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空中庭園

お気に入り度 ★★★★☆

こんな話

「隠しごとをしない」というルールで暮らす京橋家。明るいママ絵里子、ちょっと軽いけどやさしいパパ、素直な子供たちマナとコウ。シミひとつない仲良し家族だと思ってきたが、絵里子の母さと子、コウの家庭教師としてやってきたミーナらを交え、少しずつほころびが見え始める。

思ったこと

これは・・・心にずしりときてしまいました。
絵里子の姿が、自分がこれからこうなってしまうかも(もしかしてもう既になっているのかも)しれない姿に重なって思えて・・・。

つらかった高校時代までを封印し、理想の家庭を築こうと、笑顔で努力を続ける絵里子。
なりたい自分の姿、欲しくてしょうがなかった愛あふれる家族を思い描き、作り上げるため懸命に努力してきたのに、その下でこんなに歪んでしまったものがあるなんて・・・。
じゃあ、いったいどうすればいいというのだろう?
理想を求めて努力する、それ以外にいったいどんな方法があったというの?
「自然体で心を開けばいいんだよ」などと言う人もいるかもしれないけれど、ありのままの自分ではうまくいくわけないと感じてしまう人間には、そらぞらしくしか響かないのだ。
あの“私を否定する究極の言葉”が頭の中にこだまする。
斜めに逆さにゆらゆら動く映像が、不安感を増幅して、酔ってしまいそう。

一度爆発してしまったからといって、何もかもがダメになってしまうわけじゃない。
その気さえあれば、もう一度作り直せる。
絵里子と母との関係だって、これまで何度も悩んで、ぶつかって、解決しなくて、それでも今になって初めて分かったことがある。
あきらめずに進み続ける、それが生きていくっていうことなのかな・・・。

やり直せる。
繰り返せる。
何度でも。

小泉今日子の女優っぷりには、感じ入りました!
張り付いた笑顔の下に、何かをおし隠しているような、あやうい感じ。
ぎりぎりのところで薄い皮膜の内に自分を保っている、いたいたしさ。
微妙な表情で、キリキリと伝わってきます。
大楠道代との母娘バトル誕生日パーティは凄まじかった。
「お母さん、私が生み直してあげるから・・・もう、死んで」

ところで、ロケ地一覧に「ホテル野猿」が出ていてビックリ。
実在するんだ!?
映画のとおりのサイケな内装や手作り風ドアプレートなのかな!?
行ってみたいカモ・・・。

空中庭園
(2005年 日本)
監督・脚本/豊田利晃
原作/角田光代
出演/小泉今日子(京橋絵里子)
   板尾創路(京橋貴史)
   鈴木杏(京橋マナ)
   広田雅裕(京橋コウ)
   ソニン(ミーナ)
   大楠道代(木ノ崎さと子)
   永作博美(飯塚麻子)
公式サイト

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