぴりとぼけた雰囲気で魅せてくれます。
早朝の沼で釣りをしている様子は、リアル・スナフキンって感じ。

1968年というのは、チェコ(当時チェコスロヴァキア)の歴史上、重要な年である。
“人間の顔をした社会主義”を標榜し、つかの間の自由を謳歌した“プラハの春”だが、8月にワルシャワ条約機構軍の軍事介入であえなく終焉を迎えた。
テレザのパパが釣りに行った帰り道、朝もや漂うのどかな風景の中、木々の間からいきなり戦車が顔を出す。
それまでがとても牧歌的で楽しい雰囲気に満ちていたので、見慣れた風景に戦車という異物が出現する恐ろしさが際立つ。
前半の脳天気さからは、こんな苦いラストを予想できなかったよ・・・。
今このとき、テレザが実在するとしたら、55歳。
その後どういう人生を送ることになったのか、いろいろ想像してしまう。

ところで、チェコ語って、なんだか響きがカワイイ。
「ヨー」「〜〜スコ」「〜〜ツコ」とか。
今回覚えたチェコ語は「ポチュケ〜(待って〜)」。

見終わってから「アレ?」と思ったこと。
タイトルがプラハなのに、内容は全然プラハじゃない!
田舎の町が舞台で、2回くらい「→Praha」という道標が出てきただけ。
まーこういう邦題を付けた気持ちはわからないでもないが・・・。
ロゴかわいいしね。
ちなみに原題の“Rebelove”とは、“反逆者の愛”といった感じの意味かな?

プラハ!
Rebelove/Rebels

(2001年 チェコ)
監督/フィリプ・レンチ
出演/ズザナ・ノリソヴァー(テレザ)
   アルジュヴェタ・スタンコヴァー(ブギナ)
   アンナ・ヴェセラー(ユルチャ)
   ヤン・レーヴァイ(シモン)
   ヤロミール・ノセク(ボプ)
   ルボシュ・コステルニー(エマン)
   マルタン・クバチャーク(オルダ)
   トマシュ・ハナーク(テレザのパパ)
公式サイト

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コメント

ホント、チェコってスタイルのいい女性が多いですよね。
特に南へ行くと。
日本に戻るとしばらく、何となく違和感が。
女性を見たときに、おかしな感覚に陥ります……。

ところで「プラハ」って、
プラハが舞台の映画じゃなかったんですね……
プラハの女の子たちの恋愛物語だと思ってました。
面白そうだし、見にいってみよっかな~。

投稿: しょうたろ | 2006/05/26 11:54

しょたろくん、こんにちは!
見てくれてたのね~。

> 日本に戻るとしばらく、何となく違和感が。
うーん、まあ、分かる気がする。
でも男性だって、おんなじよ!
しばらくヨーロッパにいた後、成田行きフライトのゲートに入ると、目線の低さに「これから小さい人たちの国に行く・・・」って気分になるし。

しばらく渋谷でレイトショーやってるみたいだから、ゼヒゼヒ!
けっこう人気あるようで、行列できてたよ。

投稿: チヒルカ | 2006/05/27 17:40

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