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ヴェニスの商人

お気に入り度 ★★★☆☆

こんな話

16世紀のヴェニスでは、ユダヤ人はゲットーに隔離され迫害されていた。貿易商人アントーニオは、若き親友バッサーニオが美しき女相続人ポーシャに求婚するための資金を、自らが保証人となってユダヤ人シャイロックから借りる。「期限内に返せない場合は、アントーニオの肉1ポンドを引き替えとする」という条件は、アントーニオの船がすべて難破したために、実行されることになったが・・・。

思ったこと

個人的な思い出になるが、私が始めて『ヴェニスの商人』を知ったのは、小学校低学年のときの学芸会で、6年生のお兄さんお姉さんたちによるお芝居だった。
なんておもしろいんだ!!と感動し、これが後の演劇好きの端緒となった気がする。

とにかく、お話としておもしろい。
でも、映画自体は淡々と進んで、なんだかあまり感情的な揺れ動きを感じなかった。
もう少し盛り上げてほしかったな・・・。
窮地に陥ったアントーニオを、颯爽と現れた男装のポーシャが助け、やったー!と爽快な気分になれるかと思いきや、観終わった後に残る気持ちは、ただただユダヤ人の悲哀。
哀れ・・・哀れなり、シャイロック・・・。

不思議なのだけれど、“金貸しはキリスト教に反する”“高い利子を取るなんて”と怒って蔑むくらいなら、お金を借りなきゃいいんだと思うのよね・・・。
そんなに言うなら、困っている人はキリスト教の仲間が無利子で助けてあげればいいのではないの・・・。
別にユダヤ人金貸しも、無理矢理貸し付けているわけではなかろうに。
“強欲で血も涙もない”の代名詞になっているかのようなシャイロックだが、とにかく痛めつけられているので、ヒネてしまうのも無理なかろう・・・と同情してしまった。
こうもシャイロックに肩入れさせるのって、アル・パチーノの力量か。
それとも演出の意図かな?

「肉1ポンドを切り取る」シーン。
胸を剥き出しにイスに縛られたアントーニオが、恐怖に顔をひきつらせ、肌には汗が浮かぶ。
シャイロックがナイフを手に近づく。
実際に目にすると、ぞくぞくと緊張感が高まる。
次にどうなるか知っているにもかかわらず、恐ろしかった・・・。
でも、このオチって、なんか“一休さん”ぽいよね。

ゴンドラが運河を行き交い、人々は優雅なローブやドレスを身にまとい、仮面をかぶった男女が視線を交わす、16世紀ヴェニスの情景はなんとも魅力的。
イタリア旅行したいなー!という気持ちが募ったけれど、いくら観光旅行しても、実際にこういう雰囲気に身をひたせるわけではないんだよね。
今や、どこへ行っても観光客の姿があるのだろうし(自分も含めて)。
だから私は世界各国の映画を観て、そこに入り込んでいる気分を味わうのだ・・・と再確認した。

ヴェニスの商人
The Merchant of Venice

(2004年 アメリカ/イタリア/イギリス/ルクセンブルク)
監督/マイケル・ラドフォード
原作/ウィリアム・シェイクスピア
出演/アル・パチーノ(シャイロック)
   ジェレミー・アイアンズ(アントーニオ)
   ジョセフ・ファインズ(バッサーニオ)
   リン・コリンズ(ポーシャ)
   クリス・マーシャル(グラシアーノ)
   ヘザー・ゴールデンハーシュ(ネリッサ)
   ズレイカ・ロビンソン(ジェシカ)
   チャーリー・コックス(ロレンゾー)
公式サイト

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